有価証券報告書-第108期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)
業績等の概要
(1) 業績
※1 (参考)前年同一期間は、当連結会計年度(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで)に対応する前年の同一期間(平成24年1月1日から平成24年12月31日まで)であります。
調整後増減率については、「前年同一期間」との比較で記載しております。
(前年同一期間において、3月決算であった当社及び連結対象会社は平成24年1月1日から平成24年12月31日までを、12月決算であった連結対象会社は同期間をそれぞれ連結対象期間としております。)
※2 24年12月期より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。24年12月期は、3月決算であった当社及び連結対象会社は平成24年4月1日から平成24年12月31日までを、12月決算であった連結対象会社は平成24年1月1日から平成24年12月31日までをそれぞれ連結対象期間としておりました。
以下「前年同一期間」との比較で記載しております。
当連結会計年度(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで)の世界の景気は、全体として弱い回復が続いています。新興国の景気拡大のテンポが緩やかになる中で、米国では回復傾向を示し、欧州では弱さが残るものの持ち直しの兆しがみられます。日本の景気は、経済政策への期待感から個人消費は持ち直し傾向にあり、緩やかに回復しています。当社グループの主要市場である日本のトイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)市場は、前年同一期間に対し金額では2%伸長し、消費者購入価格は、下げ止まり感が出てきました。日本の化粧品市場は、前年同一期間を下回りました。
このような状況の下、当社グループは、研究開発を重視し消費者や顧客の立場にたった“よきモノづくり”に基づき、消費者ニーズの変化に対応した高付加価値商品の発売や育成などに努めるとともに、コストダウン活動などに取り組みました。
なお、当社グループの株式会社カネボウ化粧品並びに株式会社リサージ、株式会社エキップは、各社が製造販売するロドデノール配合美白製品を使用された方に肌がまだらに白くなったケースが確認され、その症状と当該製品との関連性が懸念されたため、平成25年7月4日に自主回収を公表しました。当該製品の回収を徹底的に進めるとともに、発症状況の把握、発症された方々の回復支援を図っております。また、当社グループを挙げて再発防止に努めております。自主回収関連につきましては、販売先からの返品額を売上高から控除したことなどにより、売上総利益が24億円減少したほか、その他の費用として一部見込み額を含む支出額を特別損失に97億円計上し、合わせて121億円となりました。
売上高は、前年同一期間に対して7.8%増の1兆3,152億円(為替変動の影響を除く実質2.1%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、日本において、市場の伸長、新製品の発売や販売促進活動のさらなる強化もあり、自主回収の影響を除き各事業の売り上げが順調に推移しました。アジアでは、サニタリー製品などのヒューマンヘルスケア事業や衣料用洗剤などのファブリック&ホームケア事業の売り上げが好調でした。ケミカル事業では、対象業界の需要減及び天然油脂原料価格の低下に伴う販売価格変動などの影響を受け、為替の影響を除く実質の売り上げは、前年同一期間を下回りました。
利益面では、自主回収関連費用を計上したものの、日本並びにアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収効果に加え、コストダウン活動や減価償却費の減少などにより、営業利益は1,247億円(対前年同一期間129億円増)となり、経常利益は1,281億円(対前年同一期間139億円増)となりました。当期純利益は、特別損失等の計上により648億円(対前年同一期間117億円増)となりました。
なお、買収に係るのれんなどの減価償却費控除前営業利益(EBITA)は1,548億円(対前年同一期間110億円増 売上高比率11.8%)でした。
1株当たり当期純利益は126.03円となり、前期同一期間の101.77円より24.26円(調整後増減率23.8%)増加しました。
当社が経営指標としているEVA(経済付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)の増加や、自己株式の取得による株主還元の実施など投下資本の圧縮に努めたこともあり、前年同一期間を上回りました。
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
注:( )内は前年同一期間の換算レート
セグメントの業績
※売上高調整後増減率の「補正後」の数値は、為替変動の影響を除く実質増減率
