有価証券報告書-第178期(2023/04/01-2024/03/31)
②戦略
当社グループは、2023年度を初年度とする中期経営計画において、中長期の重点施策である事業ポートフォリオ変革に向けて、「DX(Erhoeht-X)」「国内SX・海外生活系」「新事業」の推進に注力しております。この推進に向けて人財の確保や育成を重要な経営課題と認識し、経営基盤の強化における重要なテーマとして「成長事業を牽引する人財の確保・活用・育成」を人財戦略として設定しており、当社グループの中長期的な価値創造に資する「人財」への投資や様々な人事施策を推進しております。
1)事業の発展を支える人財の確保
事業戦略上必要な専門性を持った人財の獲得・採用については、定期採用にこだわらず、経験者・第二新卒といった外部人財採用に加え、当社グループを退職した人財(アルムナイ)との関係性の継続・再度採用する「カムバックキャリア制度」を導入するなど、多様な手法を駆使して必要な人財の確保を図ってまいります。また、定期採用においても就業型インターンシップを取り入れ、応募者と採用部署のマッチングと入社後の定着を高める取り組みを行っております。
2)人財開発プログラムの構築
当社グループでは、グループ全体の社員教育を統括する人財開発センターを2011年より設置し、TOPPANユニバーシティという新たな人財開発体系のもと、人財開発、育成施策を推進しております。その中で、2024年は、第5期「次世代型人財開発のグループ、グローバルへの実装フェーズ」と位置づけ、社員一人ひとりの業務やキャリアに合わせた能力開発を進めるため、多彩な人財開発プログラムを提供する他、当社独自の人財開発に関する R&D 拠点である「人財開発ラボ®」において、従業員の「自己革新」と、TOPPANグループならではの新しい価値創造の実現を促す次世代型人財開発プログラムの実装を図っております。
2023年度においては、社員一人当たりの研修時間は72.2時間、社員一人当たりの人財育成に関する費用は76,188円となりました。(ともにTOPPAN株式会社の社員についての数値)
a DX人財の育成
DX人財の育成にあたっては、①全ての従業員のリスキリングを目指して「リテラシーレベル」人財の拡充 ②リテラシーレベルまで到達した社員にさらに学習の機会を提供し、将来のDX中核人財となる「ベーシックレベル」層の増強 ③サイエンティスト、エンジニア、ビジネスデザイナーなど各領域における「プロフェッショナルレベル」人財のDXビジネス実践の中での育成と外部リソース確保を組み合わせた増強、以上の3つのレベルで育成方針を立て取り組みを進めております。
「リテラシーレベル」に関して2023年度、経済産業省主管の官民連携会議体であるデジタルリテラシー協議会が提唱したDi-Lite(ディライト)資格3つのうち「AIジェネラリストG検定」「データサイエンティストDS 検定」の取得推奨プログラムを新設いたしました。2023年度では、AIジェネラリストG検定を209名、データサイエンティストDS検定を106名が資格取得し、DX人財予備軍層が強化されました。
◇DX人財のレベル定義と強化施策

b SX人財の育成
当社グループが社会的価値創造企業として、ESGへの取り組みを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献していくため、SXに対応できる人財育成プログラムを2013年より実施しております。
社会課題の解決と経済的価値を両立させる次世代イノベーション事業の実現をテーマに、ソーシャルイノベーションプログラム、管理職向けのフィールドワークなどを継続実施しております。東日本大震災被災地である福島県でのフィールドワークは継続的に実施しており、10年間で福島への訪問社員数は累計1,925名に上って おります。
また、社会課題解決型のビジネスモデルとして、障がいのあるアーティストの作品を価値化、ビジネスに活用し、その対価をアーティストに還元する「可能性アートプロジェクト」を2018年から実施しており、これを人財育成プログラムとして活用しております。現在では年間50件を超えるビジネス利用があり、アーティストへの累計還元額実績は1,000万円を超えております。
これらのSX人財育成プログラムを継続的に実施し、ソーシャルイノベーション事業の発展に繋げております。
