有価証券報告書-第197期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書の提出日現在において予測できる事情を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針、経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社は、顧客、取引先、従業員、社会などへの責務を果たした上で残存する株主価値の最大化(MSV)を経営上の唯一のミッションとしております。
例えば、下図の通り、P/L項目をステークホルダーとの関係で対比させると、売上収益は顧客、製造・販売費は取引先、人件費は従業員、金利は金融機関、税金は政府にそれぞれ対応します。MSVにおいては、まずこれらのステークホルダーに対するそれぞれの責務を充足することが大前提となります。なお、「責務の充足」には法的な契約だけでなく、社会的、倫理的責務も含まれており、サステナビリティの概念も包含されています。そして、各ステークホルダーへの責務を果たした上で残存する価値を最大化し、かかるリスクをとって投資した株主に報いることがMSVです。各ステークホルダーへの「上限のある」責務を充足させることが必要条件であり、株主価値はその充足後の残余価値となります。MSVは、あくまで中長期的な株主価値最大化を志向しており、短期的な最大化を追求する考えではありません。

② 経営モデル「アセット・アセンブラー」
アセット・アセンブラーとは、より小さな本社のもとで、各パートナー会社の自律性をより強く求め、魅力的な市場である塗料・周辺分野に特化したM&Aを積み上げていくことで、安全に高い成長を可能にする強靭なMSV追求モデルです。
このモデルのポイントは、各地域の優秀な経営陣が当社グループ傘下で自律的な成長を志向し、同時にグループが有する技術力、販売網、購買力、ファイナンス力などのさまざまな要素を本社主導ではなく主体的に取り入れ、多様な専門知識が積み上がることでシナジーを生み、またさらにM&Aにより新しいパートナー会社を迎え入れることができる点です。そして、塗料・周辺事業という分かりやすい成長市場で、かつ高い利益・キャッシュ創出力を有する市場に特化することで、M&Aに伴うPMI(Post Merger Integration)リスクを極力抑えながら、加速的な成長を実現することが可能なモデルとなります。
③ 自律・分散型経営
アセット・アセンブラーを構成する重要な要素である「自律・分散型経営」は、優秀なタレントやブランドの集合体をもたらす当社の強みの一つです。塗料市場には「地産地消」という特徴があるため、持株会社である当社が中央集権的にグループ全体を統制するより、各地域の市場特性を深く理解し、MSVを熟知しているパートナー会社のマネジメントが、グループ間で有機的な連携・協働を進め、自律的(Autonomous)な成長スタイルを志向しています。
単独でも強いものが、塗料・周辺分野に特化しているがゆえに想定以上のシナジーが期待できます。それは決して欧米型の標準化やコスト・カット・シナジーではありませんが、ローカル色の強い業界にあって各社の強みを最大限生かせる経営体制であり、だからこそ当社グループへの参画を希望する会社も増加すると見込んでいます。
④ 中長期的な会社の経営戦略
当社は、2021年3月5日付で、長期的視点を見据えた中期マイルストーンとなることをコンセプトとして、2021年度から2023年度までの「中期経営計画(2021-2023年度)」(以下「中計」といいます。)を策定・公表しており、「地域・事業戦略」「サステナビリティ戦略」「M&A戦略」「財務戦略」の4つを柱に戦略を展開しています。パートナー会社とのチームワークを発揮しながら、成長戦略を各地域・事業で推進することで、MSVを実現してまいります。なお、当社グループの経営方針・経営戦略、中計の詳細は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。
・経営方針・経営戦略 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/management_policy/strategy/
・中期経営計画 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/management_policy/management_plan/
⑤ 中長期的な財務目標
2021年度から2023年度までは、既存事業における中国及びアジアの高い市場成長と各地域での市場シェアの拡大に加え、積極的なM&Aの積み上げで高い売上成長を目指し、その後も長期的に、市場成長を上回る持続的成長を目標とします。また、営業利益の年平均成長率(CAGR)は売上成長に伴う限界利益の貢献で、利益成長を図るとともにマージンの向上を目指してまいります。
