有価証券報告書-第63期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 9:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
101項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、株価および財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、全てを網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。
(1)製造工程および顧客ニーズへの対応について
当社グループが主力とする反応系製品は、技術が急速に変化、進展する環境の下、顧客ニーズの変化に応じて頻繁に新製品が導入され、製造設備もそれに対応する必要があるという点が挙げられます。また、これらの製品の製造工程は複雑であり、その生産性および性能を改善するために、継続的な改良を必要とします。製造工程に問題点または非効率な点が存在する場合には、生産能力が低下しまたは生産が中断すること等により、適時に適正コストで高品質の製品を納入できない可能性があります。その結果、当社グループの顧客が当社グループの競合会社から製品を購入することとなる可能性があります。さらに、一部の製品の生産能力不足により、当社グループの競争力が低下する可能性があります。その結果、減収や顧客との関係が悪化する可能性があります。
(2)技術革新への対応について
上述のとおり、当社グループが主力とする反応系製品は、急速な技術変化と技術革新、顧客ニーズの変化および新製品・サ-ビスの頻繁な導入を特徴としております。新技術の開発とその製品化および新製品・サービスの導入により、既存の製品・サービスは陳腐化しまたは市場性を失う傾向があります。当社グループの将来における競争力は、以下のような技術革新への対応能力が当社グループにあるか否かに左右されます。
① 急速な技術革新に対応して、技術面での他社に勝る技術開発ができる能力
② 既存の製品・サービスを向上させる能力
③ 革新的な製品を適時かつ適正コストで開発し生産する能力
④ 新たな製品・サービスおよび技術を使用しまたはこれらを展開する能力
⑤ 優秀な技術者や理工学分野の人材を採用し雇用する能力
⑥ 当社が開発する新製品・サービスに対する需要および商品性を正確に予測する能力
⑦ 新製品の開発または出荷の遅延を回避する能力
⑧ 高度化する顧客の要求に対応する能力
⑨ 顧客の製品の設計段階から関与することにより、顧客の新製品に当社の製品が組込まれるようにする能力
当社グループは、常に顧客ニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応した製品・サービス(新製品、新サービスを含む。)のマーケティングを行っておりますが、かかる製品・サービスを提供することができない可能性があります。当社グループがこれらの技術および顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合、当社グループの事業、業績および財政状態は著しく損なわれる可能性があります。
(3)業界動向および競合等について
当社グループの主要事業である反応系製品を含め全ての事業が、いずれも製品技術開発力の影響を強く受ける分野であります。そのため、社会や市場での新技術の開発、新方式の採用、新製品の出現あるいは、競合会社の台頭により、当社グループ取扱製品の急速な陳腐化や市場性の低下をまねき、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(4)人材の確保について
あらゆるハイテクノロジー企業と同様、当社グループは製品・サービスおよびソリューションを開発するため、優秀な従業員を獲得し維持する必要があります。現在の化学業界では、優秀な人材に対する需要がそれに適した候補者の数を上回っております。そのため、当社グループの人事部門は、重要な技術部門に配属可能な人材を採用し雇用し続けることに注力しております。しかしながら、当社グループから優秀な従業員が多数離職した場合や、新規に採用することができなかった場合、当社グループの事業目的の達成が困難になる可能性があります。
(5)知的財産保護の限界
当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密を模倣、または解析調査することを防止できない可能性があります。
(6)製品の欠陥
当社グループは世界中の工場で世界的に認められている品質管理基準(ISO)に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財政状態に悪影響がおよぶ可能性があります。
(7)他社との提携等の成否
当社グループは技術開発の一環として、経営資源を最適化し、技術の集約による相乗効果を利用するために、技術提携や合弁の形で他社と共同での活動を行っております。当社グループは引き続きこのような機会を前向きに活用する予定であります。しかし、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、効果的な開発および結果を享受できない場合、当社グループの業績と財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(8)資材等の調達
当社グループの生産活動には、資材、その他の供給品のタイムリーな納入が必要であります。当社グループの購入する資材等には特殊なものがあるため、その中には、仕入先や供給品の切替えが困難なものや、少数特定の仕入先からしか入手できないものがあります。当社グループは、当社グループが使用する資材、部品、製造装置その他の供給品が現在十分確保されているものと認識しておりますが、供給の遅延・中断や業界内の需要増加があった場合、必要不可欠な資材の供給不足が生じる場合があります。これらの原因等により、当社グループがこれらの供給品を機動的に調達できない場合や、供給品の調達のために極めて多額の資金の支払いが必要となる場合は、当社グループの業績が悪化する可能性があります。また、欠陥のある資材、その他の供給品は、当社グループの製品の信頼性および評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替相場の変動による影響について
当社の取扱製品には海外への輸出製品が多く、当連結会計年度の輸出割合は、37.1%(内外貨建て48.9%)であります。そのため当社は、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、常時為替予約等で対策を講じております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響全てを排除することは不可能であり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、取引のある国の政治・経済状況により当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)自然災害等のリスクについて
地震等の自然災害によって、当社グループの製造拠点が大きな損害を受ける可能性があります。特に当社グループは日本国内を主力としてこれらの設備を有しておりますので、これらが損害を被った場合、操業が中断し、生産および出荷が遅延することにより売上高は低下し、さらに、保険に加入はしているものの製造拠点の修復または代替のため、巨額な費用を要することとなる可能性があります。