◇SX人財育成プログラム

c グローバル人財の育成
グローバル人財を、語学力・異文化対応力も含めた「ビジネスコミュニケーションスキル」「ビジネスリテラシー」「海外経験」の全てを兼ね備えた人財と定義し、人員の可視化と育成計画の策定・実施をしております。
具体的には、年に一度の語学力測定アセスメント一斉受検による全社的なグローバル人財の人員数とレベルの顕在化、グローバル要員数及び育成ニーズの見極め等を行いながら、各種グローバル関連プログラムへの参加、アカウンティングやファイナンスなど海外ビジネスで求められる基礎的なビジネスリテラシーの習得、海外派遣などを掛け合わせた人事システムの中で人財を育成しております。
d 新事業開発人財の育成
新事業開発人財としての知識・スキル・マインドを醸成するプログラムを実施しております。具体的には、 新事業の創出に向けたフレームワークを体系的に学び、企業内起業家マインドを強化する「新事業開発人財育成プログラム」、アーティストの思考法を参考にした「主観」から事業案を考える「アートイノベーションフレームワーク」によって新しい価値創造に挑戦するフィールドワーク等、様々なプログラムを展開しております。その結果、2023年度末時点で、教育プログラムより経営に提案された新事業計画アイデア(事業計画書数)は312件となりました。
e 経営者人財の育成(サクセッションプラン)
事業の中核的人財となる次世代経営者人財を育成するプログラムとして、39歳以下の若手層に対し、直接トップ経営層からの講話や討議セッションを通して、リーダーとしてのマインド・行動力を学ぶ「麿'sイノベーションプログラム」、コーポレートガバナンス知識の習得と意思決定やリーダーシップなどの事業遂行能力育成を目指す「次世代経営者育成プログラム」など、各種育成プログラムを実施しております。その他、上級管理職を中心に外部のビジネススクールや経営者育成プログラムへの派遣を積極的に推進しております。
3)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社グループは、価値創造のための重要な要素の1つとして、違いを変革の原動力に変えていくダイバーシティ&インクルージョンを重要視し、「ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」のもと、事業活動と一体となった取り組みを推進しております。
事業ポートフォリオ変革においては、人財の流動性を高めるとともに、その人財が社会・環境変化に迅速・柔軟に対応し、チャレンジし続けられる風土・カルチャーを醸成することが重要だと考えております。その風土醸成のため、多様な人財が心理的安全性のもとで、個々の属性や価値観の違いを認め、尊重し合うダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略の1つと位置付けております。
2019年にはダイバーシティ推進室を発足させ、ダイバーシティ&インクルージョンを全社的な経営戦略として進化・加速させていくための方針策定と施策の企画・立案を担い、各事業所のダイバーシティ推進委員が各事業所の特色にあわせて、具体的な施策を展開しております。
社員が個々の属性や価値観の違いを認め合い尊重し、一人ひとりが能力を十分に発揮できるようにするとともに、これらの力を結集して、グループの総合力を最大限に高めることを目指しております。
a 仕事と育児の両立支援、仕事と介護の両立支援
「働く意志を支援する」という考え方に基づき、多様な状況下にある従業員が仕事と生活を両立しやすい環境づくりを進めており、ハード面(働き方改革や制度拡充など)、ソフト面(心理面のフォロー)の両面から施策を展開しております。仕事と育児の両立支援においては、2022年10月より、勤続年数を問わず機動的に利用できる「育児スタートアップ休業制度」を創設するなど、性別問わず誰もが仕事と育児を両立しながら活躍できる環境整備を推進しております。仕事と介護の両立支援においては、従業員の理解促進と不安解消に向け、セミナーなどの情報発信の他、外部専門相談窓口を設置するなど、安心して仕事に取り組める環境を整備しております。
b 女性活躍の推進、性の多様性に関する取り組み
