有価証券報告書-第87期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/28 13:48
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有報資料

(1) 重要な会計方針および見積り
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、期末日の資産・負債の計上および会計期間の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定を行う必要があります。連結財務諸表に影響を与え、より重要な経営判断や見積りを必要とする会計方針は以下のとおりであります。
① 貸倒引当金
当企業集団は売掛債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当金を計上する可能性があります。
② 固定資産の減損
当企業集団は、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。
将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。
③ 投資有価証券
当企業集団は、時価のある有価証券と時価のない有価証券を所有しております。
時価のある有価証券は、決算日の市場価格等に基づき時価評価を行い、税効果調整後の評価差額を純資産の部のその他有価証券評価差額金に計上しております。
また、期末における時価等が取得原価に比べ50%以上下落した場合には原則減損処理を行い、30%~50%未満下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行うこととしております。一方、時価のない有価証券は、実質価額が取得原価に比べ50%程度以上下落した場合には、回復可能性等を考慮して減損処理を行うこととしております。
なお、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失が生じ、減損処理を行う可能性があります。
④ 繰延税金資産
当企業集団は、財務諸表と税務上の資産または負債の額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る税効果について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる金額に対し評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額しております。繰延税金資産の実現の可能性により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付に係る資産および負債
当企業集団は、年金数理計算に基づいて退職給付に係る資産および負債ならびに退職給付費用を計上しております。年金数理計算は割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率、退職率等の前提条件に基づいて行われており、これらの前提条件の変更は連結財務諸表に影響を与えます。割引率の低下や年金資産運用における期待運用収益と実際運用収益の差異は、翌期以降の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の世界経済は、中国における景気の持ち直しの動きに加え、ユーロ圏では緩やかな景気回復が続き、米国においても景気は着実に回復が続くなど、総じて緩やかな回復基調を維持しました。また、日本経済は、堅調な企業業績を背景に、雇用・所得環境の改善が継続するなかで、各種政策の効果もあり、景気回復の動きが続きました。
当企業集団が取り扱っている製品の主な需要先でありますエレクトロニクス業界におきましては、パソコンやタブレット端末の需要の落込みはあったものの、スマートフォンの販売が引き続き拡大したことから、半導体市場は、総じて堅調に推移しました。
このような情勢の下、当企業集団は、2020年のありたい姿の実現に向けて、経営ビジョンである「高付加価値製品による感動(満足できる性能、コスト、品質)を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す。」の下、平成28年度を初年度とする3カ年の中期計画「tok中期計画2018」を始動させました。本中期計画は、「tok中期計画2015」で築き上げた成果を足掛かりに、全社戦略に掲げた「事業ポートフォリオの変革」、「顧客密着戦略の進化」、「グローバルに対応できる人材の開発を推進」、「経営基盤強化とTOKグループ構想の実現」の取組みをさらに深化させ、過去最高益の更新を目指すとともに中長期的な企業価値向上を図るものであります。
まず、当企業集団では、半導体製造に使用されるエキシマレーザー用フォトレジストの新たな用途として市場の拡大が進む三次元メモリ向け製品や、技術革新が進む半導体製造の後工程分野で使用されるパッケージ用フォトレジストなど、ユーザーニーズを的確に捉えた製品の拡販に努めてまいりました。次に、国内の研究開発拠点において、高度な品質管理が求められる半導体製造の最先端微細化プロセスに対応した検査装置等を導入したほか、旺盛なユーザー需要に対応すべく台湾のグループ会社における半導体用フォトレジスト付属薬品の生産設備の増強を進めるなど、積極的な設備投資を実施いたしました。さらに、新規事業分野として高耐熱性、高薬品耐性等を有する機能性フィルムの量産を新たに開始するとともに、最先端微細加工技術や次世代の三次元メモリ向け製品等の研究開発に尽力することで、事業領域の深耕拡大に向けて邁進してまいりました。また、グローバルに対応できる人材開発の推進に加え、当社グループの企業価値向上と内包する経営リスクの低減を図るべく、経営管理体制の再構築に努めるなど、経営基盤の強化に向けた諸施策を講じてまいりました。
この結果、当企業集団の売上高は、887億64百万円(前年度比1.3%減)となりました。利益面におきましては、円高傾向で推移した為替の影響や積極的な設備投資に伴う減価償却費等の経費増加により、営業利益は99億54百万円(同20.0%減)、経常利益は98億67百万円(同22.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は63億43百万円(同17.8%減)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当企業集団の経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因として、当連結会計年度末現在において以下のとおりと認識しております。
