有価証券報告書-第118期(2023/01/01-2023/12/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
花王は、企業理念である花王ウェイに基づき、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に取り組みながら長期持続的に企業価値を向上し、「持続可能な社会に欠かせない会社になる」ために、コーポレート・ガバナンスを経営上の最も重要な課題のひとつと位置づけ、体制と運用の両面で絶えず強化しています。花王のコーポレート・ガバナンスとは、すべてのステークホルダーの立場を踏まえた上で、多様化・複雑化し予測が困難な変化に適時適切に対応しながら、社会への貢献と企業価値の持続的な向上を実現するために、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うためのしくみです。そのために必要な経営体制及び内部統制システムを整備・運用し、必要な施策を適時に実施すると共に、説明責任を果たしていくことを取り組みの基本としています。また、社会動向を常に把握し、ステークホルダーと積極的に対話を行うことで、コーポレート・ガバナンスのあり方を随時検証し、適宜必要な対策や改善を実施しています。
① 企業統治の体制
a.企業統治の体制の概要
当社では、監査役会設置会社というガバナンスの枠組みの中で、監督と執行の分離を進めていく体制として、執行役員制度を導入しております。2024年3月の定時株主総会終結後の経営体制は、社外取締役4名を含む取締役8名、社外監査役3名を含む監査役5名、執行役員31名(取締役を兼務する執行役員を含む)となりました。全社外取締役及び全社外監査役は、経営陣から独立した中立性を保った独立役員であります。取締役会の審議の透明性の向上等を目的とし、2014年3月の定時株主総会後から、独立社外取締役が取締役会の議長を担っております。取締役及び執行役員の任期は1年であります。
当事業年度において開催された取締役会は臨時取締役会を含めて15回であり、当事業年度末における社外取締役及び社外監査役の出席率はそれぞれ100%となっております。社外役員に対しては、取締役会における充実した議論に資するため、取締役会の議題の提案の背景、目的、その内容等につき、取締役会の開催前に資料を配布し、必要に応じて、取締役会の事務局等より充分な説明が行われています。
指名委員会等設置会社における指名委員会及び報酬委員会と同様の機能を果たす機関として、取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会を設置しております。
各委員会の活動状況等につきましては、⑤取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況に記載しています。
b.企業統治の体制を採用する理由
当社は、事業と経営を取り巻く環境の変化に対応し、絶えずガバナンス体制の向上を図ってまいりました。今後も、ガバナンス体制の向上を、経営上の重要な課題として継続検討していきますが、社内取締役4名と社外取締役4名で構成する取締役会及び社内監査役2名と社外監査役3名で構成する監査役会からなる監査役会設置会社としての現体制を基礎として、役員の選任や報酬に関する委員会の設置等、継続的なガバナンス体制の向上を図ることが適当と判断しております。
当社の業務執行・経営の監視の仕組み、内部統制システムとリスク管理体制の模式図は次のとおりであります。
(2024年3月22日現在)

取締役会、監査役会、任意設置の委員会の構成員及び議長は以下のとおりであります。
(2024年3月22日現在)
◎は議長、〇は出席メンバーを示しております。
c.その他の企業統治に関する事項
○ 内部統制システムの整備の状況
当社は、経営会議の一運営形態として、内部統制の基本方針や運用計画の審議・決定、関連委員会活動状況のモニタリング、内部統制活動の有効性の確認等を行う内部統制委員会(委員長:代表取締役社長執行役員)を設置しております。なお、内部統制委員会の下に以下の関連委員会を配備しております。
・情報開示委員会
・コンプライアンス委員会
・情報セキュリティ委員会
・リスク・危機管理委員会
・レスポンシブル・ケア推進委員会
・品質保証委員会
○ リスクと危険の管理体制の整備の状況
損失の危険に関しては、経営目標の達成や事業活動の遂行に対して、不確かさがもたらす影響をリスクと捉え、脅威をもたらす「リスク」ならびにリスクが顕在化した状態である「危機」を適切に管理する体制を整備しています。リスクと危機の管理は、これを担当する執行役員を委員長とするリスク・危機管理委員会が、「リスク及び危機管理に関する基本方針」に基づいて、管理体制と活動方針を定めています。そして、部門、子会社及び関連会社は、この活動方針に基づいて、リスクを把握・評価し、対応策を検討・実行することでリスクを管理しています。
当社グループでは、持続的な利益ある発展と、社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与える、重要な主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議の審議の下で選定しています。そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定めて、年1回、社内外のリスク分析と経営幹部へのヒアリングをもとに、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(各リスクテーマの責任者:執行役員)を決定しています。リスクオーナーは対策チームを立ち上げて検討を進め、リスク・危機管理委員会で進捗管理を行っています。
一方、危機発生時には、コーポレートリスクについてはそのリスクオーナーが、その他リスクについては主管する部門または子会社、関連会社が中心となって対策組織を立ち上げます。さらに、グループ全体への影響の重大さに応じて、代表取締役社長執行役員などを本部長とする対策本部を設置し、迅速かつ適切に対応することで、被害、損害の最小化を図ります。
リスクと危機の管理活動は、経営会議が定期的及び適時に確認し、取締役会が承認しています。
○ 内部統制システムの運用状況の概要
