有価証券報告書-第77期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/25 11:31
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154項目
②戦略
事業環境の不確実性がますます高まる中、ビジネスモデルの変革を早期に進めていくうえで、担い手となる人財に関する戦略の重要性は増すばかりです。とりわけ日本国内においては少子高齢化による労働力人口の減少が進み、これまで以上に人財獲得競争が激化しています。魅力ある企業であるための人財戦略を策定、実行していく必要があります。当社においては、果断な構造改革と成長戦略の策定・実行を並行して、またスピードを上げて進めていくためにも、従業員個人のさらなる成長に資する施策に加え、個の力を組織の力に結びつけるための環境や風土への変革を併せて進めています。
なお、当社グループにおいては従業員の所属が各事業会社(本籍が当社の従業員は0)であり、人事戦略・施策は個社の事業戦略に連動して策定し、またそれぞれの労使関係において協議、協定の上実行、検証しているため、連結会社ベースでの開示を行うことは困難であり、現時点では中核事業会社である㈱ワコールの戦略、施策の実行状況を記載しています。連結ベースでは、グループの人的資本に関するガバナンスの強化、具体的には人権・DE&Iやコンプライアンスの観点が主たる課題と捉えており、その課題に関する取り組みが進んだ段階では、連結会社を含む開示を行うよう、引き続き検討してまいります。
人的資本戦略における重点取り組み(対象:㈱ワコール)
基本方針個の成長に加え、個の力を組織の成果に結びつけるための取り組みにより注力し「会社の成長」と「人的資本への投資・人財の成長」の好循環を実現する。
人的資本戦略における
重点取り組み
Ⅰ.人財獲得
対応するマテリアリティ:5 共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり
Ⅱ.成長支援(人財育成・キャリア形成)
対応するマテリアリティ:4 自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人財への成長
Ⅲ.マネジメント力の強化
対応するマテリアリティ:5 共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり
Ⅳ.DE&Iの推進
対応するマテリアリティ:5 共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり
Ⅴ.Well-beingの実現
対応するマテリアリティ:6 継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上

Ⅰ.人財獲得
当社グループは、先人たちが前例にこだわることなく今日の企業グループを築いてきたように、今後も大胆に、また果敢にチャレンジする風土を大切にしながら、新風を吹き込み新しい価値を創造する多様性の尊重こそが競争の源泉になると考えています。また少子高齢化、労働力人口減少の環境下で、人財のリテンションにも力を入れる必要があります。その具体策として、「役割等級制度への移行」「職群の撤廃と処遇の統一」「評価と処遇」人事制度の三要素を改訂しました。これによって、社内人財のリテンションと外部からの人財獲得に繋がると考えております。新卒採用に加え、第二新卒やキャリア採用などの経験者採用にも注力しており、今後も経営幹部候補人財やグローバル・EC・DX・新規事業等の専門人財の獲得を目的に、総合職の採用人員のうち3~5割程度を経験者採用とする方針を継続しています。また、多様な人財との早期接点を強化するため、短期インターンシッププログラム「Wacoal Career Journey」を新たに開催しています。このプログラムでは、参加者が実際にワコール社員と交流し、リアルな働き方や価値観に触れることで、当社で働く意義や文化を肌で感じてもらうことを目的としています。これにより、入社前から職場との相互理解を深めるとともに、ワコールが目指す共創と革新の土壌づくりにつなげています。
一方、複数ある職種の中でも特に人財確保が困難であるビューティーアドバイザー職(販売職)については、人財獲得・定着施策として、2020年8月から、地域限定採用である販売職が自己都合で転居した場合でも、一定の条件を満たせば転居先への勤務地変更を可能にし、就業継続できるしくみを整えています(2025年4月末時点の制度利用者累計:46名)。また、2022年4月からは退職者のネットワーク「BANK(BA Alumni Network)」の運用を開始し、各種の情報提供や復職支援、友人のご紹介等、退職後も関係を継続できるしくみを構築しています(2025年4月末時点の登録者:92名)。2025年10月からは、自社の社員が友人や知人を紹介し、その紹介によって採用に至る「リファラル採用」を導入する予定をしており、ワコールに親和性の高い社員を向かい入れることにも取り組んでまいります。
㈱ワコールの主たる職群の採用状況
職群区分性別2023年3月期2024年3月期2025年3月期
