有価証券報告書-第74期(令和3年3月1日-令和4年2月28日)

【提出】
2022/05/27 9:12
【資料】
PDFをみる
【項目】
136項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グル-プは「深い知性と燃える情熱をもって新しい価値の創造に努め、社会に貢献する」との企業理念のもと、その実現に努めております。この理念を実現するために「良い品はお徳です」をモットーとして、使う人すべてにやさしいユニバーサルデザイン商品の開発を重点的に行い、より高品質の製品を通じて顧客、株主、社員及び取引先の満足度を高め、経営の効率化、コーポレート・ガバナンス体制の強化、財務体質の改善などを図り、堅実経営を行うことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略
本業の事務用品等事業の売上高11,000百万円と営業利益1,000百万円の達成を当面の数値目標としております。
当社グループにおきましては、持続的、永続的な会社の成長を経営課題とし、この目標達成のために次の事項を経営戦略として掲げております。
①新製品の開発力の一層の強化を図り、市場のニーズを敏感に捉えた独自性の高い製品を提供し続ける、②販売チャネルの開拓と周辺市場への拡充、並びに海外市場への取組強化により業容の拡大を図る、③社員の能力開発や適正配置を通じて、組織力の強化や生産性の向上、収益性の改善を図る。
(3) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
次期の経済環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束には時間を要するものの、欧米を中心として経済活動の正常化は着実に進んでおり、世界経済は回復に向かうものと予想されます。但し、ウクライナ情勢の先行きが不透明であり事態が更に悪化もしくは長期化すれば、資源や食料の供給不足により景気の減速や停滞を招くことも懸念されます。日本経済におきましては、ワクチンや治療薬の普及が進むことにより経済活動への制約が徐々に緩和され景気回復が進むものと期待されますが、海外情勢に加え、政府による景気対策や金融政策の動向次第では景気が下振れるリスクも内包しております。事務用品業界におきましては、コロナ禍における環境変化の影響で事務用品に対するニーズも企業と個人の双方で大きく変化しつつあり、利便性だけでなくSDGsにも配慮した新たな発想での製品が求められるようになってまいりました。また、このような変化が流通・販売チャネルの構造的な変革や業界内での淘汰を促すこととなり、メーカーから小売りに跨る業界再編の動きが加速しつつあります。当社におきましては、このような環境のもと、お客様のニーズを的確に捉え真にご満足いただける製品の開発により一層努めていくとともに、国内外のマーケットへの積極的な開拓を推進してまいります。そのために当社として対処すべき課題は以下の3点と認識しております。
①製品開発
当社の製品開発については、本社並びに東京支店の2ヶ所に専門部署を設置し、それぞれ機能性やデザイン性など市場の特性・ニーズに合わせた開発に当たる体制としております。特にウィズコロナを前提としたビジネスや生活様式が長く続いている影響で、お客様の価値観やニーズも大きく変化しつつあり、安全性や社会環境にも配慮した製品が求められるようになっております。当社はそのような変化にも柔軟に適応しながら、より一層ユーザーの視点に立った付加価値の高い製品の開発に注力しており、直近では抗菌・抗ウイルス素材を用いたALCLEAなどの新シリーズの開発に繋げました。引き続き市場のニーズを敏感に捉え、事務用品という枠組みに囚われない独創的な発想で製品ラインナップの拡充に取り組んでまいります
②市場の開拓
国内の事務用品市場が成熟化しつつある環境下で当社として更なる発展を目指すためには、国内外への販売チャネルの拡充、並びに周辺市場も含めた新たな事業領域の開拓を推進していく必要があります。これらの課題に対処すべく、営業本部内に戦略部署を2グループ立ちあげる予定であります。それらのうち「営業推進グループ」では、従来の販売ルートに加えて、今後拡大が見込まれる通販や海外といったルートを強化すべく、チャネル毎の顧客ニーズを的確に捉え、それぞれのニーズに合った営業戦略を企画・提案していくことにより、営業現場の販売支援に取り組んでまいります。もうひとつの「マーケティンググループ」では、周辺市場の拡充に止まらず、事務用品の範疇を超えた新たな市場への参入を目指して、将来的な市場の動向を調査・分析するとともに、開発部門と協働して新製品の開発にも関与していきます。また、自社サイトやSNS等を通じてブランディングや販売手法の多様化にも取り組んでまいります。
③生産性の向上
市場の中心が法人需要から個人需要にシフトしていく中で、製品の生産も多品種化・短サイクル化が求められるようになり、安価なPBブランドの普及により価格競争も一層激しくなっております。一方で、新興国に依存した生産や調達は現地の人件費や輸送コスト等の上昇に伴いその優位性が失われつつあることから、生産性の更なる向上や調達先の多様化が不可欠になってきております。このような課題に対処すべく、当社は「生産本部」を立ち上げ、静岡事業部・購買部・デザインプレイス・LIHIT LAB. VIETNAM INC.を一体として統括・管理することにより、全社的な生産性向上と生産バランスの適正化、並びに海外も含めた調達ルートの強化を推進してまいります。
以上のような課題の解決を鋭意進めることにより、更なる売上の拡大並びに収益力の強化を図ってまいります。