<コンプライアンスに関する取り組み>当社及び国内外のグループ会社を対象に、コンプライアンスを担当する常務執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会が主導して、「花王ウェイ」を実践するための企業行動規範である花王ビジネスコンダクトガイドライン(BCG)や関連規程の整備及びその教育啓発活動並びに通報・相談窓口の設置及びその適切な運用を推進しています。
コンプライアンスリスク低減に向けて、以下の取り組みを実施しております。
・コンプライアンス違反の発生時には、直ちに経営幹部及び監査役へ報告する第一報の徹底を行っています。通報・相談されたすべての案件について、毎月実施するコンプライアンス委員会事務局会議で、アドバイザーとして出席している外部弁護士による第三者の目から見た評価や提言をいただきながら対応状況を確認・検証するほか、特に注視すべき案件については重大なコンプライアンス違反のおそれのある案件として抽出し、当該案件の発生部門とともに原因究明とそれに基づく再発防止策を講じています。四半期毎のコンプライアンス委員会で、発生部門・主管部門による取り組み状況を確認し、当該部門以外でも類似案件が発生しないようリスク低減に努めております。
・通報・相談窓口を社内・社外(カウンセラー・弁護士)に設置しており、当期は639件の通報・相談(問い合わせ含む)がありました。全通報・相談案件のうち、調査要望のあった案件についてはすべて事実確認調査を行った上で、会社として職場風土を維持するための課題認識を踏まえて必要な対応を実施しています。また、ひとつひとつの課題を解決し、コンプライアンス違反の拡大や長期化を防止するために、社内外からの声が上がりやすくなる「風通しの良い風土」の醸成に努めています。
・コンプライアンス違反防止に向けた取り組みとして、コンプライアンス委員会委員長による声を上げることの重要性を伝えるメッセージポスターの掲示、さらに各組織の責任者によるコンプライアンスメッセージの発信等により、一人ひとりのコンプライアンス意識の維持・向上に努めました。また、BCG確認テスト・コンプライアンス意識調査をグローバルの花王グループ全社員(ただし、派遣社員、パート社員を除く)を対象に実施しました。さらに、グローバルの花王グループ各社のイントラネットを通じたコンプライアンスケーススタディとしてまとめた啓発情報の発信や、日本では4コマ漫画で事例を伝えるポスターを使った全社員への啓発活動を行っています。
・主要な外部評価機関の評価項目の分析を踏まえて課題を洗い出し、その改善策を今後の活動計画に加えました。2023年の実践例は、①日本では内部通報の声をあげやすくするため通報窓口の外部委託(受付時間の延長、土日祝日も受付)、②コンプライアンス違反の発生部門が自ら原因を深掘りし、再発防止策を検討し実行した内容を、一定期間経過後にその防止策が効いているかを検証するプロセスを実施、③発生事案の共有とそこからの学びを伝える、又は組織内で対話することでお互いの考え方の違いを気づく活動の実施、④会社が発信する情報から取り残される社員を無くす取り組みとしてコンプライアンスポスターの多言語化対応、⑤コンプライアンス活動について自己点検を継続実施し、課題の抽出と今後に向けたさらなる改善策の検討、などです。
<リスクと危機の管理に関する取り組み>経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」として、経営会議でリスクテーマとオーナー(テーマ対応の責任者:執行役員)を決め、「大地震・自然災害・BCP」、「重大品質問題」、「地政学リスク」、「サイバー攻撃・個人情報保護」、「レピュテーションリスク」などのリスクテーマに対して、対応の強化を進めました。また、リスク調査を通じて中期経営計画「K27」の達成を阻害する重要リスクの洗い出し、対応状況と課題の確認をグローバルで実施し、重要リスクやボトルネックとなる課題を明らかにし対応しました。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行への対応は、2020年から緊急事態対策本部(本部長:社長執行役員)を設置し対応していましたが、ウイルス特性の変化や感染状況等を踏まえて2023年2月に緊急事態対策本部を解散し、エンデミック対応に移行しました。
<子会社管理に関する取り組み>担当執行役員は職務分掌に従って子会社に対して内部統制体制の整備・運用について指導を行いました。
海外子会社は各社の役員会にて、重大なリスクとその対応策を協議して実行しています。当社からの指示に応じて各社が特定したリスクについては、その対応策とともに当社の主管部門へ報告が行われました。
事業別及び事業を支援する機能別に設置されている定例会議において、付議基準に基づき、必要に応じて付議・報告が行われました。また、規程等に基づき付議・報告がなされていることについて、内部統制を主管する各部門がチェックリストの提出を受けることや内部監査を担当する経営監査室の往査により確認しました。
子会社の重要事項については、子会社が当社に対し事前承認を求める、又は報告すべき事項を定めた子会社管理規程である「ポリシーマニュアル」に従い、必要に応じて子会社から当社に対し、付議・報告が行われました。経営監査室による監査において指摘を受けた子会社は、ポリシーマニュアルに基づき、当該子会社の役員会において、すべての指摘事項を協議の上実行し、対応策及びその結果についても当社の主管部門に報告が行われました。
d.責任限定契約の内容の概要
当社は、各取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び各監査役との間で、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、会社法第423条第1項の責任を、1,000万円または法令が定める額のいずれか高い額を限度として負担するものとする契約を締結しております。
e.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び花王グループの取締役、監査役及び執行役員等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約では、被保険者が当社及び花王グループの役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が損害賠償金及び訴訟費用を負担することで被る損害が填補されます。ただし、被保険者が法令違反を認識しながら行った行為等に起因する損害等は対象外とすることにより、職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。なお、保険料は、当社及び花王グループが負担しております。
