有価証券報告書-第71期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/28 14:45
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要やサービス消費の回復傾向が続いているものの、物価上昇に伴う節約志向が根強く残るなか、景況感としては個人消費の伸び悩みにより足踏み状態にあるものと見られております。今後は、内外の企業業績が好調裡に推移するなか賃金の上昇期待も大きく、緩やかな回復基調に戻るものと見込まれております。しかし、人件費、物流費等の増加懸念やエネルギー価格の動向、人手不足の影響など、企業を取り巻く環境は予断を許さず、特に中小企業においては依然厳しいものと見られております。
米菓業界におきましては、家庭内需要の維持や値上げ効果の浸透等から市場全体では昨年を上回って推移している模様であります。しかし、製造コストにおいて原材料費の高止まりに加え人件費や物流費の増加が見込まれるなど厳しさが続いているほか、エネルギー価格の高騰懸念や夏場の天候不順による原料米事情の悪化もあり、各社とも採算維持に腐心しているものと見られます。さらに、競合大手の火災事故後の動きも残り、やや不安定で厳しい事業環境が続いております。
このような経営環境にあって、当社グループは、中期経営計画「新しい岩塚価値の創造」の2年目にあたり、「ドンドン造って、ガンガン売って、欠品ゼロ!」のスローガンの下、改めて供給網を再構築して欠品を起こさない体制を確立し、供給責任を全うすることを最優先方針としてまいりました。また、「ニュートレンド米菓(BEIKA)の提案」の方針を併せ掲げ、研究開発拠点である「BEIKA Lab」の機能をフル活用して「美味しさと品質」を追求するとともに、ジャンルの拡大も視野に入れ、新しい岩塚価値商品をお届けすることに力を注いでまいりました。
開発部門におきましては、「BEIKA Lab」において、お客様に感動していただける新しい岩塚価値商品の開発を進め、新たなスタイルの商品により他社との差別化をさらに際立たせたいと考え取り組んでまいりました。イタリア料理風の新感覚米菓や日本料理を感じさせる本格米菓など名店シェフ監修商品の拡充、山梨銘菓と再コラボした「きなこ餅」、山椒のしびれが特徴の小粒あられの各種企画など、新しい岩塚価値商品を生み出し改良を重ねているほか、開発商品のテスト販売に伴うインタビューや都心のイベントでのパッケージアンケートを実施するなど、お客様に寄り添い如何に商品価値を高められるかを意識してまいりました。
製造部門では、欠品を回避し供給責任を果たすことがメーカーの最大の使命であるとして、人員配置や生産・在庫計画の見直し、主力品の設備増強、配送拠点の新設などに取り組み、取引先からの強固な信頼が得られるよう注力してまいりました。また、販売高の伸長に伴い安定的に生産量が増加した結果、原材料費や労務費が抑制され総じて生産性が向上、電力・燃料費の補助政策による一定の削減効果もあって、製造原価の低減を実現してまいりました。引き続き、営業現場との打ち合わせを密にすることで生産性を高めるとともに、在庫管理を含む物流の効率化に取り組むことで更なる好循環に繋げたいと考えております。
営業部門では、効率的な生産・販売を重視し主力商品(TOP6+2)の定番化を進め、増産体制の整った「田舎のおかき」をはじめ多くの商品において前年度を上回る販売実績を示すことができました。「THEひとつまみ」「味しらべ」「ぬれせんべい・ぬれおかき」など着実に伸長しており、一部伸び悩んでいる商品についても粘り強い営業を行ってまいりました。また、「お米となかよし」をキーワードに情報発信のうえブランドイメージの浸透に努め、課題としてきた認知度の向上にも取り組んでまいりました。地元スーパーのオリジナルブランドに共感し参画しているほか、関連した会社・団体からの表彰も重なるなど、当社の堅実な営業姿勢と相俟って徐々に手ごたえを感じてきております。なお、天候不順により原料米事情が悪化するなか、当社においては契約栽培により国産原料米の安定確保ができており、当社の強みとして取引先より再認識いただいております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました(詳細は、次の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載のとおりです。)。
a.財政状態
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億98百万円増加し857億53百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億53百万円増加し219億47百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億44百万円増加し638億6百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における連結売上高は220億円(前年度比7.9%増)、営業利益は6億3百万円(前年度は営業損失2億13百万円)、経常利益は28億8百万円(前年度比48.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億57百万円(同50.7%減)となりました。
なお、当社グループは米菓事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、期首残高より16億96百万円減少し、28億39百万円(前年同期比37.4%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は27億55百万円(前年同期比25億86百万円の収入減少)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益28億12百万円、減価償却費14億41百万円、法人税等の支払額13億11百万円を計上したこと等によるものであり、収入減少要因は、前年同期と比べて利息及び配当金の受取額が33億35百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億41百万円(前年同期比2億78百万円の支出増加)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出18億69百万円を計上したこと等によるものであり、支出増加要因は、投資有価証券の売却による収入が1億63百万円減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は26億11百万円(前年同期比15億94百万円の支出増加)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出4億円、配当金の支払額2億8百万円を計上したこと等によるものであり、支出増加要因は、自己株式の取得による支出が20億79百万円増加したこと等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期
自己資本比率(%)74.573.472.474.374.4
時価ベースの自己資本比率(%)25.831.722.731.733.4
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.00.60.90.20.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1,714.21,067.4222.3668.9483.5

