- #1 コーポレート・ガバナンスの概要(連結)
イ)事業ポートフォリオに関する議論
2022年度の取締役会において、帝人グループの目指すべき姿である長期ビジョンの具体化を図るとともに、既存事業の立ち位置を明確にした上で、事業ポートフォリオに関する議論をしました。その中で「Strategic Focus」分野を中心に大幅な戦略の見直しが必要であることを確認、これまでの「Strategic Focus」や「Profitable Growth」の区分は一旦廃止し、2023年度は複合成形材料事業、アラミド事業、ヘルスケア事業の3事業の構造改革に注力することとしました。引き続き、2024年度に公表予定の新中期経営計画に向けて、新しい成長戦略を含む事業ポートフォリオに関する議論を継続していくことを確認しています。
ウ)親子上場の合理性に関する議論
2023/06/21 14:10- #2 サステナビリティに関する考え方及び取組(連結)
1) 気候変動の緩和と適応
「気候変動の緩和」では、高機能・高付加価値材料によるモビリティの軽量化や高耐久化を中心としたソリューションを提供します。「気候変動への適応」では、高機能素材によるインフラ補強材や、ヘルスケアやIT等の技術やサービスを通し、自然災害発生時の被害低減と迅速な復旧に役立つソリューションの提供に取り組みます。また、事業活動に伴う地球環境への負荷低減として、脱石炭火力を図るとともに、省エネ・再エネ化の推進やプロセスイノベーションなどの技術革新にも取り組みます。
2) サーキュラーエコノミーの実現
2023/06/21 14:10- #3 セグメント情報等、連結財務諸表(連結)
帝人グループは、製品の種類、性質、サービス別に事業領域を定め、各事業領域では取り扱う製品、サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
したがって、帝人グループは事業領域を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「マテリアル」、「ヘルスケア」、「繊維・製品」、「IT」の4つを報告セグメントとしています。
「マテリアル」はアラミド繊維、ポリカーボネート樹脂、炭素繊維、複合成形材料等の製造・販売等を行っており、「ヘルスケア」は医薬品・医療機器等の製造・販売及び在宅医療サービス等を行っています。また、「繊維・製品」はポリエステル繊維、繊維製品等の製造・販売等を行っており、「IT」は情報システムの運用・開発・メンテナンス及び電子コミック配信サービス等を行っています。
2023/06/21 14:10- #4 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費(連結)
※3 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額
2023/06/21 14:10- #5 主要な販売費及び一般管理費(連結)
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
| 前連結会計年度(自 2021年4月 1日至 2022年3月31日) | 当連結会計年度(自 2022年4月 1日至 2023年3月31日) |
のれん償却費 | 4,638 〃 | 3,849 〃 |
研究開発費 | 33,341 〃 | 31,935 〃 |
販売促進費 | 20,335 〃 | 25,923 〃 |
2023/06/21 14:10- #6 事業の内容
各セグメントにおける、主要な事業内容ならびに主な会社は次のとおりであり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のセグメントと一致しています。
セグメント | 事業内容 | 構成会社 |
複合成形材料事業複合成形材料の製造・販売 | 当社Teijin Automotive Technologies NA Holdings Corp.Teijin Automotive Technologies (Tangshan) Co., Ltd.等 子会社27社 |
ヘルスケア | 医薬品及び医療機器の製造・販売、在宅医療サービス、その他ヘルスケア関連製品の製造・販売 | 当社帝人ファーマ(株)帝人ヘルスケア(株)等 子会社13社、関連会社4社 |
繊維・製品 | 繊維製品等の製造・販売、ポリエステル繊維及び織物の製造・販売等 | 帝人フロンティア(株)南通帝人有限公司Teijin Polyester (Thailand) LimitedJ.H. Ziegler GmbH等 子会社42社、関連会社7社 |
以上に述べた「事業の内容」を概要図で示すと次のとおりです。
(注)連結対象会社は、連結子会社98社と持分法適用会社が65社です。
2023/06/21 14:10- #7 事業等のリスク
[経営戦略リスク:全般的リスクと基本的対応方針]
リスク項目 | リスク概要 | 基本的対応方針 |
