有価証券報告書-第130期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 11:18
【資料】
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【項目】
120項目

研究開発活動

当社グループは技術立社を標榜し、「金属及びその他素材の表面改質分野において、技術的優位性を堅持し世界のリーダーとなる」ことを基本方針に掲げ、国内外関係会社の技術開発部門が連携し、「新たなる価値の創造」を念頭に、その地位を確固たるものにするため日々努力しております。
当社グループの事業領域は、表面処理薬剤の製造販売を中心とする薬品事業領域、防錆加工及び熱処理加工を行う加工事業領域、表面処理及び塗装に関連する設備機器の製造販売を行う装置事業領域の3つに大別されます。その各事業領域を網羅した基礎研究・技術開発・製品開発を総合技術研究所を中核として行い、技術開発活動の発信拠点としております。また、関東・中京・関西の各地域技術センターや加工技術センター等に於いて、顧客により近い立場での応用開発を行っております。国内産業の空洞化が進展し、市場ニーズが急激に変化するようになってきたため、シーズ開発から製品開発までを一貫して行い、国内から海外までの製品展開を視野に入れた、迅速で柔軟な研究開発体制の構築を目指しております。
主な研究開発の概要及び成果は、以下のとおりです。
薬品事業領域では鉄鋼材料・自動車・塑性・非鉄材料の主な分野で、次世代を担う高付加価値・低コストで、さらに環境に配慮した新しい表面処理技術・材料の開発を積極的に進めております。自動車分野では2年前に上市したりん酸亜鉛に替わる環境にやさしい新化成皮膜の市場拡大の検討が進み、塑性加工潤滑分野では、潤滑シミュレーション技術を駆使して、鍛造分野のみならず他分野への応用展開を目指した開発を基に新たな製品開発を行い、実用化に向けた試験・検討が進みました。新規市場分野では、電子デバイス関連への自己析出型樹脂コーティング技術(PALMIC)を応用し、用途拡大を図り、より高度な要求性能への開発を進めてきました。
加工事業領域では、耐食性、接着性、意匠性などの様々な要求に対応する化成処理やめっき処理技術などの開発を行うとともに、軟窒化処理、軟窒化と高周波焼入れの複合熱処理などの熱処理加工技術の検討を行っております。高耐摩耗、高摺動性を有する高機能りん酸マンガン皮膜(リンマンプラス)、および高耐酸、高耐熱性を有する特殊めっき技術(PALNECS)、塩浴軟窒化(イソナイト)と高周波焼入れの複合処理で、高耐疲労強度、高耐摩耗性を有するPALNIP熱処理技術などの、実用化検討が積極的に展開されました。
装置事業領域では、塗装性能と操作性に優れる世界戦略塗装機の開発や、粉体塗料供給技術を応用した新定量供給装置の開発、塗装ブース色替時間短縮技術の検討、最軽量ガンの開発などが進められました。
当連結会計年度では、総研究開発費として2,112百万円を投入いたしました。なお、セグメントに関連付けての記載は困難であるため省略しております。