有価証券報告書-第89期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、多岐にわたる技術と多様な製品群を擁し、小粒でも光る、ファインケミカル中心の中堅優良化学メーカーを目指しております。創業以来の「技術重視」の経営姿勢を堅持し、技術の向上を通じ、広く時代のニーズに応える製品を開発・提供することにより、豊かな社会づくりに貢献するよう努めてまいります。
(2) 中期的な経営戦略
当社グループは、2026年3月期を初年度とする「TOHO Step Up Plan 2027」(以下、「中計」という。)に取り組んでおります。中計に掲げた数値目標と課題は、(3)目標とする経営指標、(5)対処すべき課題に記載のとおりです。「TOHO Step Up Plan 2027」では、計画期間の3年間を「持続可能な成長と価値創造のための変革期」と位置づけております。「TOHO Step Up Plan 2027」で掲げた重要課題への取り組みを着実に前進させ、急速に変化する事業環境下においても当社グループが力強く成長を続けるための地盤づくりを進めてまいります。
(3) 目標とする経営指標
中計では、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元を重視し、下記の指標を数値目標としております。
数値目標(連結)<最終年度(2028年3月期)>
(4) 経営環境
ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響により、石油化学業界は、原料の調達難と価格急騰に直面しております。原料不足による生産量の減少と原料高による採算悪化との両面で収益へのマイナス影響が懸念される極めて先行きが不透明な環境にあります。加えて、新興国企業の安価品での攻勢による競争激化、物価上昇の継続による消費者マインドの冷え込み、国内労働市場のタイト化による採用難や人件費の高騰、金利の上昇、米国の通商政策をめぐる動向など多くのリスク要因が存在する状況が続いております。
(5) 対処すべき課題
中計(2026年3月期~2028年3月期)の重要課題と対応状況につきましては以下のとおりです。
(最重要課題)
① 電子情報材料事業の拡大・中核事業化
2025年度の売上高は期初計画どおり前期比増収となりました。当社製品の供給能力増強に対する取引先からの期待に応えるべく、新電子情報材料プラントの二期増設工事に着工し、2026年11月の完工を予定しております。廃溶剤の自社内リサイクルによるコスト削減の取り組みが進捗しているほか、要員の確保・育成等、生産体制作りは順調に進捗しております。
② 東邦化学(上海)有限公司を成長軌道に乗せ、海外市場開拓の取り組みを強化
2025年度は、加圧反応設備増設に向けた建屋補強工事のため一部の設備の稼働を一時休止したことから、同社は前期比減収減益となりましたが、上海拠点の2社合計では営業利益3.8億円を確保いたしました。増設した加圧反応設備は2026年3月に稼働を開始しており、2026年度から同社の生産能力が増加いたします。ホルムズ海峡封鎖後も、中国は日本に比べて原料価格が安い状態が続いており、かつ供給不安も少ないことから、同社の生産能力のフル活用を進めてまいります。また、海外市場の開拓・開発についても活発化しつつあり、着実に成果が出始めております。
③ 高機能・高付加価値製品の開発を加速
プラスチック用添加剤や香粧原料等の分野で重要テーマの実績化・実績拡大及び実績化に向けた進捗が見られました。また、電子情報材料や土木建築用薬剤等の分野では、環境配慮型製品の開発への取り組みを強化しております。
④ 最適生産体制構築による生産性改善と業務効率化
東邦化学(上海)有限公司や鹿島工場の活用拡大に向けた生産移管並びに千葉工場の人的資源を電子情報材料事業に重点配分するための生産移管が着実に進捗しております。また、生産の時短・合理化に向けた取り組みが多数の製品で進捗し、実績化しております。業務効率化に関しては、生産部門では、QRコードによる原料・製品管理の試行を開始しており、誤仕込・誤出荷防止や作業負担軽減等の効果が期待されます。研究開発部門ではMI(Material Informatics)他、AIの活用について検証を進めております。
⑤ 資本効率・財務体質・PBRの改善
資産のスリム化に向け、売掛債権流動化、在庫の削減、政策保有株式の見直し等に取り組んでおります。株価向上に向けては、株主優待制度の変更(拡充)やログミーファイナンス、Yahoo!ファイナンスへの記事掲載などIR活動の拡大に取り組みました。その結果、2025年度末の株価は前期末比上昇しましたが、一方、純資産額が、利益剰余金の増加に加え、投資有価証券の値上がりもあって大きく増加したため、2025年度末のPBRは前期末と同水準となりました。純資産額の増加により、自己資本比率は前期末の30.9%から2025年度末は33.9%に改善いたしました。
(その他重要課題)
⑥ 人的資本強化の取り組み推進
若手を中心に処遇を改善し、人材の確保を図るための人事制度改定を2026年度に実施いたします。人事制度については、今後も更なる見直しを進めてまいります。また、社員のキャリアアップ支援のため、教育研修の拡充を進めております。2026年度より役員の体制を見直し、60歳以下の常務取締役5名が各部門を率いる体制となりました。生産部門担当の常務取締役は70歳台から51歳に若返るなど、経営の世代交代を進めております。
⑦ 脱炭素化へ向けたサステナビリティ活動の取り組み強化
2025年6月に本社・追浜工場・千葉工場でRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)SCCS認証を取得いたしました。また、鹿島工場や東邦化学(上海)有限公司ではISO14001を取得いたしました。第三者認証機関であるEcoVadisやCDPなどの評価を受け、その評価内容を分析の上、更なる改善への取り組みを進めております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、多岐にわたる技術と多様な製品群を擁し、小粒でも光る、ファインケミカル中心の中堅優良化学メーカーを目指しております。創業以来の「技術重視」の経営姿勢を堅持し、技術の向上を通じ、広く時代のニーズに応える製品を開発・提供することにより、豊かな社会づくりに貢献するよう努めてまいります。