④資金調達・財務健全性リスク | ・経営環境の著しい悪化等で生じる収益性の低下等による保有する固定資産についての減損損失の発生・将来の課税所得の予測・仮定が変更されることで繰延税金資産の一部または全部が回収できないと判断された場合の繰延税金資産の減額 | 資金調達に際しては、短中期的な大規模資金需要や自己資本毀損リスクも踏まえ、財務健全性に配慮した最適資金調達を検討します。定期的に「ネット有利子負債/EBITDA」「自己資本比率」「D/Eレシオ」等をモニタリングするとともに、減損懸念資産や繰延税金資産の継続的なモニタリングを通じて自己資本毀損リスク規模を把握しています。また、運転資本管理、政策保有株式縮減等による資産圧縮を徹底しています。 |
⑤個別戦略リスク(「収益性改善に向けた改革」を含む) | ・収益性改善の計画に対し遅れや実施困難な状況により計画から乖離・戦略に適合する案件が探索できず、設備投資・M&Aの実施が不可となる、もしくは遅延・研究開発費の投入に対し、研究開発の成果が目標から大きく乖離 | 計画の進捗に対するKPIを設定しモニタリングを実施することで、計画からの乖離を管理しています。(「収益性改善に向けた改革」における個別戦略リスクは[経営戦略リスク:事業戦略上の主要リスク(経営戦略リスクマップにおける影響度「大」)への対応]に各リスクへの対応策を記載)事業創出・拡大のための大型戦略投資案件については、事業環境を考慮した見極めや個別課題へのアクションプランを重点的にフォローしています。 |
[経営戦略リスク:事業戦略上の主要リスク(経営戦略リスクマップにおける影響度「大」)への対応]
2023/06/21 14:10- #8 会社の支配に関する基本方針(連結)
a. 利益向上に向けた取り組み
帝人グループは、2023年2月に『帝人グループ 収益性改善に向けた改革』を公表しました。この中で、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を更に具体的に、「地球環境を守る会社」、「より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決する会社」として、取り組んでいくことを明らかにしています。また、2023年度は、複合成形材料事業、アラミド事業、ヘルスケア事業の課題3事業の収益性改善を含む、全社での構造改革を断行してまいります。取り組みの詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
b. 「コーポレート・ガバナンスの強化」による企業価値向上への取り組み
2023/06/21 14:10- #9 会計方針に関する事項(連結)
①商品及び製品の販売
商品及び製品の販売には、マテリアル事業領域における高機能材料や複合成形材料の販売や、ヘルスケア事業領域における医薬品や医療機器の販売、繊維・製品事業における繊維製品等の販売、その他の事業における再生医療等製品の販売等が含まれます。
このような商品及び製品の販売については、原則として製品の引渡時点にて顧客が当該製品に対する支配を獲得することにより、履行義務が充足されると判断し、通常は引渡時点で収益を認識していますが、国内の販売においては、出荷時点から当該製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時に収益を認識しています。
2023/06/21 14:10- #10 報告セグメントの変更に関する事項(連結)
なお、当連結会計年度より、帝人ナカシマメディカル(株)及び帝人メディカルテクノロジー(株)を中心に展開している埋込型医療機器事業については、全社的・長期的視点で育成・強化を図る新規事業と位置づけ、「ヘルスケア」セグメントから「その他」セグメントへ変更しています。前連結会計年度のセグメント情報は、変更後のセグメントの区分に基づき作成したものを開示しています。
2023/06/21 14:10- #11 従業員の状況(連結)
(1) 連結会社の状況
| 2023年3月31日現在 |
マテリアル | 11,048 | (759) |
ヘルスケア | 3,155 | (599) |
繊維・製品 | 5,576 | (346) |
(注)1 従業員数は就業人員です。
2 従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員を外数で記載しているものです。
2023/06/21 14:10- #12 株式の保有状況(連結)
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
| 銘柄数(銘柄) | 株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円) | 株式数の増加の理由 |
非上場株式 | 1 | 1 | 新規資本参加することで、ヘルスケア事業領域における在宅医療分野での業務提携の推進を図り、当社の中長期的な企業価値向上に貢献すると判断したため。 |