当企業集団が事業展開する業界は、素材価格の変動や販売価格の低下の動きが見られるほか、技術革新が速く製品ライフサイクルが短くなり、一方で研究開発用機器は高額化してきております。また、当企業集団においては海外事業の進展に伴い、為替相場の変動による影響や各国における各種法令の重大な改変または遵守できなかった場合等、海外での事業活動を取り巻く様々なリスクが顕在化するという事態も懸念されます。加えて、当企業集団が提供している多数の製品をユーザーが使用する過程において、欠陥により不具合が生じた場合、原則として生産物責任賠償保険での対応を行いますが、負担金額すべてを保険金でカバーできず、経営成績に重要な影響を与える可能性もあります。
(4) 戦略的状況と見通し
当企業集団は、「高付加価値製品による感動(満足できる性能、コスト、品質)を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す。」という経営ビジョンを具現化するため、付加価値の高い既存製品の拡大と新たな事業の柱となる製品の確実な事業化を目指し邁進してまいります。
この目標の実現に向けて、3カ年の中期計画「tok中期計画2018」の諸施策を着実に実行してまいります。
① 事業ポートフォリオの変革
新規ビジネスの開拓については、当企業集団のコアコンピタンスである超微細加工技術や高純度化技術を核として、社外の技術的なシーズやニーズ、アイデア、コンセプトを的確に取り入れるオープンイノベーションに向けた取組みを強化し、将来の事業の柱となる新規事業の創出を目指してまいります。また、顧客に感動していただける高付加価値製品を積極的に開発し続けることで、既存ビジネスの深耕拡大・再構築を行い、事業および製品ポートフォリオの新陳代謝を促進いたします。
② 顧客密着戦略の進化
国内拠点に加え主要な海外拠点においても、販売・生産機能に留まることなく、研究開発機能を付加することにより、ユーザーニーズに即応できる技術対応力の充実と強化を図ってまいります。各地域の顧客との長期的な信頼関係を育み、こうした三位一体のサービスを提供できる体制を目指した顧客密着戦略をさらに推し進めてまいります。
③ グローバルに対応できる人材の開発を推進
当企業集団全体でグローバルに活躍できる人材の育成に努めるほか、グローバルビジネスに対応できる人材を積極的に登用することで、異なる価値観や専門分野を持つ人材が存分に能力を発揮し、多様な視点で考える組織の形成に尽力してまいります。
④ 経営基盤強化とTOKグループ構想の実現
企業価値の向上と経営リスク低減を目的として、当企業集団全体を統括する管理体制を再構築し、グループマネジメントの高度化を目指してまいります。また、当企業集団が一体となった決算・管理体制の強化および効率化ならびに経営情報の適時・的確な開示によるさらなる経営の透明性の向上等を図るために、当企業集団の決算期統一を進めてまいります。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、1,744億92百万円で、前連結会計年度末に比べ71億92百万円増加いたしました。
流動資産は15億33百万円増加し886億47百万円となりました。これは現金及び預金が12億12百万円減少し、貸倒引当金が2億5百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が19億72百万円、たな卸資産が6億13百万円増加したことが主な要因であります。
固定資産は56億58百万円増加し858億44百万円となりました。これは、株式取得および株価上昇等により投資有価証券が38億47百万円、設備投資等により有形固定資産が17億52百万円増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、215億61百万円で、前連結会計年度末に比べ15億31百万円増加いたしました。これは繰延税金負債が6億19百万円、短期借入金が2億61百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が18億19百万円増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、1,529億31百万円で、前連結会計年度末に比べ56億60百万円増加いたしました。これは配当金の支払が27億75百万円発生したことや、為替換算調整勘定が12億90百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益63億43百万円の確保、その他有価証券評価差額金が18億60百万円増加したことが主な要因であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は84.6%となりました。
② 当期のキャッシュ・フローの概況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加がありましたものの、仕入債務の増加、法人税等の支払額又は還付額により、前連結会計年度に比べ5億73百万円増加の124億76百万円の資金収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、長期預金の払戻による収入、投資有価証券の取得による支出により、前連結会計年度に比べ90億16百万円増加の134億2百万円の資金投下となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、前連結会計年度に比べ69億44百万円減少の23億24百万円の資金支出となりました。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末の395億16百万円から36億8百万円減少し359億7百万円となりました。
当企業集団の運転資金および設備投資資金は、主として内部資金を使用しておりますが、平成29年12月期に必要な運転資金および設備投資資金についても、主として内部資金で賄う予定であります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当企業集団は、「技術のたゆまざる研鑽」、「製品の高度化」、「社会への貢献」、「自由闊達」の4つの経営理念の下、「高付加価値製品による感動(満足できる性能、コスト、品質)を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す。」という経営ビジョンを掲げ、全社をあげて持続的な企業価値の拡大を実現し、社会の進歩発展に貢献していく所存であります。

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