有価証券報告書-第109期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」には、事業活動を通じて、世界中の人々への心豊かで快適な暮らしにつながる「やさしい未来」を提供したいとの想いを込めています。
当社グループは経営理念の実現に向けて、以下の4つの柱に重点を置いて、全社一丸となって課題解決に取り組んでいます。
<経営理念 4つの柱>1.ものづくりへのこだわり
現場・現物・現実に基づいた新たな商品と付加価値の創造・提供を通じて、国際社会から信頼される企業グループであり続けます。
2.地域社会とのきずな
各国・各地域の発展に寄与するために、「良き企業市民」として高い倫理観をもって地域社会との調和ある成長を目指します。
3.安全で働きがいのある企業風土
持続的な企業価値の向上を図るために、安全で働きがいのある企業風土づくりに取り組み、社員相互の信頼関係に基づいた一体運営を推進します。
4.地球環境への貢献
地球環境と調和したグローバルな事業展開を通じて環境問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
グループ経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」のもと、長期ビジョン「戦略的に事業ポートフォリオを変革し、持続的に成長し続ける企業グループへ」を掲げ、長期的には、売上高8,000億円~1兆円規模(ホーム&パーソナルケア事業の構成比50%以上、ホーム&パーソナルケア海外事業の構成比30%以上)を目指します。
2018年度から2020年度までの3年間を対象期間とする第3次中期事業計画(以下、「第3次中計」という。)では、急激な外部環境変化に対応可能な強靭な企業体質への革進とともに、長期ビジョンを見据えた成長戦略を果敢に実行しています。
2020年度より、トルコのエリエールインターナショナルターキーA.S.を拠点とした中東・北アフリカ・ロシア等でのホーム&パーソナルケア事業拡大を加速していきます。また、ブラジルのサンテルS.A.(株式取得により連結子会社化の予定)を起点に、ホーム&パーソナルケア及び特殊紙分野で中南米への事業展開を進めていきます。
また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う外出自粛や在宅勤務の広がりにより、メディア用途の紙の需要が大きく減少する一方で、衛生意識の高まりにより衛生用紙の需要が拡大しています。この需要構造の急変は一過性のものではないと考えており、需要変化に対応した生産体制への見直しを積極的に進めていきます。
① テーマ 「Move on 革進と飛翔」
② 業績計画
③ 事業別計画
第3次中計は2018年5月31日に公表、2019年5月17日に一部見直したものであり、2020年度計画は足元の事業環境等を考慮し、2020年5月15日に公表したものです。
(3) 会社の対処すべき課題

① 紙・板紙事業とホーム&パーソナルケア事業を横断した抜本的な構造改革
三島工場が持つ優位性を活かし、競争力のあるクラフトパルプの増産と有効活用、板紙生産における難処理古紙の有効活用、臨海立地の三島工場からの輸出拡大を進めることにより、紙・板紙事業の構造改革(「メディア用途の紙」から「梱包・包装用途の紙」へのシフト)を推進しています。
需要構造の変化に対応するため、2020年4月に三島工場の洋紙生産設備N7号抄紙機を国内屈指の競争力を有する板紙生産設備に改造し営業運転を開始しました。板紙とクラフト紙の増産体制を構築し、アジア諸国への輸出を強化していきます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うメディア用途の紙の需要が大きく減少している一方、衛生意識の高まりによる衛生用紙の需要が拡大しており、さらなる生産構造改革を進めていきます。
なお、メディア用途の紙については、三島工場のスイングマシン(複数品種を生産可能な抄紙機)の特性を活かし、これまで推進してきた品種シフトや「サクラテラス」加盟卸商との協業に継続して取り組み、ユーザーへの安定供給体制を維持します。
② ホーム&パーソナルケア事業のグローバルな事業拡大と収益力強化
(a)衛生用紙
国内での衛生用紙全品種の安定供給と、中国等アジア向けの輸出を強化するため、2021年9月稼働を目指して、川之江工場に最新鋭の高速且つ幅広の衛生用紙の抄紙設備を新設するとともに、可児工場には加工設備を増設する計画です。
ホーム&パーソナルケア事業の収益力向上と衛生用紙のリーディングカンパニーとして供給体制を一層強化し、国内で圧倒的シェアNo.1を確立していきます。
