訂正有価証券報告書-第153期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2019/03/20 12:56
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業績等の概要

(1) 業績
当期の世界経済は、前半に中国経済の失速懸念の高まりや英国のEU離脱に伴う金融市場の混乱等により減速したものの、後半は米国経済の持ち直しや、中国政府の各種対策、金融混乱に対する各国中央銀行の迅速な対応などによって回復基調となりました。
日本経済については、雇用や所得環境の改善が進む中で、緩やかな回復が続きました。
このような中、当社グループにおきましては、経済の変動に強く、持続的に成長する強靭な事業体質に転換すべく、平成28年5月に公表した中期経営計画で掲げた重点施策に鋭意取り組んでまいりました。
その結果、売上高は前期を下回ったものの、当社連結子会社であるTokuyama Malaysia Sdn. Bhd.の赤字幅の縮小や原燃料価格の下落に伴う製造コストの低減などにより、営業利益は大幅に改善しました。
(単位:百万円)

売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純損益
平成29年3月期299,10639,72033,99852,165
平成28年3月期307,11523,07117,725△100,563
増減率△2.6%72.2%91.8%-%

セグメント別の状況
<化成品セグメント>苛性ソーダは、国内の販売数量が堅調に推移した一方で、販売価格が弱含みで推移し、減収となりました。
塩化ビニルモノマーは、アジア向けの輸出を中心に販売数量が増加したものの、国産ナフサ価格の下落により販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
塩化ビニル樹脂は、住宅着工戸数の回復等を背景に販売数量は堅調に推移したものの、国産ナフサ価格の下落により販売価格が軟調に推移し、減収となりました。一方で、新第一塩ビ株式会社 千葉工場の停止等により損益は改善しました。
ソーダ灰及び塩化カルシウムは、販売数量が減少したものの、販売価格の是正に努め、売上高はほぼ前期並みとなりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は833億46百万円(前期比5.1%減)、営業利益は131億83百万円(前期比48.1%増)で減収増益となりました。
<特殊品セグメント>半導体向け多結晶シリコンは、スマートフォンをはじめとするモバイル機器の高機能化を背景に出荷が好調に推移し、増収となりました。
太陽電池向け多結晶シリコンは、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.の稼働率が改善したことにより販売数量が増加し、増収となりました。
乾式シリカは、半導体用研磨材向けの販売が堅調に推移し、増収となりました。
電子工業用高純度薬品は、半導体製品用途で販売が堅調に推移したものの、円高の影響等により、減収となりました。
窒化アルミニウムは、半導体製造装置向けを中心に販売数量が堅調に推移し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は677億26百万円(前期比11.2%増)、営業利益は96億49百万円(前期は営業損失11億57百万円)で増収増益となりました。
<セメントセグメント>セメントは、アジア地区における旺盛な需要を背景に輸出数量が増加したものの、円高の影響等により輸出価格が下落したこと、及び官公需・民需の低迷に伴い国内向けの販売数量が減少したことにより、減収となりました。一方で、原燃料価格の下落や原単位の改善などにより製造コストが低減しました。
資源環境事業は、石炭灰をはじめとする廃棄物の受入数量が堅調に推移し、増収となりました。
連結子会社は、前期に大型案件向けに生コンクリート等の出荷が好調だったことの反動により、減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は829億95百万円(前期比2.9%減)、営業利益は78億78百万円(前期比35.1%増)で減収増益となりました。
<ライフアメニティーセグメント>医薬品原薬は、ジェネリック医薬品向けの販売数量が減少し、減収となりました。
プラスチックレンズ関連材料は、メガネレンズ用フォトクロミック材料の販売数量が堅調に推移し、増収となりました。
微多孔質フィルムは、紙おむつなどのサニタリー用品向けで、海外の連結子会社での販売が振るわず、減収となりました。
ポリオレフィンフィルムは、コンビニエンスストア向け商品の包装材用途を中心に販売数量が堅調に推移したものの、国産ナフサ価格の下落により販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
歯科器材は、新製品や海外向けの販売数量が増加し、増収となりました。
医療診断システムは、血液検査向けの販売が堅調に推移し、増収となりました。
ガスセンサの製造・販売を行うフィガロ技研株式会社の株式の一部を譲渡したことに伴い、第2四半期連結会計期間より、同社を連結から除外しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は507億51百万円(前期比12.0%減)、営業利益は56億32百万円(前期比14.6%減)で減収減益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は1,188億19百万円となり、期首残高に比べ23億46百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは200億12百万円の収入(前期比100億85百万円の減少)となりました。
主な内容は、税金等調整前当期純利益385億25百万円、法人税等の支払額180億65百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは100億89百万円の支出(前期比234億89百万円の増加)となりました。
主な内容は、有形固定資産の取得による支出166億93百万円、子会社株式の売却による収入29億26百万円、補助金の受取額22億98百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは119億11百万円の支出(前期比257億78百万円の減少)となりました。
主な内容は、A種種類株式の発行による収入197億12百万円、長期借入金の返済による支出172億97百万円、社債の償還による支出100億円、短期借入金の減少額66億25百万円です。