販売実績
(注)(参考)前年同一期間は、当連結会計年度(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで)に対応する前年の同一期間(平成24年1月1日から平成24年12月31日まで)であります。
調整後増減率については、「前年同一期間」との比較で記載しております。
(前年同一期間において、3月決算であった当社及び連結対象会社は平成24年1月1日から平成24年12月31日までを、12月決算であった連結対象会社は同期間をそれぞれ連結対象期間としております。)
参考:所在地別の業績
所在地別の業績は、以下のとおりです。
※売上高調整後増減率の「補正後」の数値は、為替変動の影響を除く実質増減率
なお、連結売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前年同一期間の26.8%から30.9%となりました。
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前年同一期間に対して7.1%増の1兆919億円(為替変動の影響を除く実質2.9%増)となりました。
日本の売上高は、2.8%増の8,664億円となりました。消費者の生活スタイルの変化や、環境、健康、高齢化などの社会的課題に対応した新製品・改良品の発売、提案型販売活動の強化などに取り組み、比較的安定した市場環境の中、売り上げが伸長しました。一方、カネボウ化粧品の売上高は、ロドデノール配合美白製品自主回収に伴う販売先からの返品受入れ、マーケティング活動自粛の影響を受けました。
アジアの売上高は、33.3%増の1,164億円(為替変動の影響を除く実質11.0%増)となりました。日本を含むアジア一体運営の成果により着実な伸長が続いており、販売店との協働取組や卸チャネルの活用、衣料用洗剤の拡売、中国で中間所得層向けにベビー用紙おむつや衣料用洗剤を発売するなど、積極的な展開を行いました。
米州の売上高は、21.7%増の689億円(為替変動の影響を除く実質0.5%増)となりました。改良したスキンケア製品の売り上げが伸長しました。
欧州の売上高は、26.0%増の721億円(為替変動の影響を除く実質1.0%増)となりました。美容サロン向け製品の売り上げが順調に推移しました。
営業利益は、日本並びにアジアが好調に推移したことによる増収効果に加え、減価償却費の減少、費用の効率化などにより、1,030億円(対前年同一期間96億円増)となりました。
当社は、[ビューティケア事業]、[ヒューマンヘルスケア事業]、[ファブリック&ホームケア事業]を総称して、コンシューマープロダクツ事業としております。
[ビューティケア事業]
売上高は、前年同一期間に対して6.0%増の5,703億円(為替変動の影響を除く実質0.2%増)となりました。
化粧品の売り上げは、前年同一期間に対し1.1%減の2,571億円(為替変動の影響を除く実質3.4%減)となりました。
日本では、カネボウ化粧品のロドデノール配合美白製品自主回収に伴う販売先からの返品受入れ、マーケティング活動自粛の影響もあり、売り上げは前年同一期間を下回りました。市場が縮小する中、引き続き重点ブランドの強化を図り、カウンセリング化粧品では、「ソフィーナ プリマヴィスタ」、刷新した「グレイス ソフィーナ」、セルフ化粧品では、「ケイト」、「アリィー」が売り上げを伸ばしました。海外では、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、前年同一期間を上回りました。
スキンケア製品の売り上げは、前年同一期間を上回りました。日本では、「ビオレ」の洗顔料及びUVケア製品が伸長し、香りの新提案を行った全身洗浄料「ビオレu」、乾燥性敏感肌ケアの「キュレル」も好調に推移し、売り上げが伸長しました。アジアでは、「ビオレ」が好調に推移し、売り上げを伸ばしました。米州では、肌の色を健康的な小麦色にするハンド&ボディローションの「ジャーゲンズ ナチュラル グロー」の改良品が順調に推移しました。
ヘアケア製品の売り上げは、前年同一期間並みに推移しました。日本では、シャンプー・リンスは、新製品が順調に推移し回復基調となり、ヘアスタイリング剤は、新製品が好調に推移しましたが、ヘアカラーは、市場縮小の影響を受けました。アジアでは、厳しい競争環境の中、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、前年同一期間を下回りました。欧米では、美容サロン向けヘアケアブランド「ゴールドウェル」の売り上げが伸長しました。
営業利益は、自主回収の影響がありましたが、増収効果と減価償却費の減少もあり239億円(対前年同一期間38億円増)となりました。また、買収に係るのれん等の減価償却費控除前営業利益(EBITA)は、540億円(対前年同一期間20億円増 売上高比率9.5%)でした。
[ヒューマンヘルスケア事業]
売上高は、前年同一期間に対して11.1%増の2,106億円(為替変動の影響を除く実質7.8%増)となりました。
