有価証券報告書-第125期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/21 13:13
【資料】
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【項目】
178項目

(1)財政状態の状況
(単位:億円)
科目前連結会計年度末当連結会計年度末増減
資産の部
流動資産
現金及び預金1,2021,498297
売上債権及び契約資産2,9212,94827
棚卸資産2,5712,553△19
その他流動資産383553170
固定資産
有形・無形固定資産3,6843,900216
投資有価証券577707130
その他投資等605740136
資産合計11,94312,899957
負債の部
支払手形及び買掛金1,2291,221△8
有利子負債1,8301,8312
その他負債9421,259317
負債合計4,0014,312311
純資産の部
株主資本7,1267,446320
非支配株主持分55364289
その他263499236
純資産合計7,9428,588646
負債純資産合計11,94312,899957

※有利子負債はリース債務を含んでおります。
総資産は、現金及び預金、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ957億円増加し1兆2,899億円となりました。有形固定資産の増加は、バイオマス発電所、分離精製剤製造設備の建設等の設備投資によるものです。
負債は、その他負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ311億円増加し4,312億円となりました。その他負債の増加は、未払法人税等、繰延税金負債の増加等によるものです。
純資産は、配当金の支払い等がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ646億円増加し8,588億円となりました。
(2)経営成績の状況
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
売上高10,64410,056△587
営業利益74679852
経常利益90095959
親会社株主に帰属する当期純利益50357370

〈参考〉為替、海外製品市況
単位前連結会計年度当連結会計年度増減
為替レート円/$135.5144.69.1
円/EUR141.0156.815.8
国産ナフサ円/KL76,62569,100△7,525
ベンゼン$/t994914△80
PVC$/t965777△188
VCM$/t835643△192
液体苛性$/t636412△224
MDI(Monomeric)$/t2,2602,012△248
MDI(Polymeric)$/t2,0741,668△406

当期の世界経済は、欧米先進国を中心としたインフレの高止まりと金融引き締め政策が継続し、中国ではゼロコロナ政策解除後の需要が期待ほど回復しておらず、製造業を中心に減速基調で推移しました。また、原燃料価格や人件費の上昇等に伴う物価上昇圧力の拡大、米中対立や中東・ウクライナ情勢等の地政学リスクへの警戒感は依然として強く、先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下、当社グループの連結業績については、売上高は、ナフサ等の原燃料価格及び海外製品市況の下落に伴う販売価格の下落に加え、景気減速に伴う需要減退や南陽事業所の定期修繕、四日市事業所のプラントトラブルの影響を受け販売数量が減少したことから、1兆56億円と前連結会計年度に比べ587億円(5.5%)の減収となりました。営業利益は、在庫受払差が大幅に悪化し販売数量も減少しましたが、ナフサや石炭等の原燃料価格下落を背景とした交易条件の改善により、798億円と前連結会計年度に比べ52億円(7.0%)の増益となりました。経常利益は、円安進行に伴う為替差益を営業外収益に計上し、959億円と前連結会計年度に比べ59億円(6.6%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、573億円と前連結会計年度に比べ70億円(13.9%)の増益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
<売上高分析>(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減増減要因
数量差価格差
石油化学事業2,0611,836△225△118△107
クロル・アルカリ事業4,0643,595△469△128△341
機能商品事業2,7082,596△112△12513
エンジニアリング事業1,3811,57018917613
その他事業43045929623
合計10,64410,056△587△189△398

<営業利益分析>(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減増減要因
数量差交易条件固定費差他
石油化学事業121107△14△41118△90
クロル・アルカリ事業△10736143△44276△90
機能商品事業523379△144△90117△171
エンジニアリング事業180247686800
その他事業29290000
合計74679852△108511△351

