有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)【人財戦略に関する基本方針等】
①人財戦略
当社グループは、「グローバルビジョン2030」に掲げた目指す姿の実現のため「新しい価値創造への挑戦」をテーマに「グローバルNo.1戦略」「エリアNo.1戦略」「新たな事業の創出」などの戦略を進めております。これらの戦略における取り組みの実効性を高め、持続的な成長につなげるためには、経営資源を十二分に活用することが不可欠であり、中でも人財の活用がもっとも重要であると考えております。
当社グループはこれらの経営戦略を実行するための人財戦略として、1.基幹ポストの可視化とサクセッションプランの構築、2.グローバル人財の育成と確保、3.専門スキルの向上、の3つを柱としております。

第一の柱(基幹ポストの可視化とサクセッションプランの構築)では、グローバル横断で事業・機能戦略を牽引する国内外の基幹ポストに対する後継者候補の質・量の強化に中長期的に取り組み、タイムリーかつ持続的に最適な後継者を配置することに注力しております。そのために、後継者候補が早期に基幹ポストを担えるよう各種育成施策に取り組むとともに、タレントマネジメントシステムを活用した後継者候補の管理及び職種・系統別の人財プールの可視化を実施しております。この人財プールに基づき、代表取締役会長が委員長を務める人財活用委員会において各ポストの後継者について議論を行い、グローバル視点で適所適材の配置を進めております。
第二の柱(グローバル人財の育成と確保)では、売上・利益の比重が高い海外事業の持続的な成長を支える人財基盤の強化、すなわちグローバル人財の質・量両面での充足と育成・配置体制を重要課題と位置付け、その育成・確保を進めております。当社グループにおけるグローバル人財とは、グループの企業理念およびこれまで培ってきた価値観を基盤として、国境や組織の枠を越えた高い視座のもとで、各事業・各機能の連携を通じた新たな価値創造や経営資源の最適活用を実践できる人財を指します。これらを実現するため、当社においては、将来の海外事業を担う人財の必要数を算定し、質・量の両面で必要人員を確保すべく、これまで以上に国際要員としての新卒採用数を増加させるとともに、即戦力としての経験者採用も積極的に実施しております。さらに、採用方法の多様化を推進し、職種別採用や多様なバックグラウンドを有する人財の採用(外国籍社員を含む)などを通じて、対象・手法の両面で拡充を図っております。加えて、海外グループ会社への派遣研修や海外プロジェクトへの参画プログラム、早期に海外業務を体験する機会などを拡充し、求められる経験やスキルの効果的な習得と定着を図っております。さらに、主要な海外グループ会社のマネジメント層を対象とし、日本でキッコーマンの経営理念や歴史を学ぶプログラムを実施するなど、グループ全体としてグローバル人財の育成と確保を推進することで、人財基盤の強化に取り組んでおります。
第三の柱(専門スキルの向上)では、当社グループは、各事業・各地域の競争力を高めるためのスキルや、将来の経営を担うためのスキルの向上に注力しております。当社グループが求めるこれらの専門スキルの構築においては、すべての社員がそれぞれの担当領域で必要なスキルを獲得することが不可欠です。そのスキルには、各事業・各機能において求められる専門性に加え、当社グループの事業領域である「食と健康」に関わる商品・サービスをグローバルに展開するうえで必要となる食品科学、栄養課題、食文化への深い理解や、AIを含むデジタル技術を事業・業務に実装し、生産性を向上させる実践的なスキルなどが含まれます。これらの専門スキルの向上に向け、DX推進においては、デジタルリテラシー研修や新たに導入した生成AI研修の実施、さらには外部オンライン学習プラットフォームの活用を通じて、デジタルスキルの底上げと高度化を推進してまいりました。また、新たな事業創出に向けたスキル開発については、イノベーション創出に向けて、社内新規事業創出制度(K2)を活用し、社員起点の構想を社外の知見も取り入れながら事業化へとつなげることで、次世代を担うビジネス構築スキルの習得を加速させております。このように付加価値創出や変革を牽引する高度な専門スキルを有する人財の育成に取り組む一方で、当社においては、極めて専門性の高い人財の獲得・登用に向けて、特別な人事制度の構築を進めており、それに基づく採用・処遇を通じて、強固なプロフェッショナル集団の確立を目指しております。今後は国内外各地域の課題や事業特性に基づき自律的なスキル向上を後押しし、グループ全体として未来の『食と健康』を支える専門性の高い組織づくりを進めてまいります。
