有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)戦略
当社グループは、経営理念に基づき、目指す姿と基本戦略を定めた長期ビジョン グローバルビジョン2030を2018年に策定しました。グローバルビジョン2030は、2030年に向けて「新しい価値創造への挑戦」をテーマに、当社グループの目指す姿を定めたものです。
[目指す姿]
① キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする
北米市場において「キッコーマンしょうゆ」が日常生活に浸透しているような姿を、世界中で展開し、各国の食文化との融合を実現していく
② 世界中で新しいおいしさを創造し、より豊かで健康的な食生活に貢献する
常に革新と差異化に挑戦することで、世界中の人々のおいしさや健康につながる価値ある商品・サービスを提供していく
③ キッコーマンらしい活動を通じて、地球社会における存在意義をさらに高めていく
地球社会が抱える課題の解決に寄与することにより、世界中の人々からキッコーマンがあってよかったと思われる企業になる
グローバルビジョン2030/体系図
社会課題への取り組み全体像
当社グループは、グローバルビジョン2030の実現に向けて、2025年度を初年度とし、2027年度を最終年度とする中期経営計画2025-2027を策定しました。中期経営計画では、「成長継続と収益力の維持・向上」「将来に向けた経営資源の活用」「事業活動を通じた社会課題解決」という3つの重点課題を定めました。
[中期経営計画重点課題]
① 成長継続と収益力の維持・向上
各事業、各地域の状況に応じて、それぞれ成長性を維持し、収益性をさらに高める取り組みを実施します。
海外事業
海外しょうゆ事業は、長期的な目線で新市場の開拓、そして地域のステージに合わせた成長戦略を推進します。海外卸売事業は、業務用だけでなく家庭用市場のさらなる拡大を図り、拠点の整備・拡大をすすめるとともに、調達力の強化に取り組みます。
国内事業
国内事業では、高付加価値化や一層の効率化をすすめることで収益力の向上をめざすとともに成長軌道への回帰を図るため、価値訴求や効果的な販促活動などの基本を徹底してまいります。
② 将来に向けた経営資源の活用
グローバルビジョン2030の達成、さらにはその先に向けて、人財、キャッシュ、研究開発・技術、情報などの経営資源を活用していきます。
③ 事業活動を通じた社会課題解決
以下に示すマテリアリティの特定により定めた重要な社会課題3分野について方針やテーマを定め、着実に実行することで、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に取り組みます。
[マテリアリティ評価の背景]
サステナビリティに対する国際的な関心が一層高まり、非財務情報開示の国際的な枠組みが整備されつつある中、キッコーマングループでは、これまでのマテリアリティ特定・評価の取り組みを基盤としながら、より客観的かつ国際社会の要請に応える形でマテリアリティの見直しを進めています。2023年度から2024年度には、欧州サステナビリティ報告指令(CSRD)が義務付けるダブルマテリアリティ評価を実施しました。
また国内においても、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)によるサステナビリティ開示基準の公表が行われ、日本企業にも国際的な開示基準との整合性を意識した対応が強く求められています。こうした動向を踏まえ、当社グループではダブルマテリアリティ評価で特定されたリスクや機会について、SSBJ基準で求められるサステナビリティ会計基準審議会(SASB)スタンダードの適用可能性考慮の検討を行いました。今後も非財務情報開示に関する国内外の枠組みに応えることで、投資家をはじめとするステークホルダーに対し、より信頼性の高い開示を行います。
[マテリアリティ評価の手法]
CSRD法令対応を見据え、欧州財務報告諮問グループ(European Financial Reporting Advisory Group, EFRAG)によって定められたマテリアリティ評価実施ガイダンス(Implementation Guidance for the Materiality Assessment)をもとに、ダブルマテリアリティ評価を実施しました。これにより、自然環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)と企業が自然環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)が特定されました。さらに、SSBJ基準を踏まえ、財務マテリアリティについて加工食品産業及び食品小売り・流通産業に関する SASB スタンダードの適用可能性を考慮することで、国内外の関連基準との整合性が取れた客観性の高い評価をめざしました。
[マテリアリティ評価のプロセス]
STEP1:ESRSに基づいた自社分析
●「グローバルビジョン2030」や中期経営計画をもとに自社固有トピックを整理しました。
●ESRSのサブトピックに自社固有トピックを加えて自社バリューチェーン ※との関係を網羅的に分析しました。
●自社ビジネスが関係するバリューチェーン、ステークホルダー、事業を整理し、重要な影響、リスク・機会が集中する領域を特定しました。
※ 研究開発、調達、製造、物流、販売、消費・廃棄
