有価証券報告書-第107期(2025/01/01-2025/12/31)
5. 企業結合等
前連結会計年度において、暫定的な会計処理をしていたIsometric Intermediate LLCおよびそのグループ会社ならびにCathtek, LLCとの企業結合について、当連結会計年度にて取得日時点での取得資産、引受負債および支払対価の公正価値の測定が完了しており、以下、暫定的な会計処理の確定後の金額を用いて記載しています。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
Isometric Intermediate LLCの取得
当社は、2023年12月4日開催の取締役会において、メディカルテクノロジー事業の連結子会社であるGraphic Controls Acquisition Corp.およびNissha Medical Technologies (Wisconsin), LLC(以下、NMT LLC)を通じて、Isometric Intermediate LLC(通称 Isometric Micro Molding)の持分を取得し、Isometric Intermediate LLCおよびその傘下にあるグループ会社(以下、Isometric)を子会社化することを決議し、2024年3月1日付で持分の取得を完了しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および取得する事業の内容
② 企業結合を行った主な理由
当社のメディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において、高品質で付加価値の高い製品をグローバルに提供しています。同事業の主力分野である開発製造受託(CDMO(※1))は、低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどを中心に、大手医療機器OEMから設計・開発・製造まで一貫して受託するビジネスモデルを展開しています。
当社では医療機器のCDMO市場の潜在的な成長性を認識しており、事業の成長を牽引する主力分野として医療機器のCDMOに注力しています。医療機器の絶え間ないイノベーションに対応する能力の強化・拡充を図り、低侵襲医療用の手術機器など既存分野でのパイプライン(※2)の確保・拡大に加え、手術支援ロボットなどの新たな領域での事業機会の探索を推し進めています。
Isometricは、マイクロ成形(※3)に関連する独自の金型および成形加工の技術を活用し、小型・精密部品(マイクロ成形品)を医療機器や医薬品などの市場向けに提供しています。同社はマイクロ成形における30年以上の実績を通して、設計・開発から成形品の製造およびアセンブリー(組み立て)を担うソリューションプロバイダーとして、お客さまの信頼を獲得しています。同社は、当該分野において、部品間やロット間のばらつきを制御する金型製作や成形加工、CTスキャンを含む高度な測定技術、3D印刷の開発支援、アセンブリーの自動化に関する技術など、内部の技術や専門知識を生かし、独自のポジションを築いています。同社は、内視鏡用処置具などの低侵襲医療用の手術機器や、診断機器、マイクロ流路デバイス、医療用ウェアラブルデバイス、眼科用インプラント、患者さまのモニタリング機器向けなど幅広い用途にマイクロ成形品を提供し、それら医療機器の小型化に貢献しています。医療機器の小型化は、低侵襲医療用の手術機器などの当社の既存領域だけでなく、手術支援ロボットなどの新規領域でも広く求められています。当社は、今回の持分取得を通して、Isometricの部品の小型化に関する設計・開発能力や、マイクロ成形の加工技術(シリコンゴムの成形や2色成形などを含む)を獲得することで、医療機器の革新に貢献します。
※1 CDMO:Contract Design/Development and Manufacturing Organization
※2 パイプライン:量産に向けて開発を進めている製品
※3 マイクロ成形:マイクロメートル単位の寸法精度で微細形状を形成する射出成形
③ 取得日
2024年3月1日
④ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする持分の取得
⑤ 取得した議決権付資本持分の割合
75.53%
(2) 移転対価
(3) 条件付対価
契約の一部として条件付対価が付されています。この条件付対価により、被取得企業における2024年のEBITDAの達成水準に応じて、最大6,500千米ドル(割引前)に相当する持分を譲渡することとされており、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しています。
条件付対価は、その他の金融負債に計上しており、増減内訳は以下のとおりです。
(4) 取得関連コスト