石 油 化 学 事 業
エチレン及びプロピレンは、四日市事業所プラントのトラブルによる生産量減少により、出荷が減少しました。キュメンは、需要回復により出荷が増加しました。また、ナフサ価格の下落により、エチレン及びプロピレンの販売価格は下落しました。海外市況下落の影響を受け、キュメンの販売価格は下落しました。
ポリエチレン樹脂は、様々な業界で需要が低迷しており、国内輸出ともに出荷が減少しました。輸出販売価格は、EVA樹脂を中心に海外市況の悪化を背景にして下落しました。クロロプレンゴムは、需要低迷に伴い出荷が減少しましたが、輸出価格は円安進行などを背景に上昇しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ225億円(10.9%)減少し1,836億円となり、営業利益は、ナフサや石炭等の原燃料価格下落に伴い交易条件が改善したものの、在庫受払差の悪化や販売数量の減少により、前連結会計年度に比べ14億円(11.4%)減少し107億円となりました。
ク ロ ル ・ ア ル カ リ 事 業
苛性ソーダは、定期修繕等による生産量の減少に伴い出荷が減少しました。一方、価格是正により国内価格は上昇し、海外市況の下落により輸出価格は下落しました。塩化ビニルモノマーは、定期修繕等による生産量の減少に伴い出荷が減少しました。塩化ビニル樹脂は、国外出荷が増加しました。また、海外市況の下落を反映し塩ビ製品の海外販売価格は下落しました。
セメントは、需要低調により国内輸出ともに出荷が減少しましたが、国内販売価格は上昇しました。
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、前期並みの出荷となりましたが、中国ゼロコロナ政策を背景とした需要減退により下落した海外市況が回復せず販売価格は下落しました。ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系硬化剤は、中国における建築・土木用途等、世界的な需要低迷を背景に市況が下落し、販売価格が下落しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ469億円(11.5%)減少し3,595億円となりましたが、営業利益は、在庫受払差が悪化したものの、ナフサや石炭等の原燃料価格下落に伴い交易条件が改善したことにより、前連結会計年度に比べ143億円増加し36億円となりました。
機 能 商 品 事 業
エチレンアミンは、世界的な景況感悪化に伴う需要減少の影響で出荷が減少し、海外市況の下落により販売価格が下落しました。臭素は、生産能力増強に合わせ主に海外での拡販を行い出荷が増加しましたが、海外市況下落を受けて販売価格は下落しました。
計測関連商品は、米国及び中国向けで液体クロマトグラフィー用充填剤の出荷が減少しました。診断関連商品は、国内外で自動ヘモグロビン分析装置及び関連試薬の出荷が増加しましたが、国内向けで遺伝子検査試薬の出荷が減少しました。
ハイシリカゼオライトは、需要回復により自動車用途を中心に出荷が増加し、円安進行により販売価格は上昇しました。ジルコニアは、装飾用途・歯科用途で出荷が減少しましたが、円安進行及び価格是正により販売価格は上昇しました。石英ガラスは、半導体需要の減速により出荷が減少しましたが、円安進行及び価格是正により販売価格は上昇しました。電解二酸化マンガンは、欧州・アジア地域での出荷が増加し、円安進行及び価格是正により販売価格は上昇しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ112億円(4.1%)減少し2,596億円となり、営業利益は、為替の影響や石炭等の原燃料価格下落に伴い交易条件が改善したものの、在庫受払差の悪化、固定費の増加や石英ガラス、ジルコニア等の出荷減少により、前連結会計年度に比べ144億円(27.5%)減少し379億円となりました。
エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業
水処理エンジニアリング事業は、電子産業分野において半導体関連など受注した大型案件の工事が概ね順調に進捗し、国内半導体工場に向けた設備保有型サービスの拡大や各種メンテナンスの増加などソリューションサービスも好調に推移したことから、売上高が増加しました。
建設子会社の売上高は増加しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ189億円(13.7%)増加し1,570億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ68億円(37.6%)増加し247億円となりました。
そ の 他 事 業
運送・倉庫、検査・分析、情報処理等その他事業会社の売上高は増加しました。
この結果、売上高は前連結会計年度に比べ29億円(6.8%)増加し459億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ0億円(0.8%)増加し29億円となりました。
② 目標とする経営指標の達成状況等
目標とする経営指標の達成状況等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
③ 生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
石油化学事業219,775105.6
クロル・アルカリ事業366,85596.0
機能商品事業235,691110.1
エンジニアリング事業142,157103.0
その他事業--
合計964,480102.3