② 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって決める旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めております。
③ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとした事項及びその理由
a.自己の株式の取得
当社は、経営環境等の変化に速やかに対応するため、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
b.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できるように、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の会社法第423条第1項の責任について、職務を行うにつき善意にしてかつ重大な過失がないときは、取締役会の決議により法令の限度においてその責任を免除することができる旨を定款に定めております。
c.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、取締役会の決議により毎年6月30日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
④ 株主総会の特別決議要件
当社は、特別決議を要する議案につき、議決権を行使する株主の意思が当該議案の決議に反映されることをより確実にするため、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めております。
⑤ 取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況
a.取締役会の活動状況
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
(注)2023年1月から同年12月までに開催された取締役会は15回であり、代表取締役根来 昌一、取締役西口 徹、同西井 孝明、監査役和田 康の4氏の就任以降開催された取締役会は11回となっております。
当事業年度は、取締役会において、2022年度に確認した取締役会のあり方を念頭に以下の点について、重点的に審議を行いました。
⦅取締役会のあり方⦆
花王の取締役会は、執行への大幅な権限委譲を行うとともに、モニタリング機能をさらに強化することで、経営陣による適切なリスクテイクと迅速かつ果断な意思決定を促していきます。特に、人的資本を含む経営資源の配分や戦略の実行が経営陣により適切に行われていることを実効的に監督していきます。また、リスク・危機管理体制を始めとした内部統制体制の整備が取締役会の責務であることを認識し、これらの体制を適切に構築・運用していきます。
■中期経営計画の進捗と課題のモニタリング
事業状況を示す指標及び花王グループ中期経営計画「K25」の進捗状況を毎月の取締役会でモニタリングするとともにK25中間総括を行い、構造改革と成長戦略について議論しました。K25の中間総括の結果、花王グループ中期経営計画「K27」を再策定し、構造改革の議論と実践が進捗しております。K27達成に向けて引き続きモニタリングすべき経営指標を進化させ、当該経営指標に対する実績を定期的に確認してまいります。
■人財戦略
人財戦略における課題認識、そこで発見された課題への対応の方向性を確認し、当社の成長戦略を実現するための人財戦略について議論を行いました。成長戦略を担うための人財の要件や育成・獲得についてさらに議論を深めていくことが必要であるとの指摘がなされました。議論の時間が確保され、成長戦略が実行されていくことを引き続き確認していきます。また、社員の挑戦を促す新しい人財活性化制度OKR(Objectives and Key Results)導入後の進捗と成果についても継続的に審議しています。グループ各所における多様な挑戦が増加、拡大するとともに、対話を通じたさらなる連携が促進されることを確認していきます。
■サステナビリティ(気候変動リスク・人権等)
グローバルのESGの潮流、「脱炭素」や「生物多様性」戦略の事業計画への組み込み等、花王グループの取り組みについて報告を受け、推進状況を確認しました。今後も、サステナビリティの課題について、引き続き確認していきます。
■内部統制体制の整備と運用状況
内部統制体制が整備され、大きな問題はなく運用されていることが確認されました。
上記のほか、毎月、執行役員を兼務する取締役から執行報告及び担当執行役員から経営会議審議事項の報告を行っています。
また、毎年1回、取締役会において取締役会の実効性評価を実施し、実効性を高めるための改善につなげています。取締役会の役割・責務は取締役会全体で共有する必要があるという考えの下、取締役会に参加している監査役を含めたメンバー全員が自ら意見を述べ、自由闊達な議論を行うことによって評価を実施することが有効であると考えております。一方で取締役会の実効性をさらに高める活動に繋げるため、第三者の客観的な視点での評価の有用性も考慮します。
当事業年度の評価では、2024年1月度取締役会における自己評価に先立ち、取締役全10名及び監査役全5名に対しアンケートを実施し、結果を事前にフィードバックした上で取締役会において、さらなる向上の余地がある点を中心に、議論・意見交換を行いました。また、合わせて取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会の評価も実施しました。なお、アンケート項目の策定及び分析にあたって、客観的な視点を盛り込むべく、第三者によるアドバイスを受けました。
なお、全体として、取締役会の監督機能は適切に発揮されており、実効性は確保されていると評価されました。一方で、さらなる実効性向上に向けた課題の抽出と今後の取り組みについての意見がなされました。
実効性評価の結果は、当社コーポレート・ガバナンスに関する報告書に掲載しております。