総合職経験者男性418
女性6158
合計101616
新卒男性626
女性101012
合計161218
経験者採用比率38%57%47%
販売職経験者男性000
女性61458
合計61458
新卒男性000
女性161419
合計161419
経験者採用比率27%50%75%
クリエイター職
技術・研究職
経験者男性000
女性000
合計000
新卒男性000
女性004
合計004
経験者採用比率0%0%0%

Ⅱ.成長支援(人財育成・キャリア形成)
当社グループでは、従業員一人ひとりの個性や強みが発揮される企業への変革を目指し、学びの機会の提供やキャリアアップの支援など、一人ひとりの成長を支援する各種研修制度を整えています。
<人財育成>㈱ワコールは人財育成体系「WACOAL TERAKOYA」の運用を開始以来、継続的なアップデートを行ってきました。昨今の消費行動やニーズの急激な変化を受け、新たなビジネス環境に対応可能な人財の育成に向け、教育・研修体系の抜本的見直しを実施しました。新体系では、階層別研修を画一的な内容から脱却し、個々の成長段階に応じた選択型プログラムへと再設計しました。さらに、組織の専門性強化を目的とする「部門別マスタリープログラム」を新設し、個の成長が組織成果に直結する仕組みを強化しております。また、異業種との学びや交流を促す、手上げ型の外部プログラムへの参加機会を拡充し、多様な視点を取り入れ革新性の高い人財育成を図っています。加えて、外部との接点を通じた視座の拡張を目的に、短期ビジネススクールへの派遣も開始しました。選抜された社員が経営・戦略・マーケティング等の先進的な知見を習得し、帰任後にその学びを組織内で還元する仕組みを整備しています。これらの取り組みにより、経営理念の実践と新たな価値創造を担う人財の育成を通じて、ワコールの持続的成長の実現を目指します。
販売職の育成においては、より多様化するお客さまのニーズに応え、ご満足いただくために「顧客対応力(実学)」と「人間力(道学)」の両面の向上に取り組んでいます。具体的には、2022年4月より㈱グロービスの「GLOPLA LMS (Learning Management System)」という自律的な学びのプラットフォームを活用し、成長機会の提供、キャリアアップ意欲の醸成につなげています。2014年からタブレット端末を活用した人財育成にも取り組み、商品情報や販売促進に関するデータの共有からスタートしました。2020年以降はリモートでの研修やミーティングの機会が増え、事業所から離れたメンバーにもリアルタイムで情報共有ができる環境を整えています。2025年4月から、半月に1回、朝の1時間を活用し、接客販売に関する塾をオンラインで開講しました。毎回100名程度が参加し、お客さまへの接客販売スキルの向上や新たにスタートした取り置き・取り寄せサービスの拡大にも取り組んでいます。加えて、コーチングスキルに特化した研修もスタートし、2025年3月期には販売職の所属部門長と販売職の役割任用者152名が受講し、「働く仲間、一人ひとりがお客様を想って自律的に考え行動していくことを尊重できる組織風土づくり」にも取り組んでいます。コミュニケーションのあり方を変え、社員が成長することで会社が成長することを目指しています。
人財育成プログラムの例
(内勤社員実績)
プログラム名実施目的一人当たりの
研修時間
年間参加人数
2024年3月期2025年3月期
階層別研修役割・資格の変化に伴う、期待役割の認識及びマインドセットを目的に実施します。同時に会社の方向性と自身のキャリアビジョンを考える機会とします。1~6日
(研修による)
252名349名
ビジネススキルビジネスマンとして求められる必須スキルを、社内のみならず社外人財との交流を通して学ぶことで、社内外で通用する普遍的なビジネススキルを体得できます。7.5時間38名35名
部門別マスタリー
プログラム
ワコールにおける社内ナレッジの共有、知識伝承、組織開発等を目的に社内外の講師による研修・セミナーを開催します。7時間~881名1,390名
セルフラーニングEラーニングを活用した「いつでも、どこでも」学べるコンテンツ提供と主体的な能力開発・自己研鑽を支援する制度があります。自己啓発援助制度-30名38名
通信教育・Eラーニング-741名470名

(販売職実績)
プログラム名実施目的一人当たりの
研修時間
年間参加人数
2024年3月期2025年3月期
昇格時研修各等級への期待値や役割行動を理解すると同時に、経営理念の浸透を図り、必要なマインドやスキルを習得することで、組織全体のパフォーマンス向上と円滑なチーム運営につなげます。また、昇格を機会に自身のキャリアについて考える機会としています。6時間~149名75名
役割任命時研修役割任用者(スーパーバイザーや店長等)としての店舗管理、人財育成に関する責任を理解し、人財育成に関わるマインドセットを行い、効率的な業務志向と組織目標の達成を支援します。6時間~47名78名
シーズンビジネス
トレーニング
販売チャネルごとのシーズン戦略や商品知識の理解、接客シミュレーションを通して接客手法を学び、LTVの最大化を目指します。6時間~1,292名830名