当該企業結合に係る取得関連コストは114百万円であり、前連結会計年度に28百万円、当連結会計年度に86百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(5) 取得資産および引受負債の公正価値、非支配持分およびのれん
(注) 1.取得した営業債権及びその他の債権の公正価値352百万円について、契約上の未収金額の総額は352百万円となっています。
2. 偶発負債はありません。
3. 非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配株主の持分割合で測定しています。
4. 被取得企業の非支配株主へ付与した売建プット・オプションおよび非支配株主に対して有する買建コール・オプションの公正価値をその他の金融負債(非流動)およびその他の金融資産(非流動)として認識するとともに、その純額を資本剰余金から減額しています。
5.被取得企業の移転対価が企業結合時における純資産の公正価値を上回ったため、その差額をのれんとして認識しています。なお、のれんについては、税務上、全額を損金算入可能と見込んでいます。
(6) キャッシュ・フロー情報
子会社の取得による支出は、以下のとおりです。
(7) 連結損益計算書に与える影響
① 連結損益計算書に含まれている取得日以降の被取得企業の業績
② 企業結合が期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報
(注) 当該注記は監査法人による監査証明を受けていません。
Cathtek, LLCの取得
当社は、2024年9月20日開催の取締役会において、産業資材事業の連結子会社であるEimo Technologies, Inc.およびNissha Eimo Acquisition Corp.を通じて、Cathtek, LLCの持分を取得し、同社を子会社化することを決議し、2024年10月1日付で同社の持分を取得しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および取得する事業の内容
② 企業結合を行った主な理由
当社では、2030年のあるべき姿をサステナビリティビジョンとして定め、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することを通して、経済・社会価値を創出したいと考えています。特にメディカル市場に向けては、全社を挙げて事業機会を追求しています。
産業資材事業は、グローバルに事業拠点を有し、印刷・成形・金属加工などのコア技術を活用し、加飾フィルム・成形品、サステナブル資材を生産・販売する事業です。アメリカでは、主にモビリティや家電などの市場に向けて加飾フィルム・成形品を供給する一方で、メディカル市場向けに医療機器の部品(射出成形品)を提供しています。
Cathtekは、1999年創業のアメリカ企業です。医療機器向けの射出成形およびアッセンブリー(組み立て)技術、品質管理体制などの事業基盤を有し、採血器具などのさまざまな診断・検査機器向けの製品を医療機器OEMに提供しています。
今回の持分取得は、サステナビリティビジョンに向け、産業資材事業におけるメディカル市場向けの事業強化の第一歩となります。当社は、今回の持分取得を通して、Cathtekの医療機器向けの品質管理体制や技術、顧客基盤を獲得するとともに、当社がこれまで培ってきた射出成形の生産能力や金型の生産技術などとのシナジー効果を創出し、事業拡大を目指します。
③ 取得日
2024年10月1日
④ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする持分の取得
⑤ 取得した議決権付資本持分の割合
85.00%
(2) 移転対価
(注) 条件付対価は、現時点では確定していません。
(3) 条件付対価
契約の一部として条件付対価が付されています。この条件付対価により、被取得企業における企業結合後3カ年のEBITDAの達成水準に応じて、最大13,000千米ドル(割引前)の追加支払いを行うこととされています。
当該条件付対価は現時点では確定しておらず、現在、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しています。
条件付対価は、その他の金融負債に計上しており、増減内訳は以下のとおりです。
(4) 取得関連コスト
取得関連コストとして55百万円を販売費及び一般管理費に計上しています。
(5) 取得資産および引受負債の公正価値、非支配持分およびのれん
(注) 1.取得した営業債権及びその他の債権の公正価値159百万円について、契約上の未収金額の総額は159百万円となっています。
2. 偶発負債はありません。
3. 非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配株主の持分割合で測定しています。
4.被取得企業の非支配株主へ付与した売建プット・オプションおよび非支配株主に対して有する買建コール・オプションの公正価値をその他の金融負債(非流動)およびその他の金融資産(非流動)として認識するとともに、その純額を資本剰余金から減額しています。
