有価証券報告書-第73期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/05/28 9:07
【資料】
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【項目】
144項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グル-プは「深い知性と燃える情熱をもって新しい価値の創造に努め、社会に貢献する」との企業理念のもと、その実現に努めております。この理念を実現するために「良い品はお徳です」をモットーとして、使う人すべてにやさしいユニバーサルデザイン商品の開発を重点的に行い、より高品質の製品を通じて顧客、株主、社員及び取引先の満足度を高め、経営の効率化、コーポレート・ガバナンス体制の強化、財務体質の改善などを図り、堅実経営を行うことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略
本業の事務用品等事業の売上高11,000百万円と営業利益1,000百万円の達成を当面の数値目標としております。
当社グループにおきましては、持続的、永続的な会社の成長を経営課題とし、この目標達成のために次の事項を経営戦略として掲げております。
①新製品の開発力の一層の強化を図り、市場のニーズを敏感に捉えた独自性の高い製品を提供し続ける、②販売チャネルの開拓と周辺市場への拡充、並びに海外市場への取組強化により業容の拡大を図る、③社員の能力開発や適正配置を通じて、組織力の強化や生産性の向上、収益性の改善を図る。
(3) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
次期の経済環境につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大が徐々に収束に向かいつつある中、経済活動の再開で先行する米国と中国が牽引役となり、世界経済も回復に向かうものと予想されます。但し、新興国を中心に依然として感染症拡大が収まっていない国も多く、こうした国々の状況次第では回復の遅れや停滞を招くことも懸念されます。
日本経済におきましては、感染症拡大への防止策が社会に浸透するとともに、ワクチンの普及が進むことにより経済活動への制約が徐々に緩和され、景気は緩やかに持ち直しに向かうものと思われます。
事務用品業界におきましては、個人需要の多様化や企業のデジタル化が更に進み顧客ニーズが大きく変化していくことが予想されます。また、流通・販売チャネルの構造的な変革とともに業界内での淘汰が進み、メーカーから小売りに跨る業界再編の動きが加速していく可能性が高まっております。
当社におきましては、このような環境のもと、お客様のニーズを的確に捉え真にご満足いただける製品の開発により一層努めていくとともに、国内外のマーケットへの積極的な開拓を推進してまいります。そのために当社として対処すべき課題は以下の3点と認識しております。
①製品開発
当社の製品開発については、本社並びに東京支店の2ヶ所に専門部署を設置し、それぞれ機能性やデザイン性など市場の特性・ニーズに合わせた開発に当たる体制としております。特にコロナ禍の環境下でビジネスや生活様式のデジタル化が加速度的に進み、お客様のニーズや価値観も大きく変化しつつあります。当社はそのような変化にも柔軟に適応しながら、より一層ユーザーの視点に立った付加価値の高い製品の開発に注力しており、直近では抗菌・抗ウイルス素材を用いたALCLEA(オルクレア)などの新シリーズの発表に繋げました。引き続き市場のニーズを敏感に捉え、事務用品という枠組みに囚われない独創的な発想で製品ラインナップの拡充に取り組んでまいります。
②市場の開拓
国内の事務用品市場が成熟化しつつある中で更なる発展を目指すためには、販売チャネル拡充による周辺市場の開拓、並びに海外市場への取組強化を推進していく必要があります。販売チャネルにつきましては、コロナ禍の影響により店頭販売からECを中心とした非対面型の通販へのシフトが国内外ともに一段と進んでいることから、従来のルートに加えて、こうしたルートにおける幅広い顧客ニーズにも応えるべく、事務用品という範疇を超えた周辺市場にも積極的に参入し、販売チャネルの拡充に努めてまいります。これまでもHINEMOシリーズやSMART FIT ALTNAシリーズにおける縫製品や机収納シリーズの机上台などを展開してまいりましたが、今後もルートに合った製品や販売方法の企画・提案活動に注力してまいります。海外市場については担当部門のスタッフを増強して取組強化を図ってきたことで、販売先は米国や東南アジアを中心とした地域から欧州等へと着実に拡がりつつあります。コロナ禍の影響により現状では活動が制限されておりますが、実店舗だけでなくEC市場の開拓にも注力しており、与信管理に留意しつつ引き続き海外売上の増強を図ってまいります。
③生産性の向上
市場の中心が法人需要から個人需要にシフトしていく中で、製品の生産も多品種化・短サイクル化が求められるようになってきており、安価なPBブランドの普及により価格競争も一層激しくなっております。一方で、新興国に依存した生産や調達は現地の人件費や輸送コスト等の上昇に伴いその優位性が失われつつあることから、今後は生産性の更なる向上や調達先の多様化が不可欠になると思われます。このような課題に対処すべく、当社は静岡事業部・購買部・デザインプレイス・LIHIT LAB. VIETNAM INC.を生産部門として一体管理することにより、全社的な生産性向上と生産バランスの適正化、並びに海外も含めた調達ルートの強化を推進してまいります。
以上のような課題の解決を鋭意進めることにより、更なる売上の拡大並びに収益力の強化を図ってまいります。