有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の売上収益は1兆667億9千5百万円(前期比5.3%増)、営業損失は371億5千7百万円(前期は625億3千8百万円の営業利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は639億4千9百万円(前期は399億2千9百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
なお、2025年10月9日付「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」で公表した当社における在庫等に関する不適切な会計処理につきましては、特別調査委員会による調査結果等を踏まえ、必要な対応を進めております。
当該不適切会計に伴う影響については、特別調査委員会による調査結果に加え、自主点検対応(決算数値及び会計処理の再点検を含む)の結果を踏まえ、これらを併せた一時影響額を当期及び過年度の業績に反映しております。また、これらに係る調査関連費用として130億3千6百万円を計上しております。
また、過去の投資案件について、事業環境及び将来収益性を踏まえて事業計画を見直し、回収可能性を検討した結果、海外事業を中心としたのれん及び固定資産等に係る減損損失として1,079億8千1百万円を計上しております。
その他、新規連結に伴う段階取得差益として123億2千5百万円を認識しております。
セグメントの業績及び概況につきましては、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は「5.事業セグメント」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<デジタル&インダストリー>当セグメントの売上収益は3,299億3千8百万円(前期比4.2%減)、営業損失は408億8千8百万円(前年同期は301億1千3百万円の営業利益)となりました。
インダストリアルガスユニットは、エアセパレートガスをはじめとする各種産業ガスの価格マネジメント効果が業績に寄与しました。
ガスプロダクツユニットは、鉄鋼オンサイトにおいて、一部高炉の停止等により、ガスの供給量が減少しました。
デジタルユニットは、生成AI向け半導体関連の旺盛な需要を背景に、先端半導体向けのガス供給に加え、半導体製造装置向け熱制御装置等の販売が増加しました。機能材料分野は、シール材や基礎化学品の販売回復に加え、価格マネジメントの進展により、順調に推移しました。
グローバルエンジニアリングユニットは、インド事業では、鉄鋼向けオンサイトプラントや自社液化ガスプラントの新規立ち上げ等でガス供給体制を強化した一方で、顧客高炉のメンテナンス長期化等により、プラント稼働は期を通じて不安定に推移しました。北米事業では、産業ガスは地域販売を中心に底堅く推移しましたが、低温機器は米国政策の影響を受けた水素関連需要の減少等を踏まえ、一部事業の見直しを行いました。高出力UPSでは、DRUPS(ロータリー式無停電電源装置)は幅広い地域・業種で受注が進み堅調に推移しましたが、非常用発電機は中国勢との競争激化等により低調に推移しました。
なお、当セグメントにおいては、グローバルエンジニアリングユニットにおけるのれん及び固定資産の減損損失を織り込んでおります。その他、低温機器の一部撤退費用を一時影響額として含んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を下回り、営業損失となりました。
<エネルギーソリューション>当セグメントの売上収益は985億2百万円(前期比6.3%増)、営業利益は63億9千4百万円(同21.4%減)となりました。
エネルギーソリューションユニットは、LPガス・灯油ともに販売単価の改定や付帯サービス料金の見直し効果が寄与したほか、主力である家庭向けの販売数量が増加しました。
グリーンイノベーションユニットは、炭酸ガスでは原料ガス不足の影響を受ける中で安定供給に努めたほか、価格マネジメント効果等も加わり、順調に推移しました。水素はデータセンター需要を背景とした電子産業向けを中心に販売数量が拡大しました。
なお、当セグメントにおいては、グリーンイノベーションユニットにおける固定資産の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<ヘルス&セーフティー>当セグメントの売上収益は2,684億7千1百万円(前期比21.8%増)、営業利益は103億9千5百万円(同13.0%減)となりました。
メディカルプロダクツユニットは、医療用酸素の新規獲得など販売強化に努めたものの、全体としては供給減となりました。加えて、医療機器や消耗材も販売減となるなど、病院・医療市場における需要減の影響を受け、総じて厳しい状況で推移しました。
防災ユニットは、電力関連施設やデータセンター向けのガス消火設備工事が好調に推移しました。また、病院設備工事においてもメンテナンスサービスの受注強化に努めるなど、全体を通して堅調に推移しました。
在宅ヘルスケアユニットは、注射針の生産・販売増に加え、コンシューマ向け衛生用品の販売も順調に推移しました。
デンタルユニットは、歯科業界の高度デジタル化を背景に、歯科材料ならびに口腔医療向けデジタル成形機器の取り扱いが増加しました。また、当第3四半期より、歯科材料・用品の通信販売事業を新規連結しております。
なお、当セグメントにおいては、デンタルケアユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<アグリ&フーズ>当セグメントの売上収益は1,529億8千8百万円(前期比2.2%増)、営業利益は36億6千4百万円(同26.5%減)となりました。
