有価証券報告書-第75期(2022/04/01-2023/03/31)
②戦略
事業環境の不確実性がますます高まる中、ビジネスモデルの変革を早期に進めていくうえで、担い手となる人材に関する戦略の重要性は増すばかりです。とりわけ日本国内においては少子高齢化による労働力人口の減少が進み、これまで以上に人材獲得競争が激化することは確実であり、魅力ある企業であるための人材戦略を策定、実行していく必要があります。また、果断なく変革を進めていくためには、従業員個人のさらなる成長と、個の力を組織の力に結びつけるための環境や風土が必要です。
㈱ワコールにおいては、収益性の早期改善のための施策と並行して、中長期的に選ばれ、選ばれ続ける会社であるために、キャリア自律の支援・成長機会の提供(人材開発)、チーム力の最大化のためのマネジメント力強化(組織開発)、働きがいを支える制度・仕組み、DE&I、Well-beingの実現(風土醸成)の3つの軸で取り組みを進めていきます。
人的資本戦略(対象:㈱ワコール)
人的資本の最大化に向けた取り組み
Ⅰ.人材獲得
当社グループは、先人たちが前例にこだわることなく今日の企業グループを築いてきたように、今後も大胆に、また果敢にチャレンジする風土を大切にしながら、新風を吹き込み新しい価値を創造する多様性の尊重こそが競争の源泉になると考えており、新卒採用と同様に経験者採用(第2新卒採用、キャリア採用等)にも力を入れております。㈱ワコールでは、今後も引き続き、経営幹部候補人材、グローバルやEC、DX等の専門人材の補完など、総合職の採用人員の3~5割程度を経験者採用としていく予定でおります。
㈱ワコールの採用状況(総合職):
Ⅱ.成長支援(育成・リスキリング・キャリア形成)
当社グループでは、従業員一人ひとりの個性や強みが発揮される企業への変革を目指し、学びの機会の提供やキャリアアップの支援など、一人ひとりの成長を支援する各種研修制度を整えています。
<人材育成>㈱ワコールでは、「ワコールの発展は、ワコールの社員一人ひとりの資質の向上とその協力によって実現する」という考え方のもと、経営理念を実践できる人材の育成を目的に、従業員のキャリア形成と能力開発を支援する研修や従業員の主体的な学びをサポートする自己啓発支援制度などにより、従業員の成長を支援しています。
また、モノづくり基礎学習等の品質や商品力を維持・向上させるための研修や、お客さまにご満足いただくための「コンサルティング力」を高める研修など、各部門特性に応じた人材育成を実施しているほか、海外の生産工場に日本から技術者を派遣して支援・指導するなど、競争力の高いものづくりの伝承や、グローバルベースでの品質や生産性の向上に注力しています。
新人材育成体系:
㈱ワコールでは、2019年4月より、経営理念を具現化できる自律革新型人材の育成と人が育つ風土醸成を目的に、新たな人材育成体系「WACOAL TERAKOYA」の運用を開始しました。新たな育成体系では、従業員の自発的なキャリア構築と継続的学習をサポートするため、階層別研修以外の研修を拡充するとともに、手挙げ制で参加できる機会を増やしています。研修内容もアウトプット中心の実践型研修に変更したほか、他企業との合同研修も実施することで、多様な視点を学べる内容としています。事業環境が変化する中で、経営理念を実践し新たな価値を創造できる人材の育成を通して、持続的な成長を実現していきます。
人材育成プログラム(一部):
※新型コロナウイルス感染症の影響等のため、中断
<リスキリング>㈱ワコールでは、事業成長や新規事業に必要なスキルを持った人材を育成するため、リスキリング(学び直し)による人材育成に取り組んでいます。2024年3月期においては内勤業務の労働生産性向上を目指したITリテラシーの底上げ策の一環としてオンライン学習ツールの運用を開始しました。
<キャリア形成>㈱ワコールでは、自ら異動先を希望できる「社内ジョブチャレンジ」制度、グループ外の企業や団体への出向によって社内では得られない経験を可能にする「社外キャリアチャレンジ」制度を拡充し、従業員が自発的にキャリアを広げる機会を増やすことで、イノベーションを起こすことができる人材の育成に取り組んでいます。また、定期社内公募の対象部門を拡大し、グループ会社も対象とする事によって選択肢を広げるとともに、応募対象者も拡大し、従業員と組織双方が積極的にキャリア開発や人材獲得に動ける仕組みを取り入れています。
Meet My Careerプログラム:
㈱ワコールは、従業員が自らのキャリアを主体的かつ前向きに切り拓いていくことを目的にした、キャリア形成に伴う多様な制度・仕組みを拡充し、キャリア自律を促進することによって働きがいの向上と組織の活性化を目指す「Meet My Careerプログラム」を導入しております。このプログラムでは、従来型の自己申告やキャリア面談、研修・自己啓発、異動に加えて、ジョブチャレンジや社内公募、社外キャリアチャレンジ、長期休職、副業など、従業員が主体的にキャリア・可能性を切り拓くための機会を供する制度を体系的に示すことによって、従業員に対して多様な働き方の能動的な実践を促し、同時に今までと異なるスキルを身につけ、磨く機会を供し、個々人の多様なキャリア開発の実現を早めることを目指しております。さらに2024年3月期からは、総合職の新入社員の配属にあたり、受け入れを希望する部門と新入社員のマッチングを行うイベント(Meet My First Career)を開催する等、新たな取り組みを行っています。
Ⅲ.マネジメント力の強化
中核会社である㈱ワコールは、売上の低迷と固定費率の高いコスト構造を背景に収益力が低下しており、トップラインの成長回帰と収益力の改善に向けて、中期経営計画で掲げる事業戦略の見直しを進めております。経営の実効性を高めるために、的確かつスピーディーに意思決定を行い、組織の成果に貢献するためのマネジメント力の強化は極めて重要な課題であり、改めてサクセッションプランに基づくマネジメント人材の発掘、育成、任用に取り組みます。また、組織力の強化の観点からは、健全なフィードバック文化の醸成も必要であると認識しています。ビジョンの実現と戦略を実行でき、かつ個の力を組織の成果に結びつけるためにメンバーを動機づけることができるマネジメント人材の確保・育成の取り組みを推進していきます。
<マネジメント人材の育成>2024年3月期においては、新たにシニアマネジメント向けの経営理念浸透策の一環として実施するトレーニングと、全管理職を対象とした、イノベーションの源泉である多様性の推進と組織開発の基盤である心理的安全性、アンコンシャスバイアスの基礎知識の習得に取り組む計画です。
<評価制度の見直し>㈱ワコールでは、人材の多様性を高めつつ、より生産性の高い少数精鋭の組織づくりを進めています。また、それらのベースとなる「公正な評価や処遇」、「組織の魅力を高め続けることができるリーダーの任用」についても制度及び運用の見直しを随時行っており、フィードバック文化の醸成ならびに評価結果への納得度を高めることで、組織力の強化を図っています。また、2024年3月期から新たに評価項目として経営理念(VISION 2030、アクション)に基づく要素を設定し、経営理念の浸透・実践につなげると共に、評価をコミュニケーションツールの一つとして活用し、対話の機会の充実を図っています。
Ⅳ.DE&Iの推進
当社グループは、従業員一人ひとりの働きがいを高める仕組みを追求しつつ、人的資本の量的・質的な適正化を図ることによって、健全な企業風土と強固な経営体質の構築を進めております。「相互信頼」の経営理念のもとに、多様な人材や価値観を受容し相互に信頼関係を深め、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指しております。引き続き、多様なキャリアパスや働き方の選択肢を拡充させるほか、新しい人事評価制度の導入を進めるなど、変化の激しい市場に対する組織の意思決定において、従業員の多様性を活かすことができる人材施策を実行してまいります。
<女性活躍>㈱ワコールは、お客様そして従業員の多くが女性であることから、より多様な価値観を経営の意思決定に反映する必要があるため、女性の活躍推進を重要な経営課題と捉えています。そのため、女性特有のライフステージに応じた就労環境を整備し、より柔軟な働き方を促進するとともに、性別や年齢に拘らず能力や成果に応じて昇格・登用されるしくみを整備しています。なお、㈱ワコールは2021年2月に女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良であるとして、厚生労働省から「えるぼし認定」を取得いたしました。
<女性の管理職への登用>㈱ワコールでは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しており、2025年3月期までに課長級以上の女性管理職比率を30%以上に高めることを目指しています。2023年4月1日時点の課長級以上の管理職に占める女性比率は29%となっています。
性別を問わず、早い段階からリーダー適性の高い人材の発掘を行い、経営幹部候補への育成機会の提供をさらに進めてまいります。また社員の自律的な成長をサポートしつつ、様々な事業、職務の経験を促して、継続的にキャリア意識の醸成に取り組み、経営幹部を担う人材の育成を進めます。
(詳しくは当社ホームページに掲載しておりますのでご参照ください)
:女性活躍推進法に基づく行動計画
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
