4452 花王

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有価証券報告書-第119期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/21 16:29
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148項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
花王は、企業理念である花王ウェイに基づき、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に取り組みながら長期持続的に企業価値を向上し、「持続可能な社会に欠かせない会社になる」ために、コーポレート・ガバナンスを経営上の最も重要な課題のひとつと位置づけ、体制と運用の両面で絶えず強化しています。花王のコーポレート・ガバナンスとは、すべてのステークホルダーの立場を踏まえた上で、多様化・複雑化し予測が困難な変化に適時適切に対応しながら、社会への貢献と企業価値の持続的な向上を実現するために、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うためのしくみです。そのために必要な経営体制及び内部統制システムを整備・運用し、必要な施策を適時に実施すると共に、説明責任を果たしていくことを取り組みの基本としています。また、社会動向を常に把握し、ステークホルダーと積極的に対話を行うことで、コーポレート・ガバナンスのあり方を随時検証し、適宜必要な対策や改善を実施しています。
① 企業統治の体制
a.企業統治の体制の概要
当社では、監査役会設置会社というガバナンスの枠組みの中で、監督と執行の分離を進めていく体制として、執行役員制度を導入しております。2025年3月の定時株主総会終結後の経営体制は、社外取締役5名を含む取締役9名、社外監査役3名を含む監査役5名、執行役員30名(取締役を兼務する執行役員を含む)となりました。全社外取締役及び全社外監査役は、経営陣から独立した中立性を保った独立役員であります。取締役会の審議の透明性の向上等を目的とし、2014年3月の定時株主総会後から、独立社外取締役が取締役会の議長を担っております。取締役及び執行役員の任期は1年であります。
当事業年度において開催された取締役会は臨時取締役会を含めて14回であり、当事業年度末における社外取締役及び社外監査役の出席率はそれぞれ100%となっております。社外役員に対しては、取締役会における充実した議論に資するため、取締役会の議題の提案の背景、目的、その内容等につき、取締役会の開催前に資料を配布し、必要に応じて、取締役会の事務局等より充分な説明が行われています。
指名委員会等設置会社における指名委員会及び報酬委員会と同様の機能を果たす機関として、取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会を設置しております。
各委員会の活動状況等につきましては、⑤取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況に記載しています。
b.企業統治の体制を採用する理由
当社は、事業と経営を取り巻く環境の変化に対応し、絶えずガバナンス体制の向上を図ってまいりました。今後も、ガバナンス体制の向上を、経営上の重要な課題として継続検討していきますが、社内取締役4名と社外取締役5名で構成する取締役会及び社内監査役2名と社外監査役3名で構成する監査役会からなる監査役会設置会社としての現体制を基礎として、役員の選任や報酬に関する委員会の設置等、継続的なガバナンス体制の向上を図ることが適当と判断しております。
当社の業務執行・経営の監視の仕組み、内部統制システムとリスク管理体制の模式図は次のとおりであります。
(2025年3月21日現在)

取締役会、監査役会、任意設置の委員会の構成員及び議長は以下のとおりであります。
(2025年3月21日現在)
地位氏名取締役会監査役会取締役・監査役
選任審査委員会
取締役・執行役員報酬諮問委員会監査役
報酬諮問委員会
代表取締役長谷部 佳 宏
代表取締役根 来 昌 一
代表取締役西 口 徹
取 締 役リサ・マッカラン
社外取締役篠 辺 修
社外取締役桜 井 恵理子
社外取締役西 井 孝 明
社外取締役髙 島 誠
社外取締役サラ・カサノバ
常勤監査役和 田 康
常勤監査役村 田 真 実
社外監査役岡 伸 浩
社外監査役新 井 佐恵子
社外監査役内 藤 順 也

◎は議長、〇は出席メンバーを示しております。
c.その他の企業統治に関する事項
