有価証券報告書-第108期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 16:37
【資料】
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【項目】
173項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」には、事業活動を通じて、世界中の人々への心豊かで快適な暮らしにつながる「やさしい未来」を提供したいとの想いを込めています。
当社グループは経営理念の実現に向けて、以下の4つの柱に重点を置いて、全社一丸となって課題解決に取り組んでいます。
<経営理念 4つの柱>1.ものづくりへのこだわり
現場・現物・現実に基づいた新たな商品と付加価値の創造・提供を通じて、国際社会から信頼される企業グループであり続けます。
2.地域社会とのきずな
各国・各地域の発展に寄与するために、「良き企業市民」として高い倫理観をもって地域社会との調和ある成長を目指します。
3.安全で働きがいのある企業風土
持続的な企業価値の向上を図るために、安全で働きがいのある企業風土づくりに取り組み、社員相互の信頼関係に基づいた一体運営を推進します。
4.地球環境への貢献
地球環境と調和したグローバルな事業展開を通じて環境問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
グループ経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」のもと、長期ビジョン「戦略的に事業ポートフォリオを変革し、持続的に成長し続ける企業グループへ」を掲げ、10年後には、売上高8,000億円~1兆円規模(ホーム&パーソナルケア(以下、「H&PC」という。)事業の構成比50%以上、H&PC海外事業の構成比30%以上)を目指します。
2018年度から2020年度までの3年間を対象期間とする第3次中期事業計画(以下、「第3次中計」という。)では、急激な外部環境変化に対応可能な強靭な企業体質への革進とともに、長期ビジョンを見据えた成長戦略を果敢に実行します。なお、2020年度目標につきましては、海外事業のIFRS第15号適用の影響と直近の事業環境の変化を踏まえ、一部修正しています。
① テーマ 「Move on 革進と飛翔」
② 業績計画
第3次中計
第3次中計
2020年度計画
(変更前)
第3次中計
2020年度計画
(変更後)
(参考)長期ビジョン
売上高6,350億円6,150億円8,000億~1兆円
営業利益320億円320億円800~1,000億円
(営業利益率)(5.0%)(5.2%)(10%)
H&PC海外売上比率15%11%30%以上
ROE8%8%12%以上
ネットD/Eレシオ1.61.61.0倍未満
(参考)純有利子負債3,500億円3,500億円-


事業別計画
2020年度計画(変更前)2020年度計画(変更後)
売上高
(億円)
営業利益
(億円)
売上比売上高
(億円)
営業利益
(億円)
売上比
紙・板紙事業3,2001003.1%3,4001203.5%
H&PC事業2,9102006.9%2,5001807.2%
(内訳) 海外事業1,000707.0%700507.1%
国内事業1,9101306.8%1,8001307.2%
その他事業
(調整額を含む)
240208.3%250208.0%
合 計6,3503205.0%6,1503205.2%

設備投資計画
2020年度までの3か年合計で戦略投資 1,150億円、合理化・維持投資430億円、合計1,580億円の設備投資を実行します。
[戦略投資 1,150億円の内訳]
紙・板紙事業の構造改革投資370億円
H&PC事業の成長投資・構造改革投資520億円
新規事業 (CNF(注1)、FIT制度(注2)を活用したバイオマス発電他)190億円
IT投資 (NEXT.DAIOプロジェクト)70億円
戦略投資 合計1,150億円