:ESGデータ集(ダイバーシティ&インクルージョンほか)
https://www.wacoalholdings.jp/ir/library/esg_presentation/
:(厚生労働省HP) 女性の活躍企業データベース・「株式会社ワコール」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=284
<男女間の賃金差異>女性活躍の一つの指標である男女の賃金の差異は、㈱ワコールで52.9%(正社員53.9%、パート・有期社員58.1%、総合職79.2%、管理職91.2%)となっています。㈱ワコールでは、同一の役割であれば男女で賃金の格差は設けていないため、この差は、①管理職における男性比率が約70%程度あること、②総合職採用、特に新卒採用における女性比率が年々高まっており、結果として入社10年以下の社員においては女性社員の比率が高いこと(10年以下110名、51.9%、10年超71名、15.9%)、③総合職に対し販売職の人数比率が高いことによるものです。
男女の賃金の差異の解消に向けて、総合職における新卒採用や経験者採用で女性比率を高めているほか、年齢や性別に関係なく能力による登用を行い、管理職や役員の女性比率を高めてまいります。
<外国人の管理職への登用>当社グループは、世界の国や地域で事業を営む企業グループとして、米国や欧州、中国をはじめとする海外各法人の代表(社長)及び重要な経営ポストに現地人材を登用しております。また、㈱ホンコンワコール、フィリピンワコール㈱及び㈱インティメイツオンライン(米国)の代表(社長)は女性が務めております。今後も引き続き、海外各市場での顧客視点による事業拡大、競争優位性の強化のために、国籍を問わない多様な現地人材の採用と重要な管理職ポストへの登用を継続的に推進してまいります。
<ワークライフバランス>㈱ワコールでは、従業員が豊かな人生を送り、仕事において持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。この取り組みの一つ、仕事と育児の両立支援では、当事者だけでなく周囲でサポートするメンバーの双方にとって働きやすく働きがいのある職場を目指し、制度や風土の整備に取り組んでいます。また、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいた行動計画を策定し、目標達成に向けて取り組みを行った結果、2018年には3回目の「くるみん」認定に加え、「プラチナくるみん」の認定を取得しました。今後は、従業員が仕事と家庭だけでなく社会とのつながりを積極的に持つことによって、従業員個人の中での経験やスキルの多様性を増し、仕事におけるイノベーション創出につなげられるよう、従業員が自身の時間の使い方を柔軟にできるような仕組みも作っていく予定です。
<障がい者雇用>当社グループでは、全員がいきいきと働き続けるために必要な研修の実施や、一人ひとりの声を聴くための個別面談を通じて、環境改善、就労支援をしています。2018年2月には、障がい者の雇用促進と活躍機会の創出を目的にワコールアイネクスト㈱を設立し、2018年12月に障害者雇用促進法に定める特例子会社の認定を受けました。
ワコールアイネクスト㈱では、業務範囲を限定せず、一人が複数の業務を担当する「マルチタスク」や、業務を分業して複数で請け負う「ワークシェア」など、個々人の能力開発を促す柔軟な働き方を採用し、一人ひとりがやりがいを持ち、成長を実感できる職場の実現を目指しています。法定雇用率を守ることは企業として必要なことですが、数値としての目標ではなく、ワコールの掲げる相互信頼のもと、すべての人が活躍し、成長できる職場づくりにグループ全体で取り組むことで、多様性を活かす社会の実現に貢献していきます。
:障がい者雇用や再雇用制度等については、当社ホームページをご参照ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
Ⅴ.Well-beingの実現
中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」で掲げる「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現するには、重要なステークホルダーである従業員のやりがいを高め、組織全体の生産性を向上させることが不可欠です。
㈱ワコールでは、従業員一人ひとりの働きがいや幸福度の向上こそ、高い生産性を実現する原動力と捉え、従業員とのエンゲージメント向上の一環として、Well-beingの実現のための施策を実行していきます。