アグリユニットは、青果小売では店舗運営の合理化を進めた一方で、青果流通では北海道産の馬鈴薯の販売が期後半に一転して大きく減少し、期全体としては横ばいで推移しました。
フーズユニットは、大手量販店向けを中心にハム・デリカの販売強化を進めたほか、コンビニエンスストア向けスイーツの生産性改善が進展するなど、堅調に推移しました。
飲料ユニットは、主要顧客向けの清涼飲料水の生産が伸長するなど、堅調に推移しました。
なお、当セグメントにおいては、フーズユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<その他の事業>当セグメントの売上収益は2,168億9千4百万円(前期比5.4%増)、営業利益は14億7千5百万円(同80.3%減)となりました。
海水事業は、製塩では期後半から価格マネジメントによるコスト上昇分の吸収に取り組んだほか、水処理工事では受注案件の増加などにより、堅調に推移しました。
電力事業は、小名浜バイオマス発電所の主要な発電燃料であるPKS(パーム椰子殻)調達価格が安価に推移したほか、計画外停止ゼロにより安定稼働しました。
専門商社事業は、電子部品や先端半導体向けの受注増を中心に、堅調に推移しました。
物流事業は、食品物流の主要顧客における受託料金の適正化が進展したほか、米穀物流の新規受託などにより、堅調に推移しました。
一方、インフレ及び円安の進行等の経営環境の著しい悪化等により、エア・ウォーター小名浜バイオマス電力株式会社及び株式会社日本海水TTS苅田パワーでは、減損損失を計上しました。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
② 受注状況
製品のほとんどが見込生産であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態
(資産の部)
総資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて61億7千7百万円増加し、1兆2,162億8千7百万円となりました。
(負債の部)
負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて534億3千万円増加し、8,053億1千6百万円となりました。
(資本の部)
資本は、親会社の所有者に帰属する当期損失の計上などにより前連結会計年度末に比べて472億5千3百万円減少し、4,109億7千万円となりました。
以上の結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,929.76円から1,702.38円に減少しております。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の36.5%から32.1%となりました。なお、親会社所有者帰属持分当期利益率は前連結会計年度9.2%から△15.4%となっております。
(3)キャッシュ・フロー
① 資本政策の基本的な考え方
当社は、持続的な成長を通じた中長期的な企業価値向上のため、財務の健全性を維持しつつ、資本効率性及び収益性を重視した財務運営を行っております。ROE及びROICを重要な経営指標と位置付け、各資本政策の基本的な考え方に記載のとおり、事業の収益力及びキャッシュ・フロー創出力の向上、事業ポートフォリオの見直し、投資規律の徹底並びに運転資本の最適化を推進してまいります。
当連結会計年度においては、既存事業の収益性改善及び運転資本の最適化に取り組むとともに、投資有価証券及び有形固定資産の売却、債権流動化等を通じ、資産効率の向上及び財務基盤の強化を図りました。今後も、資本効率性及び収益性を重視し、キャッシュ・フロー創出力の向上に取り組んでまいります。
資金配分につきましては、規律ある投資判断を前提に、成長投資を継続しつつ、財務の健全性及びキャッシュ・フローの状況を踏まえ、業績に見合った安定的な株主還元を行ってまいります。
なお、当事業年度の配当金につきましては、当期損失を計上したものの、財務状況、キャッシュ・フロー及び株主還元の継続性等を総合的に勘案し、1株当たり年間配当額を75円といたしました。
次期配当予想につきましては、現在、新経営方針、事業戦略及び事業ポートフォリオ見直し等の内容を踏まえ、株主還元方針を含めて検討を進めていることから、現時点では未定としております。合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する予定です。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益及び減価償却費等から法人所得税の支払等を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ148億4千5百万円収入が増加し、1,075億8千3百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ283億3千5百万円支出額が増加し、886億1千1百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済等による支出が増加したものの短期借入金の純増により、前連結会計年度に比べて225億5千3百万円支出額が減少し、57億8百万円の支出となりました。
(現金及び現金同等物)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139億1千2百万円増加し、871億3千9百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
中長期的に企業価値を高めていくために必要な成長投資の資金については、事業で創出されるキャッシュ・フローを充当し、不足する分は銀行借入或いは社債発行による負債調達を基本としております。
