有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 12:06
【資料】
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【項目】
94項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
日清食品グループは、創業者が掲げた「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」の4つの精神をもとに、世の中のために食を創造することを追求し、日々、CreativeでUniqueな仕事に取り組み、Globalな領域で、「食」を通じて世界の人々にHappyを提供することで、グループ理念である「EARTH FOOD CREATOR」の体現を目指してまいります。
また、総合食品企業グループとして、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディングコーポレーション」の実現を目指し、より一層、ゆるぎない経営基盤を築きながら、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」を策定いたしました。
本中計の目標達成に向けて以下5つの戦略を遂行し、収益性の追求を徹底します。
① グローバルブランディングの促進
海外の収益性向上のため、自社の強みが活かせる高付加価値商品のカップヌードルの海外展開を加速し、海外販売食数において1.5倍の成長を目指し、収益の向上につなげます。明確化したターゲット (一定の生活水準を満たした若者) に対して、デザイン、フレーバー、プロモーションの各施策でアプローチを徹底する事で、効果的かつ効率的にマーケットへの浸透を促進してまいります。
② 海外重点地域への集中
市場自体の魅力 (即席めん市場規模・成長性)、当社の勝機 (事業基盤の強さ及び短~中期でのカップ型商品等の高付加価値製品市場拡大可能性) の2つの観点から、BRICs (ブラジル、ロシア、インド、中国) を重点地域として設定し、当該地域における確実な利益成長を実現します。中国では成長する収益率の高いカップヌードルの販売エリア拡大をさらに進めてまいります。インドでは都市部での袋めんの成長に加え、急増する中間富裕層に向けてカップヌードルの強化も推進してまいります。ブラジル、ロシアに関しましては、ともにNo.1シェアの確固たる基盤を活かし、高付加価値商品のカップめん市場拡大を図り、さらなるシェア獲得と利益を目指してまいります。
③ 国内収益基盤の盤石化
人口減少及び人口・消費者構成変化に影響されない事業モデルを構築すべく、マーケティングを軸とした国内市場の深耕と、省人化及び食の安全性の向上を可能にする工場高度化投資を実行し、国内即席めん事業の収益基盤をより盤石なものとしていくことで、「100年ブランドカンパニー」の実現を目指してまいります。
④ 第2の収益の柱の構築
菓子・シリアル事業を第2の収益の柱へと成長させるため、国内外での取り組みを強化します。各社のさらなるブランド成長に加え、技術シナジーによる連携強化、海外事業展開、M&Aの活用を行い、持分法適用会社である提携先も含めて売上高1,000億円規模を目指してまいります。また、低温事業・飲料事業におきましても、前中計期間までに進めてきたブランドの浸透を背景に、国内でのさらなる利益成長を目指してまいります。
⑤ グローバル経営人材の育成・強化
これまでの積極的投資によりプラットフォームの強化は進み、成長をサポートする体制を整えることができました。今後は選抜型社内大学やダイバーシティの推進、及び海外トレーニー制度の強化などによるグループ内での人材育成施策と、外部からの人材登用との両輪で経営人材を増やし、グローバル経営を加速してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
本中計では、「グローバルカンパニーとしての評価獲得」の要件として、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」を重視した指標を下表のとおり設定しております。
なお直近の業績及び事業環境を受けて、数値目標(KPI)のうち、売上収益を4,860億円(当初計画4,800億円)、営業利益を435億円(同425億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益を305億円(同300億円)に見直しました。
区分2021年3月期
見直し前見直し後
本業で稼ぐ力売上収益4,800億円4,860億円
営業利益425億円435億円
資本市場価値親会社の所有者に
帰属する当期利益
300億円305億円
ROE8.0%9.0%
調整後EPS(注1)284円281円
時価総額(注2)(注2)

(注)1 調整後EPS = (営業利益±その他収益・費用-税金費用-非支配持分に帰属する当期利益)