フード&ビバレッジ製品では、脂肪を消費しやすくする健康機能飲料「ヘルシア」シリーズから、平成25年4月に「ヘルシアコーヒー」を発売し好調に推移したこともあり、売り上げは前年同一期間を上回りました。
サニタリー製品の売り上げは、前年同一期間を上回りました。生理用品「ロリエ」は、日本では、ムレ・こすれから肌をいたわる「ロリエ エフ」などの高付加価値品の売り上げが、改良品発売の効果もあり伸長し、アジアでは、主にインドネシア、タイで売り上げを伸ばしました。
ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、日本では、売り上げが好調に推移し、中国及びロシアでも売り上げが伸長しました。また、中国では、期初より中間所得層向けの現地生産品の販売を開始し、拡売に努めました。
パーソナルヘルス製品の売り上げは、前年同一期間を上回りました。オーラルケアの売り上げは、高付加価値の新製品の発売もあり前年同一期間を上回りました。入浴剤は好調に推移し、蒸気の温熱シート「めぐりズム」の売り上げも大きく伸長しました。
営業利益は、増収効果と費用の効率化により、169億円(対前年同一期間32億円増)となりました。
[ファブリック&ホームケア事業]
売上高は、前年同一期間に対して6.5%増の3,110億円(為替変動の影響を除く実質4.5%増)となりました。
ファブリックケア製品では、売り上げは、前年同一期間を上回りました。日本では、衣料用濃縮液体洗剤「ウルトラアタックNeo」を始めとするNeoシリーズによる洗たく時間の短縮や節水・節電・省資源などの環境訴求に努めました。平成25年8月には、共働き世帯増加という社会の流れに対し、スピードコースでの洗たくを提案する洗浄時間たった5分で汚れもニオイもしっかり落とす「ウルトラアタックNeo」を発売し、消臭抗菌機能が高い「アタックNeo抗菌EXパワー」を含めて、ユーザーを拡大しました。また、粉末洗剤「アタック高活性バイオEX」にて、環境への負荷低減を図るつめかえパックを平成25年4月に発売し、粉末洗剤市場を活性化しました。柔軟仕上げ剤では「フレア フレグランス」、衣料用漂白剤では消臭機能が高い「ワイドハイター EXパワー」が好調に推移しました。アジアでは、インドネシア、タイで衣料用洗剤「アタック」が好調に推移し、台湾、香港で、抗菌機能を高めた衣料用液体洗剤を発売して市場を活性化し、売り上げが伸長しました。
ホームケア製品では、売り上げは、前年同一期間を上回りました。日本で台所用漂白剤「キッチンハイター」が好調に推移しました。住居用洗剤では、「バスマジックリン 泡立ちスプレー アロマ消臭プラス」や「トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー アロマ」などの新製品で、売り上げを伸ばしました。また、住居用ワイパーの「クイックルワイパー」では、起毛量をアップした立体吸着ドライシートを発売し、好調に推移しました。
営業利益は、増収効果とコストダウン活動などにより、622億円(対前年同一期間26億円増)となりました。
[ケミカル事業]
売上高は、日本では円安に伴う輸出関連業界、復興需要及び消費税増税前需要に伴う建設関連業界など一部の対象業界での需要が増加したものの、天然油脂原料価格低下に伴う販売価格の改定及び欧州の景気低迷の影響を受けました。これらの要因により、売り上げは、為替の円安の影響を含め前年同一期間に対して10.5%増の2,612億円となりましたが、為替変動の影響を除く実質では1.0%の減少になりました。
油脂製品では、油脂アルコールの設備増強を行い、販売数量を増加させましたが、対象業界の需要減と天然油脂原料価格の低下による販売価格変動の影響を受けました。機能材料製品では、環境負荷の低減に対応した高付加価値製品の開発と販売の拡大に努め、堅調に推移しました。スペシャルティケミカルズ製品では、景気の低迷とパソコン市場の構造変化の影響を受けました。
営業利益は、対象業界の需要減の影響を受けたものの、販売数量増加とコストダウン活動に努め、215億円(対前年同一期間34億円増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ672億円増加し、2,276億円となりました。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,787億円となりました。
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、578億円となりました。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは、1,210億円となりました。
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、675億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態の分析」に記載しております。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期 純利益 | 1株当たり 当期 純利益 | 潜在株式調整後 1株当たり 当期純利益 | |