手元資金については、資金効率を重視し事業継続に必要な適正水準を維持する方針としております。なお、資金の機動的かつ安定的な調達により、財務基盤の安定化を図ることを目的として、取引銀行3行との間に総額1,130億円のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。
成長投資については、経済活動の停滞が長期化した局面に備えて十分な財務の安全性を維持するため、今後のM&A投資及び設備投資は、事業環境の変化を慎重に見極めながら厳選してまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
翌連結会計年度の事業環境については、インフレや大幅な為替変動に加え、米国関税政策の動向を中心に経済活動における不確実性が世界的に高まるなど、不透明な経済環境が当面の間継続することを仮定しております。その前提に基づき、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要性がある会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 非金融資産の減損
当社グループは決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としており、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、 当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。使用価値の算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等について一定の仮定を用いております。
これらの仮定は過去の実績や当社経営陣により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づき繰延税金資産を計上しており、回収可能性の評価に当たり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、見積りは予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、認識される費用及び計上される資産に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の売上収益は1兆667億9千5百万円(前期比5.3%増)、営業損失は371億5千7百万円(前期は625億3千8百万円の営業利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は639億4千9百万円(前期は399億2千9百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
なお、2025年10月9日付「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」で公表した当社における在庫等に関する不適切な会計処理につきましては、特別調査委員会による調査結果等を踏まえ、必要な対応を進めております。
当該不適切会計に伴う影響については、特別調査委員会による調査結果に加え、自主点検対応(決算数値及び会計処理の再点検を含む)の結果を踏まえ、これらを併せた一時影響額を当期及び過年度の業績に反映しております。また、これらに係る調査関連費用として130億3千6百万円を計上しております。
また、過去の投資案件について、事業環境及び将来収益性を踏まえて事業計画を見直し、回収可能性を検討した結果、海外事業を中心としたのれん及び固定資産等に係る減損損失として1,079億8千1百万円を計上しております。
その他、新規連結に伴う段階取得差益として123億2千5百万円を認識しております。
| 売上収益 | 営業利益又は 営業損失(△) | 親会社の所有者に帰属する当期利益又は 親会社の所有者に帰属する当期損失(△) | |
| 2025年3月期 (百万円) | 1,013,070 | 62,538 | 39,929 |
| 2026年3月期 (百万円) | 1,066,795 | △37,157 | △63,949 |
| 前期比(%) | 105.3 | - | - |
セグメントの業績及び概況につきましては、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は「5.事業セグメント」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<デジタル&インダストリー>当セグメントの売上収益は3,299億3千8百万円(前期比4.2%減)、営業損失は408億8千8百万円(前年同期は301億1千3百万円の営業利益)となりました。
インダストリアルガスユニットは、エアセパレートガスをはじめとする各種産業ガスの価格マネジメント効果が業績に寄与しました。
ガスプロダクツユニットは、鉄鋼オンサイトにおいて、一部高炉の停止等により、ガスの供給量が減少しました。
デジタルユニットは、生成AI向け半導体関連の旺盛な需要を背景に、先端半導体向けのガス供給に加え、半導体製造装置向け熱制御装置等の販売が増加しました。機能材料分野は、シール材や基礎化学品の販売回復に加え、価格マネジメントの進展により、順調に推移しました。
グローバルエンジニアリングユニットは、インド事業では、鉄鋼向けオンサイトプラントや自社液化ガスプラントの新規立ち上げ等でガス供給体制を強化した一方で、顧客高炉のメンテナンス長期化等により、プラント稼働は期を通じて不安定に推移しました。北米事業では、産業ガスは地域販売を中心に底堅く推移しましたが、低温機器は米国政策の影響を受けた水素関連需要の減少等を踏まえ、一部事業の見直しを行いました。高出力UPSでは、DRUPS(ロータリー式無停電電源装置)は幅広い地域・業種で受注が進み堅調に推移しましたが、非常用発電機は中国勢との競争激化等により低調に推移しました。