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注4)営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
区分当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)構成比(%)
うるち米菓13,518,830103.749.3
もち米菓12,135,534108.344.3
その他1,762,671105.46.4
合計27,417,035105.8100.0

(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産を行っているため、受注生産は行っておりません。
c.販売実績
区分当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)構成比(%)
米菓21,394,032107.497.2
その他606,251128.82.8
合計22,000,284107.9100.0

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
三菱食品株式会社4,306,73121.14,643,15921.1
丸紅株式会社4,069,35620.04,462,12620.3
コンフェックス株式会社2,505,75212.32,556,00611.6
株式会社高山2,395,38211.72,419,53111.0

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は857億53百万円となり、前連結会計年度末と比較して21億98百万円の増加となりました。
流動資産は116億32百万円で前連結会計年度末と比較して33百万円の増加となりました。これは、主に現金及び預金が16億96百万円、原材料及び貯蔵品が1億14百万円それぞれ減少した一方で、受取手形及び売掛金が6億47百万円増加したことおよび長期貸付金を1年内回収予定の長期貸付金に振替えたこと等によるものであります。固定資産は741億20百万円となり前連結会計年度末と比較して21億64百万円の増加となりました。これは、主に投資有価証券が時価評価等により29億54百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は219億47百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億53百万円の増加となりました。
流動負債は47億83百万円で前連結会計年度末と比較して1億27百万円の減少となりました。これは、主に未払消費税等が1億16百万円、賞与引当金が2億50百万円それぞれ増加した一方で、未払法人税等が4億83百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は171億63百万円となり前連結会計年度末と比較して5億81百万円の増加となりました。これは、主に繰延税金負債が8億54百万円増加した一方で、長期借入金が返済により4億円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は638億6百万円となり前連結会計年度末と比較して17億44百万円の増加となりました。これは、主に利益剰余金が17億49百万円、その他有価証券評価差額金が20億42百万円それぞれ増加した一方で、自己株式が取得により20億80百万円増加したこと等によるものであります。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較し16億14百万円増加、220億円(前年度比7.9%増)となりました。効率的な生産・販売を重視し主力商品(TOP6+2)の定番化を進め、販売高は、増産体制の整った「田舎のおかき」をはじめ多くの商品において前年度を上回り、堅調に推移しました。関連会社における輸入商品が好評価を得られたほか、販売子会社においても総じて前年を上回りました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、57億58百万円(前年度比23.7%増)となりました。定番商品が拡大したことにより販売促進費が抑えられ、純売上高自体が伸長したほか、増収基調を堅持したなかで原材料費・労務費の抑制や電力・燃料費の削減ができ年度を通じて製造原価の改善が図られた結果、前連結会計年度と比較し11億2百万円の増加となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度と比較し8億16百万円良化し、6億3百万円となりました(前年度は営業損失2億13百万円)。発送配達費の抑制等により販売費及び一般管理費を51億55百万円(前年度比5.9%増の2億85百万円の増加)に留めたほか、上記のとおり、売上総利益段階での増益が大きく貢献しました。
(経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度と比較し26億46百万円減少、28億8百万円(前年度比48.5%減)となりました。これは、主に当社が株式を保有するWANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITED.からの株式配当金が18億38百万円と減少したことによるものです(前年度は記念配当があり51億81百万円)。
経常利益を受け、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較し20億13百万円減少し、19億57百万円(前年度比50.7%減)となりました。
