有価証券報告書-第101期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 13:34
【資料】
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【項目】
159項目

研究開発活動

当社グループは、「研究開発は企業価値向上の原動力」と位置づけ、新製品・新技術の研究開発に注力しております。特に、将来の成長が期待されている高機能性材料及びそれらの先端応用技術について、大学等の研究機関とも連携・共同して研究開発を進めております。
当社グループの研究開発要員は64名で、グループ総従業員数の約10%にあたります。研究開発要員のうち28名は製造技術支援要員で、現製品の改良業務に割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、品質向上やコストの低減などを進めております。
当連結会計年度における研究開発活動の主なものは、以下のとおりであります。
(1) アグリ
国立の研究機関であるNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のエネルギーコスト削減に関する研究活動に参画し、肥料製品の製造に係わる調査・検討を行いました。新製品の開発に関しては、環境負荷低減を目指す新たな緩効性肥料の開発を始めました。
(2) 化学品
① 水処理薬剤
水処理薬剤、各種排水処理技術に関する研究開発を引き続き推進しました。超高塩基度ポリ塩化アルミニウムに関しては、販売エリアの拡大を目指し、各地の浄水用原水に対する適用試験を行い、課題解決の提案を行いました。排水処理分野に関しては、凝集性能に優れ、スラッジの取扱物性も改良した新たな水処理薬剤を開発しました。
② 機能性材料
各種機能性材料に関する研究開発を引き続き推進しました。主な成果としては、メディカル材料では、新たな生分解性ポリマーを製品化しました。さらに令和2年度の上市を計画する新製品の開発も進みました。ナノ材料では、リチウムイオン電池や触媒用途に向けた金属酸化物ゾルの生産性向上や物性改善を行いました。また昨年に引き続き、各種ナノ材料を電池討論会に出展し、検討ユーザーの範囲拡大を図りました。微粉末ケイ酸では、需要増加への対応として能力増強を行い、高塩基性塩化アルミニウム、高純度酸化タンタル・酸化ニオブ等では、製造効率化の検討を行いました。
(3) その他の研究開発活動
生活の質を高めるライフサイエンス領域の研究開発を進めています。魚うろこ由来3重らせんコラーゲン材料では、大阪大学との共同研究によりiPS細胞を培養した可動コラーゲン心筋シートを試作し再生医療学会に出展いたしました。また、コラーゲン100%繊維の紡糸技術を確立し、多方面への用途開拓を開始しました。生活用資材に関しては、昨年から販売を開始した日用品用防カビ・消臭剤について、用途の拡大検討や抗菌メカニズムの解明を行い、資材供給先の拡販をサポートしました。一昨年世界で初めて完全人工栽培に成功したバカマツタケの事業化については、専用の試験栽培設備を導入し、規模を拡大して安定的な栽培技術の確立を目指して研究に注力しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)
アグリ22
化学品258
その他の研究開発費156
合計437

(注)上記には、製造技術支援にかかる費用は含まれておりません。