5. 被取得企業の移転対価が企業結合時における純資産の公正価値を上回ったため、その差額をのれんとして認識しています。なお、のれんについては、税務上、全額を損金算入可能と見込んでいます。
(6) キャッシュ・フロー情報
子会社の取得による支出は、以下のとおりです。
(7) 連結損益計算書に与える影響
① 連結損益計算書に含まれている取得日以降の被取得企業の業績
② 企業結合が期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報
(注) 当該注記は監査法人による監査証明を受けていません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
滋賀県製薬株式会社の取得
当社は、2024年12月20日開催の取締役会において、滋賀県製薬株式会社(以下、滋賀県製薬)の株式を取得し、同社を子会社化することを決議し、2025年1月8日付で同社の株式を取得しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および取得する事業の内容
② 企業結合を行った主な理由
当社では、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)として、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することで、経済・社会価値の創出を目指しています。特にメディカル市場に向けては、2030年の売上高目標1,500億円を掲げており、そのうち医薬品事業で200億円の売上高を目指しています。
当社は、2019年に医療用医薬品と医薬部外品の製造および製造販売を行うゾンネボード製薬株式会社(現NISSHAゾンネボード製薬株式会社)を買収し、国内医薬品市場に本格参入しました。Drug Delivery System(※1)に着目し、コア技術を活用したフィルム状製剤(口腔内崩壊フィルム剤、経皮吸収型製剤など)の開発を進めてきました。
滋賀県製薬は、1943年の設立で、医薬品および医薬部外品の製造・製造販売を手掛けています。主に風邪薬や解熱鎮痛剤などの一般用医薬品(OTC)において開発製造受託(CDMO)のビジネスモデルで強固な市場地位を築き、豊富な顧客基盤を有しています。また、固形剤、液剤など多様な剤形への対応力に加え、さまざまな包装にも対応できる高い生産技術と品質管理能力を保有しています。
医薬品市場では、高齢化の進展に伴い需要が年々増加していることに加え、昨今の供給不足が社会問題となっており、安定供給の維持が重要課題となっています。OTCにおいてもセルフメディケーション(※2)意識の高まりやスイッチOTC(※3)の普及により需要が増加しています。このような市場環境において、医薬品メーカー各社は自社のリソースを商品企画やマーケティング活動に集中させる一方で、製剤開発から製造工程に至るまでのプロセスを外部委託する動きが広がっています。特にOTC市場では、効率的かつ柔軟な製造対応に加え、包装工程を含む総合的なサービスが求められており、このニーズを背景に開発製造受託の需要は今後も着実な成長が見込まれます。
今回の買収により、当社は医薬品CDMO事業へ参入を果たします。滋賀県製薬が有する多様な剤形への対応力や豊富な実績と、当社グループが有する経営リソースおよび製剤設計能力や品質管理能力、自動化やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった先進的な生産技術を組み合わせることで、滋賀県製薬の製造能力の強化を図ります。また滋賀県製薬が持つ豊富な顧客基盤を活用し、フィルム状製剤の拡販や新たな事業機会の創出に向けたマーケティング活動を積極的に展開し、医薬品事業の規模拡大を目指します。
これにより、医薬品の安定供給および品質向上に貢献し、サステナビリティビジョンの実現に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
※1 Drug Delivery System:体内の目的箇所へ必要な薬物量を必要時間だけ効率的に送達する投薬システム
※2 セルフメディケーション:軽度の身体的不調を消費者自身がOTCなどで対処する健康管理
※3 スイッチOTC:医療用医薬品だったものが、OTCとして販売可能となったもの
③ 取得日
2025年1月8日
④ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式の取得
⑤ 取得した議決権付資本持分の割合
88.3%
(2) 移転対価
現金 9,500百万円
(3) 取得関連コスト
当該企業結合に係る取得関連コストは284百万円であり、前連結会計年度に40百万円、当連結会計年度に244百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(4) 取得資産および引受負債の公正価値、非支配持分およびのれん