<多様な働き方の推進>㈱ワコールは、リモートワークの部門特性に合わせた積極的な活用、フレックスタイム制勤務の促進、勤務地限定制度の運用などを組み合わせ、いかに労働生産性を高めることができるかといった意識と行動変容を求めた取り組みを推進しております。実績・成果を重視する組織改革を進める一方で、多様な意見、価値観を認め合いビジネスパートナーとして個々を尊重する組織風土づくりに注力しております。新型コロナウイルスの感染予防対策として一気に普及したリモートワークですが、5類移行後も「成果・パフォーマンスを最大化するためのワークスタイル」として部門特性に応じた活用を継続します。また2023年4月からはスーパーフレックスタイム制をスタートさせるなど、引き続き働き方改革を進めていきます。
<健康経営>㈱ワコールでは「社員の健康は、持続的成長のための重要な資産」と位置づけ、会社・健康保険組合・労働組合が三位一体となって、健康経営を戦略的に推進しています。「VISION 2030」では、「継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げています。健康経営の推進に向けて、新たに策定した「ワコールGENKI計画2025」では、従業員の心身の健康状態を高めるとともに、それらの成果を「生産性の向上」や「従業員エンゲージメントの向上」につなげていくことを目標としています。「生活習慣病対策」「がん対策」「メンタルヘルス対策」などこれまでの健康維持増進に向けた施策を継続しつつ、従業員が自発的に健康改善に取り組む環境をさらに整備することで、個々の健康に対する行動変容を促していきます。そのほか、女性特有の健康課題に対する取り組みも強化します。なお、㈱ワコールホールディングスは2017年から7年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に選定されています。
:ワコールGENKI計画2025に関しては、下記ホームページをご覧ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/wellbeing/
事業環境の不確実性がますます高まる中、ビジネスモデルの変革を早期に進めていくうえで、担い手となる人材に関する戦略の重要性は増すばかりです。とりわけ日本国内においては少子高齢化による労働力人口の減少が進み、これまで以上に人材獲得競争が激化することは確実であり、魅力ある企業であるための人材戦略を策定、実行していく必要があります。また、果断なく変革を進めていくためには、従業員個人のさらなる成長と、個の力を組織の力に結びつけるための環境や風土が必要です。
㈱ワコールにおいては、収益性の早期改善のための施策と並行して、中長期的に選ばれ、選ばれ続ける会社であるために、キャリア自律の支援・成長機会の提供(人材開発)、チーム力の最大化のためのマネジメント力強化(組織開発)、働きがいを支える制度・仕組み、DE&I、Well-beingの実現(風土醸成)の3つの軸で取り組みを進めていきます。
人的資本戦略(対象:㈱ワコール)
| 基本方針 | キャリア自律の更なる促進と働きがいが実感できる風土を醸成し、社員一人ひとりの個性・強みが発揮される”社員総活躍企業”を目指す |
| 求める人物像 | “自律革新型人材” 経営理念を尊重し、具現化できる人材 既成概念や現状の枠組みを見直し、熱意をもって革新できる人材 主体的に自己の能力を高め、新たな可能性にチャレンジできる人材 良好なチームワークを構築し、組織目標に貢献できる人材 健康的で健全な生活習慣を実践できる人材 |
| 経営戦略に基づく人的資本の課題 | <方向性>少数精鋭の組織運営の実現=個の成長×組織力の向上×魅力ある風土の醸成 早期に収益力を改善するための要員計画マネジメントと並行して、中長期的な成長のための人材育成・組織開発・風土改革を実行する。 ⦅重点課題>①会社の成長を担う人材の獲得・育成・登用 ・事業ポートフォリオやビジネスモデルの変化に合わせた人材ポートフォリオに基づく、採用、育成を行う。 ・自律的なキャリア形成のための機会、時間の提供を拡大し、個の成長を支援する。 ②個の力を組織の成果に結びつけるためのマネジメント力の向上 ・サクセッションプランに基づく適正な登用・配置を強化する。 ・健全なフィードバック文化の醸成を通じ、マネジメント力・組織力の向上を実現する。 ③エンゲージメント・心理的安全性の高い組織風土の醸成 ・DE&Iを推進し、多様な個が公正な環境下で活躍できる心理的安全性の高い風土を醸成する。 ・公正かつ時代に合った人事・報酬体系を実現するとともに、登用・任用基準・プロセスを明確にする。 |
| 人的資本の最大化に 向けた取り組み | Ⅰ.人材獲得 |
| Ⅱ.成長支援(育成・リスキリング・キャリア形成) | |
| Ⅲ.マネジメント力の強化 | |
| Ⅳ.DE&Iの推進 | |
| Ⅴ.Well-beingの実現 |
