有価証券報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
① 事業環境
油脂事業環境につきましては、主原料である大豆相場は、昨年4月は期近限月で1ブッシェル当たり11米ドル台にて取引されていましたが、ブラジル産地での洪水の影響が懸念されたことなどから5月には一時12米ドル台後半まで上昇しました。その後は、米国産地における順調な生育状況を受けて軟調に推移し、8月には9米ドル台まで下落しました。1月に入り、アルゼンチン産地の乾燥懸念により再び10米ドル後半まで反発しましたが、2月以降は南米の豊作観測を受けて下落に転じ、3月末にかけては10米ドル付近での取引が続きました。菜種相場は、4月は期近限月で1トン当たり600加ドル台前半にて取引されていましたが、5月には大豆相場に連れ高となり600加ドル台後半まで上昇しました。その後は、カナダ産地における順調な生育状況を受け軟調に推移し、9月には500加ドル台前半まで下落しましたが、大豆相場・植物油価格の上昇を受けて上昇傾向に転じ、1月にかけては500加ドル台後半から600加ドル台前半で推移しました。2月にはカナダの菜種需給がタイトな状況であると再確認されたことから600加ドル台後半まで上昇しましたが、3月には中国および米国のカナダ産品に対する関税措置発動を受けて500加ドル台後半まで下落しました。
ドル円為替相場は、7月上旬に161円台を付けた後、日銀の政策金利の引き上げ、米国経済の減速懸念、米国の政策金利の引き下げを受け円高ドル安に転じ、9月には一時139円台まで円高ドル安が進行しました。10月に入ると米国景気の底堅さが確認される中、米国の金融政策の緩和ペースが低下するとの観測から再び円安ドル高傾向に転じ、1月には158円台まで円安ドル高が進行しました。2月以降は日米金利差縮小や米国の関税政策による米国の物価上昇や景気後退懸念から円高ドル安傾向となり、3月末にかけては150円付近での値動きが継続しました。
② 経営成績の状況
(売上高)
当連結会計年度は、原料価格の軟化に伴い油脂の販売価格が低下したことに加え、ミールもシカゴ大豆ミール相場の下落の影響を受け販売単価が下落したことで、売上高は2,307億83百万円(前年同期比5.5%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、原料価格の軟化に加え、製造費用の継続的なコストダウンにより、売上原価は1,927億48百万円(前年同期比7.8%減)となりました。販売費及び一般管理費は、各種経費の抑制に取り組んだものの、物流費の上昇等の影響により、294億62百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
(営業利益)
原材料価格の良化および油脂の適正価格での販売や構造改革による利益体質の改善により、営業利益は85億72百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
(経常利益)
受取配当金や持分法による投資利益の計上により、経常利益は100億31百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
投資有価証券売却益等を特別利益として計上し、特別損失では固定資産除却損やスペシャリティフード事業の事業資産の減損損失等を計上しました。以上により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は69億96百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
③ セグメントの概況
(油脂事業)
油脂部門につきましては、家庭用油脂は、物価高騰による生活防衛の高まりや外食回帰の影響、オリーブオイルの継続的な値上げによる需要減少などにより、販売数量は前年同期をやや下回りました。一方で、オリーブオイルの販売価格改定の取組みや、環境負荷の低減やお客様の使いやすさが特長である「スマートグリーンパック®」など注力商品の継続的な拡販に努めたことで、売上高は前年同期をわずかに上回りました。業務用油脂は、実質賃金の伸び悩みによる節約志向が見られる中、インバウンド需要の拡大や国内の人流の活性化による外食市場の回復に支えられ、販売数量は堅調に推移したものの、原材料価格の軟化の影響を受けて販売単価が下落したことにより、売上高は前年同期を下回りました。物価上昇による食材コストの上昇や深刻化する人手不足の課題に対し、品質の劣化を抑えて長く使える「SUSTEC®(サステック)」シリーズや、調理にかかる時間や負荷を軽減する「調味油」「調理油」など、機能性を強化した高付加価値品の拡販に努めました。
油糧部門につきましては、大豆ミールは、搾油量が前年同期をやや上回ったことにより、販売数量は前年同期をわずかに上回りました。販売価格は為替相場が前年同期より円安となったものの、シカゴ大豆ミール相場の下落の影響が大きく前年同期を下回りました。菜種ミールは搾油量が前年同期を上回ったことから、販売数量は前年同期を上回りました。販売価格は大豆ミール価格との連動に加えて、国内供給増加による需給逼迫感の解消により前年同期を大きく下回りました。
(スペシャリティフード事業)
乳系PBF部門につきましては、業務用油脂加工品は、土産菓子向けのインバウンド需要が継続し、製パン向け需要も比較的堅調に推移しましたが、原材料価格の高騰による最終需要家での油脂使用量削減の影響が継続した結果、販売数量、売上高ともに前年同期を下回りました。粉末油脂事業は、販売数量がほぼ前年並みとなる中、売上高は原料・為替相場変動の影響を反映したことで前年同期を上回りました。
