有価証券報告書-第73期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:03
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策を背景に企業業績や雇用環境が緩やかな回復を続けました。一方、個人消費は回復が遅れ、海外においても中国や新興国の経済減速が続くなど、マイナス要因を払拭するには至りませんでした。当社事業と関連性が高い国内証券市場においては、為替相場における円高傾向などを背景として上半期に株安傾向が続きましたが、平成28年11月の米国大統領選挙以降に世界的に株価が上昇し、為替が円安傾向に転じたこともあって日経平均は19,000円前後の水準まで回復いたしました。
こうした経済環境・証券市況を受けて、当連結会計年度においては、コーポレートガバナンス・コードを背景とした投資家への情報提供強化の動きが一層強まり、引き続き関連製品の売上が増加いたしました。また、J-REIT市場など金融商品ディスクロージャー分野における受注拡大や、大型のIPO支援の受注なども売上に寄与いたしました。これらの増収が、上場会社のエクイティファイナンス関連書類や広告の減収等のマイナス要因を上回りました。この結果、当連結会計年度の連結売上高は前年同期比2.8%増の21,556百万円となり、「新中期経営計画2018」の初年度売上目標を上回りました。
売上原価は、受注増に対応する外注加工費の増加及び制作体制の強化に伴う労務費の増加等により前年同期比345百万円増加いたしました。これにより、売上原価率が前年同期と同率の59.5%となりました。この結果、売上総利益は前年同期比239百万円増(同2.8%増)の8,730百万円となりました。一方、販管費は、営業体制強化に伴う人員増等により、前年同期比102百万円増(同1.6%増)の6,367百万円となりました。この結果、営業利益は前年同期比136百万円増(同6.1%増)の2,362百万円となりました。
投資事業組合運用益等を主体とした営業外収益207百万円と営業外費用21百万円を加減し、経常利益は前年同期比293百万円増(同13.0%増)の2,548百万円となりました。税金等調整前当期純利益は、特別利益92百万円及び特別損失25百万円を計上したことにより、前年同期比146百万円増(同5.9%増)の2,615百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比124百万円増(同7.4%増)の1,804百万円となりました。なお、これらの利益科目はすべて、「新中期経営計画2018」の初年度業績目標を上回っております。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、取扱製品を区分した売上高の概況は、次のとおりであります。
① 上場会社ディスクロージャー関連
招集通知のカラー化が一層進展したことによる受注単価の上昇、大型のIPO支援の受注に加えて、開示書類作成を支援するシステムサービス・アウトソーシングサービスの拡大による増収が寄与し、エクイティファイナンスや決算関連書類における減収をカバーいたしました。この結果、上場会社ディスクロージャー関連の売上高は、前年同期比1.5%増の9,263百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の国内上場会社数は約3,650社(前年同期比約50社増)と、3年連続で増加いたしました。
② 上場会社IR関連等
コーポレートガバナンス・コードの制定を背景として、英文IR(翻訳)サービスやIRサイト構築等のWebサービス、株主総会ビジュアル化サービス等の受注が増加いたしました。これらの増収が株主通信・広告等の減収を上回り、上場会社IR関連等の売上高は、前年同期比2.8%増の4,821百万円となりました。
③ 金融商品ディスクロージャー関連
J-REIT市場、インフラファンド市場におけるIPOやファイナンスの増加に伴う受注増に加えて、投資信託市場における運用会社の再編に伴う受注増を含め、運用報告書や各種販売用資料、Webサービス、システム関連サービス等の受注増が売上に寄与いたしました。この結果、金融商品ディスクロージャー関連の売上高は、前年同期比4.5%増の6,953百万円となりました。
④ データベース関連
データベース関連では、既存顧客の契約更新が好調に推移するとともに新規受注も寄与いたしました。この結果、データベース関連の売上高は、前年同期比3.1%増の517百万円となりました。
(製品区分別売上)
区分前連結会計年度
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
増減
(△印減)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
増減率
(%)
上場会社ディスクロージャー関連9,124,94843.59,263,86843.0138,9201.5
上場会社IR関連等4,689,29122.44,821,87122.4132,5802.8
金融商品ディスクロージャー関連6,655,01031.76,953,01032.2298,0004.5
データベース関連502,1772.4517,6952.415,5173.1
合計20,971,428100.021,556,446100.0585,0182.8

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ833百万円増加し、当連結会計年度末には12,687百万円となりました。
営業活動の結果獲得した資金は2,397百万円(前期は2,707百万円の獲得)となりました。投資活動の結果使用した資金は564百万円(前期は64百万円の獲得)となりました。財務活動の結果使用した資金は986百万円(前期は1,370百万円の使用)となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)当連結会計年度の財政状態の分析 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。