○ 内部統制システムの整備の状況
当社は、経営会議の一運営形態として、内部統制の基本方針や運用計画の審議・決定、関連委員会活動状況のモニタリング、内部統制活動の有効性の確認等を行う内部統制委員会(委員長:代表取締役社長執行役員)を設置しております。なお、内部統制委員会の下に以下の関連委員会を配備しております。
・情報開示委員会
・コンプライアンス委員会
・情報セキュリティ委員会
・リスク・危機管理委員会
・レスポンシブル・ケア推進委員会
・品質保証委員会
○ リスクと危険の管理体制の整備の状況
損失の危険に関しては、経営目標の達成や事業活動の遂行に対して、不確かさがもたらす影響をリスクと捉え、脅威をもたらす「リスク」ならびにリスクが顕在化した状態である「危機」を適切に管理する体制を整備しています。リスクと危機の管理は、これを担当する執行役員を委員長とするリスク・危機管理委員会が、「リスク及び危機管理に関する基本方針」に基づいて、管理体制と活動方針を定めています。そして、部門、子会社及び関連会社は、この活動方針に基づいて、リスクを把握、評価し、対応策を策定、実行することでリスクを管理しています。
当社グループでは、持続的な利益ある成長と、社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与える、特に重要な主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議の審議の下で選定しています。そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定めて、年1回、社内外のリスク分析と経営幹部へのヒアリングをもとに、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(責任者:執行役員)を決定しています。リスクオーナーは対策チームを立ち上げて検討を進め、リスク・危機管理委員会で進捗管理を行っています。
一方、危機発生時には、コーポレートリスクについてはそのリスクオーナーが、その他リスクについては主管する部門または子会社、関連会社が中心となって対策組織を立ち上げます。さらに、グループ全体への影響の重大さに応じて、代表取締役社長執行役員などを本部長とする対策本部を設置し、迅速かつ適切に対応することで、被害、損害の最小化を図ります。
リスクと危機の管理活動は、経営会議で定期的及び適時確認し、取締役会が承認しています。
○ 内部統制システムの運用状況の概要
<コンプライアンスに関する取り組み>当社及び国内外のグループ会社を対象に、コンプライアンスを担当する常務執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会が主導して、「花王ウェイ」を実践するための企業行動規範である花王ビジネスコンダクトガイドライン(BCG)や関連規程の整備及びその教育啓発活動並びに通報・相談窓口の設置及びその適切な運用を推進しています。
コンプライアンスリスク低減に向けて、以下の取り組みを実施しております。
・コンプライアンス違反の発生時には、直ちに経営幹部及び監査役へ報告する第一報の徹底を行っています。通報・相談されたすべての案件について、毎月実施するコンプライアンス委員会事務局会議で、アドバイザーとして出席している外部弁護士による第三者の目から見た評価や提言をいただきながら対応状況を確認・検証するほか、特に注視すべき案件については重大なコンプライアンス違反のおそれのある案件として抽出し、当該案件の発生部門とともに原因究明とそれに基づく再発防止策を講じています。四半期毎のコンプライアンス委員会で、発生部門・主管部門による取り組み状況を確認し、当該部門以外でも類似案件が発生しないようリスク低減に努めております。
・通報・相談窓口を社内・社外(弁護士)に設置しており、当期は427件の通報・相談(問い合わせ含む)がありました。全通報・相談案件のうち、調査要望のあった案件についてはすべて事実確認調査を行った上で、会社として職場風土を維持するための課題認識を踏まえて必要な対応を実施しています。また、ひとつひとつの課題を解決し、コンプライアンス違反の拡大や長期化を防止するために、社内外からの声が上がりやすくなる「風通しの良い風土」の醸成に努めています。
・コンプライアンス違反防止に向けた取り組みとして、コンプライアンス委員会委員長による声を上げることの重要性を伝えるメッセージポスターの掲示、さらに各組織の責任者によるコンプライアンスメッセージの発信等により、一人ひとりのコンプライアンス意識の維持・向上に努めました。また、BCG確認テスト・コンプライアンス意識調査をグローバルの花王グループ全社員(ただし、派遣社員、パート社員を除く)を対象に実施しました。さらに、グローバルの花王グループ各社のイントラネットを通じたコンプライアンスケーススタディとしてまとめた啓発情報の発信や、日本では4コマ漫画で事例を伝えるポスターを使った全社員への啓発活動を行っています。