これらの人財戦略の3つの柱が計画どおり進まない場合には、海外事業の拡大、業務改革による生産性向上、新規事業創出などに影響を及ぼすリスクがあると認識し、各戦略を遂行するための育成を強化するとともに、競争力のある報酬水準による確保・定着、社内環境整備による活躍推進に取り組んでおります。
経営戦略の詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
全社的なサステナビリティガバナンス体制の詳細、人的資本に係るリスク及び機会の全体像、並びに人的資本に関連する指標及び目標の全体整理は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1 サステナビリティ共通」、及び「人と社会」に関する記載をご参照ください。
②従業員の給与等の決定方針
当社グループは、前述の経営戦略及び人財戦略の実行を支える重要な基盤として、従業員の給与等を戦略的人的資本投資の一環と位置付け、人財の確保・定着を図る観点から、事業特性および所属する産業や労働市場の環境を踏まえた競争力のある報酬水準を設定・運用することを基本方針としております。この基本方針に基づき、グループ会社の報酬制度については、各社がこれまでの制度運用の経緯などを踏まえ、主体的に決定しております。
なお、当社における従業員の給与等の決定にあたっては、戦略実行に求められる役割を明確化する観点から、役割等級制度及び業績評価を基礎とし、各人の役割・責任及び事業への貢献度が適切に処遇へ反映される仕組みとしております。さらに、上位管理職層においては職務評価も報酬に反映し、市場との競争力を担保しております。そして、短期的な成果にとどまらず、将来の事業成長や組織基盤の強化につながる行動や取り組みについても評価の観点に取り入れております。また、極めて高度な専門人財については、外部調査機関による市場水準なども参照しながら、競争力を強く意識した報酬水準を設定しております。
今後も経営戦略及び人財戦略の進展状況を踏まえ、従業員の給与等の決定方針について継続的に見直しを実施します。
③人財育成方針およびその取り組み
当社は、自己実現を目指すとともに企業価値を高めていく人財として、「プロ人財」を育成することを基本方針としております。
<基本方針>1.高い成果と自律的行動の実現
主体的・自律的に行動し、組織や顧客の満足を達成する人財を育成する。
2.高度な専門能力の習得
自らの専門領域における職務の遂行や自己啓発などにより、高度な専門能力を有する人財を育成する。
3.成果達成能力の習得
保有する能力を最大限発揮し、成果に結びつける人財を育成する。
この「プロ人財」は人財戦略を支える基盤として、グローバル事業の拡大、各地域における自立的経営の高度化、新たな事業創出及びデジタル活用による生産性向上などの実現に不可欠だと考えております。この方針に従い、国内グループ各社でのOJTに加え、ジョブ・ローテーションや様々な階層別研修、選抜研修、自律的なキャリア開発支援に取り組んでいます。さらに、グループ横断での幹部人財育成やマーケティングや生産技術などの系統別教育を通じてグループ力の強化を進めております。また、海外グループ会社においても、サイバーセキュリティ対応や食品安全、労働安全などの基礎教育とともに、各拠点の事業特性や課題に応じて必要な研修を企画・実施し、事業理解の深化および専門性向上に向けた人財育成を推進しております。
④社内環境整備方針およびその取り組み
当社グループは、地球社会における存在意義のある企業を目指すうえで、「多様な人財一人ひとりの活躍」と「社員が能力を最大限に発揮できる組織」が重要であると考えております。