c.経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営に影響を及ぼす大きな要因としては、経済情勢、市場動向、原材料動向および事故・災害等があり、それらへの適切な対応が重要となります。
経済情勢としては、感染症収束後の需要動向、労働需給および賃上げの動向、原材料やエネルギー価格の動向などを注視する必要があり、特にエネルギー政策の転換や賃上げ率拡大に伴う人件費の上昇が業績の重しになりかねないものと考えております。
米菓業界では、感染症により高まった家庭内需要の維持や一定の値上げ効果が残り、市場としては需要を確保しております。一方で、原材料や人件費、物流費が上昇傾向にあるなか、エネルギー価格の補助政策により漸く一息ついている状況下、いかに採算を維持するかに腐心しており、さらなる価格転嫁の模索が続くものと見られます。
原材料動向では、原料米価格は落ち着いているものの酷暑による作柄の不良から予断を許さず、副材料等の原材料価格は高止まったままであることから、製造コストのもう一段の引き下げが必要となっております。生産効率の向上とともに、あらゆる調達手段・方法を検証し、僅かなコストの削減を積上げることが重要と考えます。
このような環境のなか、当社グループは、生産性向上と品質安定への取組みを強化するとともに、労働災害の未然防止など安全安心体制の構築やエンゲージメントを重視した従業員が働きやすい職場環境を整えるように努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資本政策
当社グループの資本政策は、中長期的な株主価値の向上に資するべきでありそのためには持続的成長が前提になるとの考えの下、投下資本と許容リスクを勘案のうえ収益力と財務基盤を強固にし、株主資本を維持・充実するものとしております。また、支配権の変動や大規模な希釈化をもたらす資本政策については、慎重に検討し、実施する場合は適切な手続きを確保し投資家・株主に十分な説明を行ってまいります。
当社グループの最大の課題は売上高営業利益率の向上であり、営業利益の安定確保を当面の目標として株主価値の向上を目指すとともに、1株当たり当期純利益と配当性向を高め、株主還元に留意した配当政策を検討することとしております。
2)資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要であります。
運転資金需要のうち主なものは、製品を製造するための製造費用や販売するための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要としては、機械装置等の新設・更新需要や工場の改修・保全に係る費用であります。
3)財務政策
当社グループの財務政策は、上記資金需要について、極力内部資金により充当することとしております。なお、資金不足が生じた場合は、運転資金については短期借入金による調達を行い、設備資金については長期借入金等による調達を行うこととしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社経営陣は、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りおよび判断を行い、資産・負債の簿価や収益・費用の報告数値についての基礎としております。
この連結財務諸表の作成にあたり重要な会計上の見積りは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。
将来の課税所得の見積りの変更等により繰延税金資産が減額され税金費用が計上される場合があります。
b.退職給付費用
当社グループの退職給付費用および退職給付債務の計算には、割引率、予想昇給率、発生した給付額、利息費用などの要素が含まれております。割引率については、安全性の高い債券の利回り(国債金利)を基礎として算定しております。
これら要素の変動等により退職給付費用の計上額が増額になる場合があります。
c.投資有価証券の減損
当社グループは取引関係等の円滑化のために株式を保有しております。これらの株式には、市場価格のない株式等以外の株式と、市場価格のない株式等が含まれております。市場価格のない株式等以外の株式は、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て評価損の認識を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について評価損の認識を行っております。また、市場価格のない株式等は、実質価額または純資産価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合において、回復可能性等があると認められないものは、評価損の認識を行っております。
将来の市場状況の悪化または投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる場合があります。
d.固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、当社グループ全体を1つの資産グループとしてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した場合に固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとしております。
将来の当社グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動等により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。

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