訂正有価証券報告書-第114期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2016/02/09 14:41
【資料】
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【項目】
121項目

研究開発活動

当社グループ(当社及び連結子会社)における研究開発活動は、自動車安全部品事業、機能製品事業、パルテム事業各関連において、より安全、安心、快適な複合材や製品、技術を生み出す事を目的としている。
大半の研究開発活動については、当社(芦森工業(株))が母体となっているが、工事を主体とする『パルテム』に関わる工事関連の研究開発については、子会社(芦森エンジニアリング(株))と共同開発を行っている。
当社では創業140年(2018年)のあるべき姿「Ashimori 2018 Vision」を具現化、達成することを目指し(1)ATP(Ashimori Technology Platform:当社のコア技術プラットフォーム)の構築、(2)LT(Launched Technology:ATPからの発進技術)の企画化及びその実行の仕組みづくりの構築を推進している。
具体的には、この活動を通じ、当社が関連する市場の中から伸びる市場を洗い出し、そこに「コア技術」を強化・進化させた新技術・新商品を発進する活動である。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであり、研究開発費の総額は8億84百万円である。
(1)自動車安全部品事業
シートベルト関係は、各国法規・アセスメント対応に向けた新高性能デバイス開発、およびその軽量化開発、並びにグローバル生産拡大に見合ったデバイスの開発、商品化を進めている。
エアバッグ関係は、前面衝突、側面衝突それぞれの各国法規・アセスメント対応に向けた新高性能モジュール開発、軽量、小型化の追求、並びにグローバル生産拡大に見合った商品化を進めている。
内装部品関係は、各種シェード、トノカバー、並びにカーゴネット類の商品ラインナップ拡充、高機能製品開発、新素材開発、デザイン性向上などに取り組み、海外市場展開・顧客拡大に向けた商品化を進めている。
当連結会計年度における自動車安全部品事業の研究開発費は4億76百万円である。
(2)機能製品事業
産業資材関係では、為替変動リスクの軽減や、ユーザー拠点の海外シフトに伴い海外での生産を検討していた
ゴム資材用広幅織物は、タイでの生産に技術的目途を付け、生産開始に向け作業中である。また、合成繊維製ロープは、新構造のロープについて鋭意開発を進めており、その最適構造について目途を付けたことから、具体的な販売活動を強化する。海洋構築物等の係留を目的とした新規ロープは、サンプル出荷を開始している。トラック搬送省力化機器は改善改良とトラック周辺での新商品開発に取り組み更なるシェアアップを目指している。ビル建築向け墜落防護商品は新規に認定取得したので、ラインナップの充実を図り更なる展開を図るべく新商品を開発中である。原材料、各種パーツは最適価格・品質のものを、最適供給場所から調達すべく検討を進めている。
防災関係では、消防用ホースのラインナップについては、翌期で一連の型式試験申請が完了する見込みである。
消防団の操法大会用ホースについては、操作性と通水性のさらなる改善を目指して新型ホースを開発し、市場導入を行う。また、震災後の需要が増加している大口径ホースを開発し、市場導入を行う。
当連結会計年度における機能製品事業の研究開発費は2億13百万円である。
(3)パルテム事業
パルテム関係では、パルテムフローリング工法は、JIS化を推進するとともに、平成25年度の建設技術審査証明でその適用範囲を拡大した。パルテムSZ工法は適用範囲拡大のための材料改良を完了し、大幅な品質向上ができた。新商品として、ガラスクロスを使用した高耐圧ライナーのスーパーHL工法の市場導入を行うことができ、耐震性評価、分岐部処理の確立を進め、今後は送配水管への展開に注力する。また、繊維補強した熱可塑性樹脂ライナーを用いるパルテムフレップ工法が新工法として建設技術審査証明の取得ができ、下水道小口径への展開を図っていく。超音波による非破壊診断法の開発が完了し市場導入を行う。水ビジネスは、緊急給水システムの開発を完了し、PR、デモンストレーションを行い、販売支援を行っている。
当連結会計年度におけるパルテム事業の研究開発費は1億24百万円である。
(4)その他
当社の研究開発活動において、新商品の開発を管轄している技術企画部があり、各セグメントに配分できない研究開発費が発生している。
技術企画部では各事業部門が独自に行う商品開発とは別に技術戦略な観点で将来に向けた横断的な基盤技術の研究開発を行っている。メーカーとして長期的な競合優位性が自社の独自資源に支えられていることを再認識し、
ATPとして「織る」「被覆する」「固定する」「膨らませる」を定めた。さらに、その強みを最大限に発揮できかつ、大きな変化をもたらす「もの」と「場」を見出し、多角化発進技術(LT)の創生を行うことで事業拡大と
それに伴うリスクを減らす活動を進めている。
①次の世代を担う管路更生材料の開発
年々増加する「下水道管更生市場」が要求する
①省エネ・環境対応 ②効率性(短時間施工)を満足する新しい「管路更生材料」の開発を進めている。
②円筒織物活用製品の開発
当社の保有する「超大口径円織機」の特長を最大限に活かした、「長尺」「大口径」かつ「高耐圧」な織物構造を具備した製品開発、システム化に取組んでいる。具体的な標的は「管路更生材料」を中心に「建築土木資材」「水輸送用資材」「防災資材」等である。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は70百万円である。