四半期報告書-第110期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)

【提出】
2014/08/01 10:33
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28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間(平成26年4月1日~平成26年6月30日)におけるわが国経済は、政府による経済対策の効果や輸出環境の改善等により、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、消費税増税による影響や海外景気の下振れ懸念など、先行きは依然として不透明な状況となっております。
このような状況の中で、当社グループは、主力品の売上拡大や新製品・系列品の発売、量販店やCVSでの販売対策等を積極的に展開いたしました。
その結果、売上面では、食品部門は前年同期を下回りましたが、菓子部門、冷菓部門、牛乳・乳製品部門、食品原料部門、その他部門が前年同期を上回ったため、当四半期連結売上高は78,853百万円となり、前年同期(78,415百万円)に比べ、0.6%の増収となりました。
利益面につきましては、売上原価率は、販売品種構成の変化によるダウンや、タイの子会社が洪水被害から復旧したこと等により、全体ではダウンしました。販売費及び一般管理費では、量販店店頭での販売対策の実施等により販売促進費等が増加したものの、運送費及び保管費や厚生費等は減少しました。その結果、営業利益は4,607百万円で前年同期(3,813百万円)に比べ793百万円の増益となり、経常利益は4,989百万円で前年同期(4,271百万円)に比べ717百万円の増益となりました。また、東京の工場跡地譲渡に伴う固定資産売却益を特別利益に計上した結果、四半期純利益は11,028百万円となり、前年同期(3,552百万円)に比べ、7,475百万円の増益となりました。なお、畜産加工品事業を行っていたグリコハム(株)の全株式を平成26年1月14日に譲渡したため、当第1四半期連結累計期間に畜産加工品部門はありません。
各セグメント別の売上および営業利益の状況は、以下のとおりであります。
<菓子部門>売上面では、「ポッキーグループ」「プリッツグループ」等が前年同期を上回り、新製品“神戸ローストショコラ”も順調に売上を伸ばしました。また、海外では、中国及びタイの子会社が前年同期を上回りました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は25,137百万円となり、前年同期(22,215百万円)に比べ13.2%の増収となりました。
利益面では、国内での増収や、タイ子会社が洪水被害から全面復旧したこと等により、営業利益は2,252百万円となり、前年同期(970百万円)に比べ、1,281百万円の増益となりました。
<冷菓部門>売上面では、主力品の“ジャイアントコーン”“アイスの実”“牧場しぼり”等が前年同期を上回り、新製品“チョコフォンデュソフト”も順調に売上を伸ばしました。また、卸売販売子会社2社も前年同期を上回りました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は20,851百万円となり、前年同期(18,775百万円)に比べ11.1%の増収となりました。
利益面では、増収による増益等により、営業利益は1,992百万円となり、前年同期(1,688百万円)に比べ、304百万円の増益となりました。
<食品部門>売上面では、“ZEPPIN”等は前年同期を上回りましたが、“2段熟カレー”等は前年同期を下回りました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は4,828百万円となり、前年同期(5,043百万円)に比べ4.3%の減収となりました。
利益面では、減収等はありましたが、販売促進費及び広告宣伝費の削減に努めたことにより、営業損失は△104百万円となり、前年同期(△285百万円)に比べ、181百万円の損失減となりました。
<牛乳・乳製品部門>売上面では“ドロリッチ”等が前年同期を下回りましたが、“朝食BifiXヨーグルト”等が前年同期を上回り、新製品“アーモンド効果”も売上を伸ばしました。また、キリンビバレッジ(株)からの業務受託による売上も前年同期を上回りました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は24,075百万円となり、前年同期(23,454百万円)に比べ2.6%の増収となりました。
利益面では、増収等はありましたが、積極的な販売対策の実施により販売促進費及び広告費が増加したため、営業利益は503百万円となり、前年同期(895百万円)に比べ、392百万円の減益となりました。
<食品原料部門>売上面では、“A-グル”や“澱粉”等が前年同期を上回りました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は2,558百万円となり、前年同期(2,334百万円)に比べ9.6%の増収となりました。
利益面では、円安による輸入原料価格の上昇の影響を受けて売上原価率がアップしましたが、一般経費の削減等により、営業利益は177百万円となり、前年同期(144百万円)に比べ、33百万円の増益となりました。
<その他部門>売上面では、スポーツフーズは前年同期を下回ったものの、オフィスグリコが前年同期を上回りました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は1,402百万円となり、前年同期(1,364百万円)に比べ2.8%の増収となりました。
利益面では、一般経費の増加等により、営業利益は65百万円となり、前年同期(67百万円)に比べ、1百万円の減益となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
1)基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社では、グループとして企業価値の確保・向上に努めておりますが、特に、当社の企業価値の源泉は、長年にわたって築き上げられた企業ブランド及び商品ブランドにあります。そして、当社は、このようなブランド価値の根幹にあるのは、①商品開発力の維持、②研究開発力の維持、③食品の安全性の確保、④取引先との長期的な協力関係の維持、⑤企業の社会的責任を果たすことでの信頼の確保等であると考えております。当社の株式の大量買付を行う者が、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
2)基本方針の実現のための取組み
基本方針の実現に資する特別な取組み
当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるための特別な取組みは以下のとおりです。
当社グループは、事業の効率性を重要な経営指標として認識し、グループ各社の連係の一層の強化、シナジー効果の追求、収益性の向上を図っております。また、当社グループは、中長期的な会社の経営戦略として、各部門ともに消費者の視点からの新製品や新技術の研究開発に積極的に取り組むとともに、流通構造の変化に対応した販売制度の実現や製造設備の合理化、さらに生産工場の統廃合を実施し、収益力の向上を図り、事業基盤の安定を目指しています。さらに、安心・安全という品質を維持するために、製造や輸送段階だけでなく資材調達時点でのチェック体制も強化し、消費者やお得意様に信頼される企業であり続けるように努めています。
当社は、中長期的視点に立ち、これら取組みを遂行・実施していくことで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上してまいります。
3)上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
基本方針の実現に資する特別な取組み(上記2)の取組み)について
上記2)記載の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、991百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。