人的資本の最大化に向けた取り組み
Ⅰ.人材獲得
当社グループは、先人たちが前例にこだわることなく今日の企業グループを築いてきたように、今後も大胆に、また果敢にチャレンジする風土を大切にしながら、新風を吹き込み新しい価値を創造する多様性の尊重こそが競争の源泉になると考えており、新卒採用と同様に経験者採用(第2新卒採用、キャリア採用等)にも力を入れております。㈱ワコールでは、今後も引き続き、経営幹部候補人材、グローバルやEC、DX等の専門人材の補完など、総合職の採用人員の3~5割程度を経験者採用としていく予定でおります。
㈱ワコールの採用状況(総合職):
| 質問内容 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | |
| 経験者採用の状況 | 男性 | 2 | 4 | 1 | 4 |
| 女性 | 6 | 6 | 1 | 6 | |
| 合計 | 8 | 10 | 2 | 10 | |
| 新卒採用の状況 | 男性 | 10 | 13 | 7 | 6 |
| 女性 | 13 | 16 | 16 | 10 | |
| 合計 | 23 | 29 | 23 | 16 | |
| 経験者採用比率 | 26% | 26% | 8% | 38% | |
Ⅱ.成長支援(育成・リスキリング・キャリア形成)
当社グループでは、従業員一人ひとりの個性や強みが発揮される企業への変革を目指し、学びの機会の提供やキャリアアップの支援など、一人ひとりの成長を支援する各種研修制度を整えています。
<人材育成>㈱ワコールでは、「ワコールの発展は、ワコールの社員一人ひとりの資質の向上とその協力によって実現する」という考え方のもと、経営理念を実践できる人材の育成を目的に、従業員のキャリア形成と能力開発を支援する研修や従業員の主体的な学びをサポートする自己啓発支援制度などにより、従業員の成長を支援しています。
また、モノづくり基礎学習等の品質や商品力を維持・向上させるための研修や、お客さまにご満足いただくための「コンサルティング力」を高める研修など、各部門特性に応じた人材育成を実施しているほか、海外の生産工場に日本から技術者を派遣して支援・指導するなど、競争力の高いものづくりの伝承や、グローバルベースでの品質や生産性の向上に注力しています。
新人材育成体系:
㈱ワコールでは、2019年4月より、経営理念を具現化できる自律革新型人材の育成と人が育つ風土醸成を目的に、新たな人材育成体系「WACOAL TERAKOYA」の運用を開始しました。新たな育成体系では、従業員の自発的なキャリア構築と継続的学習をサポートするため、階層別研修以外の研修を拡充するとともに、手挙げ制で参加できる機会を増やしています。研修内容もアウトプット中心の実践型研修に変更したほか、他企業との合同研修も実施することで、多様な視点を学べる内容としています。事業環境が変化する中で、経営理念を実践し新たな価値を創造できる人材の育成を通して、持続的な成長を実現していきます。
人材育成プログラム(一部):
| プログラム名 | 実施目的 | 一人当たりの 研修時間 | 年間参加人数 | ||
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | ||||
| 階層別研修 | 役割・資格の変化に伴う、期待役割の認識及びマインドセットを目的に実施します。同時に会社の方向性と自身のキャリアビジョンを考える機会とします。 | 1~6日 (研修による) | 811名 | 684名 | |
| ビジネススキル | ビジネスマンとして求められる必須スキルを、社内のみならず社外人材との交流を通して学ぶことで、社内外で通用する普遍的なビジネススキルを体得できます。 | 7.5時間 | 58名 | 61名 | |
| ワコールアカデミー | ワコールにおける社内ナレッジの共有、知識伝承、組織開発等を目的に社内外の講師による研修・セミナーを開催します。 | 7時間~ | 2,334名 | 1,217名 | |
| Global Talent Development | 事業のグローバル化が進む中、グローバルコミュニケーションスキル(業務遂行能力、語学力、異文化適応力等)を発揮できるグローバル人材を育成します。 | 海外業務研修 | 2年 | 5名 | 4名 |
| 海外語学研修 | 6ヶ月 | ※ | ※ | ||
| グローバルコミュニケーション研修 | 1日 | ※ | ※ | ||
| セルフラーニング | Eラーニングを活用した「いつでも、どこでも」学べるコンテンツ提供と主体的な能力開発・自己研鑽を支援する制度があります。 | 自己啓発援助制度 | - | 36名 | 160名 |
| 通信教育・Eラーニング | - | 253名 | 2,138名 | ||