・主要な外部評価機関の評価項目の分析を踏まえて課題を洗い出し、その改善策を今後の活動計画に加えました。2024年の実践例は、①コンプライアンス違反の発生部門が自ら原因を深掘りし、再発防止策を検討し実行した内容を、一定期間経過後にその防止策が効いているかを検証するプロセスを実施、②発生事案の共有とそこからの学びを伝える、又は組織内で対話することでお互いの考え方の違いを気づく活動の実施、③会社が発信する情報から取り残される社員を無くす取り組みとしてコンプライアンスポスターの多言語化対応、④コンプライアンス活動について自己点検を継続実施し、課題の抽出と今後に向けたさらなる改善策の検討等です。
<リスクと危機の管理に関する取り組み>経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定め、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(対応の責任者:執行役員)を決定しています。2024年は、「社会課題への対応」、「地政学リスク対応」、「大地震・自然災害・BCP対応」、「重大品質問題対応」、「サイバー攻撃・個人情報保護対応」、「レピュテーションリスク対応」、「パンデミック対応」等のリスクについて対応の強化を進めました。
中期経営計画「K27」の達成を阻害する重要リスクに関してリスク調査と経営幹部ヒアリングを行い、グローバル・シャープトップ戦略に係わる重要リスクを明らかにしました。多くのリスクについては既に対応を進めており、対応が十分ではないリスクについては2025年のコーポレートリスクとして対応することにしました。
令和6年能登半島地震への対応を踏まえて、津波対策、省庁・工業会と連携した支援物資対応の強化を進めました。また、初めて発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に対しては、南海トラフ地震対策の一環として、臨時情報への対応検討を進めていたため、迅速に対応することができました。
<子会社管理に関する取り組み>担当執行役員は、職務分掌に従って子会社に対して内部統制体制の整備・運用について指導を行いました。
海外子会社は各社の役員会にて、重大なリスクとその対応策を協議して実行しています。当社からの指示に応じて各社が特定したリスクについては、その対応策とともに当社の主管部門へ報告が行われました。
事業別及び事業を支援する機能別に設置されている定例会議において、付議基準に基づき、必要に応じて付議・報告が行われました。また、規程等に基づき付議・報告がなされていることについて、内部統制を主管する各部門がチェックリストの提出を受けることや内部監査を担当する経営監査室の往査により確認しました。
子会社の重要事項については、子会社が当社に対し事前承認を求める、又は報告すべき事項を定めた子会社管理規程である「ポリシーマニュアル」に従い、必要に応じて子会社から当社に対し、付議・報告が行われました。経営監査室による監査において指摘を受けた子会社は、ポリシーマニュアルに基づき、当該子会社の役員会において、すべての指摘事項を協議の上実行し、対応策及びその結果についても当社の主管部門に報告が行われました。
d.責任限定契約の内容の概要
当社は、各取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び各監査役との間で、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、会社法第423条第1項の責任を、1,000万円または法令が定める額のいずれか高い額を限度として負担するものとする契約を締結しております。
e.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び花王グループの取締役、監査役及び執行役員等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約では、被保険者が当社及び花王グループの役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が損害賠償金及び訴訟費用を負担することで被る損害が填補されます。ただし、被保険者が法令違反を認識しながら行った行為等に起因する損害等は対象外とすることにより、職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。なお、保険料は、当社及び花王グループが負担しております。