なお、当セグメントにおいては、グローバルエンジニアリングユニットにおけるのれん及び固定資産の減損損失を織り込んでおります。その他、低温機器の一部撤退費用を一時影響額として含んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を下回り、営業損失となりました。
<エネルギーソリューション>当セグメントの売上収益は985億2百万円(前期比6.3%増)、営業利益は63億9千4百万円(同21.4%減)となりました。
エネルギーソリューションユニットは、LPガス・灯油ともに販売単価の改定や付帯サービス料金の見直し効果が寄与したほか、主力である家庭向けの販売数量が増加しました。
グリーンイノベーションユニットは、炭酸ガスでは原料ガス不足の影響を受ける中で安定供給に努めたほか、価格マネジメント効果等も加わり、順調に推移しました。水素はデータセンター需要を背景とした電子産業向けを中心に販売数量が拡大しました。
なお、当セグメントにおいては、グリーンイノベーションユニットにおける固定資産の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<ヘルス&セーフティー>当セグメントの売上収益は2,684億7千1百万円(前期比21.8%増)、営業利益は103億9千5百万円(同13.0%減)となりました。
メディカルプロダクツユニットは、医療用酸素の新規獲得など販売強化に努めたものの、全体としては供給減となりました。加えて、医療機器や消耗材も販売減となるなど、病院・医療市場における需要減の影響を受け、総じて厳しい状況で推移しました。
防災ユニットは、電力関連施設やデータセンター向けのガス消火設備工事が好調に推移しました。また、病院設備工事においてもメンテナンスサービスの受注強化に努めるなど、全体を通して堅調に推移しました。
在宅ヘルスケアユニットは、注射針の生産・販売増に加え、コンシューマ向け衛生用品の販売も順調に推移しました。
デンタルユニットは、歯科業界の高度デジタル化を背景に、歯科材料ならびに口腔医療向けデジタル成形機器の取り扱いが増加しました。また、当第3四半期より、歯科材料・用品の通信販売事業を新規連結しております。
なお、当セグメントにおいては、デンタルケアユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<アグリ&フーズ>当セグメントの売上収益は1,529億8千8百万円(前期比2.2%増)、営業利益は36億6千4百万円(同26.5%減)となりました。
アグリユニットは、青果小売では店舗運営の合理化を進めた一方で、青果流通では北海道産の馬鈴薯の販売が期後半に一転して大きく減少し、期全体としては横ばいで推移しました。
フーズユニットは、大手量販店向けを中心にハム・デリカの販売強化を進めたほか、コンビニエンスストア向けスイーツの生産性改善が進展するなど、堅調に推移しました。
飲料ユニットは、主要顧客向けの清涼飲料水の生産が伸長するなど、堅調に推移しました。
なお、当セグメントにおいては、フーズユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<その他の事業>当セグメントの売上収益は2,168億9千4百万円(前期比5.4%増)、営業利益は14億7千5百万円(同80.3%減)となりました。
海水事業は、製塩では期後半から価格マネジメントによるコスト上昇分の吸収に取り組んだほか、水処理工事では受注案件の増加などにより、堅調に推移しました。
電力事業は、小名浜バイオマス発電所の主要な発電燃料であるPKS(パーム椰子殻)調達価格が安価に推移したほか、計画外停止ゼロにより安定稼働しました。
専門商社事業は、電子部品や先端半導体向けの受注増を中心に、堅調に推移しました。
物流事業は、食品物流の主要顧客における受託料金の適正化が進展したほか、米穀物流の新規受託などにより、堅調に推移しました。
一方、インフレ及び円安の進行等の経営環境の著しい悪化等により、エア・ウォーター小名浜バイオマス電力株式会社及び株式会社日本海水TTS苅田パワーでは、減損損失を計上しました。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| デジタル&インダストリー | 138,354 | 95.5 |
| エネルギーソリューション | 18,786 | 114.3 |
| ヘルス&セーフティー | 50,066 | 100.8 |
| アグリ&フーズ | 108,795 | 103.1 |
| その他 | 54,488 | 69.7 |
| 合計 | 370,490 | 93.9 |
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
② 受注状況
製品のほとんどが見込生産であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| デジタル&インダストリー | 329,938 | 95.8 |
| エネルギーソリューション | 98,502 | 106.3 |
| ヘルス&セーフティー | 268,471 | 121.8 |
| アグリ&フーズ | 152,988 | 102.2 |
| その他 | 216,894 | 105.4 |
| 合計 | 1,066,795 | 105.3 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態
(資産の部)
総資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて61億7千7百万円増加し、1兆2,162億8千7百万円となりました。
(負債の部)
負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて534億3千万円増加し、8,053億1千6百万円となりました。
(資本の部)
