有価証券報告書-第182期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 15:26
【資料】
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【項目】
187項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、「信を万事の本と為す」と「時代への適合」を社是に、「健康で豊かな生活づくりに貢献する」を企業理念として、1900年の創業以来、事業を通じて社会貢献を果たし、食の中心企業として成長を継続してまいりました。また、グループ各社は「健康」を常に念頭においた製品やサービスの開発と提供に努め、「信頼」を築き上げるという決意をこめて「健康と信頼をお届けする」をコーポレートスローガンとしております。
これらの基本的な理念のもと、当社グループは長期的な企業価値の極大化を経営の基本方針とし、コア事業と成長事業へ重点的に資源配分を行いつつ、グループ経営を展開しております。
また、企業価値を高める規律としてのガバナンス(G)を強化し、環境(E)・社会(S)への取組みを事業戦略と深く関連させたサステナビリティ経営を推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、株主、顧客、取引先、社員、社会等の各ステークホルダーから積極的に支持され続ける企業グループとして発展を目指してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループは、「事業ポートフォリオの再構築によるグループ成長力の促進」、「ステークホルダーとの関係に対する考え方を明確にした経営推進」、「ESGを経営方針に取り込み、社会の動きに合わせて実行」の3点を基本方針とする5年間(2022年度から2026年度)の中期経営計画「日清製粉グループ 中期経営計画2026」で策定した施策に取り組んでおります。同計画では、2026年度の数値目標として、売上高9,500億円、営業利益570億円、EPS(1株当たり当期純利益)140円を掲げておりましたが、当社グループを取り巻く環境の変化及び中東情勢の状況等に鑑み、業績予想におきましては、売上高は8,700億円、営業利益は460億円、EPSは政策保有株式の縮減等により147円としております。今後もEPS成長を継続することで、株主の皆様に対して、適切なTSR(株主総利回り)の実現を目指してまいります。
なお、「日清製粉グループ 中期経営計画2026」の基準年度(2021年度)からの主要な経営指標の推移は次のとおりです(表示単位未満を四捨五入して表示しております)。
2021年度
(基準年度)
2022年度2023年度2024年度2025年度2026年度
(業績予想)
2026年度
目標(注)1
売上高
(億円)
6,7977,9878,5828,5158,6508,7009,500
営業利益
(億円)
294328478464467460570
EPS59円△35円
(注)2
107円117円113円147円140円

(注)1 中期経営計画「日清製粉グループ 中期経営計画2026」の最終年度の数値目標
2 豪州製粉事業における固定資産の減損損失計上に伴い、親会社株主に帰属する当期純損失となったことによるもの
「日清製粉グループ 中期経営計画2026」の概要(2022年度~2026年度)
<基本方針>① 事業ポートフォリオの再構築によるグループ成長力の促進
120年以上の歴史の中で築いてきた高い技術力と生産性、お客様からの信頼に裏付けされた強固な販売基盤等、当社グループの強みを活かせる事業領域において、今後も事業ポートフォリオの再構築を行い、4つの戦略(事業競争力強化戦略、研究開発戦略、新規事業開発・M&A戦略、デジタル戦略)を柱にグループ全体及び各事業の競争力を強化します。
② ステークホルダーとの関係に対する考え方を明確にした経営推進
当社グループの第一の存在意義は、主要食糧である小麦粉や小麦粉関連製品を含めた「食」の安定供給にあることを認識し、すべてのステークホルダーを大切にし、世の中から信頼される企業を目指します。
③ ESGを経営方針に取り込み、社会の動きに合わせて実行
持株会社である当社をはじめ各事業の経営トップの責務として、企業価値の極大化を追求し、社会の動きに合わせESG課題に主体的に取り組んでまいります。とりわけ世界の持続可能性に関わるE(環境)への対応を経営の最重要事項に位置付けます。
<環境政策>当社グループでは、2050年にグループの自社拠点におけるCO2排出量実質ゼロを目指す長期目標を設定し、その通過点として2030年度までにグループの自社拠点におけるCO2排出量50%削減(2013年度比)を掲げております。目標達成に向けて、ロードマップに基づいて最大限の省エネ設備及び再生可能エネルギー設備の導入を行うとともに、オフサイト(当社グループ以外)の設備への投資や出資等によるエネルギー調達も検討してまいります。また、食品廃棄物、容器包装廃棄物、水使用量の削減への対応についても循環型社会形成に資する中長期目標を設定しており、目標達成に向け計画的に取組みを推進してまいります。
