有価証券報告書-第213期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:33
【資料】
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【項目】
174項目
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
(経営理念)
「わたしたちは、シキボウグループのものづくり技術・ものづくり文化で新しい価値を創造します。」-安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現へ-という経営理念のもと、「繊維」「産業資材」「機能材料」「不動産・サービス」の各事業分野において、他社には真似の出来ない独自の機能や技術力を活かした商品づくりを追求すると共に、顧客ニーズに沿った商品提案やサービスの向上に取り組んでおります。
(長期ビジョン)
当社グループは、上記の経営理念のもと、これまで培ってきたものづくり技術・文化によって、環境や社会課題の解決に貢献してまいりました。更なる成長を続けるために、当社グループは、創立150年である2042年に向けた長期ビジョン「Mermaid 2042」を掲げております。
「Mermaid 2042」
あなたにもっと寄り添い、愛されるシキボウグループへ
・従業員にもっと寄り添い、笑顔あふれる心豊かな人生の実現に貢献します
・お客様にもっと寄り添い、まだ見ぬ世界を当たり前にする技術で貢献します
・地球にもっと寄り添い、持続可能な社会に貢献します
中期経営計画「TG25-27」の策定を進める中で、長期ビジョンを実現するための経営目標をより具体的な言葉とするために、私たちが「めざす姿」として、以下のとおり策定しました。
(めざす姿)
①従業員が自分のありたい姿を実現するために、仕事を通じて成長し、安心して働ける職場環境をめざします。
・働きやすい、職場環境・制度・組織風土の改善
・従業員の成長のための機会の創出
・多様な人材の確保・育成、機会均等
・健康推進・職場安全衛生
②繊維で培った技術やサービスを通じ、社会課題解決や、お客様の安心・安全・快適な暮らしの実現をめざします。
・安心・安全・快適な製品やサービスの提供
・技術を進化させ、社会のニーズに対応した新製品の開発・提供
・国内のみならず海外市場も含めた製品の提供
③環境や人権に配慮した製品・サービス、ものづくりで、持続可能な社会の実現をめざします。
・環境配慮型商品・サービスの開発・提供
・気候変動に対応した製品の開発・提供
・公正で、持続可能な原材料調達や製品供給の実現
・資源循環型社会実現への貢献
・事業活動における気候変動対策とその緩和策の推進
(中期経営計画「TG25-27」の概要)
中期経営計画「TG25-27」においては、「めざす姿」に基づき、長期ビジョン「Mermaid 2042」へのマイルストーンである、2030年に当社グループのめざす目標を掲げ、その目標をバックキャスティングすることで3ヵ年の経営戦略を策定いたしました。
2025年12月30日付でユニチカグループからの事業譲受等を実施したことにより中期経営計画「TG25-27」における計画値及び2030年に当社グループのめざす目標(売上高680億円、営業利益43億円、経常利益38億円、親会社株主に帰属する当期純利益27億円)の見直しをいたしました。
同目標実現に向けて引き続き中期経営計画「TG25-27」における4つの基本方針「稼ぐ力の向上」、「新中核事業の成長・拡大」、「経営基盤の強化」、「サステナビリティ経営への取組み」に基づき取組みを進めてまいります。
〈 シキボウグループ中期経営計画「TG25-27」成長への変革 〉

<基本方針>繊維で培った技術・経営資源をもとに、新たな価値を創造し更なる成長を実現する
① 稼ぐ力の向上
◆ 繊維事業、産業資材事業のグローバル販売強化
◆ 生産力・販売力強化
◆ 新たなビジネスへのチャレンジ(新規顧客・新規市場開拓)
② 新中核事業の成長・拡大
◆ 食品・化成品事業の食品分野の販売拡大
◆ 複合材料事業の航空・宇宙分野の取組み拡大
◆ 新たな成長の芽の育成・研究開発推進
③ 経営基盤の強化
◆ 資本コストを重視した事業の構造改革
◆ DXの推進による業務の効率化
◆ 資金効率の改善による財務基盤強化
◆ 人的資本経営の推進
④ サステナビリティ経営への取組み
◆ GHG排出量削減
◆ サステナブル商材の販売拡大
◆ 人権への配慮
(2) 目標とする経営指標
シキボウグループは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上、財務の健全性確保、資本の効率性向上を目的として、以下を経営指標としております。
(経営指標)