「多様な人財一人ひとりの活躍」を実現するためには、会社・組織のビジョンへの共感を起点に、組織との信頼関係や貢献意欲が醸成された状態、すなわちエンゲージメントが基盤となることが重要であると考えております。この基盤のもと、社員一人ひとりが成長意欲を持ち、自律的に求められるスキルや知識を獲得することができる仕組みを構築しております。また、「社員が能力を最大限に発揮できる組織」の実現に向けては、多様性を尊重し、挑戦を後押しする組織風土の醸成に加え、社員が心身ともに健康で、生産性高く働ける環境整備に取り組んでおります。これらが十分に整備されないことによる人財の流出や組織力の低下は経営戦略の実行力に影響を及ぼすリスクと認識しております。そのため、社会課題の一つ「人と社会」の中期経営計画において、女性管理職比率や男性育児休業取得率、年次有給休暇取得率などの社員に関する指標を掲げ、サステナビリティ委員会にて進捗状況を継続的に管理しております。

[ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)]
当社グループは、DE&Iの推進は、すべての社員にとって働きがいのある職場を実現するとともに、多様な視点や価値観を組織に取り入れることで、新たな価値創出や企業価値向上につながるものと認識しております。2025年12月にDE&I基本方針を改定し、個人の尊重、”認め合い“”支え合う“双方向の関わり、価値創造プロセスをより重視した取り組みを進めております。女性活躍推進においては、管理職候補者プールの計画的な拡大、要職への登用、研修・メンタリングによるリーダーシップ育成など実施しております。男性の家事参画推進においては、2025年9月にCHOメッセージが発信され、さらなる意識醸成を図っております。

[働き方]
付加価値の高い事業運営を実現するためには、業務改善や効率的な働き方が重要であるとの考えのもと、フレックスタイム制度や在宅勤務などを活用した柔軟な働き方の推進に取り組んでおります。これらの施策は、福利厚生の充実を目的とするものではなく、業務効率化や生産性向上を通じて競争力を高めるための取り組みとして位置付けております。
[健康経営]
当社グループにとって健康経営は「食と健康」分野の取り組みと一体的に設計された経営戦略です。「食と健康」のテーマである「世界のお客様のバランスの良い食生活の実現に貢献する。」を実践するためには、社員自身が健康をととのえ、その体験と知見を顧客への価値提案につなげることが不可欠であると考えております。この考えのもと、「いつでも、いつまでも、おいしく食べられる『こころとからだ』をつくります。」を健康経営推進方針として掲げております。
2025年度を当社グループの健康経営推進元年と位置付け、当社代表取締役社長・CEOが健康経営最高責任者となる推進体制を構築し、健康経営宣言を発信しました。当社においては、健診結果管理システムの展開、「日本健康マスター検定」の団体受検、健康啓発セミナーの開催などを通じて、「食と健康」に関する知識を社員が体系的に習得し、行動変容・意識変容を促す取り組みを進めております。社員意識調査において、健康経営に関する意識とエンゲージメントとの関連も確認しており、健康経営を通じた組織活性化にも取り組んでおります。今後はプレゼンティーズムなどを通じた生産性への影響についても検討してまいります。また、海外グループ会社においても、定期健康診断の実施や医療費補助、ジム利用費の一部補助など、各エリアに応じた施策により社員の健康増進に努めております。
なお、キッコーマン総合病院やキッコーマン健康保険組合と連携し、2018年度より連続して「健康経営優良法人」の認証(※)を受けております。
(※)対象企業は、キッコーマン(株)、キッコーマン食品(株)、キッコーマンビジネスサービス(株)。
[エンゲージメント]
当社グループは、社員一人ひとりが組織や仕事に対して納得感を持ち、主体的に行動することが、経営戦略の実行力及び持続的な価値創出につながると考えております。国内グループ会社においては、2022年度より継続してエンゲージメント調査を実施し、調査結果を起点とした職場単位での改善アクションを進めております。
2025年度には、調査結果をより効果的に活用するためのツール整備や、所属長を対象とした生成AIを組み合わせたアクションプラン策定ワークショップなどを行い、現場主導での課題解決を後押しする仕組みづくりを進めました。また、これまでの調査結果を踏まえ、キャリア開発に関する課題に対応するため、キャリア開発のプロセスを「知る」「考える」「行動する」の3つのステップとして整理し、社員一人ひとりの主体的なキャリア開発を支援する取り組みも展開しております。これらの施策を通じて、社員が自らのキャリアの方向性をより明確にできるよう後押しし、個人と組織のビジョンをより強く結びつけ、さらなる価値創造を実現してまいります。