(注) 1.取得した営業債権及びその他の債権の公正価値1,580百万円について、契約上の未収金額の総額は1,582百万円となっています。
2. 偶発負債はありません。
3. 無形資産の内容は顧客関係資産です。
4. 非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配株主の持分割合で測定しています。
5. 被取得企業の移転対価が企業結合時における純資産の公正価値を上回ったため、その差額をのれんとして認識しています。なお、認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはありません。
(5) キャッシュ・フロー情報
子会社の取得による支出は、以下のとおりです。
(6) 連結損益計算書に与える影響
連結損益計算書に含まれている取得日以降の被取得企業の業績は、以下のとおりです。
なお、当該企業結合が当連結会計年度期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報については、連結損益計算書に与える影響額に重要性がないため記載していません。
前連結会計年度において、暫定的な会計処理をしていたIsometric Intermediate LLCおよびそのグループ会社ならびにCathtek, LLCとの企業結合について、当連結会計年度にて取得日時点での取得資産、引受負債および支払対価の公正価値の測定が完了しており、以下、暫定的な会計処理の確定後の金額を用いて記載しています。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
Isometric Intermediate LLCの取得
当社は、2023年12月4日開催の取締役会において、メディカルテクノロジー事業の連結子会社であるGraphic Controls Acquisition Corp.およびNissha Medical Technologies (Wisconsin), LLC(以下、NMT LLC)を通じて、Isometric Intermediate LLC(通称 Isometric Micro Molding)の持分を取得し、Isometric Intermediate LLCおよびその傘下にあるグループ会社(以下、Isometric)を子会社化することを決議し、2024年3月1日付で持分の取得を完了しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および取得する事業の内容
| 被取得企業の名称 | Isometric Intermediate LLC |
| 取得した事業の内容 | 医療機器向けなどの小型・精密部品の製造・販売 |
② 企業結合を行った主な理由
当社のメディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において、高品質で付加価値の高い製品をグローバルに提供しています。同事業の主力分野である開発製造受託(CDMO(※1))は、低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどを中心に、大手医療機器OEMから設計・開発・製造まで一貫して受託するビジネスモデルを展開しています。
当社では医療機器のCDMO市場の潜在的な成長性を認識しており、事業の成長を牽引する主力分野として医療機器のCDMOに注力しています。医療機器の絶え間ないイノベーションに対応する能力の強化・拡充を図り、低侵襲医療用の手術機器など既存分野でのパイプライン(※2)の確保・拡大に加え、手術支援ロボットなどの新たな領域での事業機会の探索を推し進めています。
Isometricは、マイクロ成形(※3)に関連する独自の金型および成形加工の技術を活用し、小型・精密部品(マイクロ成形品)を医療機器や医薬品などの市場向けに提供しています。同社はマイクロ成形における30年以上の実績を通して、設計・開発から成形品の製造およびアセンブリー(組み立て)を担うソリューションプロバイダーとして、お客さまの信頼を獲得しています。同社は、当該分野において、部品間やロット間のばらつきを制御する金型製作や成形加工、CTスキャンを含む高度な測定技術、3D印刷の開発支援、アセンブリーの自動化に関する技術など、内部の技術や専門知識を生かし、独自のポジションを築いています。同社は、内視鏡用処置具などの低侵襲医療用の手術機器や、診断機器、マイクロ流路デバイス、医療用ウェアラブルデバイス、眼科用インプラント、患者さまのモニタリング機器向けなど幅広い用途にマイクロ成形品を提供し、それら医療機器の小型化に貢献しています。医療機器の小型化は、低侵襲医療用の手術機器などの当社の既存領域だけでなく、手術支援ロボットなどの新規領域でも広く求められています。当社は、今回の持分取得を通して、Isometricの部品の小型化に関する設計・開発能力や、マイクロ成形の加工技術(シリコンゴムの成形や2色成形などを含む)を獲得することで、医療機器の革新に貢献します。