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 原則として、生産金額は、生産総量から自家使用量を差引いた販売向け生産量に、当連結会計年度中の平均販売単価を乗じて算出しております。
(2) 受注実績
主として見込み生産であります。
(3) 販売実績
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
石油化学事業183,61589.1
クロル・アルカリ事業359,50888.5
機能商品事業259,64295.9
エンジニアリング事業156,972113.7
その他事業45,901106.8
合計1,005,64094.5

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3)キャッシュ・フローの状況
①当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
営業キャッシュ・フロー税引前当期純利益816937121
減価償却費43144514
法人税等△474△192283
その他△935△21914
△1621,1701,332
投資キャッシュ・フロー△787△599188
フリー・キャッシュ・フロー△9505701,520
財務キャッシュ・フロー借入金829△31△861
配当金△286△25432
その他△42△2715
502△312△814
現金及び現金同等物に係る換算差額34373
現金及び現金同等物(期首)1,6081,194△414
増減△414295709
現金及び現金同等物(期末)1,1941,490295

現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ295億円増加し、1,490億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,170億円の収入となりました。税金等調整前当期純利益の増加、売上債権、棚卸資産、法人税等の支払額の減少等により、前連結会計年度に比べ1,332億円収入が増加いたしました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、599億円の支出となりました。設備投資による支出の減少等により、前連結会計年度に比べ188億円支出が減少いたしました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ、1,520億円収入が増加し、570億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、312億円の支出となりました。短期借入金の減少等により、前連結会計年度に比べ814億円支出が増加いたしました。
なお、当連結会計年度の設備投資の資金調達は主に自己資金及び借入金により賄っております。
②資金の主要な使途を含む資金需要の動向
事業から創出される営業キャッシュ・フローを主な財源とし、設備投資、M&A等の戦略投資、更には株主への還元等に資金を配分してまいります。
2024年度を最終年度とする中期経営計画においては、スペシャリティ事業を中心とした収益拡大やCO2排出削減・有効利用による脱炭素対応を推進するため3ヶ年累計で2,000億円の設備投資を計画しております。また、株主還元は安定配当を基本として、フリー・キャッシュ・フローの水準等を勘案して自己株式の取得を機動的に実施してまいります。
なお、当連結会計年度末現在における今後1年間の資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
③フリー・キャッシュ・フロー
当社は、フリー・キャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しております。当社はこの指標を戦略的投資又は負債返済に充当可能な資金の純額、あるいは、資金調達にあたって外部借入への依存度合を測る目的から、投資家に有用な指標と考えており、次の図のとおりフリー・キャッシュ・フローを算出しております。

④財務の方針及び資金調達の状況
当社は、事業の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金と金融機関からの外部借入を活用しております。今後大型の設備投資やM&Aが発生する場合には、資金調達の多様化や資本効率の向上を踏まえ負債の活用を進めてまいりますが、タイムリーな資金調達が実行できるよう強固な財務基盤の維持に努めてまいります。
また当社は、資金需要に対する機動的な対応と金融情勢変化やコモディティ事業における原料や製品の市況変動の影響による財務の悪化に備え、一定程度の現預金の保有は必要と考えております。
2023年度末時点で当社の自己資本比率は61.6%、有利子負債は1,831億円、現金及び預金は1,498億円、ネットDEレシオは0.04、信用格付けは「A+」となっております。

※有利子負債はリース債務を含んでおります。
⑤株主還元の方針
株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。

※配当性向は連結財務諸表を元に算出しているため、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2)提出会社の経営指標等」に記載されている配当性向とは異なります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4 会計方針に関する事項」に記載しております。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載している在庫評価の影響、固定資産の減損、有価証券の評価、繰延税金資産の取崩し、退職給付関係、工事契約に係る一定期間にわたり収益を認識する取引の収益計上に関して、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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