(b)吸収体
イ.海外事業
生産拠点を有する中国、タイ、インドネシアでは、海外の事業展開の加速を牽引していくために、以下の課題に取り組んでいます。
中国では、ベビー用紙おむつのスーパープレミアム品の拡販に加え、プレミアム衛生用紙の市場創造も進めており、複合事業化を加速させています。これらの販売増加に伴い生産体制を強化するため、大王(南通)生活用品有限公司の既存工場の隣接地に第2工場の建設を進めています。
タイではベビー用紙おむつ、フェミニンケア商品、ウエットティシューを生産しており、当社海外工場の中で最も早く複合事業化をスタートさせました。インドシナ半島を一つの市場と捉え、タイ国内、ベトナム、マレーシア、ミャンマー等への拡販を推進しています。
インドネシアでは、代理店政策の見直しが完了し、販売エリアの集約による収益改善、伝統小売店舗(ワルン)や市場が拡大するEC市場の販売チャネルでの拡販を強化しています。
また、韓国、台湾、ロシア等の輸出販売国は、各国の消費者マインドの傾向・変化を素早く掴んで商品開発に反映し、販売エリアと複合事業化をさらに拡大していきます。
ロ.国内事業
大人用紙おむつでは、業務用の「アテント」のブランド力の強みを活かし、市販用へのリレーションを強化し、売上・収益の拡大に取り組んでいます。
厚生労働省が推進する『地域包括ケアシステム』の枠組みの中で、医療介護専用の多職種連携SNSである「メディカルケアステーション」を通じて2018年10月に「アテント排泄ケア支援アプリ」の全国運用を開始し、生活者が病院、在宅を循環する社会に対応するとともに、市販用紙おむつの販売を強化します。
また、アクティブな中高年の生活者の不安を解消して快適な生活をサポートするための軽失禁対応商品(「ナチュラ」ブランド)、少子化の進行に伴い高品質(肌への優しさ、吸水性能等)が求められるベビー用紙おむつ(「グ~ン」ブランド)は、品質への徹底的なこだわりと幅広い商品ラインナップにより、拡販に取り組んでいます。
ハ.ホーム&パーソナルケア海外事業におけるM&A
成長市場であるホーム&パーソナルケア海外事業におけるM&Aは、当社の長期ビジョンに基づいた戦略であり、目標の達成に向けて有効な選択肢の一つとして捉えています。
2020年2月に衛生用品メーカーのM&Aを発表したブラジルとトルコは、自国の衛生用品市場の確かな成長が見込まれています。さらに、将来的にはブラジルから南米全域、アフリカ南部への進出を検討していくとともに、トルコを起点としたMENA(中東・北アフリカ)からロシア及び周辺国への輸出販売を展開し、成長ポテンシャルの高いエリアでの事業拡大を実現することによって、持続的な成長を可能にする事業ポートフォリオの最適化を目指していきます。
③ 新規事業(セルロースナノファイバー、FIT制度を活用したバイオマス発電他)
セルロースナノファイバーの早期事業化に向けて、素材開発と電化製品・化粧品等への用途開発を加速させます。量産化技術確立とコスト低減に取り組み、第3次中期事業計画期間内のセルロースナノファイバー関連商品の販売開始を目標としています。
FIT制度を活用したバイオマス発電は2020年7月に事業を開始する予定です。
④ ESGへの取り組み
環境・社会・ガバナンスそれぞれの課題に対して、事業活動を通じて積極的に課題解決に取り組むことで、企業としての持続的な成長を実現します。
[環境面] ・FIT制度を活用したバイオマス発電の開始 ・植林・難処理古紙の有効活用・廃棄物の削減 ・プラスチック製品の代替品の開発・販売等 [社会面] ・チリの植林地での橋、道路等のインフラ整備 ・「地域包括ケアシステム」の枠組みの中での在宅介護者支援等 [ガバナンス面] ・持続的成長の基盤となる健全なガバナンス体制の整備等
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」には、事業活動を通じて、世界中の人々への心豊かで快適な暮らしにつながる「やさしい未来」を提供したいとの想いを込めています。
当社グループは経営理念の実現に向けて、以下の4つの柱に重点を置いて、全社一丸となって課題解決に取り組んでいます。
<経営理念 4つの柱>1.ものづくりへのこだわり
現場・現物・現実に基づいた新たな商品と付加価値の創造・提供を通じて、国際社会から信頼される企業グループであり続けます。
2.地域社会とのきずな
各国・各地域の発展に寄与するために、「良き企業市民」として高い倫理観をもって地域社会との調和ある成長を目指します。
3.安全で働きがいのある企業風土
持続的な企業価値の向上を図るために、安全で働きがいのある企業風土づくりに取り組み、社員相互の信頼関係に基づいた一体運営を推進します。