※1 CDMO:Contract Design/Development and Manufacturing Organization
※2 パイプライン:量産に向けて開発を進めている製品
※3 マイクロ成形:マイクロメートル単位の寸法精度で微細形状を形成する射出成形
③ 取得日
2024年3月1日
④ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする持分の取得
⑤ 取得した議決権付資本持分の割合
75.53%
(2) 移転対価
| (単位:百万円) | |||
| 項目 | 当初の暫定的な 公正価値 | 修正額 | 修正後の公正価値 |
| 現金 | 9,241 | - | 9,241 |
| 売建プット・オプション | - | 1,584 | 1,584 |
| 買建コール・オプション | - | △879 | △879 |
| 条件付対価 | 977 | △60 | 916 |
| 移転対価合計 | 10,218 | 645 | 10,863 |
(3) 条件付対価
契約の一部として条件付対価が付されています。この条件付対価により、被取得企業における2024年のEBITDAの達成水準に応じて、最大6,500千米ドル(割引前)に相当する持分を譲渡することとされており、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しています。
条件付対価は、その他の金融負債に計上しており、増減内訳は以下のとおりです。
| (単位:百万円) | |
| 期首残高 | - |
| 企業結合による増加 | 916 |
| 公正価値の変動 | 49 |
| 為替レートの変動の影響 | 49 |
| 期末残高 | 1,016 |
(4) 取得関連コスト
当該企業結合に係る取得関連コストは114百万円であり、前連結会計年度に28百万円、当連結会計年度に86百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(5) 取得資産および引受負債の公正価値、非支配持分およびのれん
| (単位:百万円) | |||
| 科目 | 当初の暫定的な 公正価値 | 修正額 | 修正後の公正価値 |
| 取得資産および引受負債の公正価値 | |||
| 流動資産 | |||
| 現金及び現金同等物 | 75 | - | 75 |
| 営業債権及びその他の債権(注)1 | 352 | - | 352 |
| 棚卸資産 | 404 | 48 | 452 |
| その他 | 87 | 22 | 109 |
| 非流動資産 | |||
| 有形固定資産 | 759 | 237 | 997 |
| 無形資産 | - | 2,645 | 2,645 |
| その他 | 493 | △16 | 476 |
| 流動負債(注)2 | △576 | 57 | △518 |
| 非流動負債(注)2 | △422 | △40 | △463 |
| 取得資産および引受負債の公正価値(純額) | 1,173 | 2,954 | 4,128 |
| 非支配持分(注)3、4 | △287 | △717 | △1,004 |
| のれん(注)5 | 9,332 | △1,591 | 7,740 |
| 計 | 10,218 | 645 | 10,863 |
(注) 1.取得した営業債権及びその他の債権の公正価値352百万円について、契約上の未収金額の総額は352百万円となっています。
2. 偶発負債はありません。
3. 非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配株主の持分割合で測定しています。
4. 被取得企業の非支配株主へ付与した売建プット・オプションおよび非支配株主に対して有する買建コール・オプションの公正価値をその他の金融負債(非流動)およびその他の金融資産(非流動)として認識するとともに、その純額を資本剰余金から減額しています。
5.被取得企業の移転対価が企業結合時における純資産の公正価値を上回ったため、その差額をのれんとして認識しています。なお、のれんについては、税務上、全額を損金算入可能と見込んでいます。
(6) キャッシュ・フロー情報
子会社の取得による支出は、以下のとおりです。
| (単位:百万円) | |
| 項目 | 金額 |
| 支払対価 | △10,863 |
| 支払対価に含まれる売建プット・オプションの金額 | 1,584 |
| 支払対価に含まれる買建コール・オプションの金額 | △879 |
| 支払対価に含まれる条件付対価の金額 | 916 |
| 取得時に被取得企業が保有していた 現金及び現金同等物 | 75 |
| (差引)子会社の取得による支出 | △9,166 |