※新型コロナウイルス感染症の影響等のため、中断
<リスキリング>㈱ワコールでは、事業成長や新規事業に必要なスキルを持った人材を育成するため、リスキリング(学び直し)による人材育成に取り組んでいます。2024年3月期においては内勤業務の労働生産性向上を目指したITリテラシーの底上げ策の一環としてオンライン学習ツールの運用を開始しました。
<キャリア形成>㈱ワコールでは、自ら異動先を希望できる「社内ジョブチャレンジ」制度、グループ外の企業や団体への出向によって社内では得られない経験を可能にする「社外キャリアチャレンジ」制度を拡充し、従業員が自発的にキャリアを広げる機会を増やすことで、イノベーションを起こすことができる人材の育成に取り組んでいます。また、定期社内公募の対象部門を拡大し、グループ会社も対象とする事によって選択肢を広げるとともに、応募対象者も拡大し、従業員と組織双方が積極的にキャリア開発や人材獲得に動ける仕組みを取り入れています。
Meet My Careerプログラム:
㈱ワコールは、従業員が自らのキャリアを主体的かつ前向きに切り拓いていくことを目的にした、キャリア形成に伴う多様な制度・仕組みを拡充し、キャリア自律を促進することによって働きがいの向上と組織の活性化を目指す「Meet My Careerプログラム」を導入しております。このプログラムでは、従来型の自己申告やキャリア面談、研修・自己啓発、異動に加えて、ジョブチャレンジや社内公募、社外キャリアチャレンジ、長期休職、副業など、従業員が主体的にキャリア・可能性を切り拓くための機会を供する制度を体系的に示すことによって、従業員に対して多様な働き方の能動的な実践を促し、同時に今までと異なるスキルを身につけ、磨く機会を供し、個々人の多様なキャリア開発の実現を早めることを目指しております。さらに2024年3月期からは、総合職の新入社員の配属にあたり、受け入れを希望する部門と新入社員のマッチングを行うイベント(Meet My First Career)を開催する等、新たな取り組みを行っています。
| プログラム名 | 実施目的 | 人数(人) | |
| 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | ||
| ジョブチャレンジ、社内公募 | 自律型人材形成の一環として 「ジョブチャレンジ」自らの意思と意欲を前提に自己異動希望を示す者に、ジョブローテーションの機会を支援し、組織全体の活性化につなげる。 「社内公募」組織自らが求める人材を得ることで部門の強化を図り、社内組織全体を活性化につなげる。 | 15 | 18 |
| 社外キャリアチャレンジ | 変化の激しい時代において、社外での就業経験を通して多様な視点や価値観を取り入れ、知識のアップデート、リスキルを行うことで、適応力やレジリエンスを高めることにつなげる。 | 19 | 38 |
| 副業申請者 | 1.社外での活動に携わる中で、自身のスキル・能力・専門性を高め、本業での発揮能力を高める。 2.今後のキャリアを見据えたうえで、社外ネットワークの構築及び新たな知見、スキルを獲得する。 3.自分の趣味や興味のあることに取り組み、更なる収入を得ることで多様なライフの充実を実現する。 | 40 | 38 |
| 長期休暇制度 利用者 | 「自己啓発・自己開発を目的とした場合」と「配偶者が転勤、または遠隔地に居住する者と婚姻した後」において、一定期間の休職を認めることにより、就業継続を支援する。 | 3 | 5 |
Ⅲ.マネジメント力の強化
中核会社である㈱ワコールは、売上の低迷と固定費率の高いコスト構造を背景に収益力が低下しており、トップラインの成長回帰と収益力の改善に向けて、中期経営計画で掲げる事業戦略の見直しを進めております。経営の実効性を高めるために、的確かつスピーディーに意思決定を行い、組織の成果に貢献するためのマネジメント力の強化は極めて重要な課題であり、改めてサクセッションプランに基づくマネジメント人材の発掘、育成、任用に取り組みます。また、組織力の強化の観点からは、健全なフィードバック文化の醸成も必要であると認識しています。ビジョンの実現と戦略を実行でき、かつ個の力を組織の成果に結びつけるためにメンバーを動機づけることができるマネジメント人材の確保・育成の取り組みを推進していきます。
<マネジメント人材の育成>2024年3月期においては、新たにシニアマネジメント向けの経営理念浸透策の一環として実施するトレーニングと、全管理職を対象とした、イノベーションの源泉である多様性の推進と組織開発の基盤である心理的安全性、アンコンシャスバイアスの基礎知識の習得に取り組む計画です。