(注)1.CNF:セルロースナノファイバー
2.FIT制度:固定価格買取制度
(3) 会社の対処すべき課題
① 紙・板紙事業とホーム&パーソナルケア事業を横断した抜本的な構造改革
(a)当社の強みを活かした製紙事業の生産構造改革
三島工場が持つ優位性を活かし、生産ポートフォリオの変革を推進しています。
イ.競争力のあるクラフトパルプの増産
針葉樹パルプ(国内最大の生産量)、広葉樹パルプ(国内2位の生産量)を併せ持つ三島工場は、臨海立地であることから木材チップ調達コストも優位性があります。また、2020年3月にクラフトパルプ増産改造工事が完了し、収益性をさらに高めます。
ロ.板紙生産における難処理古紙の有効活用
当社グループ会社の保有する金属・プラスチック・色物の自動選別技術を古紙処理設備に組み込み、安価に集荷した難処理古紙を有効活用することで競争優位なコスト構造を確立すべく、取組みを継続しています。
ハ.臨海立地の三島工場からの輸出拡大
国際貿易港に隣接した臨海立地の三島工場を、衛生用紙・板紙・クラフト紙の輸出拠点とし、中国を始めとするアジア諸国を当社にとっての新市場と捉え、アジア市場での新たなマーケット創造を進めています。
(b)紙・板紙事業の構造改革 ~「メディア用途の紙」から「梱包・包装用途の紙」へのシフト
三島工場のスイングマシン(複数品種を生産可能な抄紙機)の特性を活かし、ユーザーへの安定供給体制を維持します。これまで推進してきた品種シフトや「サクラテラス」加盟卸商との協業に継続して取り組むとともに、工場では生産効率とコスト競争力を高め、競争優位性を強化します。
その一方で、需要構造の変化に対応するため、三島工場の洋紙生産設備を国内屈指の競争力を有する板紙生産設備に改造(2020年4月予定)するとともに、三島工場の生産品種をクラフト紙へシフトすることにより、需要が旺盛な中国を始めとするアジア諸国への輸出を強化していきます。
② ホーム&パーソナルケア事業のグローバルな事業拡大と収益力強化
(a)衛生用紙
2018年10月に、川之江工場(注)の衛生用紙生産設備、及び中国法人の大王(南通)生活用品有限公司(以下、「EICN」という。)のトイレットロール加工設備が稼動しました。川之江工場からトイレットロールの原反を中国へ輸出し、EICNで加工して中国市場で販売しています。ベビー用紙おむつで確立した「エリエール」「大王(ダーワン)」の高級ブランドの認知度を活かし、中国でのプレミアムトイレットロール拡販を推進しています。
中国での拡販に伴い、需要が堅調な国内市場向けの衛生用紙が不足することが予想されるため、衛生用紙生産設備の増設も検討しています。ホーム&パーソナルケア事業の収益力向上と衛生用紙のリーディングカンパニーとして供給体制を一層強化し、国内で圧倒的シェアNo.1を確立していきます。
(注)川之江工場は三島工場に隣接しており、配管及び送電線で繋がっています。三島工場からコスト競争力の高いクラフトパルプを川之江工場へ流送するとともに、蒸気・電力等のエネルギーも供給しています。三島工場と川之江工場は一体運営しています。
(b)吸収体
イ.海外事業
生産拠点を有する中国、タイ、インドネシアでは、海外の事業展開の加速を牽引していくために、以下の課題に取り組んでいます。
中国では、ベビー用紙おむつのスーパープレミアム品の拡販に加え、プレミアム衛生用紙の市場創造も進めており、複合事業化を加速させています。これら販売増加に伴い生産体制を強化するため、EICNの既存工場の隣接地に第2工場の建設を進めています。
タイではベビー用紙おむつ、フェミニンケア商品、ウェットティシューを生産しており、当社海外工場の中で最も早く複合事業化をスタートさせました。インドシナ半島を一つの市場と捉え、タイ国内、ベトナム、マレーシア、ミャンマー等への拡販を推進しています。
インドネシアでは、現地メイン代理店の事業縮小に伴う代理店政策の見直しを進めており、販売エリアの集約による収益改善、伝統小売店舗(ワルン)や市場が拡大するEC市場の販売チャネルでの拡販を強化しています。
また、中東地域の大国であるトルコに2017年9月に出張所を開設し、ベビー用紙おむつの販売を開始しました。生活者から好評を得ており、将来の現地生産を見据えた工場建設の検討に着手しています。
韓国、台湾、ロシア等の輸出販売国は、各国の消費者マインドの傾向・変化を素早く掴んで商品開発に反映し、販売エリアと複合事業化をさらに拡大していきます。
ロ.国内事業
大人用紙おむつでは、業務用の「アテント」のブランド力の強みを活かし、市販用へのリレーションを強化し、売上・収益の拡大に取り組んでいます。
厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」の枠組みの中で、医療介護専用の多職種連携SNS「メディカルケアステーション」を通じて2018年10月に「アテント排泄ケア支援アプリ」の全国運用を開始し、生活者が病院、在宅を循環する社会に対応するとともに、市販用紙おむつの販売を強化します。
また、アクティブな中高年の生活者の不安を解消して快適な生活をサポートするための軽失禁対応商品(「ナチュラ」ブランド)、少子化の進行に伴い高品質(肌への優しさ、吸水性能等)が求められるベビー用紙おむつ(「GOO.N」ブランド)は、品質への徹底的なこだわりと幅広い商品ラインナップにより、拡販に取り組んでいます。
③ 新規事業(CNF、FIT制度を活用したバイオマス発電他)
CNFの早期事業化に向けて、素材開発と電化製品・化粧品等への用途開発を加速させます。量産化技術確立とコスト低減に取り組み、第3次中期事業計画期間内のCNF関連商品の販売開始を目標としています。
FIT制度を活用したバイオマス発電は2020年7月に事業を開始する予定です。
④ 持続的成長のための基盤構築
(a)ESGへの取り組み
環境・社会・ガバナンスそれぞれの課題に対して、事業活動を通じて積極的に課題解決に取り組むことで、企業としての持続的な成長を実現します。
イ.環境面
・FIT制度を活用したバイオマス発電の開始
・植林・難処理古紙の有効活用・廃棄物の削減
・プラスチック製品の代替品の開発・販売等
ロ.社会面
・チリの植林地での橋、道路等のインフラ整備
・「地域包括ケアシステム」の枠組みの中での在宅介護者支援等
ハ.ガバナンス面
・持続的成長の基盤となる健全なガバナンス体制の整備等
(b)業容拡大を見据えたIT投資による業務改革の推進
グループ基幹システムとしてERP(Enterprise Resource Planning:業務統合パッケージ)を導入し、グループ経営の効率向上に取り組みます。さらに、BPR(Business Process Re-engineering:業務プロセス改革)により共通業務の標準化に継続して取り組み、今後の業容拡大を見据えたIT投資による業務改革を推進していきます。
(c)働き方改革
社員一人ひとりの「働きがい」の向上が企業の持続的成長に繋がるという考えのもと、社員の多様性・人格を尊重して活かすダイバーシティ経営、生き生きと活躍するための健康経営、自立的に行動する人財の育成に取り組んでいます。

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