訂正四半期報告書-第95期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

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2016/05/13 12:17
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間における菓子・食品業界は、原材料価格の高騰や企業間競争の激化、食料品の相次ぐ値上げによる消費マインドの足踏み傾向など、厳しい状況が続きました。
このような環境の下、当中村屋グループは「中期経営計画2015-2017」に掲げた中期ビジョン「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」を実現するため、『選択と集中』の視点から、成長マーケットへの積極展開と経営効率の向上を推進しました。
以上のような経過の中、当第2四半期連結売上高は、15,938,667千円 前年同期に対し452,515千円、2.9%の増収となりました。
利益面では、ローコスト施策を積極的に推進した結果、営業損失は1,113,761千円 前年同期に対し152,896千円、経常損失は1,074,795千円 前年同期に対し124,358千円とそれぞれ改善しました。親会社株主に帰属する四半期純損失は775,998千円 前年同期に対し37,686千円の減益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①菓子事業
菓子事業では、新発売や改良発売に積極的に取り組みました。
パックデザート類では、ギフト商品を新・改良発売することで品揃えを強化しました。
贈答菓子類では、ナッツや果実を練り込んだ餡をふんわり食感のダコワーズ生地とサクサクのパイ生地で挟んで焼き上げた「トロワーズぱい」を新発売したほか、主力贈答品の品質改良を行いました。なお、昨今の原材料、包装資材等の値上がりの吸収が困難となり、9月より一部商品の売価改定を実施しました。
土産販路では、「東京ショコラトリー」ブランドとして新たな常設売店を獲得しました。また、羽田空港においては「新宿カリー煎餅」の催事を展開しました。
中華まんじゅう類では、主力商品の改良を行い、商品力の一層の強化を図りました。百貨店・駅ビル販路では、原材料にこだわり、旨み、風味を向上させた「天成肉饅」「天成餡饅」を発売しました。コンビニエンスストア販路では、設備や工程を見直し、より肉の食感を楽しめるよう仕立てた「ジューシー肉まん」などを発売しました。
新宿中村屋ビル内の「スイーツ&デリカBonna(ボンナ)新宿中村屋」では、店内製造の菓子、カリーパンや総菜など、出来立ての商品を中心に提供しました。
また、黒糖菓子専門店「九六一八(くろいちや)」、月餅専門店「円果天(えんかてん)」、和風デザート専門店「ISSUI(イッスイ)」では、新・改良品や季節限定商品を発売し、帰省・手土産の品揃え強化に努めました。
以上のような営業活動を行いましたが、菓子事業全体の売上高は9,763,703千円 前年同期に対し6,549千円、0.1%の減収となり、営業損益は584,101千円の損失 前年同期に対し24,821千円の減益となりました。
②食品事業
業務用食品では、ファミリーレストラン、カフェ、ファストフード、給食などに向けて、調理用ソース、スープのメニュー提案を積極的に実施しました。また、新規取引先獲得に向けて、カレーの導入に取り組みました。
市販食品では、4月にレトルトカレー発売以来初となる価格改定を実施しましたが、大きな影響なく推移しました。また、近年好調の麻婆豆腐用ソースも順調に推移しました。6月には、話題の中華ソース「怪味ソース」を当社ならではの調理技術でアレンジし、発売しました。
以上のような営業活動により、食品事業全体の売上高は3,483,533千円 前年同期に対し6,226千円、0.2%の減収となりましたが、営業利益は199,773千円 前年同期に対し1,819千円の増益となりました。
③飲食事業
「オリーブハウス」「インドカリーの店」では、既存商品の磨き上げや新商品開発に取り組み、グランドメニュー改訂や季節フェアメニューの提案をするとともに、心のこもったサービスを通じて、お客様満足の向上を図りました。また、6月にオリーブハウス「梅田店」を、9月に「新宿髙島屋店」「川越アトレ店」をリニューアルオープンしました。
新宿中村屋ビル地下2階「レストラン&カフェ Manna(マンナ)新宿中村屋」では純印度式カリーを中心とした伝統のメニューを、8階「レストランGranna(グランナ)新宿中村屋」では “中村屋流”多国籍料理を提供しました。
以上のような営業活動により、飲食事業全体の売上高は1,585,832千円 前年同期に対し196,541千円、14.2%の増収となり、営業損益は40,955千円の損失、前年同期に対し36,529千円の改善となりました。
④不動産賃貸事業
不動産賃貸事業では、笹塚NAビルにおいて、快適なオフィスビル空間を提供することで満室稼動を維持しました。また、昨年10月に開業した商業テナントビル「新宿中村屋ビル」では、10フロアのうち7フロアを賃貸事業として運営しました。
以上の結果、売上高は668,858千円 前年同期に対し245,117千円、57.9%の増収となり、営業利益は250,461千円 前年同期に対しては63,396千円の増益となりました。
⑤その他の事業
スポーツ事業では、会員制スポーツクラブ「NAスポーツクラブA-1」において、健康への寄与を追求し、顧客ニーズに応じた多様なメニューの開発・導入を行いました。また、6月には小型フィットネスジム「NAスポーツクラブA-1EXPRESS」を西永福に開店させるなど、積極的な事業展開に取り組みました。
以上の結果、売上高は436,741千円 前年同期に対し23,631千円、5.7%の増収となり、営業利益は35,463千円 前年同期に対しては14,186千円の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ185,760千円増加し、1,690,763千円となりました。
区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,705,767千円の支出(前年同期は1,763,055円の支出)となりました。これは主に、減価償却費の計上524,750千円等があったものの、たな卸資産の増加による支出1,294,665千円、税金等調整前四半期純損失1,102,060千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、78,413千円の支出(前年同期は1,165,476千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入255,059千円等があったものの、有形固定資産の取得による支出315,573千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,972,233千円の収入(前年同期は2,560,718千円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額590,281千円等があったものの、短期借入金の純増額による収入2,600,000千円等があったことによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 会社の支配に関する基本方針の内容
