有価証券報告書-第130期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 15:05
【資料】
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【項目】
170項目
(2)戦略
DNPグループは、企業理念に「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」ことを掲げ、サステナブルな経営の考え方として「持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らし」の実現を目指しています。これらに基づき、長期を見据えて、自らが「より良い未来」をつくり出すための事業活動を展開しています。2024年3月、「より良い未来」として目指す、それぞれ相互関係にある「4つの社会」の実現に向けて、DNPが何をすべきか、どのような価値をつくり出していくのかを具体化することで、DNPが社会と共に成長し続けるために重要なこととしてのマテリアリティを特定しました。
■DNPのマテリアリティ
・安全・安心かつ健康に心豊かに暮らせる社会
DNPグループは、自ら変化を生み出し、変化に柔軟に対応することで、環境・社会・経済の持続可能性を高めていきます。
・快適にコミュニケーションができる社会
DNPグループは、リアルとデジタルをつなぐことで、得られる体験価値の質を高めるとともに、人々の活動の機会を拡げていきます。
・人が互いに尊重し合う社会
DNPグループは、相互に理解を深め、認め合うことで、誰もがいきいきと活躍できる場をつくっていきます。
・経済成長と地球環境が両立する社会
DNPグループは、環境保全・環境負荷の低減に取り組むことで、ネイチャーポジティブなバリューチェーンを実現していきます。
マテリアリティに基づく活動として、中期経営計画における「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に沿った取り組みを推進しています。「価値の創出」とそれを支える「経営基盤の強化」により、事業活動を通じて社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値を創出し、DNPグループの持続的な成長を図っていきます。
非財務資本の強化では、特に重要だと考えている「人的資本」「知的資本」「環境への取り組み」を加速させています。また、事業活動のグローバル化が進むなかで、人権の尊重が今後、ますます重要になると認識しており、2020年3月に「DNPグループ人権方針」を策定して以降、継続的に人権尊重のマネジメントを強化しています。サプライチェーン全体で人権に配慮した調達に取り組んでおり、鉱物資源や木材・紙を中心に、リスク評価やトレーサビリティの確保など取り組みを進めています。
① 人的資本の強化
価値創出の要であり、成長の原動力である「人的資本の強化」に関しては、「人的資本ポリシーに基づき人への投資を拡大する」という方針のもと、
・価値創造に向けた社員のキャリア自律支援と組織力の強化
・社員の幸せ(幸福度)を高める健康経営の推進
・人材ポートフォリオに基づく採用、注力分野への人材配置とリスキリングの展開
・多様な個を活かすダイバーシティ&インクルージョンの推進
を進めています。
その為の人材育成方針として、社員一人ひとりが自律した個として主体的に必要な知識と技術を身につけ、最大限に自身の役割を果たし、自らの成長と自己実現を図ることができる人材の継続的な輩出を目指します。社内環境整備方針としては、ダイバーシティ宣言や健康宣言に基づき、多様な個人の強みを引き出すチーム力や組織力の強化に向けて、DNP価値目標(DVO)制度によるチーム目標の設定や組織のエンゲージメントを高める施策などを推進していきます。
これらの方針に基づく具体的な取り組みとして、「キャリア自律型」の仕組みであるDNP版「よりジョブ型も意識した処遇と関連施策」などを展開します。社員は自律的にキャリアを描くなかで自らを磨き、会社は「価値創造に向けた社員のキャリア自律」を支援していくことで、人的資本ポリシーに謳う「社会(社内・社外)で活躍できる人財」の輩出を目指していきます。
また、DX人材については、経済産業省のデジタルスキル標準に基づきDX人材を再定義し、全社員に対してDXリテラシーの向上を図っています。さらに専門人材については、各人のスキルレベルを可視化し、レベルアップを図るためのキャリアディベロップメントプログラム(CDP)を整備・運用し、DX推進における専門的な役割を担う人材育成を進めています。
こうした取り組みを通じて、人への投資を企業価値の向上に結び付けていく中で、グローバルでの『人的創造性(付加価値生産性)』の飛躍的向上を実現していきます。
② 知的資本の強化
DNPグループは、他社と差別化してグローバルな競争力を高めていくため、長年培った「印刷と情報(Printing & Information)」の強みを進化・深耕させるとともに、社外のパートナーとの連携を深めることで知的資本を充実させています。
また、特許戦略の推進にも注力しているほか、研究開発の投資として、毎年300億円規模を継続的に実施しており、特に、注力事業領域を中心に、知的資本を有効に掛け合わせて、製品化・事業化を加速させる取り組みを強化しています。さらに、事業の成長と生産性の革新の両面で「DX」を強力に推進しており、そのための技術や人材の充実も図っています。重要な成長戦略の一つとして、社内のDX人材の育成と必要な外部人材の獲得、パートナー企業との連携等を位置付けており、DXによる価値創出のためのリソースをさらに拡充していきます。
こうした「事業化の推進」、「技術・研究開発」とその活動を支える「知的財産の戦略的獲得」を三位一体で強力に推進していきます。
③ 環境への取り組み
DNPグループは、事業活動と地球環境の共生を絶えず考え、環境問題への対応を重要な経営課題の一つに位置付けており、行動規範の中に「環境保全と持続可能な社会の実現」を掲げています。近年特に、地球環境に対する負荷の低減が強く求められるなか、サプライチェーン全体で環境を強く意識した活動を推進しています。2020年3月には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。
特に気候変動対応を重要課題の一つに位置付けており、事業活動にともなう気候変動リスクの抽出と長期リスクに対する戦略検討のため、国際的な枠組みであるTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が提言するフレームワークに沿って、「移行」および「物理的影響」に関するシナリオ分析に基づく定性的・定量的な財務影響と影響を受ける期間の評価・分析を実施しています。さらに、自然資本への影響評価や取り組みについて、TNFD(Task Force on Nature-related Financial Disclosures)の提言に沿った評価・分析を進め、情報開示の質と量の充実に取り組んでいます。
環境ビジョン2050に掲げる「脱炭素社会」の構築に向けて、グループ全体におけるGHG排出量(Scope1、2、3)を把握し、実績の分析に基づいて削減に取り組んでいます。具体的には、事業ポートフォリオの転換、省エネルギー活動の強化、再生可能エネルギーの導入等により、自社拠点での事業活動にともなうGHG排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指すとともに、製品・サービスを通じて脱炭素社会の構築などに貢献していきます。また、「循環型社会」の実現に向けて、サプライチェーン全体で資源の効率的な循環利用を進めており、自社で生じるプラスチック不要物を中心に、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルの取り組みを進め、資源循環率の向上に努めています。さらに、「自然共生社会」の実現に向け、サプライチェーン全体で生物多様性への影響の最小化と地域生態系への調和を目指しており、原材料調達のトレーサビリティ確保や生態系に配慮した事業所内の緑地づくりを進めています。

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