2026年3月期 実績2028年3月期修正計画2028年3月期
当初計画
有利子負債308億円277億円260億円
D/Eレシオ0.85倍0.76倍0.72倍
自己資本比率38.5%39.3%41.1%
総資産939億円924億円875億円
ROA0.7%2.3%2.4%
ROE2.7%3.9%3.9%
ROIC1.2%2.9%2.9%

(3) 経営環境及び対処すべき課題
わが国経済の見通しについては、緩やかな回復が続く中、中東情勢をはじめとする国際情勢の不安定化、アメリカの通商政策、原材料やエネルギー価格を含む物価上昇等、不透明な状況が継続することが想定されます。
このような経営環境の中、当社グループでは、中期経営計画「TG25-27」で掲げた4つの基本方針及びセグメント別事業戦略を「対処すべき課題」と認識し、取組みを進めております。
中期経営計画「TG25-27」における4つの基本方針「稼ぐ力の向上」、「新中核事業の成長・拡大」、「経営基盤の強化」、「サステナビリティ経営への取組み」の取組み状況は次のとおりです。
「稼ぐ力の向上」としては、ユニチカグループからの事業譲受等を実施し、グローバル販売体制の拡充を図り、グローバル販売強化を進めてまいります。
「新中核事業の成長・拡大」としては、株式会社シキボウ堺に建設した新工場が本格稼働を開始しております。今後、食品・化成品事業の食品分野の販売拡大を進めてまいります。
「経営基盤の強化」としては、資本コストを重視した事業の構造改革を掲げ、事業管理指標ROICによる現状分析を進め、資本コストの改善につながる指標の特定及び当該指標の改善に取り組んでおります。また、脱アナログを進めるため継続して基幹システムの更新に取り組み、DXの推進による業務の効率化を図っております。資金効率の改善による財務基盤強化については、ユニチカグループからの事業譲受等に伴う運転資金の増加への対応のため遅れが見られますが、引き続きキャッシュ・フローの改善、棚卸資産の適正化を進めてまいります。人的資本経営の推進としては、エンゲージメントサーベイの継続実施、健康経営の推進などを通じて、諸制度、職場環境、組織風土の改善に取り組むとともに、ダイバーシティの推進を図り、多様な人材の確保などの取組みを進めております。
「サステナビリティ経営への取組み」としては、尾道事業所及び株式会社シキボウ江南に自家消費型太陽光発電設備を導入し、GHG排出量削減に取り組んでおります。サステナブル商材については、サステナビリティ推進委員会が販売目標を管理し、販売拡大に取り組んでおります。人権への配慮については、人権デュー・デリジェンス実施のため、人権への影響評価の準備を進めております。
セグメント別事業戦略は次のとおりです。なお、新中核事業の拡大により、中期経営計画「TG25-27」から産業材セグメントを産業資材セグメントと、機能材料セグメントに区分して開示することとしています。
① 繊維セグメント
・サステナブル素材の販売拡大
・グローバル販売の拡大
・新規顧客・新規市場への販売拡大
・海外・国内生産拠点の連携と効率化
・生産設備強化のための設備投資
② 産業資材セグメント
・国内生産体制の効率化と販売強化
・現有設備と技術を応用した新規分野の発掘と新商品の開発
・海外事業の販売拡大と収益力アップ
・空気清浄装置分野での生産体制の見直しとメンテナンス事業の拡大
③ 機能材料セグメント
<食品・化成品事業>・新工場を活用した生産体制の再構築
・新規素材(低粘度、脱臭、殺菌品)、ブレンド品の販売拡大
<複合材料事業>・航空・宇宙分野の新規案件の量産立上げ
・エネルギーインフラ分野の新規量産品案件の受注
・航空・宇宙分野での業務提携の検討
④ 不動産・サービスセグメント
<不動産賃貸事業>・グループ全体の遊休地の有効活用
・既存賃貸事業の活性化促進
<リネンサプライ事業>・生産設備更新による効率化と増産体制の構築
・新規取引先の獲得
セグメント別事業戦略に対する取組み状況は次のとおりです。
「繊維セグメント」では、国内市場において、原材料・エネルギー費の高騰、物流費の上昇及び円安に伴う輸入コストの増加を背景としたコストアップが継続しており、依然として厳しい事業環境にあります。一方、海外市場においては、原材料・エネルギー費の高騰及び物流費の上昇はあるものの、アジア圏を中心とした人口増加や産業の高度化に伴う規制強化を背景に、高品質・高付加価値繊維製品に対する需要が高まっております。当社グループは、ユニチカグループから譲り受けた事業の早期安定化及び商圏の維持・再編、人材交流による組織融和を最優先課題として取り組んでおります。当社グループとユニチカグループから譲り受けた事業の知見・技術を結集し、従来以上に高付加価値なソリューション提案を推し進めることで、販売の拡大を目指します。
