有価証券報告書-第122期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 13:20
【資料】
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【項目】
148項目

(1)財政状態の状況
(単位:億円)
科目前連結会計年度末当連結会計年度末増減
資産の部
流動資産
現金及び預金9881,492503
受取手形及び売掛金1,9792,255275
棚卸資産1,5961,556△ 40
その他流動資産258223△ 34
固定資産
有形・無形固定資産3,0993,201103
投資有価証券522626103
その他投資等42447551
資産合計8,8669,828962
負債の部
支払手形及び買掛金84691468
有利子負債9591,265307
その他負債9651,03267
負債合計2,7693,211442
純資産の部
株主資本5,6826,035353
非支配株主持分41845941
その他△ 4123126
純資産合計6,0976,617520
負債純資産合計8,8669,828962

総資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金、有形固定資産、投資有価証券等の増加により、前連結会計年度末に比べ962億円増加し9,828億円となりました。現金及び預金の増加は、新型コロナウイルス感染症拡大への備えとして手元流動性を確保したことによるものです。
負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ442億円増加し3,211億円となりました。有利子負債の増加は、手元流動性の確保のために銀行から追加で短期借入を行ったこと等によるものです。
純資産は、配当金の支払いや自己株式の取得等がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べ520億円増加し6,617億円となりました。
(2)経営成績の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
売上高7,8617,329△532
営業利益81787862
経常利益86095192
親会社株主に帰属する当期純利益55663377

〈参考〉為替、海外製品市況
単位前連結会計年度当連結会計年度増減
為替レート円/$108.7106.1△2.6
円/EUR120.8123.82.9
国産ナフサ円/KL42,92531,200△11,725
ベンゼン$/t649520△129
PVC$/t83590570
VCM$/t71576853
液体苛性$/t325254△71
MDI(Monomeric)$/t1,9321,95725
MDI(Polymeric)$/t1,2961,577281

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により社会・経済活動が制限され、内外需要が急速に冷え込みました。夏以降徐々に経済活動が上向く動きが見られましたが、足元では変異種による感染が全国各地に広まるなど、景気の先行きは引き続き不透明な状況となっております。世界経済においても、新型コロナウイルス感染症は各国の社会・経済に甚大な被害をもたらしました。ワクチン接種の進展により、先進国を中心に経済活動の回復が見られるものの、世界経済の見通しについても依然予断を許さない状況が続いております。
このような情勢下、当社グループの連結業績については、売上高は、ナフサ等の原燃料価格及び海外製品市況の下落による販売価格の下落により、7,329億円と前連結会計年度に比べ532億円(6.8%)の減収となりました。営業利益は、ナフサ等の原燃料価格下落による影響が販売価格下落の影響を上回ることで交易条件が改善し、878億円と前連結会計年度に比べ62億円(7.5%)の増益となりました。経常利益は、円安進行により為替差益に転じたことにより、951億円と前連結会計年度に比べ92億円(10.7%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、633億円と前連結会計年度に比べ77億円(13.9%)の増益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
<売上高分析>(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減増減要因
数量差価格差
石油化学事業1,5911,314△278△15△262
クロル・アルカリ事業2,9742,749△225△110△115
機能商品事業1,8501,806△44△1△44
エンジニアリング事業1,0151,06247453
その他事業430398△32△22△11
合計7,8617,329△532△103△429

<営業利益分析>(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減増減要因
数量差交易条件固定費差他
石油化学事業10377△262△5△23
クロル・アルカリ事業282415133△22175△20
機能商品事業279235△43△1117△50
エンジニアリング事業127120△8△800
その他事業25315510
合計81787862△33188△93

