有価証券報告書-第120期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)財政状態の状況
事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
総資産は、機械装置及び運搬具、建設仮勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ324億45百万円増加し8,781億94百万円となりました。
負債は、未払法人税等の減少等により、前連結会計年度末に比べ189億89百万円減少し2,986億92百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ514億35百万円増加し5,795億1百万円となりました。
セグメント別の財政状態は、次のとおりであります。
石 油 化 学 事 業
ナフサ分解炉の効率化投資などにより固定資産が増加したことに加え、売上高増加に伴い営業債権が増加したことなどから、当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べ127億90百万円増加し1,271億46百万円となりました。
ク ロ ル ・ ア ル カ リ 事 業
発電設備の効率化投資や事業所建屋の集中建替えなどにより固定資産が増加したことなどから、当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べ85億6百万円増加し2,749億32百万円となりました。
機 能 商 品 事 業
ハイシリカゼオライトや石英ガラスなどの生産能力増強投資により固定資産が増加したことに加え、一部製品の在庫積み増しによりたな卸資産が増加したことなどから、当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べ213億98百万円増加し2,339億90百万円となりました。
エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業
水処理事業の売上高増加に伴い営業債権を中心に流動資産が増加したことなどから、当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べ87億40百万円増加し1,176億9百万円となりました。
そ の 他 事 業
商社において売上高増加に伴い営業債権を中心に流動資産が増加したことに加え、物流会社における設備投資により固定資産が増加したことなどから、当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べ36億34百万円増加し381億55百万円となりました。
(2)経営成績の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度のわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に内需は底堅く推移したものの、中国を中心とした海外経済の変調により外需が減速感を強める等、その先行きは不透明な状況が続いております。
このような情勢下、当社グループの連結業績については、売上高は、ウレタン製品等の一部海外製品市況の下落はあったものの、ナフサ等の原燃料価格の上昇に伴う石油化学製品の価格上昇により、8,614億56百万円と前連結会計年度に比べ385億98百万円(4.7%)の増収となりました。営業利益は、原燃料価格の上昇による交易条件の悪化等により、1,057億39百万円と前連結会計年度に比べ248億41百万円(19.0%)の減益となりました。経常利益は、1,130億27百万円と前連結会計年度に比べ192億29百万円(14.5%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、781億33百万円と前連結会計年度に比べ106億61百万円(12.0%)の減益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
石 油 化 学 事 業
エチレン、プロピレンは、生産量の減少に伴い出荷が減少しましたが、ナフサ価格等の上昇を反映して製品価格は上昇いたしました。
ポリエチレン樹脂は、ナフサ価格の上昇を反映して製品価格が上昇いたしました。クロロプレンゴムは、堅調な海外需要を背景に輸出価格が上昇いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ91億58百万円(5.2%)増加し1,839億26百万円となりましたが、営業利益は交易条件の悪化等により、前連結会計年度に比べ91億29百万円(40.5%)減少し133億92百万円となりました。
ク ロ ル ・ ア ル カ リ 事 業
苛性ソーダは、国内外とも出荷が堅調に推移いたしました。また、海外市況は下落しましたが、国内価格の是正により製品価格は上昇いたしました。塩化ビニルモノマーは、出荷が増加し、海外市況の上昇により製品価格は上昇いたしました。塩化ビニル樹脂は、生産量の減少に伴い出荷が減少しましたが、国内価格の是正及び海外市況の上昇により製品価格は上昇いたしました。
セメントは、国内出荷は堅調に推移しましたが、輸出は減少いたしました。
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、海外市況の下落により輸出価格が下落いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ23億53百万円(0.7%)増加し3,373億77百万円となりましたが、営業利益は交易条件の悪化等により、前連結会計年度に比べ206億24百万円(31.0%)減少し459億96百万円となりました。
機 能 商 品 事 業
エチレンアミンは、生産量の減少に伴い出荷が減少いたしました。
計測関連商品は、欧州向けを中心に液体クロマトグラフィー用充填剤の出荷が減少いたしました。診断関連商品は、アジア向けで体外診断用医薬品の出荷が増加いたしました。
ハイシリカゼオライトは、自動車排ガス触媒用途を中心に輸出が増加いたしました。ジルコニアは、装飾品用途での出荷が増加いたしました。石英ガラスは半導体製造装置向けに出荷が増加いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ103億6百万円(5.5%)増加し1,974億22百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ14億49百万円(4.3%)増加し353億48百万円となりました。
エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業
水処理事業は、半導体関連の大型プロジェクトを国内外で受注したことに加え、企業の堅調な設備投資・生産活動を背景に、電子・一般産業分野においてメンテナンス・消耗品交換等のソリューションサービスが好調に推移したことから、売上高が増加いたしました。
建設子会社の売上高は増加いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ140億94百万円(16.6%)増加し989億18百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ34億34百万円(70.5%)増加し83億3百万円となりました。
そ の 他 事 業
商社等その他事業会社の売上高は増加いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ26億87百万円(6.5%)増加し438億11百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ27百万円(1.0%)増加し26億98百万円となりました。
② 目標とする経営指標の達成状況等
3ヵ年中期経営計画の最終年にあたる2018年度は、コモディティ事業(石油化学及びクロル・アルカリセグメント)が市況高を追い風に収益を牽引し、前年度に続き1,000億円を超える営業利益を計上できました。2018年度は営業利益が1,057億円、営業利益率が12.3%、ROEが15.1%となり、いずれも中期経営計画で掲げた数値目標を達成しております。
中期経営計画では「ハイブリッド経営の深化」・「財務基盤の維持・強化」・「安全改革の推進」を基本方針に掲げ、これらの実現に向け諸施策を実行してまいりました。
「ハイブリッド経営の深化」については、コモディティ事業はナフサ分解炉や発電設備への効率化投資を実施することで事業基盤を強化し、また、スペシャリティ事業(機能商品セグメント)はハイシリカゼオライトやジルコニアなどの成長分野の製造設備を増強することで当面の需要増加に対応できる生産体制を整えました。3ヵ年累計での設備投資額は1,421億円となり、計画を100億円程度上回っております。
「財務基盤の維持・強化」については、中期経営計画の対象となる3ヵ年はいずれの年も1,000億円を超える営業利益を計上できたことから、2018年度末のネットDEレシオはほぼゼロとなり、また、自己資本比率が61.6%まで上昇するなど、財務基盤は想定を上回るペースで強化できております。
「安全改革の推進」については、教育・システム導入・設備保全の観点から取り組みを進めておりますが、教育についてはKnow-Why教育やシミュレーターでの運転教育、更には実習プラントでの体験教育を通して、運転員に原理原則を理解させると共に、体験型の教育を充実させることで若手運転員の早期育成にも努めております。システム導入については運転支援システムや異常予兆検知システムの導入により運転員による正しく安全なオペレーションをハード面から支援し、また、設備保全については2014年度以降の5ヵ年で累計160億円を投じて予防保全を強化しております。
《数値目標の達成状況》 (億円)
| 2016年度 実績 | 2017年度 実績 | 2018年度 実績 | 2018年度 目標 | 差異 | ||
| 営業利益 | 1,112 | 1,305 | 1,057 | 850 | 207 | |
| 営業利益率 | 15.0% | 15.9% | 12.3% | 10%以上 | 達成 | |
| ROE | 20.1% | 19.6% | 15.1% | 10%以上 | 達成 |
③ 生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 石油化学事業 | 195,506 | 103.6% |
| クロル・アルカリ事業 | 331,886 | 98.4% |
| 機能商品事業 | 165,029 | 102.8% |
| エンジニアリング事業 | 76,656 | 120.0% |
| その他事業 | ― | ― |
| 合計 | 769,079 | 102.5% |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 原則として、生産金額は、生産総量から自家使用量を差引いた販売向け生産量に、当連結会計年度中の平均販売単価を乗じて算出しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
主として見込み生産であります。
(3) 販売実績
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 石油化学事業 | 183,926 | 105.2% |
| クロル・アルカリ事業 | 337,377 | 100.7% |
| 機能商品事業 | 197,422 | 105.5% |
| エンジニアリング事業 | 98,918 | 116.6% |
| その他事業 | 43,811 | 106.5% |
| 合計 | 861,456 | 104.7% |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ140億83百万円減少し、920億94百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、775億11百万円の収入となりました。税金等調整前当期純利益の減少等により、前連結会計年度に比べ379億18百万円収入が減少いたしました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、633億10百万円の支出となりました。設備投資による支出額の増加等により、前連結会計年度に比べ201億81百万円支出が増加いたしました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ580億99百万円収入が減少し、142億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、269億62百万円の支出となりました。借入金の返済額の減少等により、前連結会計年度に比べ247億82百万円支出が減少いたしました。
なお、当連結会計年度の設備投資の資金調達は主に自己資金及び借入金により賄っております。
重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載しております。