スタンダード
トレーニング
接客の基本を身に付けた中堅クラスのスタッフを対象とし、ブランドイメージを体現する接客(会話力、提案力)を習得し、更なる顧客満足度向上と売上拡大を目指します。6時間~574名250名

<キャリア形成>㈱ワコールでは、従業員が自らのキャリアを主体的かつ前向きに切り拓いていくことを目的にした、キャリア形成に伴う多様な制度・仕組みを拡充し、キャリア自律を促進することによって働きがいの向上と組織の活性化を目指す「Meet My Careerプログラム」を導入しております。このプログラムでは、従来型の自己申告やキャリア面談、研修・自己啓発、異動に加えて、「社内公募制度」や、自ら異動先を希望できる「社内ジョブチャレンジ制度」、グループ外の企業や団体への出向によって社内では得られない経験を可能にする「社外キャリア留学」、所属部門に籍を置いたまま他部門の業務を体験できる「社内インターン制度」、長期休職制度、副業支援など、従業員が主体的にキャリア・可能性を切り拓くための選択肢を体系的に示すことで、従業員に対して多様な働き方の能動的な実践を促し、同時に今までと異なるスキルを身につけ、磨く機会を供し、個々人の多様なキャリアの実現を促進することを目指しています。「社内公募制度」についてはグループ会社も対象とする事によってキャリアの選択肢をより広げるとともに、従業員と組織の双方が積極的にキャリア開発や人財獲得に取り組める仕組みを取り入れています。
さらに、従業員一人ひとりのキャリアをより丁寧に支援するため、社内外のキャリアコンサルタントによるキャリア面談を段階的に実施しており、従業員の内省と将来設計を促進する機会を提供しています。また、若年層向けに、早期段階から自律的なキャリア形成を意識づける「キャリアデザイン研修」を実施しており、自らの強みや志向性を見出し、将来的なキャリアビジョンを描く力の醸成を図っています。
販売職においては、50歳を迎える社員を対象に「キャリア研修」を実施しており、2025年3月期は25名が参加し、リタイアメントライフデザインについて学び、定年に向けた準備を考える機会を提供しています。また、2021年4月から販売職の中の一つの役割として、国家資格キャリアコンサルタントを保有するメンバーが担う「キャリアコーディネーター」という役割を設けて、キャリア面談にも積極的に取り組んでいます。2025年3月期では120件の面談を実施し、ビューティーアドバイザー一人ひとりと一緒にキャリアを考える機会を提供しています。
今後も、従業員が自発的にキャリアを広げる機会を提供し続け、多様な人財の育成に取り組んでまいります。
プログラム名実施目的人数(人)
2024年
3月期
2025年
3月期
ジョブチャレンジ制度
社内公募制度
自律型人財形成の一環として
「ジョブチャレンジ」自らの意思と意欲を前提に自己異動希望を示す者に、ジョブローテーションの機会を支援し、組織全体の活性化につなげる。
「社内公募」組織自らが求める人財を得ることで部門の強化を図り、社内組織全体を活性化につなげる。
2511
社外キャリア留学変化の激しい時代において、社外での就業経験を通して多様な視点や価値観を取り入れ、知識のアップデート、リスキルを行うことで、適応力やレジリエンスを高めることにつなげる。4231
副業制度1.社外での活動に携わる中で、自身のスキル・能力・専門性を高め、本業での発揮能力を高める。
2.今後のキャリアを見据えたうえで、社外ネットワークの構築及び新たな知見、スキルを獲得する。
3.自分の趣味や興味のあることに取り組み、更なる収入を得ることで多様なライフの充実を実現する。
3029
長期休暇制度「自己啓発・自己開発を目的とした場合」と「配偶者が転勤、または遠隔地に居住する者と婚姻した後」において、一定期間の休職を認めることにより、就業継続を支援する。1011

Ⅲ.マネジメント力の強化
経営の実効性を高めるために、的確かつスピーディーに意思決定を行い、組織の成果に貢献するためのマネジメント力の強化は極めて重要な課題であり、改めてサクセッションプランに基づくマネジメント人財の発掘、育成、任用に取り組みます。また、組織力の強化の観点からは、健全なフィードバック文化の醸成も必要であると認識しています。ビジョンの実現と戦略を実行でき、かつ個の力を組織の成果に結びつけるためにメンバーを動機づけることができるマネジメント人財の確保・育成の取り組みを推進していきます。
2024年11月より、経営戦略・事業運営に関する知見を実践的に学ぶ機会として執行役員がメンターを務める「経営視点実学プログラム」を導入しました。本プログラムは経営に必要な視座と意思決定プロセスを現場課題と紐づけながら体得することを目的としており、次世代リーダーの意識変革と視野の拡張に寄与しています。さらに、部長に対しては、外部研修機関との連携による経営層向けプログラムへの参加を推進し、社外視点の獲得と経営力のさらなる強化を図っています。