資本は、親会社の所有者に帰属する当期損失の計上などにより前連結会計年度末に比べて472億5千3百万円減少し、4,109億7千万円となりました。
以上の結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,929.76円から1,702.38円に減少しております。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の36.5%から32.1%となりました。なお、親会社所有者帰属持分当期利益率は前連結会計年度9.2%から△15.4%となっております。
(3)キャッシュ・フロー
① 資本政策の基本的な考え方
当社は、持続的な成長を通じた中長期的な企業価値向上のため、財務の健全性を維持しつつ、資本効率性及び収益性を重視した財務運営を行っております。ROE及びROICを重要な経営指標と位置付け、各資本政策の基本的な考え方に記載のとおり、事業の収益力及びキャッシュ・フロー創出力の向上、事業ポートフォリオの見直し、投資規律の徹底並びに運転資本の最適化を推進してまいります。
当連結会計年度においては、既存事業の収益性改善及び運転資本の最適化に取り組むとともに、投資有価証券及び有形固定資産の売却、債権流動化等を通じ、資産効率の向上及び財務基盤の強化を図りました。今後も、資本効率性及び収益性を重視し、キャッシュ・フロー創出力の向上に取り組んでまいります。
資金配分につきましては、規律ある投資判断を前提に、成長投資を継続しつつ、財務の健全性及びキャッシュ・フローの状況を踏まえ、業績に見合った安定的な株主還元を行ってまいります。
なお、当事業年度の配当金につきましては、当期損失を計上したものの、財務状況、キャッシュ・フロー及び株主還元の継続性等を総合的に勘案し、1株当たり年間配当額を75円といたしました。
次期配当予想につきましては、現在、新経営方針、事業戦略及び事業ポートフォリオ見直し等の内容を踏まえ、株主還元方針を含めて検討を進めていることから、現時点では未定としております。合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する予定です。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益及び減価償却費等から法人所得税の支払等を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ148億4千5百万円収入が増加し、1,075億8千3百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ283億3千5百万円支出額が増加し、886億1千1百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済等による支出が増加したものの短期借入金の純増により、前連結会計年度に比べて225億5千3百万円支出額が減少し、57億8百万円の支出となりました。
(現金及び現金同等物)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139億1千2百万円増加し、871億3千9百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
中長期的に企業価値を高めていくために必要な成長投資の資金については、事業で創出されるキャッシュ・フローを充当し、不足する分は銀行借入或いは社債発行による負債調達を基本としております。
手元資金については、資金効率を重視し事業継続に必要な適正水準を維持する方針としております。なお、資金の機動的かつ安定的な調達により、財務基盤の安定化を図ることを目的として、取引銀行3行との間に総額1,130億円のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。
成長投資については、経済活動の停滞が長期化した局面に備えて十分な財務の安全性を維持するため、今後のM&A投資及び設備投資は、事業環境の変化を慎重に見極めながら厳選してまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
翌連結会計年度の事業環境については、インフレや大幅な為替変動に加え、米国関税政策の動向を中心に経済活動における不確実性が世界的に高まるなど、不透明な経済環境が当面の間継続することを仮定しております。その前提に基づき、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要性がある会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 非金融資産の減損
当社グループは決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としており、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、 当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。使用価値の算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等について一定の仮定を用いております。
これらの仮定は過去の実績や当社経営陣により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づき繰延税金資産を計上しており、回収可能性の評価に当たり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、見積りは予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、認識される費用及び計上される資産に重要な影響を及ぼす可能性があります。