有価証券報告書-第99期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:00
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84項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、個人消費の回復は依然として鈍く、新興国等の海外景気の減速に対する懸念や、英国の欧州連合(EU)離脱問題、米国の政権交代による政策動向等、引き続き先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社の関連業界におきましても、生活防衛意識や節約志向、業種業態を越えた企業間競争の激化が続き、厳しい状況で推移いたしました。
このような状況の中で当社は、「生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する」という経営理念の下、中期経営計画(平成27年4月から平成30年3月まで)において「ポジティブエイジングケアカンパニーとして、健やかに、美しく、歳を重ねることに貢献する」という事業ビジョンに基づき、「持続的成長に向けた新規事業領域の確立」を基本方針として「新規事業領域の成長基盤の構築」「薬用養命酒の収益体質の維持」「生活者視点に立った事業活動を基盤としたCSR経営の推進」の各施策に取り組んでおります。
当事業年度の業績は、「養命酒」の売上が前年同期を下回り、「その他商品・サービス」の売上は前年同期を上回ったものの、売上高は12,276百万円(前年同期比3.4%減)となりました。利益面につきましては、営業利益は1,657百万円(前年同期比9.8%減)、経常利益は1,963百万円(前年同期比7.0%減)、当期純利益は前年同期に計上した固定資産売却益がなくなったことなどにより、1,368百万円(前年同期比22.6%減)となりました。
セグメント別には以下のとおりです。
① 養命酒関連事業
養命酒関連事業の売上高は12,012百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
<養命酒>国内における「養命酒」につきましては、販売促進の強化期を設け、主力購買層であるシニア層を含む幅広い年齢層に向けて「冷え症と寝付き」などの「複合症状」の解決や、体や胃腸を温めることで丈夫な体に導くことを訴求し、生活者のニーズや関心を掘り起すことにより新規顧客の獲得と継続飲用者の維持に努めました。提供番組へのテレビ広告、テレビスポット広告、新聞広告、交通広告、ラジオ広告、雑誌とのタイアップ広告等の各種広告に合わせて、店頭における什器導入を積極的に行うなど営業活動を強化し、更にドラッグストアチェーンとのタイアップ企画の実施や話題を喚起するためのウェブキャンペーン等を実施したものの、国内における「養命酒」の売上高は9,877百万円(前年同期比6.7%減)となりました。
海外における「養命酒」につきましては、商品理解の促進と購買意欲の向上を目指し、主要輸出先(台湾・香港・マレーシア・シンガポール)の市場環境に即した販売促進活動を実施しました。また、季節毎の商戦期において、店頭陳列の強化や、テレビ、ラジオ、雑誌、ウェブ広告、キャンペーン等を実施し、海外における「養命酒」の売上高は480百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
以上の結果、「養命酒」全体の売上高は10,358百万円(前年同期比6.6%減)となりました。
<その他商品・サービス>「酒類」につきましては、「フルーツとハーブのお酒」がSNS等で話題となったことや、新フレーバーの追加や輸出にも取り組み、売上が好調に推移しました。また、「健康のお酒」シリーズとして既存商品の「ハーブの恵み」に加えて新商品「琥珀生姜酒」「高麗人参酒」を投入し営業活動を強化した他、各種新商品を投入しました。酒類全体では、美容と健康を訴求した売場提案や販促物による店頭露出の拡大、店頭での試飲会、季節毎の記念日企画等取扱小売店と連携した販売促進活動、ウェブ広告等を実施し、売上高は653百万円(前年同期比44.5%増)となりました。
「エイジングケア商品」につきましては、「食べる前のうるる酢ビューティー」の商品リニューアルや新フレーバーの追加による取扱小売店の拡大と通信販売に取り組み、各種販売促進活動、サンプリング等を実施しました。また、「グミ×サプリ」「養命酒製造の黒酢」等の新商品を投入したことにより、売上高は406百万円(前年同期比43.7%増)となりました。
「くらすわ・養命酒健康の森」につきましては、「くらすわ」は各種イベントの開催、新商品の投入、レストランメニューの改定等を実施しましたが、卸売の売上が減少したことにより、売上高は「養命酒健康の森」の売上を合算し、560百万円(前年同期比6.9%減)となりました。
以上の結果、「酒類」「エイジングケア商品」「くらすわ・養命酒健康の森」にその他の売上を合算し、「その他商品・サービス」全体の売上高は1,654百万円(前年同期比20.6%増)となりました。
②その他
鶴ヶ島太陽光発電所と不動産賃貸の売上を合算し、売上高は264百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ60百万円減少し、2,878百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、1,629百万円(前年同期比42.9%増)となりました。これは主に税引前当期純利益1,937百万円、減価償却費551百万円、売上債権の減少額146百万円等の増加要因と、たな卸資産の増加額306百万円、法人税等の支払額750百万円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、1,136百万円(前年同期比11.0%減)となりました。これは主に有価証券の償還による収入2,500百万円により増加した一方で、定期預金の純増による支出1,800百万円、有形固定資産の取得による支出310百万円及び投資有価証券の取得による支出1,400百万円により減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、553百万円(前年同期比0.4%増)となりました。これは主に配当金の支払いによるものであります。