(2) 中期的な経営戦略
当社グループは、2026年3月期を初年度とする「TOHO Step Up Plan 2027」(以下、「中計」という。)に取り組んでおります。中計に掲げた数値目標と課題は、(3)目標とする経営指標、(5)対処すべき課題に記載のとおりです。「TOHO Step Up Plan 2027」では、計画期間の3年間を「持続可能な成長と価値創造のための変革期」と位置づけております。「TOHO Step Up Plan 2027」で掲げた重要課題への取り組みを着実に前進させ、急速に変化する事業環境下においても当社グループが力強く成長を続けるための地盤づくりを進めてまいります。
(3) 目標とする経営指標
中計では、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元を重視し、下記の指標を数値目標としております。
数値目標(連結)<最終年度(2028年3月期)>
| 2028年3月期 計画 | 2026年3月期 実績 | |||
| 売上高 | (百万円) | 60,000 | 53,625 | |
| 営業利益 | (百万円) | 3,000 | 2,088 | |
| 売上高営業利益率 | (%) | 5.0 | 3.9 | |
| 純資産額 | (百万円) | 23,000 | 24,119 | |
| 自己資本比率 | (%) | 32.0 | 33.9 | |
| ROE | (%) | 8.0 | 6.8 | |
| 1株当たり配当額 | (円) | 30 | 22 |
(4) 経営環境
ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響により、石油化学業界は、原料の調達難と価格急騰に直面しております。原料不足による生産量の減少と原料高による採算悪化との両面で収益へのマイナス影響が懸念される極めて先行きが不透明な環境にあります。加えて、新興国企業の安価品での攻勢による競争激化、物価上昇の継続による消費者マインドの冷え込み、国内労働市場のタイト化による採用難や人件費の高騰、金利の上昇、米国の通商政策をめぐる動向など多くのリスク要因が存在する状況が続いております。
(5) 対処すべき課題
中計(2026年3月期~2028年3月期)の重要課題と対応状況につきましては以下のとおりです。
(最重要課題)
① 電子情報材料事業の拡大・中核事業化
2025年度の売上高は期初計画どおり前期比増収となりました。当社製品の供給能力増強に対する取引先からの期待に応えるべく、新電子情報材料プラントの二期増設工事に着工し、2026年11月の完工を予定しております。廃溶剤の自社内リサイクルによるコスト削減の取り組みが進捗しているほか、要員の確保・育成等、生産体制作りは順調に進捗しております。
② 東邦化学(上海)有限公司を成長軌道に乗せ、海外市場開拓の取り組みを強化
2025年度は、加圧反応設備増設に向けた建屋補強工事のため一部の設備の稼働を一時休止したことから、同社は前期比減収減益となりましたが、上海拠点の2社合計では営業利益3.8億円を確保いたしました。増設した加圧反応設備は2026年3月に稼働を開始しており、2026年度から同社の生産能力が増加いたします。ホルムズ海峡封鎖後も、中国は日本に比べて原料価格が安い状態が続いており、かつ供給不安も少ないことから、同社の生産能力のフル活用を進めてまいります。また、海外市場の開拓・開発についても活発化しつつあり、着実に成果が出始めております。
③ 高機能・高付加価値製品の開発を加速
プラスチック用添加剤や香粧原料等の分野で重要テーマの実績化・実績拡大及び実績化に向けた進捗が見られました。また、電子情報材料や土木建築用薬剤等の分野では、環境配慮型製品の開発への取り組みを強化しております。
④ 最適生産体制構築による生産性改善と業務効率化
東邦化学(上海)有限公司や鹿島工場の活用拡大に向けた生産移管並びに千葉工場の人的資源を電子情報材料事業に重点配分するための生産移管が着実に進捗しております。また、生産の時短・合理化に向けた取り組みが多数の製品で進捗し、実績化しております。業務効率化に関しては、生産部門では、QRコードによる原料・製品管理の試行を開始しており、誤仕込・誤出荷防止や作業負担軽減等の効果が期待されます。研究開発部門ではMI(Material Informatics)他、AIの活用について検証を進めております。
⑤ 資本効率・財務体質・PBRの改善
資産のスリム化に向け、売掛債権流動化、在庫の削減、政策保有株式の見直し等に取り組んでおります。株価向上に向けては、株主優待制度の変更(拡充)やログミーファイナンス、Yahoo!ファイナンスへの記事掲載などIR活動の拡大に取り組みました。その結果、2025年度末の株価は前期末比上昇しましたが、一方、純資産額が、利益剰余金の増加に加え、投資有価証券の値上がりもあって大きく増加したため、2025年度末のPBRは前期末と同水準となりました。純資産額の増加により、自己資本比率は前期末の30.9%から2025年度末は33.9%に改善いたしました。
(その他重要課題)
⑥ 人的資本強化の取り組み推進
若手を中心に処遇を改善し、人材の確保を図るための人事制度改定を2026年度に実施いたします。人事制度については、今後も更なる見直しを進めてまいります。また、社員のキャリアアップ支援のため、教育研修の拡充を進めております。2026年度より役員の体制を見直し、60歳以下の常務取締役5名が各部門を率いる体制となりました。生産部門担当の常務取締役は70歳台から51歳に若返るなど、経営の世代交代を進めております。
⑦ 脱炭素化へ向けたサステナビリティ活動の取り組み強化
2025年6月に本社・追浜工場・千葉工場でRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)SCCS認証を取得いたしました。また、鹿島工場や東邦化学(上海)有限公司ではISO14001を取得いたしました。第三者認証機関であるEcoVadisやCDPなどの評価を受け、その評価内容を分析の上、更なる改善への取り組みを進めております。