性別を問わず、誰もが健康に働き続けられ、能力に応じて活躍できることを基本的な考え方として、女性の活躍推進を進めております。働き方改革や両立支援制度等の環境整備を施策のベースとして、さらに能力や意欲に基づき女性の管理職への登用を積極的に進めるポジティブアクションを推進しております。また、性の多様性(SOGI・LGBTQ)への理解を促し、誰もが働きやすい職場環境を実現するため、理解促進のためのセミナーや研修の開催、社内相談窓口の設置の他、同性パートナーや事実婚パートナー制度の導入など、従業員の多様な価値観・生き方を支援しております。
4)従業員のWell-being
当社グループでは、従業員のWell-being実現に向けて、各種人的資本施策を複合的に実施するとともに、そのベースとしては、従業員の健康と安全が最重要であると考えております。また、従業員Well-beingに関わる施策立案・実施に向けて、定量的な数値に基づく分析のために継続して従業員エンゲージメント調査を実施しております。
a 健康と安全
「健康経営宣言」「安全衛生・防火基本方針」に基づき、それぞれの取り組みを進めております。「健康経営宣言」では、ワーク・ライフ・バランスも含め、従業員や家族の健康づくりをより一層推進するとともに、健康関連事業を通じ、世の中全ての人々の健康づくりを支援し社会に貢献する、という2つの軸を打ち出し、取り組みを推進しております。また、「安全衛生・防火基本方針」は、社員及び契約社員をはじめとする職場で働く全ての人々を対象に、「安全は全てに優先する」を第一義に制定された方針で、ゼロ災害を目標に取り組んでおります。
メンタルヘルス対策についても重要視しており、会社、産業医、健康保険組合が連携し、一次予防から三次予防、さらに一人ひとりのこころとからだのコンディション向上や対話力アップ、チーム力アップといった「ゼロ次予防」を推進して、「メンタル不調者を出さない職場づくり」に取り組んでおります。取り組みの土台となるリスク判定としては、標準的なストレス判定・生活習慣の乱れによるコンディション低下・環境変化という3指標によるきめ細やかなリスク判定を実現する「3Dストレスチェック&ケア®」を独自開発し、活用しております。
b 従業員エンゲージメント
従業員のやりがい・働きがいを含めたWell-beingの向上に向けて、従業員エンゲージメントの状況を把握するためのサーベイを2021年度から導入しております。グループ会社を含めた45社31,000名を対象に実施しており、本調査を通じて明らかになった社員からの声をもとに、経営と現場が連携し、組織課題の解決に向けたアクションを推進しております。
5)人事処遇制度改革
当社グループは、多彩な能力・キャリアを持つ人財の適切な処遇、従業員のスキルアップ・キャリア形成、若手の抜擢、高年齢社員の活躍、チャレンジできる環境の提供等を目指し、人事諸制度の改革を進めております。
TOPPAN版ジョブ型人事処遇制度は、全職種統一の職能等級制度から職群別の要素を取り入れた等級制度に再構築し、また年功制の排除の観点から、各等級における在位年数も撤廃した制度です。社員の処遇の根幹である等級制度の改定により、多彩な能力・キャリアを持つ人財の活用が進んでおります。人事評価の指標には、新たな項目として「持続可能な社会の実現」「ダイバーシティ&インクルージョン」「人権の尊重」「社会的価値の創造」を加え、成長や行動革新のための方向性を示すことで、組織全体のパフォーマンス向上を目指しております。
さらに、2024年度より人財流動性を高める施策として、新たな常設型社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」を新設しております。各部門の業務内容や求める人材スキルなどを掲げて部署異動の希望者を公募する制度で、従業員自らの意思に基づく自律的なキャリア形成を可能とし、やりがいの向上につなげるとともに、事業ポートフォリオと連動した成長事業への人員配置を加速してまいります。
また、2023年10月の持株会社体制移行を踏まえて、TOPPANホールディングス株式会社・TOPPAN株式会社・TOPPANエッジ株式会社・TOPPANデジタル株式会社の人事諸制度の統合を進めております。今後グループ全体での人財流動性を高め、グループシナジーによる企業価値向上を目指してまいります。