② 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって決める旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めております。
③ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとした事項及びその理由
a.自己の株式の取得
当社は、経営環境等の変化に速やかに対応するため、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
b.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できるように、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の会社法第423条第1項の責任について、職務を行うにつき善意にしてかつ重大な過失がないときは、取締役会の決議により法令の限度においてその責任を免除することができる旨を定款に定めております。
c.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、取締役会の決議により毎年6月30日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
④ 株主総会の特別決議要件
当社は、特別決議を要する議案につき、議決権を行使する株主の意思が当該議案の決議に反映されることをより確実にするため、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めております。
⑤ 取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況
a.取締役会の活動状況
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
地位氏名出席状況
代表取締役長谷部 佳 宏100%(14回/14回)
代表取締役根 来 昌 一100%(14回/14回)
代表取締役西 口 徹100%(14回/14回)
取 締 役デイブ・マンツ100%(14回/14回)
社外取締役篠 辺 修100%(14回/14回)
社外取締役桜 井 恵理子100%(14回/14回)
社外取締役西 井 孝 明100%(14回/14回)
社外取締役髙 島 誠100%(11回/11回)
常勤監査役和 田 康100%(14回/14回)
常勤監査役川 島 貞 直100%(14回/14回)
社外監査役天 野 秀 樹100%(14回/14回)
社外監査役岡 伸 浩100%(14回/14回)
社外監査役新 井 佐恵子100%(11回/11回)

(注)2024年1月から同年12月までに開催された取締役会は14回であり、取締役髙島 誠、監査役新井 佐恵子の2氏の就任以降開催された取締役会は11回となっております。
当事業年度は、取締役会において、2022年度に確認した取締役会のあり方を念頭に以下の点について、重点的に審議を行いました。
⦅取締役会のあり方⦆
花王の取締役会は、執行への大幅な権限委譲を行うとともに、モニタリング機能をさらに強化することで、経営陣による適切なリスクテイクと迅速かつ果断な意思決定を促していきます。特に、人的資本を含む経営資源の配分や戦略の実行が経営陣により適切に行われていることを実効的に監督していきます。また、リスク・危機管理体制を始めとした内部統制体制の整備が取締役会の責務であることを認識し、これらの体制を適切に構築・運用していきます。
■中期経営計画の進捗と課題のモニタリング
事業別ROICの導入により、中長期的視点で事業の収益性の議論をすることができました。課題事業や注力テーマについて、毎回継続的に議論を行い、特にサニタリー事業やヘアケア事業、またペットケア事業や飲料事業の譲渡などで結果が出てまいりました。2025年は稼ぐ力を持続的に伸長させるとともに成長加速に向けた強固な基盤を確立するために、「K27」の進捗を定期的にモニタリングするとともに、化粧品事業やサロン事業を含め、グローバル戦略及び成長戦略について議論する予定です。
■人財戦略
当社の成長戦略を実現するための人財戦略活動(2023年度に実施した人財構造改革を含む)の進捗状況や当社従業員による経営活動に対する評価(エンゲージメント・サーベイの結果)について報告がなされ、それらを踏まえた今後の対応について議論を行いました。また、社員の挑戦を促す新しい人財活性化制度OKR(Objectives and Key Results)や社内公募導入後の進捗と成果についても継続的に審議しています。グループ各所における多様な挑戦が増加、拡大するとともに、対話を通じたさらなる連携が促進されることを確認していきます。
