有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)
戦略
当社グループでは、2022年度に将来的な気候変動の影響を評価するため、1.5℃シナリオと4.0℃シナリオに基づくシナリオ分析を実施しました。また、2024年度にはシナリオ分析の高度化に取り組みました。その結果、シナリオ分析を通じて、当社グループの事業戦略や環境への取り組みが、リスクの低減や機会の活用に繋がる事を改めて確認しました。
気候関連リスク・機会の分析においては、国際的に認められた複数の気候変動シナリオを参照しています。気候変動が当社グループに及ぼすリスク・機会の抽出と、長期戦略を検討するにあたり、国際エネルギー機関(IEA)が公表している「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表している第5次評価報告書の「Representative Concentration Pathways (RCP2.6/RCP8.5)」等を参照し、分析しました。
事業戦略の妥当性や2030年に向けた成長戦略の検討に向けて、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの気候変動シナリオに基づき、移行リスク・機会および物理リスク・機会を抽出しました。具体的には、自社のバリューチェーンやステークホルダーを整理し、前回抽出した気候変動の移行リスク・機会および物理リスク・機会を踏まえ、改めてリスクと機会を洗い出しました。
シナリオ分析では、気候変動がもたらすリスク・機会が当社グループに及ぼす財務的影響について、定性的および定量的に評価しました。評価にあたり、影響度の基準をランク1~ランク5の5段階に設定しました。評価の結果、財務に一定の影響を与える可能性のある、影響度がランク3以上のリスク・機会を、「重要なリスク・機会」と定義しております。
重要なリスク・機会の内容は以下の通りです。
短期:5年未満 中期:5年超(2030年) 長期:10年超(2050年)
当社グループでは、2022年度に将来的な気候変動の影響を評価するため、1.5℃シナリオと4.0℃シナリオに基づくシナリオ分析を実施しました。また、2024年度にはシナリオ分析の高度化に取り組みました。その結果、シナリオ分析を通じて、当社グループの事業戦略や環境への取り組みが、リスクの低減や機会の活用に繋がる事を改めて確認しました。
気候関連リスク・機会の分析においては、国際的に認められた複数の気候変動シナリオを参照しています。気候変動が当社グループに及ぼすリスク・機会の抽出と、長期戦略を検討するにあたり、国際エネルギー機関(IEA)が公表している「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表している第5次評価報告書の「Representative Concentration Pathways (RCP2.6/RCP8.5)」等を参照し、分析しました。
| 想定される社会 | 主な参照シナリオ | 想定される変化 | アパレル産業への影響 |
| 1.5℃シナリオ:脱炭素が進み、主に移行リスクや移行機会が顕在化する社会 | IEA : Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE2050) IPCC : Representative Concentration Pathways (RCP2.6) | ・環境関連の政策規制が強化され、企業の温室効果ガス排出は厳しく規制される。 ・同時に再生可能エネルギー普及政策の強化により、再生可能エネルギーの活用が進む。 ・消費者のサステナビリティへの関心が高まり、低炭素、循環型の製品・サービスが拡大する。 ・非財務情報開示の義務化が進み、ESG投資が定着する。 ・異常気象(台風の頻発、ゲリラ豪雨、渇水、豪雪等)は、2024年度現在と同程度の頻度で発生する。 | ・環境負荷低減に向けリサイクル素材や新素材の活用が進む。 ・「サステナブルファッション」が新たなブランド価値として定着する。 ・消費者が低炭素や循環型の商品を好んで選択する。 ・サステナブルファッションのインフルエンサーが登場する。 |
| 4℃:気候変動が進行し、主に物理リスクや物理機会が顕在化する社会 | IPCC : Representative Concentration Pathways (RCP8.5) | ・環境関連の厳しい政策規制は見送られ、温室効果ガスの排出は2024年度現在の速度で引き続き増加する。 ・再生可能エネルギーは一部の企業で導入されるが、従来型エネルギーの需要が依然として大きい。 ・ESG投資が進むが、非財務情報の活用は一部の投資家に留まる。 ・異常気象(台風の頻発、ゲリラ豪雨、渇水、豪雪等)や極端現象の発生頻度が増加する。 | ・異常気象によりサプライチェーンが被災し、生産遅延などが頻発する。 ・夏の猛暑日や冬の豪雪などの記録的な極端現象の頻発に伴い、機能性衣類への需要が高まる。 |
事業戦略の妥当性や2030年に向けた成長戦略の検討に向けて、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの気候変動シナリオに基づき、移行リスク・機会および物理リスク・機会を抽出しました。具体的には、自社のバリューチェーンやステークホルダーを整理し、前回抽出した気候変動の移行リスク・機会および物理リスク・機会を踏まえ、改めてリスクと機会を洗い出しました。
シナリオ分析では、気候変動がもたらすリスク・機会が当社グループに及ぼす財務的影響について、定性的および定量的に評価しました。評価にあたり、影響度の基準をランク1~ランク5の5段階に設定しました。評価の結果、財務に一定の影響を与える可能性のある、影響度がランク3以上のリスク・機会を、「重要なリスク・機会」と定義しております。
重要なリスク・機会の内容は以下の通りです。
短期:5年未満 中期:5年超(2030年) 長期:10年超(2050年)
| カテゴリー | 移行 | 物理 | リスク | 機会 | 重要なリスク・機会 | 内容 | 影響度 | 発現時期 | 対応 | |||
| 2030年 | 2050年 | 短期 | 中期 | 長期 | ||||||||
| 政策 | ● | ● | ①炭素税導入による操業コスト増大 | 炭素税の導入・強化により、自社操業・サプライチェーン・物流等に関するコストが増大 | 3 | 4 | ● | ● | ・サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けた取り組み | |||
| 技術 | ● | ● | ④環境負荷低減新素材、リサイクル素材への転換による生産コスト増大 | 構造タンパク質素材やリサイクル素材等の、環境負荷低減に向けた新素材への転換に関わるコストが増大 | 2 | 3 | ● | ● | ・次世代素材やリサイクル素材の研究開発 | |||
| 市場 | ● | ● | ⑨顧客の消費行動・意識変化への対応遅れによるブランドイメージ低下 | 脱炭素に貢献する製品の提供遅れや環境不祥事により、ブランド力が低下し、顧客離れが発生 | 3 | 4 | ● | ● | ● | ・環境負荷低減素材の積極的活用 ・次世代素材発掘に向けたCVC開始 ・生産プロセスにおける環境・社会への配慮 | ||
| 市場 | ● | ● | ⑩サステナブルファッションへの先行的移行による競争優位性獲得 | 他社よりも先にサステナブルファッションに移行することで、サステナブルファッション市場におけるシェア拡大・売上増加 | 2 | 3 | ● | ● | ● | |||
| 急性 | ● | ● | ⑫台風・洪水などの災害によるサプライチェーン上の損害 | 台風や洪水などにより、店舗や生産工場が被害を受け、事業中断により売上が低下 | 4 | 4 | ● | ● | ● | ・サプライチェーンマネジメントの強化 | ||
| 急性 | ● | ● | ⑬極端現象の増加によるスポーツイベント等への影響 | 猛暑や雪不足等の極端現象の増加により、屋外スポーツイベントやスポーツ実施が影響を受けるとともに、気温上昇により冬物衣料への需要が減少 | 2 | 3 | ● | ● | ● | ・アウトドアアクティビティ参加人口の動向を注視し、生産計画や商品開発に反映 | ||