www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/policies/pdf/governance_001.pdf
b.取締役・監査役選任審査委員会の活動状況
取締役・監査役選任審査委員会は、独立した客観的な視点を取り入れるため、全社外取締役と社外監査役1名で構成し、議長は互選により選出しておりますが、当事業年度も独立社外取締役が務めました。同委員会は、取締役(代表取締役、会長及び社長執行役員を含む)及び監査役の新任及び再任の際に、その適正さにつき、事前に審査を行い、取締役会に意見をするものです。なお、社長執行役員については、経営トップとしての評価も行います。さらに、取締役会及び監査役会の規模、構成や多様性、社長執行役員、取締役及び監査役に必要な資質や能力、後継者計画についての議論を行い、その審査結果についても取締役会に報告を行います。取締役及び監査役並びに社長執行役員を解任すべき事情が生じた場合には適時に審議を行います。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
なお、社長は、議長の指名により委員会に出席し、審査のために必要かつ充分な検討資料(審査対象者に関する資料のほか、取締役や執行役員の担当区分を含む新経営体制の概要を含む)を各委員に提出し、また、候補者と各委員が接する機会を設ける等の配慮を行うことで審査の充実を図っています。
〇主な審議内容
当事業年度は、取締役会の構成、取締役・監査役体制や社長後継者計画について十分議論のうえ、取締役会へ答申を行いました。取締役会の構成及び取締役・監査役体制については、必要とされるスキル、多様性、任期等について議論がなされました。また、社長後継者計画については、人財要件に基づき選定された候補者の育成計画や今後の絞り込み方、候補者と取締役会との接点について議論がなされました。
c.取締役・執行役員報酬諮問委員会の活動状況
取締役及び執行役員の報酬制度や報酬水準については、取締役の個人別の報酬内容を含め、決定プロセスの客観性・透明性を確保する観点から、取締役・執行役員報酬諮問委員会において審査し、取締役会の決議により決定しております。取締役・執行役員報酬諮問委員会は、全社外取締役及び代表取締役 社長執行役員より構成される体制としております。議長は互選により選出しておりますが、当事業年度も独立社外取締役が務めました。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
※1 2023年度開催の取締役・執行役員報酬諮問委員会は8回であり取締役西井 孝明氏が就任以降開催された委員会は7回となっております。
※2 2023年7月5日に委員会における専門的かつ集中的な審議の促進を目的として取締役・執行役員報酬諮問委員会の構成メンバーを見直しました。構成メンバーの見直しまでに開催された委員会の回数は3回で、取締役澤田 道隆氏並びに社外監査役天野 秀樹、岡 伸浩及び仲澤 孝宏の各氏は3回出席しております。また、代表取締役根来 昌一氏が就任以降開催され、かつ2023年7月5日に 取締役・執行役員報酬諮問委員会の構成メンバーを見直すまでに開催された委員会は2回となっており、同氏は2回出席しております。
〇主な審議事項
当事業年度につきましては、役員報酬のあり方全般、報酬水準について議論をするとともに、「K27」の経営目標達成・企業価値向上に向けたよりメリハリある報酬体系への改定方針について意見交換を実施しました。2024年度の役員報酬額や株式報酬等について審議し、取締役会への答申内容を決定しました。
d.監査役報酬諮問委員会の活動状況
監査役の報酬水準については監査役の協議にて決定しております。また、監査役報酬諮問委員会を設置し、監査役の報酬等の額の妥当性及びその決定プロセスの透明性を客観的な視点から審査を実施しております。同委員会は、全社外監査役、社長執行役員及び社外取締役1名から構成されています。議長は互選により社外監査役から選出しております。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
〇主な審議事項
当事業年度の監査役報酬額について、監査役会での協議に先立ち審議いたしました。
花王は、企業理念である花王ウェイに基づき、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に取り組みながら長期持続的に企業価値を向上し、「持続可能な社会に欠かせない会社になる」ために、コーポレート・ガバナンスを経営上の最も重要な課題のひとつと位置づけ、体制と運用の両面で絶えず強化しています。花王のコーポレート・ガバナンスとは、すべてのステークホルダーの立場を踏まえた上で、多様化・複雑化し予測が困難な変化に適時適切に対応しながら、社会への貢献と企業価値の持続的な向上を実現するために、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うためのしくみです。そのために必要な経営体制及び内部統制システムを整備・運用し、必要な施策を適時に実施すると共に、説明責任を果たしていくことを取り組みの基本としています。また、社会動向を常に把握し、ステークホルダーと積極的に対話を行うことで、コーポレート・ガバナンスのあり方を随時検証し、適宜必要な対策や改善を実施しています。
① 企業統治の体制
a.企業統治の体制の概要
当社では、監査役会設置会社というガバナンスの枠組みの中で、監督と執行の分離を進めていく体制として、執行役員制度を導入しております。2024年3月の定時株主総会終結後の経営体制は、社外取締役4名を含む取締役8名、社外監査役3名を含む監査役5名、執行役員31名(取締役を兼務する執行役員を含む)となりました。全社外取締役及び全社外監査役は、経営陣から独立した中立性を保った独立役員であります。取締役会の審議の透明性の向上等を目的とし、2014年3月の定時株主総会後から、独立社外取締役が取締役会の議長を担っております。取締役及び執行役員の任期は1年であります。
当事業年度において開催された取締役会は臨時取締役会を含めて15回であり、当事業年度末における社外取締役及び社外監査役の出席率はそれぞれ100%となっております。社外役員に対しては、取締役会における充実した議論に資するため、取締役会の議題の提案の背景、目的、その内容等につき、取締役会の開催前に資料を配布し、必要に応じて、取締役会の事務局等より充分な説明が行われています。