(億円) | (億円) | (億円) | (億円) | (円) | (円) | |
25年12月期 | 13,152 | 1,247 | 1,281 | 648 | 126.03 | 125.89 |
(参考)前年同一期間 ※1 | 12,204 | 1,118 | 1,141 | 531 | 101.77 | 101.73 |
調整後増減率 ※1 | 7.8% | 11.5% | 12.2% | 21.9% | 23.8% | 23.7% |
24年12月期 ※2 | 10,126 | 1,016 | 1,042 | 528 | 101.12 | 101.08 |
※1 (参考)前年同一期間は、当連結会計年度(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで)に対応する前年の同一期間(平成24年1月1日から平成24年12月31日まで)であります。
調整後増減率については、「前年同一期間」との比較で記載しております。
(前年同一期間において、3月決算であった当社及び連結対象会社は平成24年1月1日から平成24年12月31日までを、12月決算であった連結対象会社は同期間をそれぞれ連結対象期間としております。)
※2 24年12月期より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。24年12月期は、3月決算であった当社及び連結対象会社は平成24年4月1日から平成24年12月31日までを、12月決算であった連結対象会社は平成24年1月1日から平成24年12月31日までをそれぞれ連結対象期間としておりました。
以下「前年同一期間」との比較で記載しております。
当連結会計年度(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで)の世界の景気は、全体として弱い回復が続いています。新興国の景気拡大のテンポが緩やかになる中で、米国では回復傾向を示し、欧州では弱さが残るものの持ち直しの兆しがみられます。日本の景気は、経済政策への期待感から個人消費は持ち直し傾向にあり、緩やかに回復しています。当社グループの主要市場である日本のトイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)市場は、前年同一期間に対し金額では2%伸長し、消費者購入価格は、下げ止まり感が出てきました。日本の化粧品市場は、前年同一期間を下回りました。
このような状況の下、当社グループは、研究開発を重視し消費者や顧客の立場にたった“よきモノづくり”に基づき、消費者ニーズの変化に対応した高付加価値商品の発売や育成などに努めるとともに、コストダウン活動などに取り組みました。
なお、当社グループの株式会社カネボウ化粧品並びに株式会社リサージ、株式会社エキップは、各社が製造販売するロドデノール配合美白製品を使用された方に肌がまだらに白くなったケースが確認され、その症状と当該製品との関連性が懸念されたため、平成25年7月4日に自主回収を公表しました。当該製品の回収を徹底的に進めるとともに、発症状況の把握、発症された方々の回復支援を図っております。また、当社グループを挙げて再発防止に努めております。自主回収関連につきましては、販売先からの返品額を売上高から控除したことなどにより、売上総利益が24億円減少したほか、その他の費用として一部見込み額を含む支出額を特別損失に97億円計上し、合わせて121億円となりました。
売上高は、前年同一期間に対して7.8%増の1兆3,152億円(為替変動の影響を除く実質2.1%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、日本において、市場の伸長、新製品の発売や販売促進活動のさらなる強化もあり、自主回収の影響を除き各事業の売り上げが順調に推移しました。アジアでは、サニタリー製品などのヒューマンヘルスケア事業や衣料用洗剤などのファブリック&ホームケア事業の売り上げが好調でした。ケミカル事業では、対象業界の需要減及び天然油脂原料価格の低下に伴う販売価格変動などの影響を受け、為替の影響を除く実質の売り上げは、前年同一期間を下回りました。
利益面では、自主回収関連費用を計上したものの、日本並びにアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収効果に加え、コストダウン活動や減価償却費の減少などにより、営業利益は1,247億円(対前年同一期間129億円増)となり、経常利益は1,281億円(対前年同一期間139億円増)となりました。当期純利益は、特別損失等の計上により648億円(対前年同一期間117億円増)となりました。
なお、買収に係るのれんなどの減価償却費控除前営業利益(EBITA)は1,548億円(対前年同一期間110億円増 売上高比率11.8%)でした。
1株当たり当期純利益は126.03円となり、前期同一期間の101.77円より24.26円(調整後増減率23.8%)増加しました。