中長期的に市場成長を上回る売上成長等により、基本的1株当たり当期利益(EPS)の持続的成長を目指してまいります。
⑥ 主要な地域・事業における中期的な取り組み
上記財務目標及び中計を達成するために、各地域・事業にて成長戦略を推進しています。主要な地域・事業の取り組みや業績は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。
・統合報告書 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/library/annual_report/
・説明会資料・動画 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/library/materials/
(2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 経営環境
グローバルの塗料市場は成長産業であり、過去の傾向から判断しても、人口が増加すれば塗料の需要も着実な増加が見込まれます。また、一般的な化学産業のように市況の大きな変動はなく、安定した成長が見込まれることが特徴にあります。
世界人口は、国際連合の発表によれば今後10年間で78億人から85億人への増加が見込まれます。特に、最大規模である中国及びアジア地域が成長のけん引役であり、同地域でのプレゼンスの拡大が重要となります。
なお、足元の状況としては、先進国において景気減速やインフレ影響に伴う市場の伸び悩みを見通す一方、中国をはじめとするアジア各国においては新型コロナウイルス感染症の影響からの復調、グローバル自動車市場においてはサプライチェーンの正常化をそれぞれ見込んでおり、人口増加や都市化率の高まりなどを背景に今後も塗料市場は堅調な成長を遂げるものと予想しております。
② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営環境を踏まえ、当社は持続的な成長を通じてMSVを達成するため、以下の課題に取り組んでまいります。
(a)積極的なM&Aの継続
塗料業界はその持続的な成長性に加え、キャッシュ・フローが非常に安定している特徴があります。また、昨今の市場環境は、低金利での調達が可能であり、併せてM&Aに非常に適した業界です。
マーケットの過半を占める建築用市場は地産地消のビジネスであり、原材料の調達や消費者の嗜好、販売ネットワーク、環境規制に至るまで、国ごとにビジネスモデルが大きく異なります。塗料は代替製品の脅威が低いことに加え、塗料製品間の技術的差別化が困難であることから、①強いブランド力、②充実した流通網、③現地に精通したオペレーションの確立、が成功の鍵となります。したがって、これらをベースに市場シェアNo.1を獲得すれば、競合他社による逆転は容易ではなく、No.1の会社は市場シェアをさらに伸ばして収益を享受できるなど、好循環サイクルを生み出す傾向にあります。
そうした中、当社は、MSVに資するM&Aを目指しております。パイプラインにある案件リストを恒常的に見直すとともに、M&A案件の選別にあたっては、資本コストを上回るリターンを獲得し、結果としてEPSの増大を図るものについて、財務規律を考慮しつつ優先付けを行ってまいります。
また、塗料市場の特性を踏まえた当社グループのM&Aの特長は、買収した会社やそこで働く経営陣・従業員が現地で最大限のパフォーマンスを発揮できるグループ支援体制が充実していることです。具体的には、当社がターゲットとする企業は、成功の鍵となる上記の強みを保有していれば、買収後も彼らの自律性を重視しオペレーションを任せることが可能です。当社グループの支援としては、①各パートナー会社のノウハウの共有、②原材料の共同調達、③マーケティングや設備以外に現地でのM&Aなどのさらなる成長投資のための資金提供などがあり、現地のオペレーションを強力にバックアップすることで、現地パートナー会社の強みを最大限に生かしたM&Aを志向しています。
なお、当社グループの財務目標値においては、M&Aの実行による業績への影響を見込んでおりません。
(b)サステナビリティへの取り組み
本社主導ではなく、サステナビリティとビジネスとの結び付きをよりいっそう強化する自律的なチームを構成しております。代表執行役共同社長の直下に、マテリアリティをベースとした5つのグローバルチーム「環境&安全」「人とコミュニティ」「イノベーション」「ガバナンス」「調達」を構成し、5人のビジネスリーダーが中心となりながら、グローバルで取り組みを進めています。
サステナビリティに関するガバナンスの観点では、各リーダーは代表執行役共同社長に向けてダイレクトにレポートし、代表執行役共同社長はその進捗や提案を取締役会に随時報告することで、取締役会がサステナビリティを監督しています。
なお、当社グループのサステナビリティの詳細は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。