当社グループは、2023年度を初年度とする中期経営計画において、中長期の重点施策である事業ポートフォリオ変革に向けて、「DX(Erhoeht-X)」「国内SX・海外生活系」「新事業」の推進に注力しております。この推進に向けて人財の確保や育成を重要な経営課題と認識し、経営基盤の強化における重要なテーマとして「成長事業を牽引する人財の確保・活用・育成」を人財戦略として設定しており、当社グループの中長期的な価値創造に資する「人財」への投資や様々な人事施策を推進しております。
1)事業の発展を支える人財の確保
事業戦略上必要な専門性を持った人財の獲得・採用については、定期採用にこだわらず、経験者・第二新卒といった外部人財採用に加え、当社グループを退職した人財(アルムナイ)との関係性の継続・再度採用する「カムバックキャリア制度」を導入するなど、多様な手法を駆使して必要な人財の確保を図ってまいります。また、定期採用においても就業型インターンシップを取り入れ、応募者と採用部署のマッチングと入社後の定着を高める取り組みを行っております。
2)人財開発プログラムの構築
当社グループでは、グループ全体の社員教育を統括する人財開発センターを2011年より設置し、TOPPANユニバーシティという新たな人財開発体系のもと、人財開発、育成施策を推進しております。その中で、2024年は、第5期「次世代型人財開発のグループ、グローバルへの実装フェーズ」と位置づけ、社員一人ひとりの業務やキャリアに合わせた能力開発を進めるため、多彩な人財開発プログラムを提供する他、当社独自の人財開発に関する R&D 拠点である「人財開発ラボ®」において、従業員の「自己革新」と、TOPPANグループならではの新しい価値創造の実現を促す次世代型人財開発プログラムの実装を図っております。
2023年度においては、社員一人当たりの研修時間は72.2時間、社員一人当たりの人財育成に関する費用は76,188円となりました。(ともにTOPPAN株式会社の社員についての数値)
a DX人財の育成
DX人財の育成にあたっては、①全ての従業員のリスキリングを目指して「リテラシーレベル」人財の拡充 ②リテラシーレベルまで到達した社員にさらに学習の機会を提供し、将来のDX中核人財となる「ベーシックレベル」層の増強 ③サイエンティスト、エンジニア、ビジネスデザイナーなど各領域における「プロフェッショナルレベル」人財のDXビジネス実践の中での育成と外部リソース確保を組み合わせた増強、以上の3つのレベルで育成方針を立て取り組みを進めております。
「リテラシーレベル」に関して2023年度、経済産業省主管の官民連携会議体であるデジタルリテラシー協議会が提唱したDi-Lite(ディライト)資格3つのうち「AIジェネラリストG検定」「データサイエンティストDS 検定」の取得推奨プログラムを新設いたしました。2023年度では、AIジェネラリストG検定を209名、データサイエンティストDS検定を106名が資格取得し、DX人財予備軍層が強化されました。
◇DX人財のレベル定義と強化施策

b SX人財の育成
当社グループが社会的価値創造企業として、ESGへの取り組みを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献していくため、SXに対応できる人財育成プログラムを2013年より実施しております。
社会課題の解決と経済的価値を両立させる次世代イノベーション事業の実現をテーマに、ソーシャルイノベーションプログラム、管理職向けのフィールドワークなどを継続実施しております。東日本大震災被災地である福島県でのフィールドワークは継続的に実施しており、10年間で福島への訪問社員数は累計1,925名に上って おります。
また、社会課題解決型のビジネスモデルとして、障がいのあるアーティストの作品を価値化、ビジネスに活用し、その対価をアーティストに還元する「可能性アートプロジェクト」を2018年から実施しており、これを人財育成プログラムとして活用しております。現在では年間50件を超えるビジネス利用があり、アーティストへの累計還元額実績は1,000万円を超えております。
これらのSX人財育成プログラムを継続的に実施し、ソーシャルイノベーション事業の発展に繋げております。