指名委員会等設置会社における指名委員会及び報酬委員会と同様の機能を果たす機関として、取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会を設置しております。
各委員会の活動状況等につきましては、⑤取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況に記載しています。
b.企業統治の体制を採用する理由
当社は、事業と経営を取り巻く環境の変化に対応し、絶えずガバナンス体制の向上を図ってまいりました。今後も、ガバナンス体制の向上を、経営上の重要な課題として継続検討していきますが、社内取締役4名と社外取締役4名で構成する取締役会及び社内監査役2名と社外監査役3名で構成する監査役会からなる監査役会設置会社としての現体制を基礎として、役員の選任や報酬に関する委員会の設置等、継続的なガバナンス体制の向上を図ることが適当と判断しております。
当社の業務執行・経営の監視の仕組み、内部統制システムとリスク管理体制の模式図は次のとおりであります。
(2024年3月22日現在)

取締役会、監査役会、任意設置の委員会の構成員及び議長は以下のとおりであります。
(2024年3月22日現在)
| 地位 | 氏名 | 取締役会 | 監査役会 | 取締役・監査役 選任審査委員会 | 取締役・執行役員報酬諮問委員会 | 監査役 報酬諮問委員会 |
| 代表取締役 | 長谷部 佳 宏 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| 代表取締役 | 根 来 昌 一 | 〇 | ||||
| 代表取締役 | 西 口 徹 | 〇 | ||||
| 取 締 役 | デイブ・マンツ | 〇 | ||||
| 社外取締役 | 篠 辺 修 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | |
| 社外取締役 | 桜 井 恵理子 | 〇 | ◎ | 〇 | ||
| 社外取締役 | 西 井 孝 明 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| 社外取締役 | 髙 島 誠 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| 常勤監査役 | 和 田 康 | 〇 | ◎ | |||
| 常勤監査役 | 川 島 貞 直 | 〇 | 〇 | |||
| 社外監査役 | 天 野 秀 樹 | 〇 | 〇 | ◎ | ||
| 社外監査役 | 岡 伸 浩 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| 社外監査役 | 新 井 佐恵子 | 〇 | 〇 | 〇 |
◎は議長、〇は出席メンバーを示しております。
c.その他の企業統治に関する事項
○ 内部統制システムの整備の状況
当社は、経営会議の一運営形態として、内部統制の基本方針や運用計画の審議・決定、関連委員会活動状況のモニタリング、内部統制活動の有効性の確認等を行う内部統制委員会(委員長:代表取締役社長執行役員)を設置しております。なお、内部統制委員会の下に以下の関連委員会を配備しております。
・情報開示委員会
・コンプライアンス委員会
・情報セキュリティ委員会
・リスク・危機管理委員会
・レスポンシブル・ケア推進委員会
・品質保証委員会
○ リスクと危険の管理体制の整備の状況
損失の危険に関しては、経営目標の達成や事業活動の遂行に対して、不確かさがもたらす影響をリスクと捉え、脅威をもたらす「リスク」ならびにリスクが顕在化した状態である「危機」を適切に管理する体制を整備しています。リスクと危機の管理は、これを担当する執行役員を委員長とするリスク・危機管理委員会が、「リスク及び危機管理に関する基本方針」に基づいて、管理体制と活動方針を定めています。そして、部門、子会社及び関連会社は、この活動方針に基づいて、リスクを把握・評価し、対応策を検討・実行することでリスクを管理しています。
当社グループでは、持続的な利益ある発展と、社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与える、重要な主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議の審議の下で選定しています。そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定めて、年1回、社内外のリスク分析と経営幹部へのヒアリングをもとに、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(各リスクテーマの責任者:執行役員)を決定しています。リスクオーナーは対策チームを立ち上げて検討を進め、リスク・危機管理委員会で進捗管理を行っています。
一方、危機発生時には、コーポレートリスクについてはそのリスクオーナーが、その他リスクについては主管する部門または子会社、関連会社が中心となって対策組織を立ち上げます。さらに、グループ全体への影響の重大さに応じて、代表取締役社長執行役員などを本部長とする対策本部を設置し、迅速かつ適切に対応することで、被害、損害の最小化を図ります。
リスクと危機の管理活動は、経営会議が定期的及び適時に確認し、取締役会が承認しています。
○ 内部統制システムの運用状況の概要
<コンプライアンスに関する取り組み>当社及び国内外のグループ会社を対象に、コンプライアンスを担当する常務執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会が主導して、「花王ウェイ」を実践するための企業行動規範である花王ビジネスコンダクトガイドライン(BCG)や関連規程の整備及びその教育啓発活動並びに通報・相談窓口の設置及びその適切な運用を推進しています。
コンプライアンスリスク低減に向けて、以下の取り組みを実施しております。