STEP2:項目のスコア付け
●STEP1の分析結果をもとに、影響、リスク、機会の項目を抽出。抽出した項目を使って質問票を作成しました。
●キッコーマン(株)関連部門およびキッコーマングループ事業会社並びに社外ステークホルダー ※にアンケートやインタビューを実施しました。
●調査結果をスコア化し、客観的な意見を多角的に取り込みながら評価しました。
※ 消費者団体、大豆サプライヤー、容器サプライヤー、包装材サプライヤー、機関投資家
STEP3:ダブルマテリアリティに基づいた評価
●ESRSのサブトピックと自社固有トピックの重要性をダブルマテリアリティに基づいて評価しました。
●EFRAGのガイダンスや自社既存の評価方法を踏まえ、重要と評価する領域を決定。このプロセスを通じて、当社グループの事業活動と自然環境や社会との接点において生じる依存関係についての基本的な分析を行い、リスクや機会との関係性を評価しました。また、サステナビリティ委員会で討議を行い、結果を取締役会に報告しました。
●上記の評価により、各トピックの重要性を、自然環境や社会が当社グループに与える影響(財務マテリアリティ)と当社グループが自然環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)の2つの観点から評価しました。その結果は下図の通りです。
●上記の評価結果に基づき、重要と評価されたトピックを、当社グループが定めた重要な社会課題3分野(「地球環境」「食と健康」「人と社会」)に整理できることを確認しました。

STEP4:サステナビリティ関連財務開示を見据えた検討
●加工食品産業及び食品小売り・流通産業に関する SASB スタンダードの内容を参照し、STEP3にて特定された財務マテリアリティにおけるリスク及び機会の内容の再整理を行いました。

[サステナビリティ関連のリスク及び機会]
前記の評価プロセスを通じて識別した当社グループの主要なサステナビリティ関連のリスク及び機会のうち、企業の見通しに重要な影響を与えると考える事項について、当社が重要な社会課題として定める「地球環境」「食と健康」「人と社会」の3分野ごとに主要な内容を下記の通り整理しています。
なお、人的資本に係るサステナビリティ関連のリスク及び機会は、当社グループ全体のマテリアリティ評価の一部として識別・評価しており、指標及び目標は「人と社会」のなかで定め、その概要は下表及び(4) 指標及び目標の「人と社会」の指標及び目標に含めて記載しております。これらのリスク及び機会に対応する人的資本の戦略・方針の詳細については、第一部 第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等に記載しております。
主要なサステナビリティ関連のリスク及び機会

当社グループは、経営理念に基づき、目指す姿と基本戦略を定めた長期ビジョン グローバルビジョン2030を2018年に策定しました。グローバルビジョン2030は、2030年に向けて「新しい価値創造への挑戦」をテーマに、当社グループの目指す姿を定めたものです。
[目指す姿]
① キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする
北米市場において「キッコーマンしょうゆ」が日常生活に浸透しているような姿を、世界中で展開し、各国の食文化との融合を実現していく
② 世界中で新しいおいしさを創造し、より豊かで健康的な食生活に貢献する
常に革新と差異化に挑戦することで、世界中の人々のおいしさや健康につながる価値ある商品・サービスを提供していく
③ キッコーマンらしい活動を通じて、地球社会における存在意義をさらに高めていく
地球社会が抱える課題の解決に寄与することにより、世界中の人々からキッコーマンがあってよかったと思われる企業になる
グローバルビジョン2030/体系図
社会課題への取り組み全体像
当社グループは、グローバルビジョン2030の実現に向けて、2025年度を初年度とし、2027年度を最終年度とする中期経営計画2025-2027を策定しました。中期経営計画では、「成長継続と収益力の維持・向上」「将来に向けた経営資源の活用」「事業活動を通じた社会課題解決」という3つの重点課題を定めました。[中期経営計画重点課題]
① 成長継続と収益力の維持・向上
各事業、各地域の状況に応じて、それぞれ成長性を維持し、収益性をさらに高める取り組みを実施します。
海外事業
海外しょうゆ事業は、長期的な目線で新市場の開拓、そして地域のステージに合わせた成長戦略を推進します。海外卸売事業は、業務用だけでなく家庭用市場のさらなる拡大を図り、拠点の整備・拡大をすすめるとともに、調達力の強化に取り組みます。
国内事業
国内事業では、高付加価値化や一層の効率化をすすめることで収益力の向上をめざすとともに成長軌道への回帰を図るため、価値訴求や効果的な販促活動などの基本を徹底してまいります。
② 将来に向けた経営資源の活用
グローバルビジョン2030の達成、さらにはその先に向けて、人財、キャッシュ、研究開発・技術、情報などの経営資源を活用していきます。
③ 事業活動を通じた社会課題解決
以下に示すマテリアリティの特定により定めた重要な社会課題3分野について方針やテーマを定め、着実に実行することで、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に取り組みます。
[マテリアリティ評価の背景]