<評価制度の見直し>㈱ワコールでは、人材の多様性を高めつつ、より生産性の高い少数精鋭の組織づくりを進めています。また、それらのベースとなる「公正な評価や処遇」、「組織の魅力を高め続けることができるリーダーの任用」についても制度及び運用の見直しを随時行っており、フィードバック文化の醸成ならびに評価結果への納得度を高めることで、組織力の強化を図っています。また、2024年3月期から新たに評価項目として経営理念(VISION 2030、アクション)に基づく要素を設定し、経営理念の浸透・実践につなげると共に、評価をコミュニケーションツールの一つとして活用し、対話の機会の充実を図っています。
Ⅳ.DE&Iの推進
当社グループは、従業員一人ひとりの働きがいを高める仕組みを追求しつつ、人的資本の量的・質的な適正化を図ることによって、健全な企業風土と強固な経営体質の構築を進めております。「相互信頼」の経営理念のもとに、多様な人材や価値観を受容し相互に信頼関係を深め、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指しております。引き続き、多様なキャリアパスや働き方の選択肢を拡充させるほか、新しい人事評価制度の導入を進めるなど、変化の激しい市場に対する組織の意思決定において、従業員の多様性を活かすことができる人材施策を実行してまいります。
<女性活躍>㈱ワコールは、お客様そして従業員の多くが女性であることから、より多様な価値観を経営の意思決定に反映する必要があるため、女性の活躍推進を重要な経営課題と捉えています。そのため、女性特有のライフステージに応じた就労環境を整備し、より柔軟な働き方を促進するとともに、性別や年齢に拘らず能力や成果に応じて昇格・登用されるしくみを整備しています。なお、㈱ワコールは2021年2月に女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良であるとして、厚生労働省から「えるぼし認定」を取得いたしました。
<女性の管理職への登用>㈱ワコールでは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しており、2025年3月期までに課長級以上の女性管理職比率を30%以上に高めることを目指しています。2023年4月1日時点の課長級以上の管理職に占める女性比率は29%となっています。
性別を問わず、早い段階からリーダー適性の高い人材の発掘を行い、経営幹部候補への育成機会の提供をさらに進めてまいります。また社員の自律的な成長をサポートしつつ、様々な事業、職務の経験を促して、継続的にキャリア意識の醸成に取り組み、経営幹部を担う人材の育成を進めます。
(詳しくは当社ホームページに掲載しておりますのでご参照ください)
:女性活躍推進法に基づく行動計画
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
:ESGデータ集(ダイバーシティ&インクルージョンほか)
https://www.wacoalholdings.jp/ir/library/esg_presentation/
:(厚生労働省HP) 女性の活躍企業データベース・「株式会社ワコール」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=284
<男女間の賃金差異>女性活躍の一つの指標である男女の賃金の差異は、㈱ワコールで52.9%(正社員53.9%、パート・有期社員58.1%、総合職79.2%、管理職91.2%)となっています。㈱ワコールでは、同一の役割であれば男女で賃金の格差は設けていないため、この差は、①管理職における男性比率が約70%程度あること、②総合職採用、特に新卒採用における女性比率が年々高まっており、結果として入社10年以下の社員においては女性社員の比率が高いこと(10年以下110名、51.9%、10年超71名、15.9%)、③総合職に対し販売職の人数比率が高いことによるものです。
男女の賃金の差異の解消に向けて、総合職における新卒採用や経験者採用で女性比率を高めているほか、年齢や性別に関係なく能力による登用を行い、管理職や役員の女性比率を高めてまいります。
<外国人の管理職への登用>当社グループは、世界の国や地域で事業を営む企業グループとして、米国や欧州、中国をはじめとする海外各法人の代表(社長)及び重要な経営ポストに現地人材を登用しております。また、㈱ホンコンワコール、フィリピンワコール㈱及び㈱インティメイツオンライン(米国)の代表(社長)は女性が務めております。今後も引き続き、海外各市場での顧客視点による事業拡大、競争優位性の強化のために、国籍を問わない多様な現地人材の採用と重要な管理職ポストへの登用を継続的に推進してまいります。
