有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 16:30
【資料】
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【項目】
178項目
戦略
当社グループでは、2022年度に将来的な気候変動の影響を評価するため、1.5℃シナリオと4.0℃シナリオに基づくシナリオ分析を実施しました。また、2024年度にはシナリオ分析の高度化に取り組みました。その結果、シナリオ分析を通じて、当社グループの事業戦略や環境への取り組みが、リスクの低減や機会の活用に繋がる事を改めて確認しました。
気候関連リスク・機会の分析においては、国際的に認められた複数の気候変動シナリオを参照しています。気候変動が当社グループに及ぼすリスク・機会の抽出と、長期戦略を検討するにあたり、国際エネルギー機関(IEA)が公表している「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表している第5次評価報告書の「Representative Concentration Pathways (RCP2.6/RCP8.5)」等を参照し、分析しました。
想定される社会主な参照シナリオ想定される変化アパレル産業への影響
1.5℃シナリオ:脱炭素が進み、主に移行リスクや移行機会が顕在化する社会IEA : Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE2050)
IPCC : Representative Concentration Pathways (RCP2.6)
・環境関連の政策規制が強化され、企業の温室効果ガス排出は厳しく規制される。
・同時に再生可能エネルギー普及政策の強化により、再生可能エネルギーの活用が進む。
・消費者のサステナビリティへの関心が高まり、低炭素、循環型の製品・サービスが拡大する。
・非財務情報開示の義務化が進み、ESG投資が定着する。
・異常気象(台風の頻発、ゲリラ豪雨、渇水、豪雪等)は、2024年度現在と同程度の頻度で発生する。
・環境負荷低減に向けリサイクル素材や新素材の活用が進む。
・「サステナブルファッション」が新たなブランド価値として定着する。
・消費者が低炭素や循環型の商品を好んで選択する。
・サステナブルファッションのインフルエンサーが登場する。
4℃:気候変動が進行し、主に物理リスクや物理機会が顕在化する社会IPCC : Representative Concentration Pathways (RCP8.5)・環境関連の厳しい政策規制は見送られ、温室効果ガスの排出は2024年度現在の速度で引き続き増加する。
・再生可能エネルギーは一部の企業で導入されるが、従来型エネルギーの需要が依然として大きい。
・ESG投資が進むが、非財務情報の活用は一部の投資家に留まる。
・異常気象(台風の頻発、ゲリラ豪雨、渇水、豪雪等)や極端現象の発生頻度が増加する。
・異常気象によりサプライチェーンが被災し、生産遅延などが頻発する。
・夏の猛暑日や冬の豪雪などの記録的な極端現象の頻発に伴い、機能性衣類への需要が高まる。

事業戦略の妥当性や2030年に向けた成長戦略の検討に向けて、1.5℃シナリオと4℃シナリオの2つの気候変動シナリオに基づき、移行リスク・機会および物理リスク・機会を抽出しました。具体的には、自社のバリューチェーンやステークホルダーを整理し、前回抽出した気候変動の移行リスク・機会および物理リスク・機会を踏まえ、改めてリスクと機会を洗い出しました。
シナリオ分析では、気候変動がもたらすリスク・機会が当社グループに及ぼす財務的影響について、定性的および定量的に評価しました。評価にあたり、影響度の基準をランク1~ランク5の5段階に設定しました。評価の結果、財務に一定の影響を与える可能性のある、影響度がランク3以上のリスク・機会を、「重要なリスク・機会」と定義しております。
重要なリスク・機会の内容は以下の通りです。
短期:5年未満 中期:5年超(2030年) 長期:10年超(2050年)
カテゴリー移行物理リスク機会重要なリスク・機会内容影響度発現時期対応
2030年2050年短期中期長期
政策①炭素税導入による操業コスト増大炭素税の導入・強化により、自社操業・サプライチェーン・物流等に関するコストが増大34・サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けた取り組み
技術④環境負荷低減新素材、リサイクル素材への転換による生産コスト増大構造タンパク質素材やリサイクル素材等の、環境負荷低減に向けた新素材への転換に関わるコストが増大23・次世代素材やリサイクル素材の研究開発
市場⑨顧客の消費行動・意識変化への対応遅れによるブランドイメージ低下脱炭素に貢献する製品の提供遅れや環境不祥事により、ブランド力が低下し、顧客離れが発生34・環境負荷低減素材の積極的活用
・次世代素材発掘に向けたCVC開始
・生産プロセスにおける環境・社会への配慮
市場⑩サステナブルファッションへの先行的移行による競争優位性獲得他社よりも先にサステナブルファッションに移行することで、サステナブルファッション市場におけるシェア拡大・売上増加23
急性⑫台風・洪水などの災害によるサプライチェーン上の損害台風や洪水などにより、店舗や生産工場が被害を受け、事業中断により売上が低下44・サプライチェーンマネジメントの強化
急性⑬極端現象の増加によるスポーツイベント等への影響猛暑や雪不足等の極端現象の増加により、屋外スポーツイベントやスポーツ実施が影響を受けるとともに、気温上昇により冬物衣料への需要が減少23・アウトドアアクティビティ参加人口の動向を注視し、生産計画や商品開発に反映

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