石 油 化 学 事 業
プロピレン及びキュメンは、生産量の減少などに伴い出荷が減少いたしました。また、ナフサ等の原燃料価格及び海外製品市況の下落により、製品価格が下落いたしました。
ポリエチレン樹脂は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減少により、国内輸出ともに出荷が減少いたしました。また、ナフサ価格の下落を反映して製品価格が下落いたしました。クロロプレンゴムは、アジア地域の需要回復に伴い出荷が増加しましたが、輸出価格は下落いたしました。
この結果、売上高は、前連結会計年度に比べ278億円(17.4%)減少し1,314億円となり、営業利益は、交易条件の悪化やナフサ等原料価格下落による製品受払差の悪化により、前連結会計年度に比べ26億円(25.2%)減少し77億円となりました。
ク ロ ル ・ ア ル カ リ 事 業
苛性ソーダは、海外市況の下落を反映し製品価格が下落いたしました。塩化ビニルモノマーは、生産量の増加に伴い出荷が増加いたしました。塩化ビニル樹脂は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減少により、国内輸出ともに出荷が減少いたしました。
セメントは、国内輸出ともに需要が低調に推移し出荷が減少いたしました。
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減少などにより、国内輸出ともに出荷が減少いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ225億円(7.6%)減少し2,749億円となりましたが、営業利益は、塩ビ製品やウレタン原料の交易条件の改善により、前連結会計年度に比べ133億円(47.2%)増加し415億円となりました。
機 能 商 品 事 業
エチレンアミンは、ほぼ前期並みの出荷となりました。
計測関連商品は、欧米向けを中心に液体クロマトグラフィー用充填剤の出荷が増加いたしました。診断関連商品は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減少により、欧米及び中国向けで体外診断用医薬品の出荷が減少いたしました。
ハイシリカゼオライトは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減少により、自動車排ガス触媒用途を中心に出荷が減少いたしました。ジルコニアは、装飾品用途での出荷が増加いたしました。石英ガラスは、堅調な半導体市場に支えられ出荷が増加いたしました。電解二酸化マンガンは、国内輸出ともに乾電池用途を中心に出荷が増加いたしました。
この結果、売上高は、前連結会計年度に比べ44億円(2.4%)減少し1,806億円となり、営業利益は、販売数量の減少に加え、固定費が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ43億円(15.6%)減少し235億円となりました。
エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業
水処理エンジニアリング事業では、電子産業分野において国内大型案件が順調に進捗したことや海外で大型の設備投資が続いたことに加え、メンテナンス等のソリューションサービスが堅調に推移したことにより、売上高は増加いたしました。
建設子会社の売上高は増加いたしました。
この結果、売上高は、前連結会計年度に比べ47億円(4.6%)増加し1,062億円となりましたが、営業利益は、水処理エンジニアリング事業の電子産業分野において比較的採算性の良い案件が前連結会計年度に集中したことの反動などにより、前連結会計年度に比べ8億円(5.9%)減少し120億円となりました。
そ の 他 事 業
商社等その他事業会社の売上高は減少いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ32億円(7.5%)減少し398億円となりましたが、営業利益は前連結会計年度に比べ5億円(21.1%)増加し31億円となりました。
② 目標とする経営指標の達成状況等
目標とする経営指標の達成状況等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
③ 生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
石油化学事業137,84480.6
クロル・アルカリ事業265,13390.0
機能商品事業145,79091.8
エンジニアリング事業87,814109.3
その他事業
合計636,58290.3

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 原則として、生産金額は、生産総量から自家使用量を差引いた販売向け生産量に、当連結会計年度中の平均販売単価を乗じて算出しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
主として見込み生産であります。
(3) 販売実績
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
石油化学事業131,38682.6
クロル・アルカリ事業274,86292.4
機能商品事業180,59397.6
エンジニアリング事業106,207104.6
その他事業39,80192.5
合計732,85093.2