<ワークライフバランス>㈱ワコールでは、従業員が豊かな人生を送り、仕事において持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。この取り組みの一つ、仕事と育児の両立支援では、当事者だけでなく周囲でサポートするメンバーの双方にとって働きやすく働きがいのある職場を目指し、制度や風土の整備に取り組んでいます。また、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいた行動計画を策定し、目標達成に向けて取り組みを行った結果、2018年には3回目の「くるみん」認定に加え、「プラチナくるみん」の認定を取得しました。今後は、従業員が仕事と家庭だけでなく社会とのつながりを積極的に持つことによって、従業員個人の中での経験やスキルの多様性を増し、仕事におけるイノベーション創出につなげられるよう、従業員が自身の時間の使い方を柔軟にできるような仕組みも作っていく予定です。
<障がい者雇用>当社グループでは、全員がいきいきと働き続けるために必要な研修の実施や、一人ひとりの声を聴くための個別面談を通じて、環境改善、就労支援をしています。2018年2月には、障がい者の雇用促進と活躍機会の創出を目的にワコールアイネクスト㈱を設立し、2018年12月に障害者雇用促進法に定める特例子会社の認定を受けました。
ワコールアイネクスト㈱では、業務範囲を限定せず、一人が複数の業務を担当する「マルチタスク」や、業務を分業して複数で請け負う「ワークシェア」など、個々人の能力開発を促す柔軟な働き方を採用し、一人ひとりがやりがいを持ち、成長を実感できる職場の実現を目指しています。法定雇用率を守ることは企業として必要なことですが、数値としての目標ではなく、ワコールの掲げる相互信頼のもと、すべての人が活躍し、成長できる職場づくりにグループ全体で取り組むことで、多様性を活かす社会の実現に貢献していきます。
:障がい者雇用や再雇用制度等については、当社ホームページをご参照ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
Ⅴ.Well-beingの実現
中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」で掲げる「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現するには、重要なステークホルダーである従業員のやりがいを高め、組織全体の生産性を向上させることが不可欠です。
㈱ワコールでは、従業員一人ひとりの働きがいや幸福度の向上こそ、高い生産性を実現する原動力と捉え、従業員とのエンゲージメント向上の一環として、Well-beingの実現のための施策を実行していきます。
<多様な働き方の推進>㈱ワコールは、リモートワークの部門特性に合わせた積極的な活用、フレックスタイム制勤務の促進、勤務地限定制度の運用などを組み合わせ、いかに労働生産性を高めることができるかといった意識と行動変容を求めた取り組みを推進しております。実績・成果を重視する組織改革を進める一方で、多様な意見、価値観を認め合いビジネスパートナーとして個々を尊重する組織風土づくりに注力しております。新型コロナウイルスの感染予防対策として一気に普及したリモートワークですが、5類移行後も「成果・パフォーマンスを最大化するためのワークスタイル」として部門特性に応じた活用を継続します。また2023年4月からはスーパーフレックスタイム制をスタートさせるなど、引き続き働き方改革を進めていきます。
<健康経営>㈱ワコールでは「社員の健康は、持続的成長のための重要な資産」と位置づけ、会社・健康保険組合・労働組合が三位一体となって、健康経営を戦略的に推進しています。「VISION 2030」では、「継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げています。健康経営の推進に向けて、新たに策定した「ワコールGENKI計画2025」では、従業員の心身の健康状態を高めるとともに、それらの成果を「生産性の向上」や「従業員エンゲージメントの向上」につなげていくことを目標としています。「生活習慣病対策」「がん対策」「メンタルヘルス対策」などこれまでの健康維持増進に向けた施策を継続しつつ、従業員が自発的に健康改善に取り組む環境をさらに整備することで、個々の健康に対する行動変容を促していきます。そのほか、女性特有の健康課題に対する取り組みも強化します。なお、㈱ワコールホールディングスは2017年から7年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に選定されています。
:ワコールGENKI計画2025に関しては、下記ホームページをご覧ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/wellbeing/