有価証券報告書-第77期(平成25年6月1日-平成26年5月31日)

【提出】
2014/08/22 15:22
【資料】
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【項目】
100項目

対処すべき課題

(1) 営業力の強化とコンプライアンス遵守およびCSR重視の経営
① お客様のニーズを的確に捉え、法律および関連する諸制度の改正に関するコンサルティングや効率的で使いやすい法定開示書類作成支援ツールの提供、また、機関投資家やアナリストと企業をつなぐ情報開示サービスe-AURORA XIRCLE等のIRツールの提供など、ディスクロージャーとIRをトータルサポートするサービスの強化を図り、営業体制を強化する。
② 次世代EDINETやIFRSへの対応を万全にするため、お客様への情報提供、従業員教育の徹底、ならびに関連するシステムの開発やインフラの整備等をさらに進め、ディスクロージャー事業の深化と拡大に向けての取組みを強化する。
③ お客様にとっての「ディスクロージャー&IRサービスのオンリーワン企業」を目指すとともに、当社においても、業務の効率化を進めコスト削減を図り、株主等のステーク・ホルダーに対する当社の信頼の確立と業績の向上を図る。
④ 当社事業の信頼の基本となる機密情報管理体制を更に強化するため、コンプライアンス遵守の徹底と一層の情報セキュリティの強化を図る。
(2) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありませんが、当社取締役会は、当社の企業価値が毀損され、株主の皆様にとって不本意な形で不利益が生じる可能性があると判断されるような当社株式の大量取得行為や買付提案を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えます。
したがって、当社は、当社株式に対する買付が行われた際に、株主の皆様が買付に応じるか否かを判断するためや当社取締役会が代替案を提案するために、必要な情報や時間を確保したり、買付者と交渉を行うことを可能とすること等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みが必要であると考えております。
② 取組みの具体的な内容の概要
イ 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループはこれまで進めてきた中期経営計画およびCSR経営を引き続き継続するとともに、攻めの経営を断行することにより持続的成長を実現させてまいります。
当社は、株式公開を目指した昭和63年頃から組織的な運営を行うため、諸規程の整備、運用、文書化の推進および内部監査を行い業務の改善に努めるとともに、利益計画を作成してまいりました。その精度を更に高めるため当社を取り巻く内部環境および外部環境の分析を基に、各ステーク・ホルダーにも配意した経営計画の必要性を感じ、中期経営計画を策定することといたしました。その後、社会・環境・経済のトリプル・ボトムラインを意識した目標を加え、継続的に中期経営計画を策定しております。
その実行計画として各年度予算を策定し、全社的な目標を設定のうえ、各部門でその具体策をまとめ、社訓とともに、これに則した経営を展開し、着実な成長を実現してまいりました。
一方で、当社は、機密性または秘匿性の高い企業のディスクロージャー書類の印刷等を専門とする会社でありますので、専門的な知識はもとより、情報管理体制、品質管理体制などが重視されます。そのため、当社は平成12年6月にISOの品質規格(ISO9002:1994)認証を全社に先駆け、工場において取得し、平成16年には全社において、品質規格(ISO9001:2000)ならびに環境規格(ISO14001:2004)認証を取得いたしました。
また、機密性または秘匿性の高い情報を扱うため、プライバシーマークの取得、ならびに情報セキュリティに対応するための、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を範囲を限定して取得するとともに、世界的な環境問題に対する配慮から「森林認証」などの国際認証を取得したほか、日本印刷産業連合会が認定するグリーンプリンティングを取得するなど、それぞれが要求するマネジメントシステムをCSR運用マニュアルとそれに付随する各種の規定を定め、一体化して運用しております。
ロ 基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取組み
当社は、平成19年8月23日開催の当社第70回定時株主総会において、当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的として、当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)を導入いたしました。
その後、平成22年8月20日開催の当社第73回定時株主総会の決議により継続しています。(以下継続後の対応策を「旧プラン」といいます。)
仮に当社株式に対する買付その他これに類似する行為またはその提案(以下総称して「買付」といいます。)が行われた場合、買付を行う者またはその提案者(以下総称して 「買付者」といいます。)に対し、遵守すべき手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報および時間ならびに買付者との交渉の機会の確保をしようとするものであります。当社は、基本方針に照らして、当社の企業価値および株主の皆様の共同の利益を明白に侵害するおそれのある買付者によって、当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値が毀損され、株主の皆様にとって不本意な形で不利益が生じることを未然に防止しようとするものであります。
なお、旧プランは、平成25年8月23日開催の当社第76回定時株主総会の終結の時までとされておりましたが、平成25年7月3日開催の取締役会において、当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)を継続することを決議し、同定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただきました。(以下変更後のプランを「本プラン」といいます。)
③ 取組みの具体的な内容に対する当社取締役会の判断およびその理由
イ 買収防衛策に関する指針の要件をすべて充足していること
本プランは、当社基本方針に沿い、関係諸法令、裁判例、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る規則および「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」(平成17年5月27日 経済産業省・法務省)の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)、ならびに「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」(平成20年6月30日 企業価値研究会)の定める指針の内容を充足するものです。
ロ 株主意思の重視
本プランは、平成25年7月3日開催の当社取締役会において決議され、平成25年8月23日開催の当社第76回定時株主総会において承認されたことをもって導入されたものです。
また、本プランの有効期間は約3年間に限定されていること、さらに、当社取締役の任期は1年とされていることから、取締役の選任議案を通じても、1年ごとに株主の皆様のご意思が反映されることになります。
ハ 独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
本プランでは、取締役を監督する立場にある社外取締役、社外監査役または弁護士・大学教授等の社外有識者からなる特別委員会を設置し、取締役会は特別委員会の勧告に従い本プランの発動または不発動を決議するという手続を採用することにより、当社経営陣の恣意的判断を排し、当社の企業価値および株主共同の利益の維持・向上に資する公正な運営が行われる仕組みが確保されております。
また、特別委員会の判断の透明性を一層高めるため、買付者から提出された買付説明書の概要、買付者の買付内容に対する当社取締役会の意見、代替案の概要、その他特別委員会が適切と判断する事項を、原則として株主の皆様に対し速やかに情報開示を行うことといたしております。
ニ 本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定
本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されております。これにより、当社取締役会による恣意的な発動が防止される仕組みになっております。
ホ 第三者専門家の意見の取得
特別委員会は、当社の費用で、公認会計士、弁護士、コンサルタント、フィナンシャル・アドバイザー等の専門家など、独立した第三者の助言を得ることができるため、特別委員会による判断の公正さ、客観性は一層強く担保されるといえます。
ヘ デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、その有効期間の満了前であっても、当社取締役会の決議によって廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。
また、当社の取締役の任期は1年であり、期差任期制ではありませんので、いわゆるスローハンド型の買収防衛策でもありません。
当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の詳細につきましては、当社ホームページ(http://www.takara-print.co.jp/)に記載しておりますので、ご参照願います。