・コンプライアンス違反の発生時には、直ちに経営幹部及び監査役へ報告する第一報の徹底を行っています。通報・相談されたすべての案件について、毎月実施するコンプライアンス委員会事務局会議で、アドバイザーとして出席している外部弁護士による第三者の目から見た評価や提言をいただきながら対応状況を確認・検証するほか、特に注視すべき案件については重大なコンプライアンス違反のおそれのある案件として抽出し、当該案件の発生部門とともに原因究明とそれに基づく再発防止策を講じています。四半期毎のコンプライアンス委員会で、発生部門・主管部門による取り組み状況を確認し、当該部門以外でも類似案件が発生しないようリスク低減に努めております。
・通報・相談窓口を社内・社外(カウンセラー・弁護士)に設置しており、当期は639件の通報・相談(問い合わせ含む)がありました。全通報・相談案件のうち、調査要望のあった案件についてはすべて事実確認調査を行った上で、会社として職場風土を維持するための課題認識を踏まえて必要な対応を実施しています。また、ひとつひとつの課題を解決し、コンプライアンス違反の拡大や長期化を防止するために、社内外からの声が上がりやすくなる「風通しの良い風土」の醸成に努めています。
・コンプライアンス違反防止に向けた取り組みとして、コンプライアンス委員会委員長による声を上げることの重要性を伝えるメッセージポスターの掲示、さらに各組織の責任者によるコンプライアンスメッセージの発信等により、一人ひとりのコンプライアンス意識の維持・向上に努めました。また、BCG確認テスト・コンプライアンス意識調査をグローバルの花王グループ全社員(ただし、派遣社員、パート社員を除く)を対象に実施しました。さらに、グローバルの花王グループ各社のイントラネットを通じたコンプライアンスケーススタディとしてまとめた啓発情報の発信や、日本では4コマ漫画で事例を伝えるポスターを使った全社員への啓発活動を行っています。
・主要な外部評価機関の評価項目の分析を踏まえて課題を洗い出し、その改善策を今後の活動計画に加えました。2023年の実践例は、①日本では内部通報の声をあげやすくするため通報窓口の外部委託(受付時間の延長、土日祝日も受付)、②コンプライアンス違反の発生部門が自ら原因を深掘りし、再発防止策を検討し実行した内容を、一定期間経過後にその防止策が効いているかを検証するプロセスを実施、③発生事案の共有とそこからの学びを伝える、又は組織内で対話することでお互いの考え方の違いを気づく活動の実施、④会社が発信する情報から取り残される社員を無くす取り組みとしてコンプライアンスポスターの多言語化対応、⑤コンプライアンス活動について自己点検を継続実施し、課題の抽出と今後に向けたさらなる改善策の検討、などです。
<リスクと危機の管理に関する取り組み>経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」として、経営会議でリスクテーマとオーナー(テーマ対応の責任者:執行役員)を決め、「大地震・自然災害・BCP」、「重大品質問題」、「地政学リスク」、「サイバー攻撃・個人情報保護」、「レピュテーションリスク」などのリスクテーマに対して、対応の強化を進めました。また、リスク調査を通じて中期経営計画「K27」の達成を阻害する重要リスクの洗い出し、対応状況と課題の確認をグローバルで実施し、重要リスクやボトルネックとなる課題を明らかにし対応しました。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行への対応は、2020年から緊急事態対策本部(本部長:社長執行役員)を設置し対応していましたが、ウイルス特性の変化や感染状況等を踏まえて2023年2月に緊急事態対策本部を解散し、エンデミック対応に移行しました。
<子会社管理に関する取り組み>担当執行役員は職務分掌に従って子会社に対して内部統制体制の整備・運用について指導を行いました。
海外子会社は各社の役員会にて、重大なリスクとその対応策を協議して実行しています。当社からの指示に応じて各社が特定したリスクについては、その対応策とともに当社の主管部門へ報告が行われました。
事業別及び事業を支援する機能別に設置されている定例会議において、付議基準に基づき、必要に応じて付議・報告が行われました。また、規程等に基づき付議・報告がなされていることについて、内部統制を主管する各部門がチェックリストの提出を受けることや内部監査を担当する経営監査室の往査により確認しました。
子会社の重要事項については、子会社が当社に対し事前承認を求める、又は報告すべき事項を定めた子会社管理規程である「ポリシーマニュアル」に従い、必要に応じて子会社から当社に対し、付議・報告が行われました。経営監査室による監査において指摘を受けた子会社は、ポリシーマニュアルに基づき、当該子会社の役員会において、すべての指摘事項を協議の上実行し、対応策及びその結果についても当社の主管部門に報告が行われました。
d.責任限定契約の内容の概要
当社は、各取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び各監査役との間で、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、会社法第423条第1項の責任を、1,000万円または法令が定める額のいずれか高い額を限度として負担するものとする契約を締結しております。
e.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び花王グループの取締役、監査役及び執行役員等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約では、被保険者が当社及び花王グループの役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が損害賠償金及び訴訟費用を負担することで被る損害が填補されます。ただし、被保険者が法令違反を認識しながら行った行為等に起因する損害等は対象外とすることにより、職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。なお、保険料は、当社及び花王グループが負担しております。
② 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって決める旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めております。
③ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとした事項及びその理由
