有価証券報告書-第194期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 10:12
【資料】
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【項目】
94項目

有報資料

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。
(1) 経営方針、経営戦略等
① 会社の経営理念
・Mission
わたしたちは、塗料とコーティング技術の持つ力を高めることで、生活に彩と快適さ、安心を提供します。
・Vision
わたしたちは、熱意と覚悟を持った者が集う活気あふれる風土の下、塗料をコアとした優れたスペシャリティケミカル製品とサービスを通じた新たな価値を創造し続け、リーディングポジションを勝ち取ります。
② 会社の経営の基本方針
SDGs・ESGの視点を経営の中核に位置付け、「株主第一主義」とは一線を画し、お客様・従業員・取引先・社会などへの責務を果たした上で残存する「株主価値の最大化」に尽力し、富の創出を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2009年度から「サバイバル・チャレンジ」などの中期経営計画を策定し、経費の抜本的な削減に取り組み、国内事業の収益性を大きく改善しました。また、1962年から60年近いパートナー会社であるWuthelam(ウットラム)グループとの合弁事業のNIPSEAグループを2014年12月に連結子会社化し、グローバル企業へと転換するための礎を構築しました。
その後、積極的なM&Aを進めるとともに、2018年度からは、中期経営計画「N-20」をスタートし、「既存セグメントの徹底的な強化」「ポートフォリオ拡充の加速」「収益力の向上」「グローバルワンチーム運営の強化」を実施するなど、グローバル戦略を推進し、現在の日本ペイントホールディングスを築き上げました。その結果、この10年間で売上収益は3倍以上、株価は15倍近く成長するなど、飛躍的な成長を遂げております。

(注)1 2009年4月1日当社株価を基準としてTOPIXを指数化、2019年12月30日時点
2 2016年12月期より12月決算に変更しております。売上収益数値は2016年4月~12月の9カ月の数値を記載しております。
3 2017年12月期までは日本会計基準、2018年12月期以降はIFRSの数値を記載しております。
今年度は中期経営計画「N-20」の最終年度であるものの、すでに目標売上収益の達成は視界に入っているため、来年度以降の中期経営計画の策定は大きな経営課題であり、新体制の取締役会においてじっくりと議論してまいります。
今後の戦略及び経営の大きな方向性としては、SDGs・ESGの視点を経営の中核に位置付け、次の5点を推進することで株主価値の最大化を図ります。

(2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 経営環境
グローバルの塗料市場は成長産業であり、人口が増加すれば塗料の需要も確実に増加します。また、一般的な化学産業のように市況の大きな変動はなく、安定した成長が見込まれることが特徴にあります。
世界人口は、今後10年間で78億人から85億人への増加が見込まれます。特に、最大規模である中国及びアジア地域が成長のけん引役であり、同地域でのプレゼンスの拡大が重要となります。
一方、足元の状況としては、主要国における貿易摩擦に加え、新型コロナウイルスの影響もあり、先行きの不透明さは続くものと見込まれます。なお、新型コロナウイルス感染の沈静化するタイミングが業績と大きく相関するため、2020年第1四半期への影響は必至ですが、鎮静化後の回復は十分可能と考えております。

(出所) International Paint & Printing Ink Councilレポート、国際連合(United Nations)発表のデータをもとに当社推計
(注) 為替レートは1USD=JPY110.0を適用
② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営環境を踏まえ、当社は持続的な成長を図り、株主価値の最大化を達成するため、SDGs・ESGの視点を経営の中核に位置付けたうえで、以下の課題に取り組んでまいります。
(a) 高齢化・人口減少に対応した国内生産拠点への投資による生産性向上
海外の工場と比較すると国内の生産設備は老朽化・陳腐化が進んでいることに加え、労働人口の減少や技術者の高齢化、ロジスティクスに関する課題へ対処するべく、国内生産拠点への投資が喫緊の課題だと認識するに至りました。
この問題に対処するため、「サプライチェーン改革」を進めます。当該改革は、生産性の向上にも必要なものであり、持続的な競争力をつけるためには必須の投資と考えております。つまり、現在の生産拠点体制の見直しを行うにあたっては、単に工場の更新投資に留まるのではなく、この機会に、デジタリゼーションやオープンイノベーションといったアプローチ、並びにESGの視点も取り入れて、受注から販売までのサプライチェーン全体を再点検いたします。
(b) 市場拡大を上回る成長を果たすための積極的なM&A
塗料業界は成長性に加え、キャッシュ・フローが非常に安定しているという特徴があります。また、昨今の市場環境は、低金利での調達が可能であり、併せて非常にM&Aに適した業界です。
そうした中、当社は、株主価値の最大化に資するM&Aを目指しております。M&A案件の選別にあたっては、資本コストを上回るリターンを獲得し、結果として基本的1株当たり当期利益(EPS)の増大を図り、財務規律と併せて優先付けを行っていきます。
また、買収後のシナジー発揮に関しては、「蜘蛛の巣型経営」をベースに、買収先と既存のグループ企業間の協業から発生する新規販売機会の発見や調達の共通化による原価削減、加えて優秀な人材獲得や互いのベストプラクティスの共有などを通じ、様々な角度から追求することで、持続的な成長を果たしていきます。
(c) 社会課題の解決を見据えたR&Dの強化
R&Dにおいてはオープンイノベーションを進めるため、研究施設や大学などの外部機関との接触や協働を強化するなど、今後も様々な機会を模索していきます。
当社の創業者である茂木重次郎は、社会的な課題を見つけて、その課題に塗料技術でどのように解決するか、というところから事業を始めるなど、技術力を重視してきた企業です。
したがって、国内にいる1,000人の技術者、またグローバルな技術者たちがいかに輝けるかが経営上の大きなテーマであると考えており、また、そうした技術陣が作る塗料の魅力も積極的に発信してまいります。
(d) 少数株主権の保護を目的としたグローバルガバナンスの強化
取締役会の独立性・客観性を確保し、「少数株主権の保護」を図るべく、2020年3月の株主総会後、取締役9名中独立社外取締役が6名を占める態勢に整えました。
また、世界の急速な変化に対応できる迅速な経営上の意思決定や経営陣の適切なリスクテイクを促進する一方、取締役会はその戦略を理解しつつ監督機能をしっかり発揮する分業態勢が必要と考え、指名委員会等設置会社へ転換しました。
その結果、執行サイドでは意思決定の迅速化が進む一方、取締役会では主として戦略を議論すると同時に、監査委員会によるグローバルな監査体制を大幅に強化することにより、執行をしっかりと監督することが可能となります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年12月期の連結業績予想については、新型コロナウイルスの感染状況を注視しており、現時点では合理的な算出ができない状況のため未定といたします。今後、予想が可能となった時点において、速やかに業績見通しを開示いたします。また、前述の通り新体制の下で来年度以降の中期経営計画を策定する予定であり、中長期的な株主価値の最大化を達成するべく、各指標を明確化する予定です。

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