(7) 連結損益計算書に与える影響
① 連結損益計算書に含まれている取得日以降の被取得企業の業績
| (単位:百万円) | |
| 科目 | 金額 |
| 売上高 | 3,787 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 513 |
② 企業結合が期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報
| (単位:百万円) | |
| 科目 | 金額 |
| 売上高 | 196,205 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,923 |
(注) 当該注記は監査法人による監査証明を受けていません。
Cathtek, LLCの取得
当社は、2024年9月20日開催の取締役会において、産業資材事業の連結子会社であるEimo Technologies, Inc.およびNissha Eimo Acquisition Corp.を通じて、Cathtek, LLCの持分を取得し、同社を子会社化することを決議し、2024年10月1日付で同社の持分を取得しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および取得する事業の内容
| 被取得企業の名称 | Cathtek, LLC |
| 取得した事業の内容 | 医療機器向け射出成形品の生産・販売 |
② 企業結合を行った主な理由
当社では、2030年のあるべき姿をサステナビリティビジョンとして定め、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することを通して、経済・社会価値を創出したいと考えています。特にメディカル市場に向けては、全社を挙げて事業機会を追求しています。
産業資材事業は、グローバルに事業拠点を有し、印刷・成形・金属加工などのコア技術を活用し、加飾フィルム・成形品、サステナブル資材を生産・販売する事業です。アメリカでは、主にモビリティや家電などの市場に向けて加飾フィルム・成形品を供給する一方で、メディカル市場向けに医療機器の部品(射出成形品)を提供しています。
Cathtekは、1999年創業のアメリカ企業です。医療機器向けの射出成形およびアッセンブリー(組み立て)技術、品質管理体制などの事業基盤を有し、採血器具などのさまざまな診断・検査機器向けの製品を医療機器OEMに提供しています。
今回の持分取得は、サステナビリティビジョンに向け、産業資材事業におけるメディカル市場向けの事業強化の第一歩となります。当社は、今回の持分取得を通して、Cathtekの医療機器向けの品質管理体制や技術、顧客基盤を獲得するとともに、当社がこれまで培ってきた射出成形の生産能力や金型の生産技術などとのシナジー効果を創出し、事業拡大を目指します。
③ 取得日
2024年10月1日
④ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする持分の取得
⑤ 取得した議決権付資本持分の割合
85.00%
(2) 移転対価
| (単位:百万円) | |||
| 項目 | 当初の暫定的な 公正価値 | 修正額 | 修正後の公正価値 |
| 現金 | 2,204 | - | 2,204 |
| 売建プット・オプション | - | 212 | 212 |
| 買建コール・オプション | - | △60 | △60 |
| 条件付対価 | 1,124 | △548 | 576 |
| 移転対価合計 | 3,328 | △396 | 2,932 |
(注) 条件付対価は、現時点では確定していません。
(3) 条件付対価
契約の一部として条件付対価が付されています。この条件付対価により、被取得企業における企業結合後3カ年のEBITDAの達成水準に応じて、最大13,000千米ドル(割引前)の追加支払いを行うこととされています。
当該条件付対価は現時点では確定しておらず、現在、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しています。
条件付対価は、その他の金融負債に計上しており、増減内訳は以下のとおりです。
| (単位:百万円) | |
| 期首残高 | - |
| 企業結合による増加 | 576 |
| 公正価値の変動 | 0 |
| 為替レートの変動の影響 | 56 |
| 期末残高 | 632 |
(4) 取得関連コスト
取得関連コストとして55百万円を販売費及び一般管理費に計上しています。
(5) 取得資産および引受負債の公正価値、非支配持分およびのれん
| (単位:百万円) | |||
| 科目 | 当初の暫定的な 公正価値 | 修正額 | 修正後の公正価値 |
| 取得資産および引受負債の公正価値 | |||
| 流動資産 | |||
| 現金及び現金同等物 | 50 | - | 50 |
| 営業債権及びその他の債権(注)1 | 159 | - | 159 |