■サステナビリティ(気候変動リスク・人権等)
グローバルのESGの潮流、「脱炭素」や「生物多様性」戦略の事業計画への組み込み等、花王グループの取り組みについて報告を受け、推進状況を確認しました。今後も、サステナビリティの課題について、引き続き確認していきます。
■内部統制体制の整備と運用状況
内部統制体制が整備され、大きな問題はなく運用されていることが確認されました。
上記のほか、執行役員を兼務する取締役から執行報告及び担当執行役員から経営会議審議事項の報告を行っています。
また、当社は、持続的な企業価値向上に向け、取締役会の機能の向上を図るため、各取締役の自己評価も含めた取締役会全体の実効性についての評価・分析を行い、その結果の概要を開示しています。
2015年度より年1回、全取締役及び全監査役を対象としたアンケートと取締役会の議論を元に評価を実施しておりますが、2023年度は、アンケート設問の作成、結果分析について第三者機関にアドバイスを受けることで客観性の向上を図りました。2024年度は、さらなる評価の充実と客観性の向上を目的として、一部取締役へのインタビューを行うとともに、第三者機関による取締役会の実効性評価を実施いたしました。また、取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会についても、あわせて評価を実施しております。今後は、3年に1度、第三者機関による評価を実施する予定です。
取締役会実効性評価の結果については、以下のウェブサイトをご覧ください。
www.kao.com/jp/corporate/policies/corporate-governance/directors/
b.取締役・監査役選任審査委員会の活動状況
取締役・監査役選任審査委員会は、独立した客観的な視点を取り入れるため、全社外取締役と社外監査役1名で構成し、議長は互選により選出しておりますが、当事業年度も独立社外取締役が務めました。同委員会は、その構成員がすべて独立役員であることから高い客観性を維持しております。同委員会では、取締役会の諮問を受け、まず、戦略や経営環境に照らし望ましい構成(多様性・スキル・社外比率・規模等)の考え方を議論します。その後、この考え方に基づき、次期取締役会構成に適した人財の候補者を審査します。新任候補者については、履歴書等やスキルマトリックスを参照して審査を行った後、候補者との面談等を行います。そのうえで、期待する役割を果たせるか、そのために必要となる経験、専門性、姿勢・資質を有しているかを審議し、取締役会に答申します。取締役会は、同委員会の答申を尊重しながら、最終的に取締役候補者を決定します。なお、当社は取締役の任期を1年に短縮しているため、再任候補者も含めた取締役候補者は毎年厳格な審査を受けます。
監査役候補者については、監査役会において3名の独立社外監査役を含む独立した客観的な視点をもって、取締役・監査役候補者の指名の方針や上記考え方及び監査役会で決定した監査役候補者の選任方針に基づきその適正さ、適格性等を審査し、同委員会の意見も踏まえて、最終的に監査役会の同意をもって取締役会において、監査役候補者として決定しています。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
地位氏名出席状況
議長社外取締役桜 井 恵理子100%(5回/5回)
委員社外取締役篠 辺 修100%(5回/5回)
委員社外取締役西 井 孝 明100%(5回/5回)
委員社外取締役髙 島 誠100%(5回/5回)
委員社外監査役岡 伸 浩100%(5回/5回)

なお、社長執行役員は、議長の指名により委員会に出席し、審査のために必要かつ充分な検討資料(審査対象者に関する資料のほか、取締役や執行役員の担当区分を含む新経営体制の概要を含む)を各委員に提出し、また、候補者と各委員が接する機会を設ける等の配慮を行うことで審査の充実を図っています。
〇主な審議内容
当事業年度は、取締役会の諮問を受け、取締役会構成の考え方、取締役候補者に求める要素、スキルマトリックス、次期取締役候補者及び監査役候補者、社長後継者計画のほか、株主から提案された取締役候補者について審議のうえ、取締役会へ答申を行いました。