食品素材部門につきましては、テクスチャーデザイン事業は「TXdeSIGN®(テクスデザイン)」シリーズが製菓製パン用途や畜肉用途への提案を強化することでターゲット顧客での採用が進み、販売数量は堅調に推移しました。売上高は、油脂と協働した「おいしさデザイン®」によるソリューション提案を推進したものの、とうもろこし相場の下落を受け、段ボール用コーンスターチの販売価格が下落したことにより、前年同期をやや下回りました。ファインは、ビタミンK2が国内市場を中心に新規採用や使用量拡大が進んだものの、売上高は前年同期と同程度となりました。大豆たん白をベースとしたシート状大豆食品「まめのりさん®」は、主要販売先である北米向けの出荷が伸長したことや価格改定に取り組んだ結果、販売数量、売上高ともに前年同期を上回りました。
(その他)
その他の事業につきましては、売上高9億85百万円(前年同期比5.3%減)、セグメント利益1億92百万円(前年同期比14.7%増)、セグメント資産6億97百万円(前期末比1百万円増)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は製造原価によっております。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を推進しており、その達成・進捗状況は以下のとおりであります。
(2) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,014億15百万円で、前連結会計年度末に比べ73億91百万円減少しました。主な増加は、有価証券が87億円、電子記録債権が41億32百万円であります。主な減少は、棚卸資産が97億12百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が88億3百万円であります。
固定資産は687億33百万円で、前連結会計年度末に比べ5億29百万円減少しました。主な増加は、有形固定資産が6億43百万円であります。主な減少は、投資有価証券が11億54百万円であります。
これにより、総資産は1,701億64百万円(前期末比79億28百万円減)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は375億40百万円で、前連結会計年度末に比べ54億30百万円減少しました。主な増加は、1年内返済予定の長期借入金が63億90百万円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が57億12百万円、短期借入金が46億円、未払消費税等が12億85百万円であります。
固定負債は263億35百万円で、前連結会計年度末に比べ67億35百万円減少しました。主な増加は、役員株式給付引当金が34百万円であります。主な減少は、長期借入金が63億90百万円、退職給付に係る負債が2億30百万円、繰延税金負債が1億3百万円であります。
これにより、負債は638億76百万円(前期末比121億66百万円減)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,062億88百万円で、前連結会計年度末に比べ42億37百万円増加しております。主な増加は、利益剰余金が49億96百万円、為替換算調整勘定が1億67百万円であります。主な減少は、その他有価証券評価差額金が9億17百万円であります。
(3) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ77億3百万円増加し、119億50百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、182億94百万円(前連結会計年度は224億68百万円)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権および棚卸資産が減少したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△37億76百万円(前連結会計年度は△33億36百万円)となりました。こ主な要因は、有形固定資産の取得による支出を計上したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△68億55百万円(前連結会計年度は△173億47百万円)となりました。この主な要因は、短期借入金を返済したことによります。
② キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※2021、2022年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③ 資本の財源
主要な資金需要は、製造および販売活動に必要な運転資金、有利子負債の返済、配当金の支払い、法人税等の支払い、事業基盤整備のための設備投資、新規事業への投資であり、これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび内部留保資金、社債発行、金融機関からの借入により資金調達しております。
④ 資金の流動性
当社グループは、現金及び現金同等物において、グループ各社の余剰資金を一元管理することによって資金の効率化と金融費用の極小化を図っております。また、当座貸越契約、コミットメントライン契約、売掛債権の流動化による機動的な資金調達手段を備えており、十分な資金の流動性を確保しております。