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)キャッシュ・フローの状況
①当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
営業キャッシュ・フロー税引前当期純利益836951114
減価償却費34940556
法人税等△ 304△ 133170
その他118△ 271△ 388
999951△ 48
投資キャッシュ・フロー△ 703△ 464240
フリーキャッシュ・フロー296488192
財務キャッシュ・フロー有利子負債△ 50309359
配当金△ 182△ 1802
その他△ 8△ 113△105
△ 24016255
現金及び現金同等物に係る換算差額△ 5813
現金及び現金同等物(期首)92197251
増減51512460
現金及び現金同等物(期末)9721,484512

現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ512億円増加し、1,484億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、951億円の収入となりました。売上債権の増加等により、前連結会計年度に比べ48億円収入が減少いたしました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、464億円の支出となりました。設備投資による支出の減少、投資有価証券の取得による支出の減少、投資有価証券の売却による収入の増加等により、前連結会計年度に比べ240億円支出が減少いたしました。
この結果、フリーキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ、192億円収入が増加し、488億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、16億円の収入となりました。銀行からの短期借入により新型コロナウイルス感染症拡大への備えとして手元流動性を確保したこと等により、前連結会計年度に比べ255億円収入が増加いたしました。
なお、当連結会計年度の設備投資の資金調達は主に自己資本及び借入金により賄っております。
②資金の主要な使途を含む資金需要の動向
収益の安定・拡大を企図するハイブリッド経営により創出されたキャッシュ・フローを財源とし、企業価値の向上に資するコア事業や成長分野への投資や研究開発を行い、大型投資・M&Aをタイムリーに実行できる強固な財務基盤の維持と株主還元としての安定配当の継続に努めてまいります。
2021年度を最終年度とする中期経営計画において、コモディティ事業における事業基盤の更なる強化とスペシャリティ事業の成長分野における能力増強に伴う事業拡大を図るため3ヶ年総額で1,400億円の設備投資を計画するとともに、バイオサイエンス事業をターゲットとした300億円のM&A枠を設定しております。
なお、当連結会計年度末現在における今後1年間の資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
③フリーキャッシュ・フロー
当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しております。当社はこの指標を戦略的投資又は負債返済に充当可能な資金の純額、あるいは、資金調達にあたって外部借入への依存度合を測る目的から、投資家に有用な指標と考えており、次の図のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しております。


④財務の方針及び資金調達の状況
当社は、事業の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金と金融機関からの外部借入を活用しております。今後大型の設備投資やM&Aが発生する場合には、資金調達の多様化や資本効率の向上を踏まえ負債の活用を進めてまいりますが、タイムリーな資金調達が実行できるよう強固な財務基盤の維持に努めてまいります。
また当社は、資金需要に対する機動的な対応と金融情勢変化やコモディティ事業における原料や製品の市況変動の影響による財務の悪化に備え、一定程度の現預金の保有は必要と考えております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による不測の事態に備えるため、銀行借入を実行し十分な手元流動性を確保しております。
2020年度末時点で当社の自己資本比率は62.6%、有利子負債は1,265億円、現金及び預金は1,492億円、ネットDEレシオは-0.04、信用格付けは「A+」となっております。

※「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を2018年度の期首から適用しており、2014年度~2017年度に係る自己資本比率については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値となっております。
⑤株主還元の方針
株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。

※配当性向は連結財務諸表を元に算出しているため、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2)提出会社の経営指標等」に記載されている配当性向とは異なります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4 会計方針に関する事項」に記載しております。
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している在庫評価の影響、固定資産の減損、有価証券の評価、繰延税金資産の取崩し、退職給付関係、工事進行基準による見積りに関して、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
新型コロナウイルス感染症の影響については、同感染症の収束時期を想定することは困難であるものの、固定資産の減損等の見積りにあたっては、当社グループの事業計画の進捗状況等の情報に基づき検討し、同感染症による当社グループの経営成績及び財政状態における通期への影響は限定的であると仮定して当連結会計年度の会計上の見積りを行っております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動への影響については不確定要素が多く、上記の仮定に変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に少なからず影響を及ぼす可能性があります。

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