<資本政策>小麦粉をはじめとした主要食糧等の安定供給という社会的責任を十分に勘案し、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを取りながら資本構成を適切にコントロールしてまいります。中期経営計画期間5年間で得られる営業キャッシュ・フロー及び政策保有株式売却等で得られるキャッシュにつきましては、将来に向けた成長投資及びサステナブル投資、維持更新等の通常投資、株主還元等に適切に配分してまいります。また、財務健全性を確保しつつ適切な資本構成の維持・改善を推進するとともに、企業価値向上のため、非効率資産の縮減や事業部門別ROIC管理を通じて資本効率の向上に取り組んでまいります。
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・資本コストを意識し、資本収益性の更なる向上を目指して、事業部門別ROIC管理を推進いたします。
・保有合理性の薄れた政策保有株式は、2024年度から2028年度までの5年間で400億円以上(年平均80億円程度)縮減し、縮減によって得られたキャッシュは成長投資等に活用してまいります。保有現預金は、主要食糧の安定供給という当社グループの社会的責任を勘案しつつ、連結売上高の1ヶ月分程度を目安といたします。
・資本効率及び財務健全性の観点から、積極的な還元施策を推進するとともに、調達余力を活かし有利子負債も活用してまいります(中長期的にネットD/E比率0.3倍を目安)。
・株主還元につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益から非経常的な特殊要因による損益を除外し、連結ベースでの配当性向を現中期経営計画最終年度(2026年度)までに「50%目安」へと引き上げることとしております。また、投資資金が余剰となった場合等は、更なる株主還元を検討してまいりたいと考えております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
国内外の食品業界では、事業活動を取り巻くコスト負担の増加が引き続き見込まれており、今後もインフレ環境が継続するものと想定されます。企業活動のデジタル化やサプライチェーンの高度化を背景に、サイバー攻撃等に起因するシステム障害が、製品の供給や、ひいては事業の継続に影響を及ぼすリスクも高まっております。さらに、国際情勢を背景として世界経済の先行きは依然として不安定な状況にあり、当社グループを取り巻く事業環境についても、今後の見通しは極めて予測困難な状況にあります。また、中長期的には、世界の持続可能性にかかわる地球温暖化や、人権問題等の社会課題への意識の高まり、デジタル技術やフードテック等の技術革新の急速な進展等、事業環境が大きく変化していくことも想定されます。
そのような中、当社グループでは、事業を通じて社会貢献を果たし、食の中心企業として成長を継続するために、小麦粉をはじめとする「食」の安定供給という社会的使命を果たしていくとともに、2026年度は、複合的なインフレ対抗策の実行、事業ポートフォリオの再評価と成長戦略の実行、危機対応力に優れたガバナンス体制の構築を最優先課題として取り組んでまいります。
<2026年度の最優先課題>① 複合的なインフレ対抗策の実行
日本経済におけるインフレや金利上昇といった構造変化は、事業戦略の基本を大きく変化させることが想定され、特に、原材料価格や人件費、物流費等のコスト上昇への対応は事業運営上の重要な課題となります。これらを踏まえ、販売増、コストダウン、ブランド強化・付加価値化、適正な価格改定といった収益拡大の複合的な対抗策を立案し、実行してまいります。その具体的な取組みとして、国内製粉事業では、高食物繊維小麦粉「アミュリア」や国内産小麦使用粉等の高付加価値製品の拡販を進め、加工食品事業では、「マ・マー」、「青の洞窟」をはじめとする製品ブランド力の向上を図ってまいります。また、働き方改革による生産性向上とデジタル化による効率化を図り、中食・惣菜事業、製粉事業、加工食品事業等の自動化・省人化を推進してまいります。
② 事業ポートフォリオの再評価と成長戦略の実行
事業の更なる成長や業績向上のためには、競争上の優位性を適切に評価した上で、事業戦略を継続的に見直していく必要があると認識しております。あわせて、当該評価を踏まえた中長期視点の適切な成長投資を進めるとともに、必要に応じて経営資源の再配分を実行してまいります。当社が成長事業と位置付ける海外事業では、北米製粉事業の持続的成長戦略ならびに豪州製粉事業の構造改革による事業再生を推進し、また、インドイースト事業は業績の改善に向けて更なる販売拡大、製品価格改定、製造コスト低減等の各施策を進めてまいります。
③ 危機対応力に優れたガバナンス体制の構築
事業ポートフォリオの強化に伴い、事業領域や地域の拡大が進むとともに、経理・財務、コンプライアンス、サイバーセキュリティ、品質保証、労務管理等、国内外を問わずリスク対応に求められる能力は年々高度化しております。こうした環境変化を踏まえ、経営資源の適切な再配分を進めるとともに、経営管理体制の複雑性を見直して効率性を高めることにより、ガバナンス体制の最適化に取り組んでまいります。

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