◇SX人財育成プログラム

c グローバル人財の育成
グローバル人財を、語学力・異文化対応力も含めた「ビジネスコミュニケーションスキル」「ビジネスリテラシー」「海外経験」の全てを兼ね備えた人財と定義し、人員の可視化と育成計画の策定・実施をしております。
具体的には、年に一度の語学力測定アセスメント一斉受検による全社的なグローバル人財の人員数とレベルの顕在化、グローバル要員数及び育成ニーズの見極め等を行いながら、各種グローバル関連プログラムへの参加、アカウンティングやファイナンスなど海外ビジネスで求められる基礎的なビジネスリテラシーの習得、海外派遣などを掛け合わせた人事システムの中で人財を育成しております。
d 新事業開発人財の育成
新事業開発人財としての知識・スキル・マインドを醸成するプログラムを実施しております。具体的には、 新事業の創出に向けたフレームワークを体系的に学び、企業内起業家マインドを強化する「新事業開発人財育成プログラム」、アーティストの思考法を参考にした「主観」から事業案を考える「アートイノベーションフレームワーク」によって新しい価値創造に挑戦するフィールドワーク等、様々なプログラムを展開しております。その結果、2023年度末時点で、教育プログラムより経営に提案された新事業計画アイデア(事業計画書数)は312件となりました。
e 経営者人財の育成(サクセッションプラン)
事業の中核的人財となる次世代経営者人財を育成するプログラムとして、39歳以下の若手層に対し、直接トップ経営層からの講話や討議セッションを通して、リーダーとしてのマインド・行動力を学ぶ「麿'sイノベーションプログラム」、コーポレートガバナンス知識の習得と意思決定やリーダーシップなどの事業遂行能力育成を目指す「次世代経営者育成プログラム」など、各種育成プログラムを実施しております。その他、上級管理職を中心に外部のビジネススクールや経営者育成プログラムへの派遣を積極的に推進しております。
3)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社グループは、価値創造のための重要な要素の1つとして、違いを変革の原動力に変えていくダイバーシティ&インクルージョンを重要視し、「ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」のもと、事業活動と一体となった取り組みを推進しております。
事業ポートフォリオ変革においては、人財の流動性を高めるとともに、その人財が社会・環境変化に迅速・柔軟に対応し、チャレンジし続けられる風土・カルチャーを醸成することが重要だと考えております。その風土醸成のため、多様な人財が心理的安全性のもとで、個々の属性や価値観の違いを認め、尊重し合うダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略の1つと位置付けております。
2019年にはダイバーシティ推進室を発足させ、ダイバーシティ&インクルージョンを全社的な経営戦略として進化・加速させていくための方針策定と施策の企画・立案を担い、各事業所のダイバーシティ推進委員が各事業所の特色にあわせて、具体的な施策を展開しております。
社員が個々の属性や価値観の違いを認め合い尊重し、一人ひとりが能力を十分に発揮できるようにするとともに、これらの力を結集して、グループの総合力を最大限に高めることを目指しております。
a 仕事と育児の両立支援、仕事と介護の両立支援
「働く意志を支援する」という考え方に基づき、多様な状況下にある従業員が仕事と生活を両立しやすい環境づくりを進めており、ハード面(働き方改革や制度拡充など)、ソフト面(心理面のフォロー)の両面から施策を展開しております。仕事と育児の両立支援においては、2022年10月より、勤続年数を問わず機動的に利用できる「育児スタートアップ休業制度」を創設するなど、性別問わず誰もが仕事と育児を両立しながら活躍できる環境整備を推進しております。仕事と介護の両立支援においては、従業員の理解促進と不安解消に向け、セミナーなどの情報発信の他、外部専門相談窓口を設置するなど、安心して仕事に取り組める環境を整備しております。
b 女性活躍の推進、性の多様性に関する取り組み