| 棚卸資産 | 44 | - | 44 |
| その他 | 22 | - | 22 |
| 非流動資産 | |||
| 有形固定資産 | 5 | 160 | 165 |
| 無形資産 | - | 1,710 | 1,710 |
| その他 | 440 | - | 440 |
| 流動負債(注)2 | △127 | - | △127 |
| 非流動負債(注)2 | △359 | - | △359 |
| 取得資産および引受負債の公正価値(純額) | 234 | 1,870 | 2,105 |
| 非支配持分(注)3、4 | △35 | △280 | △315 |
| のれん(注)5 | 3,129 | △1,986 | 1,142 |
| 計 | 3,328 | △396 | 2,932 |
(注) 1.取得した営業債権及びその他の債権の公正価値159百万円について、契約上の未収金額の総額は159百万円となっています。
2. 偶発負債はありません。
3. 非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配株主の持分割合で測定しています。
4.被取得企業の非支配株主へ付与した売建プット・オプションおよび非支配株主に対して有する買建コール・オプションの公正価値をその他の金融負債(非流動)およびその他の金融資産(非流動)として認識するとともに、その純額を資本剰余金から減額しています。
5. 被取得企業の移転対価が企業結合時における純資産の公正価値を上回ったため、その差額をのれんとして認識しています。なお、のれんについては、税務上、全額を損金算入可能と見込んでいます。
(6) キャッシュ・フロー情報
子会社の取得による支出は、以下のとおりです。
| (単位:百万円) | |
| 項目 | 金額 |
| 支払対価 | △2,932 |
| 支払対価に含まれる売建プット・オプションの金額 | 212 |
| 支払対価に含まれる買建コール・オプションの金額 | △60 |
| 支払対価に含まれる条件付対価の金額 | 576 |
| 取得時に被取得企業が保有していた 現金及び現金同等物 | 50 |
| (差引)子会社の取得による支出 | △2,154 |
(7) 連結損益計算書に与える影響
① 連結損益計算書に含まれている取得日以降の被取得企業の業績
| (単位:百万円) | |
| 科目 | 金額 |
| 売上高 | 334 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 55 |
② 企業結合が期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報
| (単位:百万円) | |
| 科目 | 金額 |
| 売上高 | 196,352 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 4,010 |
(注) 当該注記は監査法人による監査証明を受けていません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
滋賀県製薬株式会社の取得
当社は、2024年12月20日開催の取締役会において、滋賀県製薬株式会社(以下、滋賀県製薬)の株式を取得し、同社を子会社化することを決議し、2025年1月8日付で同社の株式を取得しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称および取得する事業の内容
| 被取得企業の名称 | 滋賀県製薬株式会社 |
| 取得した事業の内容 | 医薬品の製造および製造販売 |
② 企業結合を行った主な理由
当社では、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)として、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することで、経済・社会価値の創出を目指しています。特にメディカル市場に向けては、2030年の売上高目標1,500億円を掲げており、そのうち医薬品事業で200億円の売上高を目指しています。
当社は、2019年に医療用医薬品と医薬部外品の製造および製造販売を行うゾンネボード製薬株式会社(現NISSHAゾンネボード製薬株式会社)を買収し、国内医薬品市場に本格参入しました。Drug Delivery System(※1)に着目し、コア技術を活用したフィルム状製剤(口腔内崩壊フィルム剤、経皮吸収型製剤など)の開発を進めてきました。
滋賀県製薬は、1943年の設立で、医薬品および医薬部外品の製造・製造販売を手掛けています。主に風邪薬や解熱鎮痛剤などの一般用医薬品(OTC)において開発製造受託(CDMO)のビジネスモデルで強固な市場地位を築き、豊富な顧客基盤を有しています。また、固形剤、液剤など多様な剤形への対応力に加え、さまざまな包装にも対応できる高い生産技術と品質管理能力を保有しています。