a.自己の株式の取得
当社は、経営環境等の変化に速やかに対応するため、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
b.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できるように、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の会社法第423条第1項の責任について、職務を行うにつき善意にしてかつ重大な過失がないときは、取締役会の決議により法令の限度においてその責任を免除することができる旨を定款に定めております。
c.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、取締役会の決議により毎年6月30日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
④ 株主総会の特別決議要件
当社は、特別決議を要する議案につき、議決権を行使する株主の意思が当該議案の決議に反映されることをより確実にするため、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めております。
⑤ 取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況
a.取締役会の活動状況
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
| 地位 | 氏名 | 出席状況 |
| 取締役会長 | 澤 田 道 隆 | 100%(15回/15回) |
| 代表取締役 | 長谷部 佳 宏 | 100%(15回/15回) |
| 代表取締役 | 根 来 昌 一 | 100%(11回/11回) |
| 取 締 役 | 西 口 徹 | 100%(11回/11回) |
| 取 締 役 | デイブ・マンツ | 100%(15回/15回) |
| 社外取締役 | 篠 辺 修 | 100%(15回/15回) |
| 社外取締役 | 向 井 千 秋 | 100%(15回/15回) |
| 社外取締役 | 林 信 秀 | 100%(15回/15回) |
| 社外取締役 | 桜 井 恵理子 | 100%(15回/15回) |
| 社外取締役 | 西 井 孝 明 | 100%(11回/11回) |
| 常勤監査役 | 和 田 康 | 100%(11回/11回) |
| 常勤監査役 | 川 島 貞 直 | 100%(15回/15回) |
| 社外監査役 | 天 野 秀 樹 | 100%(15回/15回) |
| 社外監査役 | 岡 伸 浩 | 100%(15回/15回) |
| 社外監査役 | 仲 澤 孝 宏 | 100%(15回/15回) |
(注)2023年1月から同年12月までに開催された取締役会は15回であり、代表取締役根来 昌一、取締役西口 徹、同西井 孝明、監査役和田 康の4氏の就任以降開催された取締役会は11回となっております。
当事業年度は、取締役会において、2022年度に確認した取締役会のあり方を念頭に以下の点について、重点的に審議を行いました。
⦅取締役会のあり方⦆
花王の取締役会は、執行への大幅な権限委譲を行うとともに、モニタリング機能をさらに強化することで、経営陣による適切なリスクテイクと迅速かつ果断な意思決定を促していきます。特に、人的資本を含む経営資源の配分や戦略の実行が経営陣により適切に行われていることを実効的に監督していきます。また、リスク・危機管理体制を始めとした内部統制体制の整備が取締役会の責務であることを認識し、これらの体制を適切に構築・運用していきます。
■中期経営計画の進捗と課題のモニタリング
事業状況を示す指標及び花王グループ中期経営計画「K25」の進捗状況を毎月の取締役会でモニタリングするとともにK25中間総括を行い、構造改革と成長戦略について議論しました。K25の中間総括の結果、花王グループ中期経営計画「K27」を再策定し、構造改革の議論と実践が進捗しております。K27達成に向けて引き続きモニタリングすべき経営指標を進化させ、当該経営指標に対する実績を定期的に確認してまいります。
■人財戦略
人財戦略における課題認識、そこで発見された課題への対応の方向性を確認し、当社の成長戦略を実現するための人財戦略について議論を行いました。成長戦略を担うための人財の要件や育成・獲得についてさらに議論を深めていくことが必要であるとの指摘がなされました。議論の時間が確保され、成長戦略が実行されていくことを引き続き確認していきます。また、社員の挑戦を促す新しい人財活性化制度OKR(Objectives and Key Results)導入後の進捗と成果についても継続的に審議しています。グループ各所における多様な挑戦が増加、拡大するとともに、対話を通じたさらなる連携が促進されることを確認していきます。
■サステナビリティ(気候変動リスク・人権等)
グローバルのESGの潮流、「脱炭素」や「生物多様性」戦略の事業計画への組み込み等、花王グループの取り組みについて報告を受け、推進状況を確認しました。今後も、サステナビリティの課題について、引き続き確認していきます。
■内部統制体制の整備と運用状況
内部統制体制が整備され、大きな問題はなく運用されていることが確認されました。
上記のほか、毎月、執行役員を兼務する取締役から執行報告及び担当執行役員から経営会議審議事項の報告を行っています。
また、毎年1回、取締役会において取締役会の実効性評価を実施し、実効性を高めるための改善につなげています。取締役会の役割・責務は取締役会全体で共有する必要があるという考えの下、取締役会に参加している監査役を含めたメンバー全員が自ら意見を述べ、自由闊達な議論を行うことによって評価を実施することが有効であると考えております。一方で取締役会の実効性をさらに高める活動に繋げるため、第三者の客観的な視点での評価の有用性も考慮します。
当事業年度の評価では、2024年1月度取締役会における自己評価に先立ち、取締役全10名及び監査役全5名に対しアンケートを実施し、結果を事前にフィードバックした上で取締役会において、さらなる向上の余地がある点を中心に、議論・意見交換を行いました。また、合わせて取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会の評価も実施しました。なお、アンケート項目の策定及び分析にあたって、客観的な視点を盛り込むべく、第三者によるアドバイスを受けました。