⑤ 財務政策
当社グループは、資本効率性と格付を考慮した財務健全性の最適バランスを取りながら、営業活動によるキャッシュ・フロー創出力を強化し、持続的な企業価値の向上を追求していく方針であります。これにより、事業活動の維持に必要な手許資金の水準を確保するとともに、安定した株主還元と、企業体質の強化や積極的な事業展開のための成長投資など、長期的視野に立った安定的かつ適正な利益配分を行うこととしております。加重平均資本コスト(WACC)等を用いて資産効率向上を進めてROA等の改善を図ることとし、原料相場や為替相場の変動等による経営環境の変化を踏まえ、財務政策における目標値を見直すこととしております。
なお、キャッシュ・フローの推移実績は以下のとおりであります。
(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
※借入金残高は、社債を含みます。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを用いることが必要となりますが、これらの見積りについては過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しております。しかしながら実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
退職給付債務の算定
当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務および勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、棚卸資産(原材料)の評価および固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
① 事業環境
油脂事業環境につきましては、主原料である大豆相場は、昨年4月は期近限月で1ブッシェル当たり11米ドル台にて取引されていましたが、ブラジル産地での洪水の影響が懸念されたことなどから5月には一時12米ドル台後半まで上昇しました。その後は、米国産地における順調な生育状況を受けて軟調に推移し、8月には9米ドル台まで下落しました。1月に入り、アルゼンチン産地の乾燥懸念により再び10米ドル後半まで反発しましたが、2月以降は南米の豊作観測を受けて下落に転じ、3月末にかけては10米ドル付近での取引が続きました。菜種相場は、4月は期近限月で1トン当たり600加ドル台前半にて取引されていましたが、5月には大豆相場に連れ高となり600加ドル台後半まで上昇しました。その後は、カナダ産地における順調な生育状況を受け軟調に推移し、9月には500加ドル台前半まで下落しましたが、大豆相場・植物油価格の上昇を受けて上昇傾向に転じ、1月にかけては500加ドル台後半から600加ドル台前半で推移しました。2月にはカナダの菜種需給がタイトな状況であると再確認されたことから600加ドル台後半まで上昇しましたが、3月には中国および米国のカナダ産品に対する関税措置発動を受けて500加ドル台後半まで下落しました。
ドル円為替相場は、7月上旬に161円台を付けた後、日銀の政策金利の引き上げ、米国経済の減速懸念、米国の政策金利の引き下げを受け円高ドル安に転じ、9月には一時139円台まで円高ドル安が進行しました。10月に入ると米国景気の底堅さが確認される中、米国の金融政策の緩和ペースが低下するとの観測から再び円安ドル高傾向に転じ、1月には158円台まで円安ドル高が進行しました。2月以降は日米金利差縮小や米国の関税政策による米国の物価上昇や景気後退懸念から円高ドル安傾向となり、3月末にかけては150円付近での値動きが継続しました。
② 経営成績の状況
| 連結損益計算書 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
| 売上高 | 244,319 | 230,783 |
| 売上原価 | 209,001 | 192,748 |
| 販売費及び一般管理費 | 28,074 | 29,462 |
| 営業利益 | 7,243 | 8,572 |
| 経常利益 | 9,043 | 10,031 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,792 | 6,996 |
(売上高)
当連結会計年度は、原料価格の軟化に伴い油脂の販売価格が低下したことに加え、ミールもシカゴ大豆ミール相場の下落の影響を受け販売単価が下落したことで、売上高は2,307億83百万円(前年同期比5.5%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、原料価格の軟化に加え、製造費用の継続的なコストダウンにより、売上原価は1,927億48百万円(前年同期比7.8%減)となりました。販売費及び一般管理費は、各種経費の抑制に取り組んだものの、物流費の上昇等の影響により、294億62百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
(営業利益)
原材料価格の良化および油脂の適正価格での販売や構造改革による利益体質の改善により、営業利益は85億72百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
(経常利益)