医薬品市場では、高齢化の進展に伴い需要が年々増加していることに加え、昨今の供給不足が社会問題となっており、安定供給の維持が重要課題となっています。OTCにおいてもセルフメディケーション(※2)意識の高まりやスイッチOTC(※3)の普及により需要が増加しています。このような市場環境において、医薬品メーカー各社は自社のリソースを商品企画やマーケティング活動に集中させる一方で、製剤開発から製造工程に至るまでのプロセスを外部委託する動きが広がっています。特にOTC市場では、効率的かつ柔軟な製造対応に加え、包装工程を含む総合的なサービスが求められており、このニーズを背景に開発製造受託の需要は今後も着実な成長が見込まれます。
今回の買収により、当社は医薬品CDMO事業へ参入を果たします。滋賀県製薬が有する多様な剤形への対応力や豊富な実績と、当社グループが有する経営リソースおよび製剤設計能力や品質管理能力、自動化やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった先進的な生産技術を組み合わせることで、滋賀県製薬の製造能力の強化を図ります。また滋賀県製薬が持つ豊富な顧客基盤を活用し、フィルム状製剤の拡販や新たな事業機会の創出に向けたマーケティング活動を積極的に展開し、医薬品事業の規模拡大を目指します。
これにより、医薬品の安定供給および品質向上に貢献し、サステナビリティビジョンの実現に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
※1 Drug Delivery System:体内の目的箇所へ必要な薬物量を必要時間だけ効率的に送達する投薬システム
※2 セルフメディケーション:軽度の身体的不調を消費者自身がOTCなどで対処する健康管理
※3 スイッチOTC:医療用医薬品だったものが、OTCとして販売可能となったもの
③ 取得日
2025年1月8日
④ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式の取得
⑤ 取得した議決権付資本持分の割合
88.3%
(2) 移転対価
現金 9,500百万円
(3) 取得関連コスト
当該企業結合に係る取得関連コストは284百万円であり、前連結会計年度に40百万円、当連結会計年度に244百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(4) 取得資産および引受負債の公正価値、非支配持分およびのれん
| (単位:百万円) | |
| 科目 | 金額 |
| 取得資産および引受負債の公正価値 | |
| 流動資産 | |
| 現金及び現金同等物 | 4,498 |
| 営業債権及びその他の債権(注)1 | 1,580 |
| 棚卸資産 | 642 |
| その他 | 430 |
| 非流動資産 | |
| 有形固定資産 | 2,332 |
| 無形資産(注)3 | 3,223 |
| その他 | 57 |
| 流動負債(注)2 | △1,475 |
| 非流動負債(注)2 | △2,496 |
| 取得資産および引受負債の公正価値(純額) | 8,794 |
| 非支配持分(注)4 | △1,024 |
| のれん(注)5 | 1,730 |
| 計 | 9,500 |
(注) 1.取得した営業債権及びその他の債権の公正価値1,580百万円について、契約上の未収金額の総額は1,582百万円となっています。
2. 偶発負債はありません。
3. 無形資産の内容は顧客関係資産です。
4. 非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配株主の持分割合で測定しています。
5. 被取得企業の移転対価が企業結合時における純資産の公正価値を上回ったため、その差額をのれんとして認識しています。なお、認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはありません。
(5) キャッシュ・フロー情報
子会社の取得による支出は、以下のとおりです。
| (単位:百万円) | |
| 項目 | 金額 |
| 支払対価 | △9,500 |
| 取得時に被取得企業が保有していた 現金及び現金同等物 | 4,498 |
| (差引)子会社の取得による支出 | △5,001 |
(6) 連結損益計算書に与える影響
連結損益計算書に含まれている取得日以降の被取得企業の業績は、以下のとおりです。
| (単位:百万円) | |
| 科目 | 金額 |
| 売上高 | 5,054 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 620 |
なお、当該企業結合が当連結会計年度期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報については、連結損益計算書に与える影響額に重要性がないため記載していません。