・サステナビリティ https://www.nipponpaint-holdings.com/sustainability/
(1)経営方針、経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社は、顧客、取引先、従業員、社会などへの責務を果たした上で残存する株主価値の最大化(MSV)を経営上の唯一のミッションとしております。
例えば、下図の通り、P/L項目をステークホルダーとの関係で対比させると、売上収益は顧客、製造・販売費は取引先、人件費は従業員、金利は金融機関、税金は政府にそれぞれ対応します。MSVにおいては、まずこれらのステークホルダーに対するそれぞれの責務を充足することが大前提となります。なお、「責務の充足」には法的な契約だけでなく、社会的、倫理的責務も含まれており、サステナビリティの概念も包含されています。そして、各ステークホルダーへの責務を果たした上で残存する価値を最大化し、かかるリスクをとって投資した株主に報いることがMSVです。各ステークホルダーへの「上限のある」責務を充足させることが必要条件であり、株主価値はその充足後の残余価値となります。MSVは、あくまで中長期的な株主価値最大化を志向しており、短期的な最大化を追求する考えではありません。

② 経営モデル「アセット・アセンブラー」
アセット・アセンブラーとは、より小さな本社のもとで、各パートナー会社の自律性をより強く求め、魅力的な市場である塗料・周辺分野に特化したM&Aを積み上げていくことで、安全に高い成長を可能にする強靭なMSV追求モデルです。
このモデルのポイントは、各地域の優秀な経営陣が当社グループ傘下で自律的な成長を志向し、同時にグループが有する技術力、販売網、購買力、ファイナンス力などのさまざまな要素を本社主導ではなく主体的に取り入れ、多様な専門知識が積み上がることでシナジーを生み、またさらにM&Aにより新しいパートナー会社を迎え入れることができる点です。そして、塗料・周辺事業という分かりやすい成長市場で、かつ高い利益・キャッシュ創出力を有する市場に特化することで、M&Aに伴うPMI(Post Merger Integration)リスクを極力抑えながら、加速的な成長を実現することが可能なモデルとなります。
③ 自律・分散型経営
アセット・アセンブラーを構成する重要な要素である「自律・分散型経営」は、優秀なタレントやブランドの集合体をもたらす当社の強みの一つです。塗料市場には「地産地消」という特徴があるため、持株会社である当社が中央集権的にグループ全体を統制するより、各地域の市場特性を深く理解し、MSVを熟知しているパートナー会社のマネジメントが、グループ間で有機的な連携・協働を進め、自律的(Autonomous)な成長スタイルを志向しています。
単独でも強いものが、塗料・周辺分野に特化しているがゆえに想定以上のシナジーが期待できます。それは決して欧米型の標準化やコスト・カット・シナジーではありませんが、ローカル色の強い業界にあって各社の強みを最大限生かせる経営体制であり、だからこそ当社グループへの参画を希望する会社も増加すると見込んでいます。
④ 中長期的な会社の経営戦略
当社は、2021年3月5日付で、長期的視点を見据えた中期マイルストーンとなることをコンセプトとして、2021年度から2023年度までの「中期経営計画(2021-2023年度)」(以下「中計」といいます。)を策定・公表しており、「地域・事業戦略」「サステナビリティ戦略」「M&A戦略」「財務戦略」の4つを柱に戦略を展開しています。パートナー会社とのチームワークを発揮しながら、成長戦略を各地域・事業で推進することで、MSVを実現してまいります。なお、当社グループの経営方針・経営戦略、中計の詳細は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。
・経営方針・経営戦略 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/management_policy/strategy/
・中期経営計画 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/management_policy/management_plan/
⑤ 中長期的な財務目標
2021年度から2023年度までは、既存事業における中国及びアジアの高い市場成長と各地域での市場シェアの拡大に加え、積極的なM&Aの積み上げで高い売上成長を目指し、その後も長期的に、市場成長を上回る持続的成長を目標とします。また、営業利益の年平均成長率(CAGR)は売上成長に伴う限界利益の貢献で、利益成長を図るとともにマージンの向上を目指してまいります。
中長期的に市場成長を上回る売上成長等により、基本的1株当たり当期利益(EPS)の持続的成長を目指してまいります。