÷期中平均発行済株式数(自己株式控除後)
2 時価総額1兆円を将来の通過点としてとらえ、企業価値の向上に引き続き努めてまいります。
(4)経営環境
今後の見通しにつきましては、国内および欧米諸国における雇用数の改善を背景とし、景気は緩やかな回復基調で推移していたものの、米中貿易摩擦、米イラン対立の激化、新型コロナウイルス感染症等、海外経済における不確実性が高まり、先行きに対する懸念が広がっております。
このような環境の中、当社グループは、2016年度からの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2020」に基づき、「本業で稼ぐ力」と「資本市場での価値」の向上を徹底してまいります。
① 持続可能な成長に向けた取り組み
当社グループは、人類を「食」の楽しみや喜びで満たすことを通じて社会や地球に貢献する「EARTH FOOD
CREATOR」という理念のもと、気候変動や高齢化、人口増といったESG課題/国際連合が掲げるSDGs
(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)を成長の機会と位置付け、環境配慮型容器の
開発や健康志向に応える製品の提供等で、社会により貢献できる企業を目指してまいります。
ESGへの取り組みが評価され、2018年より世界的なESG投資の株価指数「Dow Jones Sustainability
Indices」における「Asia/Pacific index」の構成銘柄に2年連続で選ばれました。グループ理念の基となる
創業者精神を具現化する当社グループのCSV(Creating Shared Value、共有価値の創造)経営に取り組む
ことで、社会価値と経済価値の双方を追求し持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
② 中期経営計画2020
現在、2016年度からの5か年を対象とした「中期経営計画2020」を掲げ、グローバルカンパニーの評価獲得に向けた5つの戦略を遂行しています。当中計については「(2)経営戦略等」に記載しております。
(ア) 戦略テーマと進捗
グローバルブランドを促進するため、「カップヌードル」を中心とした高付加価値商品の販売に注力し、重点地域であるBRICsでの売上は伸びています。「国内収益基盤の盤石化」では、引き続きシニア、健康、女性、若者ニーズの掘り起こしで国内即席めん市場を深耕しております。また2018年から最新鋭の設備とIoT技術を活用した「次世代型スマートファクトリー」関西工場が稼働しております。
当社では「デジタル・トランスフォーメーション」を推進することで業務プロセスの見直しを行い、事業環境変化への対応を進めております。
「グローバル経営人材の育成・強化」では、経営の中核を担う人材を育成する企業内大学「グローバルSAMURAIアカデミー」や選抜された若手社員を早期に海外拠点へ派遣する海外チャレンジポストへの公募制度を実施しております。
(イ) 2020年度の数値目標(IFRS)
直近の業績及び事業環境を受けて、2020年度計画(KPI)を売上収益を4,860億円(当初計画4,800億円)、営業利益を435億円(同425億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益を305億円(同300億円)に見直しました。
③ 非財務情報の創出価値
当社グループ理念の実現を可能にする価値創造プロセスについて、当社グループが活用する資本を持続的に循環させることで、事業の成長(経済価値)と社会価値の提供が増幅していく構造となっています。
当プロセスでは、次の5つのステップが理念の実現につながっていきます。
(ア) INPUT(自社で活用する資本):
自社で活用する資本として、当社グループがこれまで培ってきた資本(財務資本、知的資本、人的資本な
ど)を投入し、ガバナンスを効かせ、
(イ) INNOVATION(自社事業によるイノベーション):
強みである即席めん事業等を行い、
(ウ) OUTPUT(製品・サービス):
「安価でおいしい食品」を「持続可能な容器」で世の中に送り出し、
(エ) OUTCOME(製品・サービスの直接的な影響):
日清食品グループ独自の社会的価値を創出しています。たとえばカロリーや糖質・脂質が半分の「カップヌ
ードル コッテリーナイス」などを販売することで、生活習慣の改善により予防可能な疾患「非感染性疾患」
の対策に貢献しております。
(オ) IMPACT(OUTCOMEの積み重ねにより実現する社会への価値)
こういった事業を通して創出した独自の社会的価値が積み重なれば「食が足りて初めて、世の中が平和になる」という創業者精神の実現につながります。この一連のプロセスを循環させることで、グループの持続的成長を目指す、これが日清食品グループの価値創造プロセスです。
また、各取組みで創出する社会的価値をSDGs目標と紐づけています。