受取配当金や持分法による投資利益の計上により、経常利益は100億31百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
投資有価証券売却益等を特別利益として計上し、特別損失では固定資産除却損やスペシャリティフード事業の事業資産の減損損失等を計上しました。以上により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は69億96百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
③ セグメントの概況
| セグメントの名称 | 売上高(百万円) | セグメント利益(百万円) | セグメント資産(百万円) | |||
| 前年同期比(%) | 前年同期比(%) | 前期末比(百万円) | ||||
| 油脂事業 | 209,231 | △4.9 | 8,243 | 18.6 | 130,557 | △14,407 |
| スペシャリティフード事業 | 20,566 | △11.7 | 135 | 10.0 | 17,532 | 457 |
| その他 | 985 | △5.3 | 192 | 14.7 | 697 | 1 |
| 全社 | - | - | - | - | 21,377 | 6,019 |
| 合計 | 230,783 | △5.5 | 8,572 | 18.3 | 170,164 | △7,928 |
(油脂事業)
油脂部門につきましては、家庭用油脂は、物価高騰による生活防衛の高まりや外食回帰の影響、オリーブオイルの継続的な値上げによる需要減少などにより、販売数量は前年同期をやや下回りました。一方で、オリーブオイルの販売価格改定の取組みや、環境負荷の低減やお客様の使いやすさが特長である「スマートグリーンパック®」など注力商品の継続的な拡販に努めたことで、売上高は前年同期をわずかに上回りました。業務用油脂は、実質賃金の伸び悩みによる節約志向が見られる中、インバウンド需要の拡大や国内の人流の活性化による外食市場の回復に支えられ、販売数量は堅調に推移したものの、原材料価格の軟化の影響を受けて販売単価が下落したことにより、売上高は前年同期を下回りました。物価上昇による食材コストの上昇や深刻化する人手不足の課題に対し、品質の劣化を抑えて長く使える「SUSTEC®(サステック)」シリーズや、調理にかかる時間や負荷を軽減する「調味油」「調理油」など、機能性を強化した高付加価値品の拡販に努めました。
油糧部門につきましては、大豆ミールは、搾油量が前年同期をやや上回ったことにより、販売数量は前年同期をわずかに上回りました。販売価格は為替相場が前年同期より円安となったものの、シカゴ大豆ミール相場の下落の影響が大きく前年同期を下回りました。菜種ミールは搾油量が前年同期を上回ったことから、販売数量は前年同期を上回りました。販売価格は大豆ミール価格との連動に加えて、国内供給増加による需給逼迫感の解消により前年同期を大きく下回りました。
| 以上の結果、当事業は、売上高2,092億31百万円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益82億43百万円(前年同期比18.6%増)、セグメント資産1,305億57百万円(前期末比144億7百万円減)となりました。 | ![]() |
(スペシャリティフード事業)
乳系PBF部門につきましては、業務用油脂加工品は、土産菓子向けのインバウンド需要が継続し、製パン向け需要も比較的堅調に推移しましたが、原材料価格の高騰による最終需要家での油脂使用量削減の影響が継続した結果、販売数量、売上高ともに前年同期を下回りました。粉末油脂事業は、販売数量がほぼ前年並みとなる中、売上高は原料・為替相場変動の影響を反映したことで前年同期を上回りました。
食品素材部門につきましては、テクスチャーデザイン事業は「TXdeSIGN®(テクスデザイン)」シリーズが製菓製パン用途や畜肉用途への提案を強化することでターゲット顧客での採用が進み、販売数量は堅調に推移しました。売上高は、油脂と協働した「おいしさデザイン®」によるソリューション提案を推進したものの、とうもろこし相場の下落を受け、段ボール用コーンスターチの販売価格が下落したことにより、前年同期をやや下回りました。ファインは、ビタミンK2が国内市場を中心に新規採用や使用量拡大が進んだものの、売上高は前年同期と同程度となりました。大豆たん白をベースとしたシート状大豆食品「まめのりさん®」は、主要販売先である北米向けの出荷が伸長したことや価格改定に取り組んだ結果、販売数量、売上高ともに前年同期を上回りました。
| 以上の結果、当事業は売上高205億66百万円(前年同期比11.7%減)、セグメント利益1億35百万円(前年同期比10.0%増)、セグメント資産175億32百万円(前期末比4億57百万円増)となりました。 | ![]() |
(その他)
その他の事業につきましては、売上高9億85百万円(前年同期比5.3%減)、セグメント利益1億92百万円(前年同期比14.7%増)、セグメント資産6億97百万円(前期末比1百万円増)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 油脂事業 | 174,910 | △1.1 |
| スペシャリティフード事業 | 13,478 | △10.0 |
| 合計 | 188,388 | △1.8 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は製造原価によっております。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 油脂事業 | 209,231 | △4.9 |