⑥ 主要な地域・事業における中期的な取り組み
上記財務目標及び中計を達成するために、各地域・事業にて成長戦略を推進しています。主要な地域・事業の取り組みや業績は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。
・統合報告書 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/library/annual_report/
・説明会資料・動画 https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/library/materials/
(2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 経営環境
グローバルの塗料市場は成長産業であり、過去の傾向から判断しても、人口が増加すれば塗料の需要も着実な増加が見込まれます。また、一般的な化学産業のように市況の大きな変動はなく、安定した成長が見込まれることが特徴にあります。
世界人口は、国際連合の発表によれば今後10年間で78億人から85億人への増加が見込まれます。特に、最大規模である中国及びアジア地域が成長のけん引役であり、同地域でのプレゼンスの拡大が重要となります。
なお、足元の状況としては、先進国において景気減速やインフレ影響に伴う市場の伸び悩みを見通す一方、中国をはじめとするアジア各国においては新型コロナウイルス感染症の影響からの復調、グローバル自動車市場においてはサプライチェーンの正常化をそれぞれ見込んでおり、人口増加や都市化率の高まりなどを背景に今後も塗料市場は堅調な成長を遂げるものと予想しております。
② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営環境を踏まえ、当社は持続的な成長を通じてMSVを達成するため、以下の課題に取り組んでまいります。
(a)積極的なM&Aの継続
塗料業界はその持続的な成長性に加え、キャッシュ・フローが非常に安定している特徴があります。また、昨今の市場環境は、低金利での調達が可能であり、併せてM&Aに非常に適した業界です。
マーケットの過半を占める建築用市場は地産地消のビジネスであり、原材料の調達や消費者の嗜好、販売ネットワーク、環境規制に至るまで、国ごとにビジネスモデルが大きく異なります。塗料は代替製品の脅威が低いことに加え、塗料製品間の技術的差別化が困難であることから、①強いブランド力、②充実した流通網、③現地に精通したオペレーションの確立、が成功の鍵となります。したがって、これらをベースに市場シェアNo.1を獲得すれば、競合他社による逆転は容易ではなく、No.1の会社は市場シェアをさらに伸ばして収益を享受できるなど、好循環サイクルを生み出す傾向にあります。
そうした中、当社は、MSVに資するM&Aを目指しております。パイプラインにある案件リストを恒常的に見直すとともに、M&A案件の選別にあたっては、資本コストを上回るリターンを獲得し、結果としてEPSの増大を図るものについて、財務規律を考慮しつつ優先付けを行ってまいります。
また、塗料市場の特性を踏まえた当社グループのM&Aの特長は、買収した会社やそこで働く経営陣・従業員が現地で最大限のパフォーマンスを発揮できるグループ支援体制が充実していることです。具体的には、当社がターゲットとする企業は、成功の鍵となる上記の強みを保有していれば、買収後も彼らの自律性を重視しオペレーションを任せることが可能です。当社グループの支援としては、①各パートナー会社のノウハウの共有、②原材料の共同調達、③マーケティングや設備以外に現地でのM&Aなどのさらなる成長投資のための資金提供などがあり、現地のオペレーションを強力にバックアップすることで、現地パートナー会社の強みを最大限に生かしたM&Aを志向しています。
なお、当社グループの財務目標値においては、M&Aの実行による業績への影響を見込んでおりません。
(b)サステナビリティへの取り組み
本社主導ではなく、サステナビリティとビジネスとの結び付きをよりいっそう強化する自律的なチームを構成しております。代表執行役共同社長の直下に、マテリアリティをベースとした5つのグローバルチーム「環境&安全」「人とコミュニティ」「イノベーション」「ガバナンス」「調達」を構成し、5人のビジネスリーダーが中心となりながら、グローバルで取り組みを進めています。
サステナビリティに関するガバナンスの観点では、各リーダーは代表執行役共同社長に向けてダイレクトにレポートし、代表執行役共同社長はその進捗や提案を取締役会に随時報告することで、取締役会がサステナビリティを監督しています。
なお、当社グループのサステナビリティの詳細は、以下の当社ホームページにおいて公開しております。
・サステナビリティ https://www.nipponpaint-holdings.com/sustainability/