サステナビリティに対する国際的な関心が一層高まり、非財務情報開示の国際的な枠組みが整備されつつある中、キッコーマングループでは、これまでのマテリアリティ特定・評価の取り組みを基盤としながら、より客観的かつ国際社会の要請に応える形でマテリアリティの見直しを進めています。2023年度から2024年度には、欧州サステナビリティ報告指令(CSRD)が義務付けるダブルマテリアリティ評価を実施しました。
また国内においても、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)によるサステナビリティ開示基準の公表が行われ、日本企業にも国際的な開示基準との整合性を意識した対応が強く求められています。こうした動向を踏まえ、当社グループではダブルマテリアリティ評価で特定されたリスクや機会について、SSBJ基準で求められるサステナビリティ会計基準審議会(SASB)スタンダードの適用可能性考慮の検討を行いました。今後も非財務情報開示に関する国内外の枠組みに応えることで、投資家をはじめとするステークホルダーに対し、より信頼性の高い開示を行います。
[マテリアリティ評価の手法]
CSRD法令対応を見据え、欧州財務報告諮問グループ(European Financial Reporting Advisory Group, EFRAG)によって定められたマテリアリティ評価実施ガイダンス(Implementation Guidance for the Materiality Assessment)をもとに、ダブルマテリアリティ評価を実施しました。これにより、自然環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)と企業が自然環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)が特定されました。さらに、SSBJ基準を踏まえ、財務マテリアリティについて加工食品産業及び食品小売り・流通産業に関する SASB スタンダードの適用可能性を考慮することで、国内外の関連基準との整合性が取れた客観性の高い評価をめざしました。
[マテリアリティ評価のプロセス]
STEP1:ESRSに基づいた自社分析
●「グローバルビジョン2030」や中期経営計画をもとに自社固有トピックを整理しました。
●ESRSのサブトピックに自社固有トピックを加えて自社バリューチェーン ※との関係を網羅的に分析しました。
●自社ビジネスが関係するバリューチェーン、ステークホルダー、事業を整理し、重要な影響、リスク・機会が集中する領域を特定しました。
※ 研究開発、調達、製造、物流、販売、消費・廃棄
STEP2:項目のスコア付け
●STEP1の分析結果をもとに、影響、リスク、機会の項目を抽出。抽出した項目を使って質問票を作成しました。
●キッコーマン(株)関連部門およびキッコーマングループ事業会社並びに社外ステークホルダー ※にアンケートやインタビューを実施しました。
●調査結果をスコア化し、客観的な意見を多角的に取り込みながら評価しました。
※ 消費者団体、大豆サプライヤー、容器サプライヤー、包装材サプライヤー、機関投資家
STEP3:ダブルマテリアリティに基づいた評価
●ESRSのサブトピックと自社固有トピックの重要性をダブルマテリアリティに基づいて評価しました。
●EFRAGのガイダンスや自社既存の評価方法を踏まえ、重要と評価する領域を決定。このプロセスを通じて、当社グループの事業活動と自然環境や社会との接点において生じる依存関係についての基本的な分析を行い、リスクや機会との関係性を評価しました。また、サステナビリティ委員会で討議を行い、結果を取締役会に報告しました。
●上記の評価により、各トピックの重要性を、自然環境や社会が当社グループに与える影響(財務マテリアリティ)と当社グループが自然環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)の2つの観点から評価しました。その結果は下図の通りです。
●上記の評価結果に基づき、重要と評価されたトピックを、当社グループが定めた重要な社会課題3分野(「地球環境」「食と健康」「人と社会」)に整理できることを確認しました。
STEP4:サステナビリティ関連財務開示を見据えた検討
●加工食品産業及び食品小売り・流通産業に関する SASB スタンダードの内容を参照し、STEP3にて特定された財務マテリアリティにおけるリスク及び機会の内容の再整理を行いました。

[サステナビリティ関連のリスク及び機会]
前記の評価プロセスを通じて識別した当社グループの主要なサステナビリティ関連のリスク及び機会のうち、企業の見通しに重要な影響を与えると考える事項について、当社が重要な社会課題として定める「地球環境」「食と健康」「人と社会」の3分野ごとに主要な内容を下記の通り整理しています。
なお、人的資本に係るサステナビリティ関連のリスク及び機会は、当社グループ全体のマテリアリティ評価の一部として識別・評価しており、指標及び目標は「人と社会」のなかで定め、その概要は下表及び(4) 指標及び目標の「人と社会」の指標及び目標に含めて記載しております。これらのリスク及び機会に対応する人的資本の戦略・方針の詳細については、第一部 第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等に記載しております。
主要なサステナビリティ関連のリスク及び機会
