有価証券報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 15:25
【資料】
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【項目】
129項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
日清食品グループは、創業者が掲げた「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」の4つの精神をもとに、世の中のために食を創造することを追求し、日々、CreativeでUniqueな仕事に取り組み、Globalな領域で、「食」を通じて世界の人々にHappyを提供することで、グループ理念である「EARTH FOOD CREATOR」の体現を目指してまいります。
また、総合食品企業グループとして、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディングコーポレーション」の実現を目指し、より一層、ゆるぎない経営基盤を築きながら、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、平成29年3月期からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を策定いたしました。
本中計の目標達成に向けて以下5つの戦略を遂行し、収益性の追求を徹底します。
① グローバルブランディングの促進
海外の収益性向上のため、自社の強みが活かせる高付加価値商品のカップヌードルの海外展開を加速し、海外販売食数において1.5倍の成長を目指し、収益の向上につなげます。明確化したターゲット (一定の生活水準を満たした若者) に対して、デザイン、フレーバー、プロモーションの各施策でアプローチを徹底する事で、効果的かつ効率的にマーケットへの浸透を促進してまいります。
② 海外重点地域への集中
市場自体の魅力 (即席めん市場規模・成長性)、当社の勝機 (事業基盤の強さ及び短~中期でのカップ型商品等の高付加価値製品市場拡大可能性) の2つの観点から、BRICs (ブラジル、ロシア、インド、中国) を重点地域として設定し、当該地域における確実な利益成長を実現します。中国では成長する収益率の高いカップヌードルの販売エリア拡大をさらに進めてまいります。インドでは都市部での袋めんの成長に加え、急増する中間富裕層に向けてカップヌードルの強化も推進してまいります。ブラジル、ロシアに関しましては、ともにNo.1シェアの確固たる基盤を活かし、高付加価値商品のカップめん市場拡大を図り、さらなるシェア獲得と利益を目指してまいります。
③ 国内収益基盤の盤石化
人口減少及び人口・消費者構成変化に影響されない事業モデルを構築すべく、マーケティングを軸とした国内市場の深耕と、省人化及び食の安全性の向上を可能にする工場高度化投資を実行し、国内即席めん事業の収益基盤をより盤石なものとしていくことで、「100年ブランドカンパニー」の実現を目指してまいります。
④ 第2の収益の柱の構築
菓子・シリアル事業を第2の収益の柱へと成長させるため、国内外での取り組みを強化します。各社のさらなるブランド成長に加え、技術シナジーによる連携強化、海外事業展開、M&Aの活用を行い、持分法適用会社である提携先も含めて売上高1,000億円規模を目指してまいります。また、低温事業・飲料事業におきましても、前中計期間までに進めてきたブランドの浸透を背景に、国内でのさらなる利益成長を目指してまいります。
⑤ グローバル経営人材の育成・強化
これまでの積極的投資によりプラットフォームの強化は進み、成長をサポートする体制を整えることができました。今後は選抜型社内大学やダイバーシティの推進、及び海外トレーニー制度の強化などによるグループ内での人材育成施策と、外部からの人材登用との両輪で経営人材を増やし、グローバル経営を加速してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を下表のとおり設定しております。
区分平成32年度
(参考値 日本基準)目標値 IFRS
本業で稼ぐ力売上高(売上収益(IFRS))6,000億円5,500億円
調整後営業利益(注1)400億円-
営業利益(IFRS)475億円
資本市場価値時価総額(注2)1兆円
純利益(注3)330億円
ROE8%以上
調整後EPS(日本基準)(注4)年平均成長率 10%以上-
調整後EPS(IFRS)(注6)330円

(注)1 調整後営業利益 = 営業利益 - 退職給付会計の影響
2 時価総額 = 株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)
3 純利益 = 日本基準における「親会社株主に帰属する当期純利益」、IFRSにおける「親会社の所有者に帰属する当期利益」
4 調整後EPS(日本基準) = 調整後NOPAT(注5)÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
5 調整後NOPAT = 税引後調整後営業利益+持分法損益+のれん償却額(持分法に含まれるものを含む)-非支配株主に帰属する当期純利益
6 調整後EPS(IFRS) = (営業利益(IFRS)±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
(4)経営環境
今後の見通しにつきましては、海外の政策動向の不確実性や金融資本市場の変動の影響等、一部に先行き不透明感があるものの、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が継続しており、経済の好循環が進展する中で、米国における税制改革による財政支援も加わり、世界経済の拡大基調が継続することが期待されております。
このような環境の中、当社グループは、平成29年3月期からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を徹底してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 「食の安全・安心」について
当社グループは、食の安全・安心を経営の最重要課題と位置づけており、グローバル食品安全研究所での科学的な検査体制をはじめ、中国の上海にも食品安全研究所を設け、独自の分析・検査システムと、原材料から製品に至る徹底したトレーサビリティにより、調達から製造、流通、販売に至るそれぞれの現場で品質保証体制を構築しております。
今後も原材料の調達から製造、流通、販売、消費のあらゆる段階において安全性に責任を持つ管理体制を徹底してまいります。
② ESGへの取り組み
当社グループは、消費者、株主、投資家、地域社会、地球環境等、あらゆるステークホルダーの立場に立って、企業活動が社会に与えるすべての影響に責任を持ち、世の中に「食」の楽しみや喜びを提供し続けることを通じて、社会や地球のサスティナビリティ(持続可能性)に貢献してまいります。その実現のため、平成29年7月に「国連グローバル・コンパクト」(※)に加盟し、持続可能な社会の実現に向けた国際共通行動計画であるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、ESGに配慮した事業活動を推進してまいります。