①人財戦略
当社グループは、「グローバルビジョン2030」に掲げた目指す姿の実現のため「新しい価値創造への挑戦」をテーマに「グローバルNo.1戦略」「エリアNo.1戦略」「新たな事業の創出」などの戦略を進めております。これらの戦略における取り組みの実効性を高め、持続的な成長につなげるためには、経営資源を十二分に活用することが不可欠であり、中でも人財の活用がもっとも重要であると考えております。
当社グループはこれらの経営戦略を実行するための人財戦略として、1.基幹ポストの可視化とサクセッションプランの構築、2.グローバル人財の育成と確保、3.専門スキルの向上、の3つを柱としております。

第一の柱(基幹ポストの可視化とサクセッションプランの構築)では、グローバル横断で事業・機能戦略を牽引する国内外の基幹ポストに対する後継者候補の質・量の強化に中長期的に取り組み、タイムリーかつ持続的に最適な後継者を配置することに注力しております。そのために、後継者候補が早期に基幹ポストを担えるよう各種育成施策に取り組むとともに、タレントマネジメントシステムを活用した後継者候補の管理及び職種・系統別の人財プールの可視化を実施しております。この人財プールに基づき、代表取締役会長が委員長を務める人財活用委員会において各ポストの後継者について議論を行い、グローバル視点で適所適材の配置を進めております。
第二の柱(グローバル人財の育成と確保)では、売上・利益の比重が高い海外事業の持続的な成長を支える人財基盤の強化、すなわちグローバル人財の質・量両面での充足と育成・配置体制を重要課題と位置付け、その育成・確保を進めております。当社グループにおけるグローバル人財とは、グループの企業理念およびこれまで培ってきた価値観を基盤として、国境や組織の枠を越えた高い視座のもとで、各事業・各機能の連携を通じた新たな価値創造や経営資源の最適活用を実践できる人財を指します。これらを実現するため、当社においては、将来の海外事業を担う人財の必要数を算定し、質・量の両面で必要人員を確保すべく、これまで以上に国際要員としての新卒採用数を増加させるとともに、即戦力としての経験者採用も積極的に実施しております。さらに、採用方法の多様化を推進し、職種別採用や多様なバックグラウンドを有する人財の採用(外国籍社員を含む)などを通じて、対象・手法の両面で拡充を図っております。加えて、海外グループ会社への派遣研修や海外プロジェクトへの参画プログラム、早期に海外業務を体験する機会などを拡充し、求められる経験やスキルの効果的な習得と定着を図っております。さらに、主要な海外グループ会社のマネジメント層を対象とし、日本でキッコーマンの経営理念や歴史を学ぶプログラムを実施するなど、グループ全体としてグローバル人財の育成と確保を推進することで、人財基盤の強化に取り組んでおります。
第三の柱(専門スキルの向上)では、当社グループは、各事業・各地域の競争力を高めるためのスキルや、将来の経営を担うためのスキルの向上に注力しております。当社グループが求めるこれらの専門スキルの構築においては、すべての社員がそれぞれの担当領域で必要なスキルを獲得することが不可欠です。そのスキルには、各事業・各機能において求められる専門性に加え、当社グループの事業領域である「食と健康」に関わる商品・サービスをグローバルに展開するうえで必要となる食品科学、栄養課題、食文化への深い理解や、AIを含むデジタル技術を事業・業務に実装し、生産性を向上させる実践的なスキルなどが含まれます。これらの専門スキルの向上に向け、DX推進においては、デジタルリテラシー研修や新たに導入した生成AI研修の実施、さらには外部オンライン学習プラットフォームの活用を通じて、デジタルスキルの底上げと高度化を推進してまいりました。また、新たな事業創出に向けたスキル開発については、イノベーション創出に向けて、社内新規事業創出制度(K2)を活用し、社員起点の構想を社外の知見も取り入れながら事業化へとつなげることで、次世代を担うビジネス構築スキルの習得を加速させております。このように付加価値創出や変革を牽引する高度な専門スキルを有する人財の育成に取り組む一方で、当社においては、極めて専門性の高い人財の獲得・登用に向けて、特別な人事制度の構築を進めており、それに基づく採用・処遇を通じて、強固なプロフェッショナル集団の確立を目指しております。今後は国内外各地域の課題や事業特性に基づき自律的なスキル向上を後押しし、グループ全体として未来の『食と健康』を支える専門性の高い組織づくりを進めてまいります。