上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家の皆様による自由な取引が認められているものであり、当社の株式に対する大規模な買付行為や買付提案がなされた場合においても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、わが国の資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要する恐れがあるもの、対象会社の取締役会や株主の皆様が買付の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。
② 基本方針の実現に資する取組みの概要
・当社グループは、持続的に成長し、ステークホルダーへ利益の還元を図るため、「中期経営計画2015-2017」を策定し、「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」を中期ビジョンに掲げ、5つの中期経営方針「顧客視点の経営」「強みへの集中」「品質保証の徹底」「生産性の向上」「人材の育成」に基づいた戦略・施策に取り組みます。
・「『選択と集中』の徹底と実行」を基本とし、各事業の強みを活かしたビジネスに経営資源の集中的な配分を行うとともに、不採算ビジネスの整理を進め、その資源を成長可能性の高いビジネスへとシフトさせることで収益力の強化に取り組みます。
・堅調に推移するコンビニエンスストア販路や今後の伸びが期待できる健康食品市場など、成長マーケットに向けて当社の企画開発力・技術力・営業力を最大限に発揮し、スピード感をもって働きかけることで新たな市場や顧客の拡大を図ります。
・AIB国際検査統合基準に基づく食品安全管理システムの強化や事業継続計画(BCP)の実効性の向上など、企業基盤の安定化に努めるとともに「食」に携わる企業として食育活動や食に関する支援などの社会貢献活動に取り組みます。
・「中村屋サロン美術館」から展開する芸術・文化支援活動といった中村屋ならではの活動を推進させることで、企業としての社会的責任を遂行します。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当初平成19年12月25日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(以下
「現プラン」といいます)」を決議し、直近では平成26年6月27日開催の当社第93回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただき継続しております。
その概要は以下のとおりです。
イ.当社株式の大規模買付行為等
現プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。
ロ.大規模買付ルール
大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
ハ.大規模買付行為がなされた場合の対応
大規模買付者が大規模買付ルールを順守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示するなど、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、大規模買付ルールを順守しない場合や、順守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、対抗措置の発動を決定することがあります。
ニ.対抗措置の合理性及び公正性を担保するための制度及び手続き
大規模買付ルールが順守されたか否か、あるいは大規模買付ルールが順守された場合でも、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置を講ずるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、現プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置いたします。
当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討のうえで、当社取締役会に対し対抗措置を発動することができる状態にあるか否かについての勧告を行うものとします。
ホ.現プランの有効期間等
現プランの有効期限は平成29年6月30日までに開催予定の当社第96回定時株主総会終結の時までとします。
ただし、現プランは、①当社株主総会において現プランを廃止する旨の決議が行われた場合、②当社取締役会により現プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
④ 現プランの合理性の概要
会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための施策であり、まさに会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。
また、現プランは、「買収防衛策に関する指針の要件を充足していること」「株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること」「株主意思を反映するものであること」「独立性の高い社外者の判断を重視するものであること」「デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと」等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
現プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.nakamuraya.co.jp/)
に掲載しております。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は188,782千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更及び新たに生じた事項はありません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、創業者相馬愛蔵の優れた商業経営哲学(商業の社会的役割あるいは本質に関する基本的な考え方)を現在に受け継ぎ、新たな歴史を築いて行くために、当社グループの存在価値を、創業以来変わらず続けている「お客様に満足していただける価値ある商品とサービスを創造し提供していくこと」と考えております。
経営の基本といたしましては、経営理念である「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を
実現するために、「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」との中期
ビジョンの下、「実行」「改革」「創造」を従業員一人ひとりが仕事を進める上での行動指針としております。昨
今の当社を取り巻く経営環境、市場環境、消費行動などの大きな環境変化をチャンスととらえ、創造志向で持続的
成長を図るとともに、構造改革を推進し、高効率経営の実現を目指します。
また、環境負荷の低減にも努めるなど社会的責任を遂行し、当社グループをご愛顧頂いているステークホルダーであるお客様、お取引先様、株主様、地域社会からより一層のご評価とご支持を頂ける企業になるべく、日々の仕事を通じて新たな価値を創造し、提供していくための努力を重ねてまいります。