有価証券報告書-第129期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 15:00
【資料】
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【項目】
159項目
(2)戦略
DNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」ことを企業理念に掲げ、持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らしの実現に努めています。この理念に基づき、サプライチェーン全体を通じて、あらゆるリスクのマイナスの影響を抑えるとともに、プラスのインパクトをもたらす価値を生み出して、企業としての持続可能性と環境・社会・経済の持続可能性をともに高めていきます。特に事業活動のグローバル化が進むなかで、人権の尊重が今まで以上に重要になると認識しており、2020年3月に、「DNPグループ人権方針」を策定し、人権尊重のマネジメントを強化しました。サプライチェーン全体で人権に配慮した調達に取り組んでおり、リスク評価やトレーサビリティの確保など取り組みを進めています。
事業活動を通じて、中長期的に新しい価値を創造し、サステナブルに成長していくためには、その基盤として財務・非財務の双方の資本を強化することが重要であり、「価値の創造」と「価値創造を支える基盤の強化」の両軸で、推進すべき重点テーマを定めています。非財務資本の強化では、ステークホルダーの関心や事業活動への影響の大きさ、影響を及ぼす可能性の観点から、特に注力すべき重要課題(マテリアリティ)として、人的資本・知的資本・環境への取り組みを加速させています。
① 人的資本の強化
価値創出の要であり、成長の原動力である「人的資本の強化」に関しては、「人的資本ポリシーに基づき人への投資を拡大する」という方針のもと、
・価値創造に向けた社員のキャリア自律支援と組織力の強化
・社員の幸せ(幸福度)を高める健康経営の推進
・人材ポートフォリオに基づく採用、注力分野への人材配置とリスキリングの展開
・多様な個を活かすダイバーシティ&インクルージョンの推進
を進めていきます。
その為の人材育成方針として、社員一人ひとりが自律した個として主体的に必要な知識と技術を身につけ、最大限に自身の役割を果たし、自らの成長と自己実現を図ることができる人材の継続的な輩出を目指します。社内環境整備方針としては、ダイバーシティ宣言や健康宣言に基づき、多様な個人の強みを引き出す、チーム力や組織力の強化に向けてDVO制度によるチーム目標の設定や組織のエンゲージメントを高める施策などを推進していきます。
これらの方針に基づく具体的な取り組みとして、「キャリア自律型」の仕組みであるDNP版「よりジョブ型も意識した処遇と関連施策」などを展開します。社員は自律的にキャリアを描くなかで自らを磨き、会社は「価値創造に向けた社員のキャリア自律」を支援していくことで、人的資本ポリシーに謳う「社会(社内・社外)で活躍できる人財」の輩出を目指していきます。
こうした取り組みを通じて、人への投資を企業価値の向上に結び付けていく中で、グローバルでの『人的創造性(付加価値生産性)』の飛躍的向上を実現していきます。
② 知的資本の強化
DNPグループは、他社と差別化してグローバルな競争力を高めていくため、コアバリューである「P&I」(印刷と情報)の独自の強みを進化・深耕させるとともに、社外のパートナーとの連携を深めることで知的資本の充実を図っていきます。研究開発の投資として、毎年300億円以上を投入しており、特に、注力事業領域を中心に、知的資本を有効に掛け合わせて、製品化・事業化を加速させる取り組みを強化しています。近年ではまた、事業の成長と生産性の革新の両面で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を強力に推進しており、そのための技術や人材の充実も図っています。重要な成長戦略の一つとして、社内のDX人材の育成と必要な外部人材の獲得、パートナー企業との連携など、DXによる価値創出のためのリソースをさらに拡充していきます。
こうした「事業の推進」、「技術・研究開発」とその活動を支える「知的財産の戦略的獲得」を三位一体で強力に推進していきます。
③ 環境への取り組み
DNPグループは常に、事業活動と地球環境の共生を考え、環境問題への対応を重要な経営課題の一つに位置付けており、行動規範の中に「環境保全と持続可能な社会の実現」を掲げています。近年特に、地球環境に対する負荷の低減が強く求められるなか、サプライチェーン全体で環境を強く意識した活動を推進しています。2020年3月には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。
特に気候変動対応を重要課題の一つに位置付けており、事業活動にともなう気候変動リスクの抽出と長期リスクに対する戦略検討のため、シナリオ分析による定性的・定量的な財務影響の評価・分析を実施しています。また、環境ビジョン2050に掲げる「脱炭素社会」の構築に向けて、グループ全体におけるGHG排出量(Scope1、2、3)を把握し、実績の分析に基づいて削減に取り組んでいます。具体的には、事業ポートフォリオの転換、省エネルギー活動の強化、再生可能エネルギーの導入などにより、自社拠点での事業活動にともなう温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指すとともに、製品・サービスを通じて脱炭素社会の構築などに貢献していきます。また、「循環型社会」の実現に向けて、サプライチェーン全体で資源の効率的な循環利用を進めており、自社で生じるプラスチック不要物を中心に、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルの取り組みを進め、資源循環率の向上に努めています。さらに、「自然共生社会」の実現に向け、サプライチェーン全体で生物多様性への影響の最小化と地域生態系への調和を目指しており、原材料調達のトレーサビリティ確保や生態系に配慮した事業所内の緑地づくりを進めています。

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