取締役会の構成の考え方については、監督強化の観点から社外取締役比率を過半数とすること、多様性を確保しつつ効率的な意思決定や本質的な議論を可能にするため現行と同等規模の小規模な取締役会を志向すること、高い専門性と十分な経営経験を持つ多様性に富む人財を検討し、その一つとして取締役会の女性比率30%の目標を達成すること等が議論されました。また、今年度はスキルとして特に、コーポレートブランディングやマーケティングを含むブランド戦略を強化すべきとの結論に至りました。これらの考え方に基づき、書類確認や面談を含む取締役候補者・監査役候補者の厳正な審査を行ったうえで、審査結果を取締役会へ答申しました。
社長後継者計画については、人財要件に基づき、緊急の場合の後任者を含めた複数の後継者候補のリストが提示され、タフアサインメントや強化すべき見識等の育成計画や、今後のプロセス、候補者と取締役会との接点について議論がなされました。
さらに株主から社外取締役候補者の提案を受け、取締役会からの諮問により、当該候補者について、適切なプロセスに則り書類確認や面談を含む厳正な審査を行いました。その結果、いずれも社外取締役に期待される経験、専門性、姿勢・資質を有さず、社外取締役候補者としては推薦しないとの結論に至り、取締役会へその旨の答申を行いました。
なお、取締役及び監査役の解任の決定手続きは、会社法の規定に従って行いますが、取締役及び監査役並びに社長執行役員を解任すべき事情が生じた場合には適時に選任審査委員会で審議を行い、取締役会において同委員会の審議内容を勘案し、審議する仕組みになっています。
経営陣幹部については、取締役の選任審査の際に、全執行役員候補者の役職及び担当業務を取締役・監査役選任審査委員会に報告しており、その後取締役会において選任しています。なお、経営陣幹部を解任すべき事情が生じた場合は、適時に取締役会で審議を行います。
(ご参考)
取締役会の知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方
取締役会(出席者は取締役及び監査役)において、取締役が、経営戦略等の大きな方向性を示し、取締役及び監査役がその妥当性、実現に当たってのリスク等を客観的、多面的に審議し、執行状況を適切に監督・監査するためには、多様な知識、経験、能力等を有する社内外の者がさまざまな観点から意見を出し合い建設的な議論を行うことが重要であると考えています。
花王グループは、中期経営計画「K27」のビジョンとして「未来のいのちを守る」を掲げています。当社の経営陣は、その実現のために、1. 持続可能な社会に欠かせない企業になる、2. 投資して強くなる事業への変革、3. 社員活力の最大化を戦略として、その戦略に沿って業務執行しています。
当社の取締役会は、経営陣が上記の戦略に沿って透明・公正かつ迅速・果断に業務執行を行っていることを監督するため、社内外の取締役及び監査役がそれぞれの知識・経験・専門性を補完しあい、全体としての高い実効性を発揮しています。
知識・経験・能力だけでなく、性別、国籍、人種、年齢の面を含む取締役会の多様性から生まれる多角的な視点が事業の推進やグローバル拡大、適切な監督や監査に資するとの認識に立ち、これらの多様な人財の取締役及び監査役への登用を進めます。なお、取締役会の女性比率は2025年までに30%を目標とします。経験・知識・専門性の項目は、当社の持続的成長にとっての重要性の観点から、選任審査委員会で毎年見直しています。スキルマトリックスに基づき、次期の取締役会の構成や候補者について審議しています。
取締役会の規模については、適切な審議や執行の監督を行うために必要な多様な人財のバランスを勘案しつつ、意思決定の迅速化を図るため、小規模の取締役会をめざします。また、社外取締役は、取締役会の多様性及び発言力の確保のため取締役の半数以上とするとともに、過半数とすることを検討し、独立性も重視します。監査役の過半数は独立基準を満たす社外監査役とします。
取締役・監査役候補者の指名の方針
取締役会の知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方に従い、適切な取締役及び監査役を指名します。取締役及び監査役は、当社の取締役又は監査役としての職務を執行するために十分な時間を確保することが必要であることから、上場会社における取締役又は監査役の兼職の数を、原則として当社を除く3社までとします。また、取締役及び監査役には、再任時の指名においては直近事業年度における取締役会への出席率75%以上を求めるものとします。在任期間については、中長期的な視点での議論ができ、また安定的な経営ができることを重視しつつ、独立性や客観性も考慮して判断します。なお、先任者から後任者への当社の経営や事業に関して得た知見の共有を図るため、社外役員の就任時期に差を設けます。
社長執行役員の後継者を含めた人財戦略は経営の最重点課題のひとつと捉えており、取締役会及び取締役・監査役選任審査委員会において継続的に議論をします。