性別を問わず、誰もが健康に働き続けられ、能力に応じて活躍できることを基本的な考え方として、女性の活躍推進を進めております。働き方改革や両立支援制度等の環境整備を施策のベースとして、さらに能力や意欲に基づき女性の管理職への登用を積極的に進めるポジティブアクションを推進しております。また、性の多様性(SOGI・LGBTQ)への理解を促し、誰もが働きやすい職場環境を実現するため、理解促進のためのセミナーや研修の開催、社内相談窓口の設置の他、同性パートナーや事実婚パートナー制度の導入など、従業員の多様な価値観・生き方を支援しております。
4)従業員のWell-being
当社グループでは、従業員のWell-being実現に向けて、各種人的資本施策を複合的に実施するとともに、そのベースとしては、従業員の健康と安全が最重要であると考えております。また、従業員Well-beingに関わる施策立案・実施に向けて、定量的な数値に基づく分析のために継続して従業員エンゲージメント調査を実施しております。
a 健康と安全
「健康経営宣言」「安全衛生・防火基本方針」に基づき、それぞれの取り組みを進めております。「健康経営宣言」では、ワーク・ライフ・バランスも含め、従業員や家族の健康づくりをより一層推進するとともに、健康関連事業を通じ、世の中全ての人々の健康づくりを支援し社会に貢献する、という2つの軸を打ち出し、取り組みを推進しております。また、「安全衛生・防火基本方針」は、社員及び契約社員をはじめとする職場で働く全ての人々を対象に、「安全は全てに優先する」を第一義に制定された方針で、ゼロ災害を目標に取り組んでおります。
メンタルヘルス対策についても重要視しており、会社、産業医、健康保険組合が連携し、一次予防から三次予防、さらに一人ひとりのこころとからだのコンディション向上や対話力アップ、チーム力アップといった「ゼロ次予防」を推進して、「メンタル不調者を出さない職場づくり」に取り組んでおります。取り組みの土台となるリスク判定としては、標準的なストレス判定・生活習慣の乱れによるコンディション低下・環境変化という3指標によるきめ細やかなリスク判定を実現する「3Dストレスチェック&ケア®」を独自開発し、活用しております。
b 従業員エンゲージメント
従業員のやりがい・働きがいを含めたWell-beingの向上に向けて、従業員エンゲージメントの状況を把握するためのサーベイを2021年度から導入しております。グループ会社を含めた45社31,000名を対象に実施しており、本調査を通じて明らかになった社員からの声をもとに、経営と現場が連携し、組織課題の解決に向けたアクションを推進しております。
5)人事処遇制度改革
当社グループは、多彩な能力・キャリアを持つ人財の適切な処遇、従業員のスキルアップ・キャリア形成、若手の抜擢、高年齢社員の活躍、チャレンジできる環境の提供等を目指し、人事諸制度の改革を進めております。
TOPPAN版ジョブ型人事処遇制度は、全職種統一の職能等級制度から職群別の要素を取り入れた等級制度に再構築し、また年功制の排除の観点から、各等級における在位年数も撤廃した制度です。社員の処遇の根幹である等級制度の改定により、多彩な能力・キャリアを持つ人財の活用が進んでおります。人事評価の指標には、新たな項目として「持続可能な社会の実現」「ダイバーシティ&インクルージョン」「人権の尊重」「社会的価値の創造」を加え、成長や行動革新のための方向性を示すことで、組織全体のパフォーマンス向上を目指しております。
さらに、2024年度より人財流動性を高める施策として、新たな常設型社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」を新設しております。各部門の業務内容や求める人材スキルなどを掲げて部署異動の希望者を公募する制度で、従業員自らの意思に基づく自律的なキャリア形成を可能とし、やりがいの向上につなげるとともに、事業ポートフォリオと連動した成長事業への人員配置を加速してまいります。
また、2023年10月の持株会社体制移行を踏まえて、TOPPANホールディングス株式会社・TOPPAN株式会社・TOPPANエッジ株式会社・TOPPANデジタル株式会社の人事諸制度の統合を進めております。今後グループ全体での人財流動性を高め、グループシナジーによる企業価値向上を目指してまいります。