有価証券報告書-第56期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 13:54
【資料】
PDFをみる
【項目】
132項目

対処すべき課題

(1)経営方針
当社は、住宅内装システムの専門メーカーとして室内ドア、収納ボックス、化粧造作材を受注生産し、顧客へジャストインタイムで提供できる独自のシステムを構築し、様々な製品を社会に送り出し高い評価を得てまいりました。
今後においても、自社システムの強みを生かし、新製品の開発、新規顧客の開拓を進め、業容の拡大と安定した収益を確保してまいります。
当社は、住空間を構成する内装部材及び周辺分野における顧客ニーズに対して、優れた技術と最高のサービスを提供することにより、社会に貢献してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが目標としている経営指標は、ROE(株主資本利益率)20%以上であります。この指標は事業効率向上と株主価値の最大化を図るためのものであり、連結・個別ともに継続的に達成できるための強い体質を確立することを目標としております。目標達成策として、合理化、原価低減、高い効率の設備投資等により一人当たりの生産性を高め、長年かけて創り上げた多品種少量生産のIT技術を有効に活用し、また、従業員のスキルアップを図るための教育訓練の実施により、従業員一人ひとりが常に利益を意識した活動を行ってまいります。
今後も目標達成に向けて各施策を実施し、業績及び株主価値の向上を図ってまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
今後の木質内装業界は、国内においては少子高齢化が進むことから、当社の業績に大きく影響のある新設住宅着工戸数の大きな増加は期待できず、厳しい受注、価格競争が継続するものと予想されます。反面、中国においては、経済成長が鈍化傾向ではありますが、「都市化」と「内装付住宅の推進」を背景に地域(省)毎に格差はありますが、堅調な需要は見込めるものと考えております。このような状況下にあって、国内外を問わず、当社の持つ受注生産の強みを発揮できる分譲マンション市場に加え、医療介護や戸建分野等への新たな販路を開拓してまいります。また、一戸当たりに占める自社製品の占有率のアップとコスト競争力を確保し、着実な業容拡大と安定した利益確保に努めてまいります。
①日本国内では、営業力強化と販売網拡充を図るため、セールスエンジニアの育成や地方都市に営業所を設置するなど、より充実した営業体制を構築してまいります。また、当社のマス・カスタマイゼーションの能力に磨きをかけ、付加価値の向上を目指してまいります。
②中国国内の需要に対応するため、中国国内の広域にわたって品質の高い施工管理体制の構築と維持を図ります。生産体制については、生産技術力の高い工場となる取組みを積極的に進めてまいります。また、販売体制の強化に向けては、営業管理体制の拡充を図り、当社グループのブランドを確立させ、財務基盤が強固で信用力のある取引先の新規開拓を推進し拡販を図ってまいります。さらに、販売代理店網を生かしたスケルトン市場向けの販売についても戦略的に進めてまいります。
③日本・中国国内とも、生産体制においては、生産品目に即したレイアウト変更と省力化を図り、生産性と技術力の向上に取組んでまいります。また、市場ニーズに適応する新工法による製品開発にも積極的に取組んでまいります。
(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題等
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が国内外の経済活動に大きく影響を及ぼしており、世界経済は深刻な状況に直面しております。拡大を続ける新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないなか、各国で大規模な財政出動と感染抑制に力を尽くしつつ、経済活動の再開への検討が始まっております。しかしながら感染の拡大を食い止める有効な解決策が明らかでない現状では、感染が更に拡大することも予想されることから、予断を許さない状況は当面続くことが見込まれ、今後の世界経済および日本経済の先行きは極めて不透明であります。
このような環境の中、当社グループは以下の対応を行ってまいります。
・国内の対応について
国内での新設住宅着工戸数は、直近では新型コロナウイルス感染症の影響、長期的には少子高齢化の進展による所帯数の減少によって、今後も減少傾向で推移するものと考えております。このことから、国内市場はますます競争が激化し、Q(品質)C(コスト)D(納期)に磨きをかける必要があります。そのためにも、生産技術と商品開発を重視してまいります。
・中国の対応について
中国事業におきましては、豊富な受注に応えるため、宜春工場に第三工場(土地53,360㎡取得済)を建設し、更なる供給体制の充実を図ってまいります。また、営業面においては、既存顧客先への深耕を図るとともに新規デベロッパーの開拓にも注力してまいります。