当社が経営指標としているEVA(経済付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)の増加や、自己株式の取得による株主還元の実施など投下資本の圧縮に努めたこともあり、前年同一期間を上回りました。
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
第1四半期 (1-3月) | 第2四半期 (4-6月) | 第3四半期 (7-9月) | 第4四半期 (10-12月) | |
米ドル | 92.57円 (79.75円) | 99.23円 (79.81円) | 98.06円(78.12円) | 102.11円 (82.79円) |
ユーロ | 122.02円(106.31円) | 129.56円(101.20円) | 130.72円(98.15円) | 139.93円(108.18円) |
注:( )内は前年同一期間の換算レート
セグメントの業績
売上高 | セグメント利益(営業利益) | |||||||
通期 | 調整後増減率 | 通期 | 調整後 増減 | |||||
(参考) 前年 同一期間 | 25年 12月期 | 補正後※ | (参考) 前年 同一期間 | 25年 12月期 | ||||
(億円) | (億円) | (%) | (%) | (億円) | (億円) | (億円) | ||
ビューティケア事業 | 5,378 | 5,703 | 6.0 | 0.2 | 201 | 239 | 38 | |
ヒューマンヘルスケア事業 | 1,896 | 2,106 | 11.1 | 7.8 | 136 | 169 | 32 | |
ファブリック&ホームケア事業 | 2,920 | 3,110 | 6.5 | 4.5 | 596 | 622 | 26 | |
コンシューマープロダクツ事業計 | 10,194 | 10,919 | 7.1 | 2.9 | 934 | 1,030 | 96 | |
ケミカル事業 | 2,365 | 2,612 | 10.5 | △1.0 | 181 | 215 | 34 | |
小 計 | 12,559 | 13,531 | 7.7 | 2.1 | 1,115 | 1,245 | 130 | |
調整(消去) | △355 | △379 | - | - | 3 | 2 | △2 | |
合 計 | 12,204 | 13,152 | 7.8 | 2.1 | 1,118 | 1,247 | 129 |
※売上高調整後増減率の「補正後」の数値は、為替変動の影響を除く実質増減率
販売実績
(参考)前年同一期間 (自 平成24年1月1日 至 平成24年12月31日) (億円) (注) | 当連結会計年度 (自 平成25年1月1日 至 平成25年12月31日) (億円) | 調整後 増減率 (%) (注) | |||
ビューティケア事業 | 4,083 | 4,086 | 0.1 | ||
ヒューマンヘルスケア事業 | 1,703 | 1,819 | 6.8 | ||
ファブリック&ホームケア事業 | 2,644 | 2,759 | 4.3 | ||
日本計 | 8,430 | 8,664 | 2.8 | ||
アジア | 873 | 1,164 | 33.3 | ||
米 州 | 566 | 689 | 21.7 | ||
欧 州 | 573 | 721 | 26.0 | ||
内部売上消去等 | △248 | △320 | - | ||
コンシューマープロダクツ事業 計 | 10,194 | 10,919 | 7.1 | ||
日 本 | 1,218 | 1,256 | 3.1 | ||
アジア | 756 | 868 | 14.8 | ||
米 州 | 336 | 399 | 18.9 | ||
欧 州 | 535 | 623 | 16.4 | ||
内部売上消去等 | △479 | △533 | - | ||
ケミカル事業 計 | 2,365 | 2,612 | 10.5 | ||
小 計 | 12,559 | 13,531 | 7.7 | ||
調整(消去) | △355 | △379 | - | ||
合 計 | 12,204 | 13,152 | 7.8 |
(注)(参考)前年同一期間は、当連結会計年度(平成25年1月1日から平成25年12月31日まで)に対応する前年の同一期間(平成24年1月1日から平成24年12月31日まで)であります。
調整後増減率については、「前年同一期間」との比較で記載しております。
(前年同一期間において、3月決算であった当社及び連結対象会社は平成24年1月1日から平成24年12月31日までを、12月決算であった連結対象会社は同期間をそれぞれ連結対象期間としております。)
参考:所在地別の業績
所在地別の業績は、以下のとおりです。
売上高 | 営業利益 | ||||||
通期 | 調整後増減率 | 通期 | 調整後 増減 | ||||
(参考) 前年 同一期間 | 25年 12月期 | 補正後※ | (参考) 前年 同一期間 | 25年 12月期 | |||