※ 国連グローバル・コンパクト:平成12年に国連本部で発足した、持続可能な成長を実現するための世界的な
枠組み
(a)環境(Environment)への取り組み
当社グループは、「食足世平」の理念のもと、食料生産に悪影響を及ぼす地球温暖化の抑制に貢献することを重要課題と位置づけております。
環境経営を推進していくため、平成20年に「日清食品グループ環境憲章」及び「日清食品グループ環境規程」を制定並びに「環境委員会」を設置し、平成29年にはサスティナビリティに配慮した「日清食品グループ持続可能な調達方針」を制定する等、環境マネジメント体制を構築しております。世界の食を支えるグローバル食品メーカーとして社会的責任を果たすべく、これまでの取り組みをふまえ、事業活動に伴う温室効果ガス (CO2) 排出量30%削減等、平成32年までに達成すべき中期環境目標を設定しております。
また、平成29年10月に「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」に加盟し、即席めん事業のために調達するパーム油について、森林破壊の防止や生物多様性の保全に配慮された認証パーム油の調達を目指してまいります。
今後も、持続可能な地球環境の保全のため、事業活動におけるあらゆる段階で環境負荷低減に取り組んでまいります。
(b)社会(Social)への取り組み
当社グループは、国連WFP協会(特定非営利活動法人 国際連合世界食糧計画WFP協会)への協力、平成20年から50年間で合計100の社会貢献活動を行う「百福士プロジェクト」、食育等の食文化振興活動やスポーツ支援、世界ラーメン協会 (WINA) との連携によるインスタントラーメンでの災害支援等のCSR活動を推進しております。
また、当社グループでは、「食」に携わる企業としての責任を果たしながら、より一層お客様に喜ばれる商品を提供するため、ダイバーシティの推進や総労働時間短縮と生産性向上を目指した「スマートワーク2000」プロジェクトへの取り組み等を通じて、社員一人一人の創造性を育み、健康を支援し、各自が自律的に働ける職場環境づくりを進めております。
ダイバーシティの推進では、日清食品ホールディングスの女性執行役員をトップに「ダイバーシティ委員会」を設置し、また、さまざまなバックグラウンドの社員が交流できるイベントやセミナーを定期開催し、女性の活躍や多様な視点・思考が交わることによる持続的な企業競争力向上を促進してまいります。
「スマートワーク2000」プロジェクトにおいては、社員一人一人がワーク・ライフ・バランスをとりながらも、効率的かつ創造的に働ける職場の実現に向けてさまざまな施策を実施しております。また、「EARTH FOOD CREATOR」の実現のため、豊富な研修やプログラム、グローバル人材育成制度を確立し、人材の強化・育成に取り組んでおります。
(c)企業統治(Governance)への取り組み
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスの充実・強化を経営上の最重要課題の一つとして認識しており、客観性と透明性の高い経営の実現に努めるため、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス体制を一層強化する必要があると考えております。
当社グループは、積極的にコーポレート・ガバナンス・コードの適用を図る他、すべてのグループ構成員が公正な価値観や適正な判断基準にしたがって行動できるよう環境整備を進めております。
なお、当初平成19年6月28日開催の第59期定時株主総会からご承認いただいていた「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」について、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、当社における必要性が相対的に低下したものと判断し、平成29年12月6日開催の取締役会にて決議のうえ廃止いたしました。
今後もより実効性の高いコーポレート・ガバナンスの実現を目指して、継続的にその強化と改善に取り組んでまいります。
(6)株式会社の支配に関する基本方針について
① 基本方針の内容
当社は、主に、食品事業を行う事業会社を傘下に有する持株会社であり、これらの事業会社を通じて、即席袋めん、カップめん、チルドめん、冷凍めんを主とするめん類の製造販売を中核に、菓子、乳酸菌飲料の製造販売を展開しております。
当社は、創業者の掲げた「食足世平」、「食創為世」、「美健賢食」及び「食為聖職」の4つの言葉を変わることのない創業の価値観と捉え、グローバルに「食」の楽しみや喜びを提供することで、社会や地球に貢献する「EARTH FOOD CREATOR」をグループ理念とし、その体現を目指しております。
また、総合食品企業グループとして、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディングコーポレーション」を目指し、より一層、ゆるぎない経営基盤を築きながら、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
② 不適切な支配の防止のための取組み
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、当社の「会社の支配に関する基本方針」(以下「基本方針」といいます。)を定めるとともに、基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組みとして、平成19年6月28日開催の第59期定時株主総会において「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「買収防衛策」といいます。)について、株主の皆様のご承認をいただき導入し、その後、3年毎に更新してまいりました。
当社は、買収防衛策の導入以降においても、中期経営計画の策定やその着実な実行による企業価値の向上、自社株買い・増配等の株主還元の充実、コーポレートガバナンスの強化に積極的に取り組んでまいりました。また、平成19年の買収防衛策導入以降の当社を取り巻く経営環境の変化や買収防衛策を巡る近時の動向を注視しつつ、買収防衛策の取り扱いについて、毎年、取締役会や経営諮問委員会で慎重に議論を重ねてまいりました。その結果、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、当社における買収防衛策の必要性が相対的に低下したものと判断し、当社は平成29年12月6日開催の取締役会にて決議し、買収防衛策を廃止いたしました。
③ 不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断
当社は、買収防衛策廃止後も引き続き、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に取り組むとともに、当社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、株主の皆様が大規模買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努め、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。

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