組織力の強化のためには、エンゲージメントの向上にも継続的に取り組んでいます。経営層と従業員の対話の機会であるタウンホールミーティングを今後も継続的に実施し、経営方針、事業戦略の理解浸透と現場の実態を共有する場として有効に機能させていきます。併せて、新人事制度を中心とした人事部門との対話の機会の設定、また本部単位の人財開発会議の設置により、より現場に根ざした人財育成、組織力向上を可能にする風土を形成していきます。
Ⅳ.DE&Iの推進
当社グループは、従業員一人ひとりの働きがいを高める仕組みを追求しつつ、人的資本の量的・質的な適正化を図ることによって、健全な企業風土と強固な経営体質の構築を進めております。多様な人財や価値観を受容し相互に信頼関係を深め、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指しております。引き続き、多様なキャリアパスや働き方の選択肢を拡充させるほか、変化の激しい市場に対する組織の意思決定において、従業員の多様性を活かすことができる人財施策を実行してまいります。
<女性活躍>㈱ワコールは、お客様そして従業員の多くが女性であること、より多様な価値観を経営の意思決定に反映する必要があることから、女性の活躍推進が重要な経営課題であると捉えています。そのため、女性特有のライフステージに応じた就労環境を整備し、より柔軟な働き方を促進するとともに、性別や年齢に拘らず能力や成果に応じて昇格・登用されるしくみを整備しています。
<女性の管理職への登用>㈱ワコールでは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を2024年9月に新たに策定しました。課長級以上の管理職に占める女性比率は2025年4月1日時点では38.6%と女性管理職比率としては30%を上回っていますが、より重要な意思決定に関わる部長級以上に占める女性比率が依然として低いという課題があるため、2028年度中に管理職(部長級以上)に占める女性割合30%以上に向けて取り組むことを目標としています。より重要な意思決定に関わる部長級以上の女性比率を高めることで、多様性を向上し意思決定の最適化を目指します。
多様な人財の価値観を経営の意思決定に反映するため、性別を問わず、早い段階からリーダー適性の高い人財の発掘を行い、経営幹部候補への育成機会の提供をさらに進めています。また社員の自律的な成長をサポートしつつ、様々な事業、職務の経験を促して、継続的にキャリア意識の醸成に取り組み、経営幹部を担う人財の育成を進めてまいります。
(詳しくは当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください)
:女性活躍推進法に基づく行動計画
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
:ESGデータ集(ダイバーシティ&インクルージョンほか)
https://www.wacoalholdings.jp/ir/library/esg_presentation/
:(厚生労働省HP) 女性の活躍企業データベース・「株式会社ワコール」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=284
<男女間の賃金差異>女性活躍の一つの指標である男女の賃金の差異は、当社・㈱ワコールで49.1%(正社員49.9%、パート・有期社員52.7%、総合職72.7%、管理職90.0%)となっています。当社では、同一の役割であれば男女で賃金の格差は設けていないため、この差は、当社・㈱ワコールで①管理職における男性比率が61%程度あること、②総合職採用、特に新卒採用における女性比率が年々高まっており、結果として管理職未満の層で入社10年以下の社員においては女性社員の比率が高いこと(10年以下134名、59.2%、10年超43名、42.6%)、③女性社員に占める割合が、相対的に賃金水準が高い総合職に対し販売職のほうが圧倒的に比率が高いことによるものです。
男女の賃金の差異の解消に向けて、総合職における新卒採用や経験者採用で女性比率を高めているほか、年齢や性別に関係なく能力による登用を行い、管理職や役員の女性比率を高めてまいります。
<外国人の管理職への登用>当社グループは、世界の国や地域で事業を営む企業グループとして、米国や欧州をはじめとする海外各法人の代表(社長)及び重要な経営ポストに現地人財を登用しております。また、㈱ホンコンワコール及びフィリピンワコール㈱の代表(社長)は女性が務めております。今後も引き続き、海外各市場での顧客視点による事業拡大、競争優位性の強化のために、国籍を問わない多様な現地人財の採用と重要な管理職ポストへの登用を継続的に推進してまいります。
<ワークライフバランス>㈱ワコールでは、従業員が豊かな人生を送り、仕事において持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。この取り組みの一つ、仕事と育児の両立支援では、当事者だけでなく周囲でサポートするメンバーの双方にとって働きやすく働きがいのある職場を目指し、制度や風土の整備に取り組んでいます。また、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいた行動計画を策定し、目標達成に向けて取り組みを行った結果、2018年には3回目の「くるみん」認定に加え、「プラチナくるみん」の認定を取得しました。従業員が仕事と家庭だけでなく社会とのつながりを積極的に持つことによって、従業員個人の中での経験やスキルの多様性を増し、仕事におけるイノベーション創出につなげられるよう、従業員が自身の時間の使い方を柔軟にできるような仕組みを引き続き作っていく予定です。