4.地球環境への貢献
地球環境と調和したグローバルな事業展開を通じて環境問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
グループ経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」のもと、長期ビジョン「戦略的に事業ポートフォリオを変革し、持続的に成長し続ける企業グループへ」を掲げ、長期的には、売上高8,000億円~1兆円規模(ホーム&パーソナルケア事業の構成比50%以上、ホーム&パーソナルケア海外事業の構成比30%以上)を目指します。
2018年度から2020年度までの3年間を対象期間とする第3次中期事業計画(以下、「第3次中計」という。)では、急激な外部環境変化に対応可能な強靭な企業体質への革進とともに、長期ビジョンを見据えた成長戦略を果敢に実行しています。
2020年度より、トルコのエリエールインターナショナルターキーA.S.を拠点とした中東・北アフリカ・ロシア等でのホーム&パーソナルケア事業拡大を加速していきます。また、ブラジルのサンテルS.A.(株式取得により連結子会社化の予定)を起点に、ホーム&パーソナルケア及び特殊紙分野で中南米への事業展開を進めていきます。
また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う外出自粛や在宅勤務の広がりにより、メディア用途の紙の需要が大きく減少する一方で、衛生意識の高まりにより衛生用紙の需要が拡大しています。この需要構造の急変は一過性のものではないと考えており、需要変化に対応した生産体制への見直しを積極的に進めていきます。
① テーマ 「Move on 革進と飛翔」
② 業績計画
| 2020年度目標 (第3次中計) | 2020年度計画 | (参考)長期ビジョン | ||||
| 売上高 | 6,150 | 億円 | 5,650 | 億円 | 8,000億~1 | 兆円 |
| 営業利益 | 320 | 億円 | 280 | 億円 | 800~1,000 | 億円 |
| (営業利益率) | (5.2 | %) | (5.0 | %) | (10 | %) |
| H&PC海外売上比率 | 11 | % | 12 | % | 30 | %以上 |
| ROE | 8 | % | 6 | % | 12 | %以上 |
| ネットD/Eレシオ | 1.6 | 倍 | 1.7 | 倍 | 1.0 | 倍未満 |
| (参考)純有利子負債 | 3,500 | 億円 | 3,600 | 億円 | - | |
③ 事業別計画
| 2020年度目標 (第3次中計) | 2020年度計画 | |||||
| 売上高 (億円) | 営業利益 (億円) | 売上比 | 売上高 (億円) | 営業利益 (億円) | 売上比 | |
| 紙・板紙事業 | 3,400 | 120 | 3.5% | 3,000 | 140 | 4.7% |
| H&PC事業 | 2,500 | 180 | 7.2% | 2,450 | 130 | 5.3% |
| (内訳) 海外事業 | 700 | 50 | 7.1% | 650 | 10 | 1.5% |
| 国内事業 | 1,800 | 130 | 7.2% | 1,800 | 120 | 6.7% |
| その他事業 (調整額を含む) | 250 | 20 | 8.0% | 200 | 10 | 5.0% |
| 合 計 | 6,150 | 320 | 5.2% | 5,650 | 280 | 5.0% |
第3次中計は2018年5月31日に公表、2019年5月17日に一部見直したものであり、2020年度計画は足元の事業環境等を考慮し、2020年5月15日に公表したものです。
(3) 会社の対処すべき課題

① 紙・板紙事業とホーム&パーソナルケア事業を横断した抜本的な構造改革
三島工場が持つ優位性を活かし、競争力のあるクラフトパルプの増産と有効活用、板紙生産における難処理古紙の有効活用、臨海立地の三島工場からの輸出拡大を進めることにより、紙・板紙事業の構造改革(「メディア用途の紙」から「梱包・包装用途の紙」へのシフト)を推進しています。
需要構造の変化に対応するため、2020年4月に三島工場の洋紙生産設備N7号抄紙機を国内屈指の競争力を有する板紙生産設備に改造し営業運転を開始しました。板紙とクラフト紙の増産体制を構築し、アジア諸国への輸出を強化していきます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うメディア用途の紙の需要が大きく減少している一方、衛生意識の高まりによる衛生用紙の需要が拡大しており、さらなる生産構造改革を進めていきます。