| スペシャリティフード事業 | 20,566 | △11.7 |
| その他 | 985 | △5.3 |
| 合計 | 230,783 | △5.5 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 味の素株式会社 | 49,513 | 20.3 | 48,778 | 21.1 |
| 全国農業協同組合連合会 | 25,894 | 10.6 | 23,013 | 10.0 |
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を推進しており、その達成・進捗状況は以下のとおりであります。
| 2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2026年度目標 | |
| 売上高 | 201,551百万円 | 260,410百万円 | 244,319百万円 | 230,783百万円 | - |
| 営業利益 | △21百万円 | 734百万円 | 7,243百万円 | 8,572百万円 | 110億円 |
| 営業利益率 | △0.0% | 0.3% | 3.0% | 3.7% | - |
| ROE | 2.1% | 1.0% | 7.0% | 6.7% | 8.0% |
| ROIC | △0.0% | 0.4% | 3.7% | 4.6% | 5.0% |
| EPS | 59.24円 | 29.82円 | 205.36円 | 211.52円 | 260円 |
(2) 財政状態
| 連結貸借対照表 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
| 流動資産 | 108,806 | 101,415 |
| 固定資産 | 69,263 | 68,733 |
| 繰延資産 | 23 | 15 |
| 資産合計 | 178,093 | 170,164 |
| 流動負債 | 42,971 | 37,540 |
| 固定負債 | 33,071 | 26,335 |
| 負債合計 | 76,042 | 63,876 |
| 純資産 | 102,051 | 106,288 |
| 負債純資産合計 | 178,093 | 170,164 |
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,014億15百万円で、前連結会計年度末に比べ73億91百万円減少しました。主な増加は、有価証券が87億円、電子記録債権が41億32百万円であります。主な減少は、棚卸資産が97億12百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が88億3百万円であります。
固定資産は687億33百万円で、前連結会計年度末に比べ5億29百万円減少しました。主な増加は、有形固定資産が6億43百万円であります。主な減少は、投資有価証券が11億54百万円であります。
これにより、総資産は1,701億64百万円(前期末比79億28百万円減)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は375億40百万円で、前連結会計年度末に比べ54億30百万円減少しました。主な増加は、1年内返済予定の長期借入金が63億90百万円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が57億12百万円、短期借入金が46億円、未払消費税等が12億85百万円であります。
固定負債は263億35百万円で、前連結会計年度末に比べ67億35百万円減少しました。主な増加は、役員株式給付引当金が34百万円であります。主な減少は、長期借入金が63億90百万円、退職給付に係る負債が2億30百万円、繰延税金負債が1億3百万円であります。
これにより、負債は638億76百万円(前期末比121億66百万円減)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,062億88百万円で、前連結会計年度末に比べ42億37百万円増加しております。主な増加は、利益剰余金が49億96百万円、為替換算調整勘定が1億67百万円であります。主な減少は、その他有価証券評価差額金が9億17百万円であります。
(3) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フローの状況
| 連結キャッシュ・フロー計算書 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 22,468 | 18,294 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,336 | △3,776 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △17,347 | △6,855 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 1,822 | 7,703 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 4,246 | 11,950 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ77億3百万円増加し、119億50百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、182億94百万円(前連結会計年度は224億68百万円)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権および棚卸資産が減少したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△37億76百万円(前連結会計年度は△33億36百万円)となりました。