(億円) | (億円) | (%) | (%) | (億円) | (億円) | (億円) | |
日 本 | 9,338 | 9,594 | 2.7 | 2.7 | 965 | 1,013 | 49 |
ア ジ ア | 1,600 | 1,997 | 24.8 | 3.5 | 64 | 128 | 64 |
米 州 | 900 | 1,086 | 20.7 | △1.0 | 28 | 52 | 24 |
欧 州 | 1,105 | 1,342 | 21.4 | △3.2 | 61 | 73 | 12 |
小 計 | 12,943 | 14,018 | 8.3 | 2.1 | 1,118 | 1,267 | 148 |
調整(消去) | △739 | △866 | - | - | △0 | △20 | △20 |
合 計 | 12,204 | 13,152 | 7.8 | 2.1 | 1,118 | 1,247 | 129 |
※売上高調整後増減率の「補正後」の数値は、為替変動の影響を除く実質増減率
なお、連結売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前年同一期間の26.8%から30.9%となりました。
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前年同一期間に対して7.1%増の1兆919億円(為替変動の影響を除く実質2.9%増)となりました。
日本の売上高は、2.8%増の8,664億円となりました。消費者の生活スタイルの変化や、環境、健康、高齢化などの社会的課題に対応した新製品・改良品の発売、提案型販売活動の強化などに取り組み、比較的安定した市場環境の中、売り上げが伸長しました。一方、カネボウ化粧品の売上高は、ロドデノール配合美白製品自主回収に伴う販売先からの返品受入れ、マーケティング活動自粛の影響を受けました。
アジアの売上高は、33.3%増の1,164億円(為替変動の影響を除く実質11.0%増)となりました。日本を含むアジア一体運営の成果により着実な伸長が続いており、販売店との協働取組や卸チャネルの活用、衣料用洗剤の拡売、中国で中間所得層向けにベビー用紙おむつや衣料用洗剤を発売するなど、積極的な展開を行いました。
米州の売上高は、21.7%増の689億円(為替変動の影響を除く実質0.5%増)となりました。改良したスキンケア製品の売り上げが伸長しました。
欧州の売上高は、26.0%増の721億円(為替変動の影響を除く実質1.0%増)となりました。美容サロン向け製品の売り上げが順調に推移しました。
営業利益は、日本並びにアジアが好調に推移したことによる増収効果に加え、減価償却費の減少、費用の効率化などにより、1,030億円(対前年同一期間96億円増)となりました。
当社は、[ビューティケア事業]、[ヒューマンヘルスケア事業]、[ファブリック&ホームケア事業]を総称して、コンシューマープロダクツ事業としております。
[ビューティケア事業]
売上高は、前年同一期間に対して6.0%増の5,703億円(為替変動の影響を除く実質0.2%増)となりました。
化粧品の売り上げは、前年同一期間に対し1.1%減の2,571億円(為替変動の影響を除く実質3.4%減)となりました。
日本では、カネボウ化粧品のロドデノール配合美白製品自主回収に伴う販売先からの返品受入れ、マーケティング活動自粛の影響もあり、売り上げは前年同一期間を下回りました。市場が縮小する中、引き続き重点ブランドの強化を図り、カウンセリング化粧品では、「ソフィーナ プリマヴィスタ」、刷新した「グレイス ソフィーナ」、セルフ化粧品では、「ケイト」、「アリィー」が売り上げを伸ばしました。海外では、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、前年同一期間を上回りました。
スキンケア製品の売り上げは、前年同一期間を上回りました。日本では、「ビオレ」の洗顔料及びUVケア製品が伸長し、香りの新提案を行った全身洗浄料「ビオレu」、乾燥性敏感肌ケアの「キュレル」も好調に推移し、売り上げが伸長しました。アジアでは、「ビオレ」が好調に推移し、売り上げを伸ばしました。米州では、肌の色を健康的な小麦色にするハンド&ボディローションの「ジャーゲンズ ナチュラル グロー」の改良品が順調に推移しました。
ヘアケア製品の売り上げは、前年同一期間並みに推移しました。日本では、シャンプー・リンスは、新製品が順調に推移し回復基調となり、ヘアスタイリング剤は、新製品が好調に推移しましたが、ヘアカラーは、市場縮小の影響を受けました。アジアでは、厳しい競争環境の中、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、前年同一期間を下回りました。欧米では、美容サロン向けヘアケアブランド「ゴールドウェル」の売り上げが伸長しました。
営業利益は、自主回収の影響がありましたが、増収効果と減価償却費の減少もあり239億円(対前年同一期間38億円増)となりました。また、買収に係るのれん等の減価償却費控除前営業利益(EBITA)は、540億円(対前年同一期間20億円増 売上高比率9.5%)でした。