④ 環境に関する中長期戦略
「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」は、当社グループ独自の環境に関する中長期戦略です。重要度の高い環境課題にチャレンジし環境との共生力を高めることで、将来の既存事業減退リスクを回避し、事業ライフサイクルを長期にわたり持続させてまいります。
具体的には、「資源」と「気候変動」の2つの問題に取り組みます。資源をめぐる問題に対しては、環境や人権に配慮したパーム油の調達に取り組む「地球にやさしい調達」、工場で使う水の節約等に取り組む「地球資源の節約」、食品廃棄物のリサイクルや削減を行う「ごみの無い地球」の実現に挑戦し、有限な資源の有効活用を行っております。
気候変動問題では、事業で使う電力を再生可能エネルギーでまかなう「グリーンな電力」の調達、食材や包材に使う原料を環境負荷の少ないものへ切り替える「グリーンな食材」「グリーンな包材」の活用に挑戦し、温室効果ガスの排出を削減してまいります。
⑤ 新型コロナウイルスへの取り組み
新型コロナウイルス感染拡大の終息が未だ見えない中、当社は従業員の安全確保と製品の安定供給を社会的責務と考え、従業員の安全の確保、需要動向、原材料供給、物流等の状況を把握し、迅速かつ適切な対策を講じております。
(ア) 従業員の安全確保
政府の外出自粛要請に基づき、雇用を確保しつつ、従業員の健康を最優先に考え、在宅勤務を推奨しております。
オンライン会議の活用、印鑑を使わない承認手続き等、出勤者が最小限となるような環境を整備しております。出勤が必要な場合にも、時差出勤や職場での社会的距離の確保、検温、手洗い、マスク着用等の感染予防策を徹底しております。
(イ) 製品の安定供給体制
製品の安定供給のために、高度な衛生基準に基づいた生産体制のもと、工場では従業員は十分な新型コロナウイルス対策を実施したうえで、通常どおりの出勤対応を取っております。
生活インフラである食品を消費者の皆様にお届けできるよう、主力ブランドに品目を絞った効率的な増産体制を取っております。
⑥ その他トピックス
(ア) ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み
当社は、多様な属性や価値観を持つ従業員を組織の一部として受容し、各々の違いを強みとしてビジネスに活用することで、個人と組織のパフォーマンスを高める「ダイバーシティ&インクルージョン」を重要なテーマと位置づけています。この「ダイバーシティ&インクルージョン」の阻害要因となる「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」(注3)の概念及びそのコントロール方法を議論する「アンコンシャスバイアス研修」を全役員・管理職向けに行いました。
(注3)「アンコンシャスバイアス」とは「無意識の偏見」と表現される概念で、物事に対して無意識に決めつけてしまう脳の機能を指します。多様化した職場では、少数派の従業員がアンコンシャスバイアスを受けることで、疎外感を感じ、能力を十分に発揮できなくなり、パフォーマンスを下げる要因となることが指摘されております。
(イ) 地球と人の未来のための取り組み
「カップヌードル DO IT NOW!」は「地球と人の未来のために、すぐやろう。」を合言葉に、「カップヌードル」を通して、おいしさだけではなく、様々な課題に向き合っていくプロジェクトです。現在は、“環境” “社会” “防災” “健康”をテーマとした取り組みが始まっております。
“環境”面では、「カップヌードル」ブランドの容器について、石化由来プラスチックを従来比約50%削減した「バイオマスECOカップ」に2019年12月から切り替え始めました。「バイオマスECOカップ」は、業界初のバイオマス度80%以上を実現した環境配慮型容器で、2021年度中に「カップヌードル」ブランド全量の切り替えを完了する予定です。
また、“環境”と“社会”に配慮し、森林破壊の防止及び生物多様性の保全、人権に配慮された生産、加工された「RSPO認証パーム油」の使用を2020年2月から「カップヌードル」を生産する全工場で開始しています。
“防災”については、自然災害等万が一のときでも、いつものおいしさを安心して食べられる防災備蓄商品の
「カップヌードル ローリングストックセット」を2019年9月から販売しています。
“健康”では、「カップヌードル」の味わいと食べ応えはそのままに、通常の「カップヌードル」に比べ
て30%の減塩を実現した「カップヌードル ソルトオフ」を2019年9月に発売しました。
「カップヌードル DO IT NOW!」を通じて従業員一丸となって、当社グループの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」へとつなげていきます。

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