なお、全体として、取締役会の監督機能は適切に発揮されており、実効性は確保されていると評価されました。一方で、さらなる実効性向上に向けた課題の抽出と今後の取り組みについての意見がなされました。
実効性評価の結果は、当社コーポレート・ガバナンスに関する報告書に掲載しております。
www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/policies/pdf/governance_001.pdf
b.取締役・監査役選任審査委員会の活動状況
取締役・監査役選任審査委員会は、独立した客観的な視点を取り入れるため、全社外取締役と社外監査役1名で構成し、議長は互選により選出しておりますが、当事業年度も独立社外取締役が務めました。同委員会は、取締役(代表取締役、会長及び社長執行役員を含む)及び監査役の新任及び再任の際に、その適正さにつき、事前に審査を行い、取締役会に意見をするものです。なお、社長執行役員については、経営トップとしての評価も行います。さらに、取締役会及び監査役会の規模、構成や多様性、社長執行役員、取締役及び監査役に必要な資質や能力、後継者計画についての議論を行い、その審査結果についても取締役会に報告を行います。取締役及び監査役並びに社長執行役員を解任すべき事情が生じた場合には適時に審議を行います。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
| 地位 | 氏名 | 出席状況 | |
| 議長 | 社外取締役 | 向 井 千 秋 | 100%(3回/3回) |
| 委員 | 社外取締役 | 篠 辺 修 | 100%(3回/3回) |
| 委員 | 社外取締役 | 林 信 秀 | 100%(3回/3回) |
| 委員 | 社外取締役 | 桜 井 恵理子 | 100%(3回/3回) |
| 委員 | 社外取締役 | 西 井 孝 明 | 100%(3回/3回) |
| 委員 | 社外監査役 | 岡 伸 浩 | 100%(3回/3回) |
なお、社長は、議長の指名により委員会に出席し、審査のために必要かつ充分な検討資料(審査対象者に関する資料のほか、取締役や執行役員の担当区分を含む新経営体制の概要を含む)を各委員に提出し、また、候補者と各委員が接する機会を設ける等の配慮を行うことで審査の充実を図っています。
〇主な審議内容
当事業年度は、取締役会の構成、取締役・監査役体制や社長後継者計画について十分議論のうえ、取締役会へ答申を行いました。取締役会の構成及び取締役・監査役体制については、必要とされるスキル、多様性、任期等について議論がなされました。また、社長後継者計画については、人財要件に基づき選定された候補者の育成計画や今後の絞り込み方、候補者と取締役会との接点について議論がなされました。
c.取締役・執行役員報酬諮問委員会の活動状況
取締役及び執行役員の報酬制度や報酬水準については、取締役の個人別の報酬内容を含め、決定プロセスの客観性・透明性を確保する観点から、取締役・執行役員報酬諮問委員会において審査し、取締役会の決議により決定しております。取締役・執行役員報酬諮問委員会は、全社外取締役及び代表取締役 社長執行役員より構成される体制としております。議長は互選により選出しておりますが、当事業年度も独立社外取締役が務めました。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
| 地位 | 氏名※2 | 出席状況 | |
| 議長 | 社外取締役 | 林 信 秀 | 100%(8回/8回) |
| 委員 | 社外取締役 | 篠 辺 修 | 100%(8回/8回) |
| 委員 | 社外取締役 | 向 井 千 秋 | 100%(8回/8回) |
| 委員 | 社外取締役 | 桜 井 恵理子 | 100%(8回/8回) |
| 委員 | 社外取締役 | 西 井 孝 明 | 100%(7回/7回)※1 |
| 委員 | 代表取締役 | 長谷部 佳 宏 | 100%(8回/8回) |
※1 2023年度開催の取締役・執行役員報酬諮問委員会は8回であり取締役西井 孝明氏が就任以降開催された委員会は7回となっております。
※2 2023年7月5日に委員会における専門的かつ集中的な審議の促進を目的として取締役・執行役員報酬諮問委員会の構成メンバーを見直しました。構成メンバーの見直しまでに開催された委員会の回数は3回で、取締役澤田 道隆氏並びに社外監査役天野 秀樹、岡 伸浩及び仲澤 孝宏の各氏は3回出席しております。また、代表取締役根来 昌一氏が就任以降開催され、かつ2023年7月5日に 取締役・執行役員報酬諮問委員会の構成メンバーを見直すまでに開催された委員会は2回となっており、同氏は2回出席しております。
〇主な審議事項
当事業年度につきましては、役員報酬のあり方全般、報酬水準について議論をするとともに、「K27」の経営目標達成・企業価値向上に向けたよりメリハリある報酬体系への改定方針について意見交換を実施しました。2024年度の役員報酬額や株式報酬等について審議し、取締役会への答申内容を決定しました。
d.監査役報酬諮問委員会の活動状況
監査役の報酬水準については監査役の協議にて決定しております。また、監査役報酬諮問委員会を設置し、監査役の報酬等の額の妥当性及びその決定プロセスの透明性を客観的な視点から審査を実施しております。同委員会は、全社外監査役、社長執行役員及び社外取締役1名から構成されています。議長は互選により社外監査役から選出しております。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
| 地位 | 氏名 | 出席状況 | |
| 議長 | 社外監査役 | 天 野 秀 樹 | 100%(1回/1回) |
| 委員 | 社外監査役 | 岡 伸 浩 | 100%(1回/1回) |
| 委員 | 社外監査役 | 仲 澤 孝 宏 | 100%(1回/1回) |
| 委員 | 社外取締役 | 篠 辺 修 | 100%(1回/1回) |
| 委員 | 代表取締役 | 長谷部 佳 宏 | 100%(1回/1回) |
〇主な審議事項
当事業年度の監査役報酬額について、監査役会での協議に先立ち審議いたしました。