非上場株式以外の株式 | 1 | 1,012 | 投資先からの現物配当により新たに取得したため。 |
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
2023/06/21 14:10- #13 略歴、役員の状況(取締役(及び監査役))(連結)
1990年 3月 | 当社入社 |
2017年 4月 | 同 帝人グループ執行役員ヘルスケア事業統轄補佐 |
2019年 4月 | 同 同 ヘルスケア新事業部門長 |
2021年 4月 | 同 帝人グループ常務執行役員ヘルスケア事業統轄兼 ヘルスケア新事業部門長 |
2021年 6月 | 同 取締役常務執行役員 |
2023/06/21 14:10- #14 知的財産活動(連結)
[図中の各点は特許を表し、各点間の距離は技術の類似性により決まる。テキストマイニング技術によって技術的に近い特許は集合を形成する。]
2014年からの対比において、2022年のマテリアルStrategic Focus領域では、軽量化技術として環境分野に寄与し得る自動車向け複合成形材料や航空機向け炭素繊維を中心に特許ポートフォリオが充実化(緑囲み)。
ヘルスケアのStrategic Focus領域では、人工関節分野や吸収性インプラント関連の特許が充実化するとともに、再生医療分野への参入により当該分野の特許が加わっている(赤囲み)。一方、フィルム事業の2019年度の事業譲渡によりフィルム関連特許は大きく減少している。
図2 特許価値(Patent Asset Index™)のSF/PG割合
2023/06/21 14:10- #15 研究開発活動
研究開発体制については、国内12カ所、海外13カ所の拠点からなるグローバルなネットワークを有しており、グループ各社の連携を強化して組織を活性化するとともに、本年4月からは、将来投資の領域となる新規事業関連、事業間の協創によるイノベーションの創出を全社横断的に実施するために、各事業統轄下で育成してきた新事業及びコーポレートビジネスインキュベーション部門をコーポレート新事業本部として統合し、多様な人財が能力を発揮してイノベーション創出を加速する仕組みを取り入れています。
なお、当連結会計年度の研究開発費は319億円(前期比14億円減)でした。
報告セグメントごとの研究開発活動の概要は次のとおりです。
2023/06/21 14:10- #16 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)
事業別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりです。
| 経営環境 | 対処すべき課題 |
アラミド | ・生産能力増強を実施も、天然ガス価格高騰によるコストアップ、労働力確保難や生産不調、停電や火災の発生による生産量未達により、収益性が大幅悪化 | ・生産性改善、天然ガス価格高騰対策、増産/増販の重要施策に資源配分し、2023年度で将来の収益性回復に目途を付ける(営業利益改善目標+70億円)・サステナビリティでの差別化、販売数量増によりトップシェアの地位を強化 |
ヘルスケア | ・医薬品は、将来の収益に資する製品パイプラインが不足・在宅医療は、HOT・CPAPの国内トップシェアを維持する一方、新規製品・サービスの創出は未達 | ・国内トップシェアの在宅医療機器事業で培ってきた事業基盤を希少疾患・難病領域等の医薬品に活用・必要な機能別リソースをゼロベースで見直し、2023年度に抜本的な固定費削減の実行に目途を付ける(2025年度固定費削減目標 50億円) |
樹脂 | ・主に中国市場における需要減退により販売量減 | ・高付加価値シフト、環境戦略推進により収益力向上を進める |
経営体制としては、外部環境変化にレジリエントに対応する為に、2023年度より以下の対応を行い、経営判断・実行を迅速化します。
2023/06/21 14:10- #17 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
その結果、収益性を示すROEは中期経営計画最終年度(2022年度)目標(10%以上)を下回る△4.1%、営業利益ROICについても目標(8%以上)を下回る1.6%となり、キャッシュ創出力を示すEBITDAについても目標(1,500億円)を下回る878億円となりました。
なお、当連結会計年度より、帝人ナカシマメディカル(株)及び帝人メディカルテクノロジー(株)を中心に展開している埋込型医療機器事業については、全社的・長期的視点で育成・強化を図る新規事業と位置づけ、「ヘルスケア」セグメントから「その他」セグメントへ変更しています。前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で実施しています。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりです。
2023/06/21 14:10