こ主な要因は、有形固定資産の取得による支出を計上したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△68億55百万円(前連結会計年度は△173億47百万円)となりました。この主な要因は、短期借入金を返済したことによります。
② キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
| 自己資本比率(%) | 60.1 | 58.2 | 52.5 | 57.1 | 62.2 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 42.0 | 32.9 | 28.2 | 36.0 | 39.4 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 5.2 | ― | ― | 1.4 | 1.5 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 36.3 | ― | ― | 174.9 | 161.5 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※2021、2022年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③ 資本の財源
主要な資金需要は、製造および販売活動に必要な運転資金、有利子負債の返済、配当金の支払い、法人税等の支払い、事業基盤整備のための設備投資、新規事業への投資であり、これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび内部留保資金、社債発行、金融機関からの借入により資金調達しております。
④ 資金の流動性
当社グループは、現金及び現金同等物において、グループ各社の余剰資金を一元管理することによって資金の効率化と金融費用の極小化を図っております。また、当座貸越契約、コミットメントライン契約、売掛債権の流動化による機動的な資金調達手段を備えており、十分な資金の流動性を確保しております。
⑤ 財務政策
当社グループは、資本効率性と格付を考慮した財務健全性の最適バランスを取りながら、営業活動によるキャッシュ・フロー創出力を強化し、持続的な企業価値の向上を追求していく方針であります。これにより、事業活動の維持に必要な手許資金の水準を確保するとともに、安定した株主還元と、企業体質の強化や積極的な事業展開のための成長投資など、長期的視野に立った安定的かつ適正な利益配分を行うこととしております。加重平均資本コスト(WACC)等を用いて資産効率向上を進めてROA等の改善を図ることとし、原料相場や為替相場の変動等による経営環境の変化を踏まえ、財務政策における目標値を見直すこととしております。
なお、キャッシュ・フローの推移実績は以下のとおりであります。
| 項目(億円) | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
| キャッシュ・イン | ||||||
| 営業活動キャッシュ・フロー | 42 | △168 | △100 | 224 | 182 | |
| 資産売却 | 12 | 74 | 12 | 11 | 12 | |
| 借入金残高 | 183 | 306 | 446 | 288 | 242 | |
| キャッシュ・アウト | ||||||
| 成長投資等 | 36 | 55 | 50 | 44 | 50 | |
| 株主還元 | 16 | 16 | 11 | 13 | 19 | |
| 有利子負債返済または調達 (△は調達) | 7 | △120 | △139 | 159 | 46 | |
| フリー・キャッシュ・フロー | 18 | △148 | △137 | 191 | 145 | |
(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
※借入金残高は、社債を含みます。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを用いることが必要となりますが、これらの見積りについては過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しております。しかしながら実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
退職給付債務の算定
当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務および勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、棚卸資産(原材料)の評価および固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