また、バイオマス由来繊維『グリーンナチュレ®』や、アップサイクルシステム『彩生®』を中心としたサステナブル商材の販売拡大を加速させ、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいります。これらの取組みにより、繊維セグメントにおける収益基盤の安定化と差別化領域での成長加速を図ってまいります。
事業別の重点施策は以下のとおりであります。
原糸販売事業は、連結子会社である新内外綿株式会社との製販連携を一層強化し、杢糸や別注糸などの高付加価値商品の販売比率を高め、収益基盤の安定化を図ります。海外市場においては、シキボウベトナム有限会社との連携により、ベトナム生産原糸のベトナム国内及びASEAN地域への輸出販売を強化し、商圏拡大を図ってまいります。
輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地において現地のトーブ販売市況自体は、堅調ではあるものの、ホルムズ海峡の封鎖により出荷等に影響が出ております。引き続き中東情勢の影響を注視しつつ、日本ブランドとして確立された高い信頼性を維持するため、より付加価値の高い商品開発を継続するとともに、供給体制の柔軟な構築を図りながら、市場の回復に備えた積極的な営業展開を推進してまいります。
ユニフォーム事業は、当社の短繊維開発力とユニチカグループから譲受した事業の長繊維開発力を融合し、糸から織、加工に至るまで差別化された商品供給体制を構築します。これにより、シキボウオリジナル商材の市場シェア拡大と顧客満足度の向上を図るとともに、引き続きコストアップへの対応のため価格改定の交渉を進め収益基盤の強化を図ってまいります。
ニット製品事業は、差別化糸を活用した独自の素材開発を推進します。国内外の生産拠点を最適に活用することで、多様化する顧客ニーズに迅速かつ的確に応える価値提案を行い、グローバルな商圏拡大を目指します。
生活資材事業は、主要取引先との取組みを強化し、生地販売から二次製品(製品完納)までのソリューション提案力を高めます。メディカル分野においては、海外関係会社各社との連携を通じ、成長が期待される海外市場への臭気対策剤『デオマジック®』の展開強化と販売拡大を図ってまいります。
「産業資材セグメント」では、ドライヤーカンバス事業における紙需要減少による国内製紙会社の一部の生産設備停止、フィルター事業におけるクロス未使用型脱水機の普及や個別空調設備の普及等、厳しい環境が続くものと予想されますが、引き続きシェアの拡大、生産性の向上に注力し、国内トップポジションを堅持してまいります。
ドライヤーカンバス事業においては、海外市場での販売拡大や段ボール製造用コルゲーターベルト『N-Dry』の販売拡大、新たな用途開発等に取り組み、市場シェアの拡大を図ってまいります。
フィルタークロス事業においては、緻密クロスやリサイクル原料を使用した環境配慮型商品の販売拡大、空気清浄装置の新規開発商品の販売拡大等に取り組み、売上・利益の拡大を図ってまいります。
「機能材料セグメント」では、原材料・エネルギー価格の上昇等の影響を受ける中、食品・化成品事業における拡張した生産基盤の活用と、複合材料事業における成長分野での量産・品質保証体制の確立及び新規案件の獲得を進め、収益基盤の拡充を図ってまいります。
食品・化成品事業においては、原材料及びエネルギー価格高騰の影響を受け厳しい状況にありますが、食品用増粘安定剤(食品添加物)の受注状況は堅調に推移しています。ブレンド(混合・小分け)分野では、クリーン度の高い室内環境と製造ラインへの洗浄装置を導入した新工場の本格稼働を踏まえ、これまで取り扱いが難しかった増粘安定剤以外の商材にも対象を広げ、新規案件の獲得を図ります。また、食品用増粘安定剤(食品添加物)は、人口が減少する中でも、消費者の「健康志向」や食品に機能性や利便性を求める食の多様化を背景とした需要を捉え、新たな商材の開発を進め、販売拡大に取り組み、収益機会の拡大と収益基盤の強化に努めます。
複合材料事業においては、航空・宇宙分野において新たに受託した案件の量産体制の構築を進めており、今後は量産に向けての人材教育や品質保証体制の確立に取り組みます。また省エネルギーや軽量化が求められるインフラ用途等の分野では、顧客からの情報収集に努めるとともに、顧客要求に合致した繊維強化複合材料の開発を進めて新規案件の受注を図ります。これらの取組みにより、成長分野における収益基盤の拡充と中長期的な成長基盤の強化に努めます。
「不動産・サービスセグメント」では、引き続き安定的収益基盤の維持拡充を目指します。
不動産賃貸事業、リネンサプライ事業、物流配送事業を安定的に運営するほか、リネンサプライ事業では、新規ホテル獲得を進めるとともに、更なる作業効率化によるコスト削減に努めます。

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