経営陣幹部については、経営戦略等の立案に必要な事業環境やこれに対応するための花王グループの事業・経営状況の理解及び取締役会が定めた経営戦略等を、強いリーダーシップを発揮し迅速かつ適切に執行できる経験と能力を重視して指名します。
c.取締役・執行役員報酬諮問委員会の活動状況
取締役及び執行役員の報酬制度や報酬水準については、取締役の個人別の報酬内容を含め、決定プロセスの客観性・透明性を確保する観点から、取締役・執行役員報酬諮問委員会において審査し、取締役会の決議により決定しております。取締役・執行役員報酬諮問委員会は、全社外取締役及び代表取締役 社長執行役員より構成される体制としております。議長は互選により選出しており、当事業年度も独立社外取締役が務めました。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
地位氏名出席状況
議長※1社外取締役篠 辺 修100%(7回/7回)
委員社外取締役桜 井 恵理子100%(7回/7回)
委員社外取締役西 井 孝 明100%(7回/7回)
委員社外取締役髙 島 誠100%(4回/4回)※2
委員代表取締役長谷部 佳 宏100%(7回/7回)

※1 社外取締役 林 信秀氏の退任に伴い、2024年8月7日以降に開催された取締役・執行役員報酬諮問委員会の議長は、社外取締役 篠辺 修氏に交代しております。
※2 当事業年度開催の取締役・執行役員報酬諮問委員会は7回であり社外取締役 林 信秀氏、向井 千秋氏が退任される以前に開催された委員会は3回、社外取締役 髙島 誠氏が就任以降開催された委員会は4回となっております。
〇主な審議事項
当事業年度については、取締役会の諮問を受け、2023年度STI支給率、2024年の第118期定時株主総会に付議した「K27」業績連動型株式報酬制度(以下「K27株式報酬制度」という。)の議案、社内取締役・執行役員報酬の水準及び取締役金銭報酬枠の妥当性、K27株式報酬の評価方法、役員報酬規程及び株式報酬規程の一部改定について審議しました。
K27株式報酬制度については、「K27」の経営目標達成・企業価値向上を目指し、より定量的・客観的に評価できるよう、ESG力評価指標や経営力評価指標に関する議論を中心に行いました。また、2025年度の役員報酬額について、役員報酬のマーケット水準等を確認の上、取締役会への答申内容を決定しました。
また、2025年1月に株主から取締役の報酬に関する提案を受け、取締役会からの諮問により、株主提案における報酬関連の3つの議案(社外取締役に対する報酬額改訂の件、社外取締役に対する事後交付型株式報酬付与の件、社外取締役を除く取締役に対する株式報酬制度承認の件)について、提案内容を精査のうえ審議を行いました。その結果、いずれも現時点で導入の必要がないとの結論に至り、その旨を取締役会に答申しました。
d.監査役報酬諮問委員会の活動状況
監査役の報酬水準については監査役の協議にて決定しております。また、監査役報酬諮問委員会を設置し、監査役の報酬等の額の妥当性及びその決定プロセスの透明性を客観的な視点から審査を実施しております。同委員会は、全社外監査役、社長執行役員及び社外取締役1名から構成されています。議長は互選により社外監査役から選出しております。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
地位氏名出席状況
議長社外監査役天 野 秀 樹100%(1回/1回)
委員社外監査役岡 伸 浩100%(1回/1回)
委員社外監査役新 井 佐恵子- ※
委員社外取締役篠 辺 修100%(1回/1回)
委員代表取締役長谷部 佳 宏100%(1回/1回)

※ 当事業年度開催の監査役報酬諮問委員会は1回であり社外監査役 仲澤 孝宏氏が退任される以前に開催された委員会は1回、社外監査役 新井 佐恵子氏が就任以降委員会の開催はありません。
〇主な審議事項
当事業年度については、監査役会の諮問を受け、2024年の第118期定時株主総会に付議した監査役の報酬等の額改定の議案を審議しました。監査役の報酬等の額については、監査役の責務増大に対し、信頼に応える監査活動を行うためには、より広範な視点で高い知見を持った多様な人財を確保するとともに、員数増加の可能性を検討する必要があり、監査役の報酬等の額を年額1億2,000万円以内から年額1億8,000万円以内に改定する議論を行いました。また、当事業年度の監査役報酬額について、監査役報酬のマーケット水準等を確認の上、監査役会への答申内容を決定しました。

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