これらの人財戦略の3つの柱が計画どおり進まない場合には、海外事業の拡大、業務改革による生産性向上、新規事業創出などに影響を及ぼすリスクがあると認識し、各戦略を遂行するための育成を強化するとともに、競争力のある報酬水準による確保・定着、社内環境整備による活躍推進に取り組んでおります。
経営戦略の詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
全社的なサステナビリティガバナンス体制の詳細、人的資本に係るリスク及び機会の全体像、並びに人的資本に関連する指標及び目標の全体整理は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1 サステナビリティ共通」、及び「人と社会」に関する記載をご参照ください。
②従業員の給与等の決定方針
当社グループは、前述の経営戦略及び人財戦略の実行を支える重要な基盤として、従業員の給与等を戦略的人的資本投資の一環と位置付け、人財の確保・定着を図る観点から、事業特性および所属する産業や労働市場の環境を踏まえた競争力のある報酬水準を設定・運用することを基本方針としております。この基本方針に基づき、グループ会社の報酬制度については、各社がこれまでの制度運用の経緯などを踏まえ、主体的に決定しております。
なお、当社における従業員の給与等の決定にあたっては、戦略実行に求められる役割を明確化する観点から、役割等級制度及び業績評価を基礎とし、各人の役割・責任及び事業への貢献度が適切に処遇へ反映される仕組みとしております。さらに、上位管理職層においては職務評価も報酬に反映し、市場との競争力を担保しております。そして、短期的な成果にとどまらず、将来の事業成長や組織基盤の強化につながる行動や取り組みについても評価の観点に取り入れております。また、極めて高度な専門人財については、外部調査機関による市場水準なども参照しながら、競争力を強く意識した報酬水準を設定しております。
今後も経営戦略及び人財戦略の進展状況を踏まえ、従業員の給与等の決定方針について継続的に見直しを実施します。
③人財育成方針およびその取り組み
当社は、自己実現を目指すとともに企業価値を高めていく人財として、「プロ人財」を育成することを基本方針としております。
<基本方針>1.高い成果と自律的行動の実現
主体的・自律的に行動し、組織や顧客の満足を達成する人財を育成する。
2.高度な専門能力の習得
自らの専門領域における職務の遂行や自己啓発などにより、高度な専門能力を有する人財を育成する。
3.成果達成能力の習得
保有する能力を最大限発揮し、成果に結びつける人財を育成する。
この「プロ人財」は人財戦略を支える基盤として、グローバル事業の拡大、各地域における自立的経営の高度化、新たな事業創出及びデジタル活用による生産性向上などの実現に不可欠だと考えております。この方針に従い、国内グループ各社でのOJTに加え、ジョブ・ローテーションや様々な階層別研修、選抜研修、自律的なキャリア開発支援に取り組んでいます。さらに、グループ横断での幹部人財育成やマーケティングや生産技術などの系統別教育を通じてグループ力の強化を進めております。また、海外グループ会社においても、サイバーセキュリティ対応や食品安全、労働安全などの基礎教育とともに、各拠点の事業特性や課題に応じて必要な研修を企画・実施し、事業理解の深化および専門性向上に向けた人財育成を推進しております。
④社内環境整備方針およびその取り組み
当社グループは、地球社会における存在意義のある企業を目指すうえで、「多様な人財一人ひとりの活躍」と「社員が能力を最大限に発揮できる組織」が重要であると考えております。
「多様な人財一人ひとりの活躍」を実現するためには、会社・組織のビジョンへの共感を起点に、組織との信頼関係や貢献意欲が醸成された状態、すなわちエンゲージメントが基盤となることが重要であると考えております。この基盤のもと、社員一人ひとりが成長意欲を持ち、自律的に求められるスキルや知識を獲得することができる仕組みを構築しております。また、「社員が能力を最大限に発揮できる組織」の実現に向けては、多様性を尊重し、挑戦を後押しする組織風土の醸成に加え、社員が心身ともに健康で、生産性高く働ける環境整備に取り組んでおります。これらが十分に整備されないことによる人財の流出や組織力の低下は経営戦略の実行力に影響を及ぼすリスクと認識しております。そのため、社会課題の一つ「人と社会」の中期経営計画において、女性管理職比率や男性育児休業取得率、年次有給休暇取得率などの社員に関する指標を掲げ、サステナビリティ委員会にて進捗状況を継続的に管理しております。

[ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)]
当社グループは、DE&Iの推進は、すべての社員にとって働きがいのある職場を実現するとともに、多様な視点や価値観を組織に取り入れることで、新たな価値創出や企業価値向上につながるものと認識しております。2025年12月にDE&I基本方針を改定し、個人の尊重、”認め合い“”支え合う“双方向の関わり、価値創造プロセスをより重視した取り組みを進めております。女性活躍推進においては、管理職候補者プールの計画的な拡大、要職への登用、研修・メンタリングによるリーダーシップ育成など実施しております。男性の家事参画推進においては、2025年9月にCHOメッセージが発信され、さらなる意識醸成を図っております。

[働き方]
付加価値の高い事業運営を実現するためには、業務改善や効率的な働き方が重要であるとの考えのもと、フレックスタイム制度や在宅勤務などを活用した柔軟な働き方の推進に取り組んでおります。これらの施策は、福利厚生の充実を目的とするものではなく、業務効率化や生産性向上を通じて競争力を高めるための取り組みとして位置付けております。
[健康経営]
当社グループにとって健康経営は「食と健康」分野の取り組みと一体的に設計された経営戦略です。「食と健康」のテーマである「世界のお客様のバランスの良い食生活の実現に貢献する。」を実践するためには、社員自身が健康をととのえ、その体験と知見を顧客への価値提案につなげることが不可欠であると考えております。この考えのもと、「いつでも、いつまでも、おいしく食べられる『こころとからだ』をつくります。」を健康経営推進方針として掲げております。
2025年度を当社グループの健康経営推進元年と位置付け、当社代表取締役社長・CEOが健康経営最高責任者となる推進体制を構築し、健康経営宣言を発信しました。当社においては、健診結果管理システムの展開、「日本健康マスター検定」の団体受検、健康啓発セミナーの開催などを通じて、「食と健康」に関する知識を社員が体系的に習得し、行動変容・意識変容を促す取り組みを進めております。社員意識調査において、健康経営に関する意識とエンゲージメントとの関連も確認しており、健康経営を通じた組織活性化にも取り組んでおります。今後はプレゼンティーズムなどを通じた生産性への影響についても検討してまいります。また、海外グループ会社においても、定期健康診断の実施や医療費補助、ジム利用費の一部補助など、各エリアに応じた施策により社員の健康増進に努めております。
なお、キッコーマン総合病院やキッコーマン健康保険組合と連携し、2018年度より連続して「健康経営優良法人」の認証(※)を受けております。
(※)対象企業は、キッコーマン(株)、キッコーマン食品(株)、キッコーマンビジネスサービス(株)。
[エンゲージメント]
当社グループは、社員一人ひとりが組織や仕事に対して納得感を持ち、主体的に行動することが、経営戦略の実行力及び持続的な価値創出につながると考えております。国内グループ会社においては、2022年度より継続してエンゲージメント調査を実施し、調査結果を起点とした職場単位での改善アクションを進めております。
2025年度には、調査結果をより効果的に活用するためのツール整備や、所属長を対象とした生成AIを組み合わせたアクションプラン策定ワークショップなどを行い、現場主導での課題解決を後押しする仕組みづくりを進めました。また、これまでの調査結果を踏まえ、キャリア開発に関する課題に対応するため、キャリア開発のプロセスを「知る」「考える」「行動する」の3つのステップとして整理し、社員一人ひとりの主体的なキャリア開発を支援する取り組みも展開しております。これらの施策を通じて、社員が自らのキャリアの方向性をより明確にできるよう後押しし、個人と組織のビジョンをより強く結びつけ、さらなる価値創造を実現してまいります。