<障がい者雇用>当社グループでは、全員がいきいきと働き続けるために必要な研修の実施や、一人ひとりの声を聴くための個別面談を通じて、環境改善、就労支援をしています。また、外部の支援機関と積極的に連携することで、専門家の知見を得て定着支援のための当事者へのサポートや全従業員を対象に障がい理解促進の為の研修を実施しています。2018年2月には、障がい者の雇用促進と活躍機会の創出を目的にワコールアイネクスト㈱を設立し、2018年12月に障害者雇用促進法に定める特例子会社の認定を受けました。
ワコールアイネクスト㈱では、業務範囲を限定せず、一人が複数の業務を担当する「マルチタスク」や、業務を分業して複数で請け負う「ワークシェア」など、個々人の能力開発を促す柔軟な働き方を採用し、一人ひとりがやりがいを持ち、成長を実感できる職場の実現を目指しています。法定雇用率を守ることは企業として必要なことですが、数値としての目標ではなく、ワコールの掲げる相互信頼のもと、すべての人が活躍し、成長できる職場づくりにグループ全体で取り組むことで、多様性を活かす社会の実現に貢献していきます。
:障がい者雇用や再雇用制度等については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/
<多様なお客さまへの対応方針に基づく対応>2024年度より、多様なお客さまへの対応方針(インクルーシブな売場づくり)を明確にし、ワコールが人権尊重の取り組みに向き合っている姿勢を表現していきます。その為に、販売部門の管理職、役割任用者を対象に説明会を実施し、「ビジネスと人権」の社内啓発活動をスタートさせています。
Ⅴ.Well-beingの実現
中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」で掲げる「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現するには、重要なステークホルダーである従業員のやりがいを高め、組織全体の生産性を向上させることが不可欠です。
㈱ワコールでは、従業員一人ひとりの働きがいの向上こそ、高い生産性を実現する原動力と捉え、従業員とのエンゲージメント向上の一環として、Well-beingの実現のための施策を実行していきます。
<多様な働き方の推進>㈱ワコールは、フレックスタイム制勤務の促進をするために、コアタイムなしのスーパーフレックスタイム制の導入、勤務地限定制度の運用、京都地区事業所再編により※ワコール版ABW化を進め、労働生産性の意識を高め、行動変容を求めた取り組みを推進しています。また、長期自己啓発休暇制度等、多様なライフスタイルに対応した制度を導入しております。実績・成果を重視する組織改革を進める一方で、多様な価値観を認め合いビジネスパートナーとして個々を尊重する組織風土づくりに注力しています。
※ワコール版ABW:
ABW=「Activity Based Working」とは業務に応じて時間と場所を自律的に選択できるワークスタイルです。ワコール版ABWは役職や職種に関係なくフリーアドレスを前提(一部例外あり)とします。業務内容や業務時間、協働ワークする相手に応じて、自律的かつ柔軟に執務フロアやエリアを選択し、「フロアやエリアに縛られない働き方」のメリットを最大限発揮できるような働き方(ワークスタイル)と定義します。
<健康経営>㈱ワコールでは「社員の健康は、持続的成長のための重要な資産」と位置づけ、会社・健康保険組合・労働組合が三位一体となって、健康経営を戦略的に推進しています。「VISION 2030」では、「継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げています。健康経営の推進に向けて、策定した「ワコールGENKI計画2025」では、従業員の心身の健康状態を高めるとともに、それらの成果を「生産性の向上」や「従業員エンゲージメントの向上」につなげていくことを目標としています。健康経営の取り組みの一例として、男性の経営層へ「生理痛」を疑似体験していただくことで女性の健康課題を理解し行動変容につなげることを目的とした取り組みを行いました。引き続き、「生活習慣病対策」「がん対策」などこれまでの健康維持増進に向けた施策を継続しつつ、特に大きな課題となっている販売職のメンタルヘルス向上や女性の健康課題への取り組みを強化しております。
:ワコールGENKI計画2025に関しては、当社ウェブサイトをご覧ください。
https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/wellbeing/

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