[ヒューマンヘルスケア事業]
売上高は、前年同一期間に対して11.1%増の2,106億円(為替変動の影響を除く実質7.8%増)となりました。
フード&ビバレッジ製品では、脂肪を消費しやすくする健康機能飲料「ヘルシア」シリーズから、平成25年4月に「ヘルシアコーヒー」を発売し好調に推移したこともあり、売り上げは前年同一期間を上回りました。
サニタリー製品の売り上げは、前年同一期間を上回りました。生理用品「ロリエ」は、日本では、ムレ・こすれから肌をいたわる「ロリエ エフ」などの高付加価値品の売り上げが、改良品発売の効果もあり伸長し、アジアでは、主にインドネシア、タイで売り上げを伸ばしました。
ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、日本では、売り上げが好調に推移し、中国及びロシアでも売り上げが伸長しました。また、中国では、期初より中間所得層向けの現地生産品の販売を開始し、拡売に努めました。
パーソナルヘルス製品の売り上げは、前年同一期間を上回りました。オーラルケアの売り上げは、高付加価値の新製品の発売もあり前年同一期間を上回りました。入浴剤は好調に推移し、蒸気の温熱シート「めぐりズム」の売り上げも大きく伸長しました。
営業利益は、増収効果と費用の効率化により、169億円(対前年同一期間32億円増)となりました。
[ファブリック&ホームケア事業]
売上高は、前年同一期間に対して6.5%増の3,110億円(為替変動の影響を除く実質4.5%増)となりました。
ファブリックケア製品では、売り上げは、前年同一期間を上回りました。日本では、衣料用濃縮液体洗剤「ウルトラアタックNeo」を始めとするNeoシリーズによる洗たく時間の短縮や節水・節電・省資源などの環境訴求に努めました。平成25年8月には、共働き世帯増加という社会の流れに対し、スピードコースでの洗たくを提案する洗浄時間たった5分で汚れもニオイもしっかり落とす「ウルトラアタックNeo」を発売し、消臭抗菌機能が高い「アタックNeo抗菌EXパワー」を含めて、ユーザーを拡大しました。また、粉末洗剤「アタック高活性バイオEX」にて、環境への負荷低減を図るつめかえパックを平成25年4月に発売し、粉末洗剤市場を活性化しました。柔軟仕上げ剤では「フレア フレグランス」、衣料用漂白剤では消臭機能が高い「ワイドハイター EXパワー」が好調に推移しました。アジアでは、インドネシア、タイで衣料用洗剤「アタック」が好調に推移し、台湾、香港で、抗菌機能を高めた衣料用液体洗剤を発売して市場を活性化し、売り上げが伸長しました。
ホームケア製品では、売り上げは、前年同一期間を上回りました。日本で台所用漂白剤「キッチンハイター」が好調に推移しました。住居用洗剤では、「バスマジックリン 泡立ちスプレー アロマ消臭プラス」や「トイレマジックリン 消臭・洗浄スプレー アロマ」などの新製品で、売り上げを伸ばしました。また、住居用ワイパーの「クイックルワイパー」では、起毛量をアップした立体吸着ドライシートを発売し、好調に推移しました。
営業利益は、増収効果とコストダウン活動などにより、622億円(対前年同一期間26億円増)となりました。
[ケミカル事業]
売上高は、日本では円安に伴う輸出関連業界、復興需要及び消費税増税前需要に伴う建設関連業界など一部の対象業界での需要が増加したものの、天然油脂原料価格低下に伴う販売価格の改定及び欧州の景気低迷の影響を受けました。これらの要因により、売り上げは、為替の円安の影響を含め前年同一期間に対して10.5%増の2,612億円となりましたが、為替変動の影響を除く実質では1.0%の減少になりました。
油脂製品では、油脂アルコールの設備増強を行い、販売数量を増加させましたが、対象業界の需要減と天然油脂原料価格の低下による販売価格変動の影響を受けました。機能材料製品では、環境負荷の低減に対応した高付加価値製品の開発と販売の拡大に努め、堅調に推移しました。スペシャルティケミカルズ製品では、景気の低迷とパソコン市場の構造変化の影響を受けました。
営業利益は、対象業界の需要減の影響を受けたものの、販売数量増加とコストダウン活動に努め、215億円(対前年同一期間34億円増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ672億円増加し、2,276億円となりました。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、1,787億円となりました。
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、578億円となりました。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは、1,210億円となりました。
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、675億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態の分析」に記載しております。