なお、メディア用途の紙については、三島工場のスイングマシン(複数品種を生産可能な抄紙機)の特性を活かし、これまで推進してきた品種シフトや「サクラテラス」加盟卸商との協業に継続して取り組み、ユーザーへの安定供給体制を維持します。
② ホーム&パーソナルケア事業のグローバルな事業拡大と収益力強化
(a)衛生用紙
国内での衛生用紙全品種の安定供給と、中国等アジア向けの輸出を強化するため、2021年9月稼働を目指して、川之江工場に最新鋭の高速且つ幅広の衛生用紙の抄紙設備を新設するとともに、可児工場には加工設備を増設する計画です。
ホーム&パーソナルケア事業の収益力向上と衛生用紙のリーディングカンパニーとして供給体制を一層強化し、国内で圧倒的シェアNo.1を確立していきます。
(b)吸収体
イ.海外事業
生産拠点を有する中国、タイ、インドネシアでは、海外の事業展開の加速を牽引していくために、以下の課題に取り組んでいます。
中国では、ベビー用紙おむつのスーパープレミアム品の拡販に加え、プレミアム衛生用紙の市場創造も進めており、複合事業化を加速させています。これらの販売増加に伴い生産体制を強化するため、大王(南通)生活用品有限公司の既存工場の隣接地に第2工場の建設を進めています。
タイではベビー用紙おむつ、フェミニンケア商品、ウエットティシューを生産しており、当社海外工場の中で最も早く複合事業化をスタートさせました。インドシナ半島を一つの市場と捉え、タイ国内、ベトナム、マレーシア、ミャンマー等への拡販を推進しています。
インドネシアでは、代理店政策の見直しが完了し、販売エリアの集約による収益改善、伝統小売店舗(ワルン)や市場が拡大するEC市場の販売チャネルでの拡販を強化しています。
また、韓国、台湾、ロシア等の輸出販売国は、各国の消費者マインドの傾向・変化を素早く掴んで商品開発に反映し、販売エリアと複合事業化をさらに拡大していきます。
ロ.国内事業
大人用紙おむつでは、業務用の「アテント」のブランド力の強みを活かし、市販用へのリレーションを強化し、売上・収益の拡大に取り組んでいます。
厚生労働省が推進する『地域包括ケアシステム』の枠組みの中で、医療介護専用の多職種連携SNSである「メディカルケアステーション」を通じて2018年10月に「アテント排泄ケア支援アプリ」の全国運用を開始し、生活者が病院、在宅を循環する社会に対応するとともに、市販用紙おむつの販売を強化します。
また、アクティブな中高年の生活者の不安を解消して快適な生活をサポートするための軽失禁対応商品(「ナチュラ」ブランド)、少子化の進行に伴い高品質(肌への優しさ、吸水性能等)が求められるベビー用紙おむつ(「グ~ン」ブランド)は、品質への徹底的なこだわりと幅広い商品ラインナップにより、拡販に取り組んでいます。
ハ.ホーム&パーソナルケア海外事業におけるM&A
成長市場であるホーム&パーソナルケア海外事業におけるM&Aは、当社の長期ビジョンに基づいた戦略であり、目標の達成に向けて有効な選択肢の一つとして捉えています。
2020年2月に衛生用品メーカーのM&Aを発表したブラジルとトルコは、自国の衛生用品市場の確かな成長が見込まれています。さらに、将来的にはブラジルから南米全域、アフリカ南部への進出を検討していくとともに、トルコを起点としたMENA(中東・北アフリカ)からロシア及び周辺国への輸出販売を展開し、成長ポテンシャルの高いエリアでの事業拡大を実現することによって、持続的な成長を可能にする事業ポートフォリオの最適化を目指していきます。
③ 新規事業(セルロースナノファイバー、FIT制度を活用したバイオマス発電他)
セルロースナノファイバーの早期事業化に向けて、素材開発と電化製品・化粧品等への用途開発を加速させます。量産化技術確立とコスト低減に取り組み、第3次中期事業計画期間内のセルロースナノファイバー関連商品の販売開始を目標としています。
FIT制度を活用したバイオマス発電は2020年7月に事業を開始する予定です。
④ ESGへの取り組み
環境・社会・ガバナンスそれぞれの課題に対して、事業活動を通じて積極的に課題解決に取り組むことで、企業としての持続的な成長を実現します。
[環境面] ・FIT制度を活用したバイオマス発電の開始 ・植林・難処理古紙の有効活用・廃棄物の削減 ・プラスチック製品の代替品の開発・販売等 [社会面] ・チリの植林地での橋、道路等のインフラ整備 ・「地域包括ケアシステム」の枠組みの中での在宅介護者支援等 [ガバナンス面] ・持続的成長の基盤となる健全なガバナンス体制の整備等