有価証券報告書-第135期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 16:34
【資料】
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【項目】
153項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の基本方針
当社グループは、「地球上に限りある資源の有効活用を図り、あらゆる素材の表面改質を通じて、資源の新しい価値を創造し、地球環境の保全と豊かな社会作りに貢献する」との企業理念の下、コーポレート・ガバナンスの充実、社会貢献にも積極的に取り組み、ステークホルダーの皆さまとより一層の発展を遂げていくと共に世界最高の表面改質技術の会社を目指します。また、「表面改質のスペシャリストとして真のグローバル・カンパニーを目指す!」を経営ビジョンに掲げ、長年培った表面処理技術をもって表面改質の分野で世界のリーダーとなるべく、グローバル、グループ、ガバナンスの3つのGを推進・強化する「3G経営の確立」を経営の基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
上記の経営方針のもと、第三次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)では、最終年度である2022年3月期の目標として、以下を掲げております。
(2022年3月期 連結)
・売 上 高 1,335億円
・営 業 利 益 190億円
・経 常 利 益 220億円
・総資産経常利益率 8%以上
・自己資本利益率(ROE) 8%以上
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループを取り巻く事業環境は、主要な供給先であります自動車業界では、消費税増税後の国内自動車生産は減少傾向で推移するとともに、中国の生産台数も前年割れが続く等、厳しい状況で推移しております。もう一つの柱であります鉄鋼業界でも、海外メーカーとの競争激化により事業環境は厳しさを増しております。
このような状況のなか、当社グループは2018年に創業90周年を迎えましたが、2020年3月期から2022年3月期までの3ヵ年を期間とする第三次中期経営計画を、創業100周年に向けて新たな成長を実現するために、経営基盤を強化する重要な期間と位置づけております。「グローバル競争に打ち勝つ成長戦略」、「グループ経営の最適化」、「ガバナンス改革」の推進を計画の基本方針とし、グローバル展開と新製品の開発及び新市場の開拓を推進し、更なる事業拡大と企業価値の向上に取り組んでまいります。
(4)会社が対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の影響等による景気後退の長期化が懸念されるなか、足元では、利益の減少を最小限に抑えるべく、キャッシュ・アウト抑制と経費削減を強力に推進してまいります。また、中長期的には、グローバル競争の激化による価格低下、国内市場の成熟等による需要減少リスク等に対応するため、引き続き、グローバル展開の推進、将来を見据えた技術開発、既存事業の収益力強化に取り組んで行くことが必要と考えており、持続的成長の実現に向けて、以下の取り組みを継続してまいります。
①グローバル競争に打ち勝つ成長戦略
当社グループのコア技術を用いた新製品の開発及び新市場の開拓を推進するために、研究開発投資及び海外需要を確実に取り込むための設備投資等を推進してまいります。また、海外事業を拡大するため、グローバル人材の育成と確保を積極的に推進してまいります。
② グループ経営の最適化
既存事業の収益力強化のため、グローバルでの製造体制の見直し、間接部門の生産性向上、グループ共通インフラの整備等により、経営効率を高めてまいります。
③ ガバナンス改革
お客様及び社会から、より一層の信頼を得られる会社であるため、グループ・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。また、継続的なコンプライアンス意識の醸成を図り、企業風土と意識改革に取り組んでまいります。
(5)コーポレート・ガバナンス強化による企業価値及び株主共同の利益向上に向けた取組み
当社では、上場会社として社会的な使命と責任を果たし、継続的な成長・発展を目指すためには、コーポレート・ガバナンスの充実が重要な経営課題であると考えております。
この考えに基づき、(ⅰ)取締役会による重要な意思決定と職務の監督、(ⅱ)グループ全般を視野においた経営管理体制による意思決定の迅速化、(ⅲ)監査等委員による取締役の職務執行の監査、(ⅳ)社長直轄の内部監査室による内部監査の実施、(ⅴ)化学メーカーとしての責任である製商品に関する安全性確保、品質保証、環境対応及び法令遵守を全社統合的に推進する組織の編成、(ⅵ)コンプライアンス委員会・リスク管理委員会の設置、リスク管理規程・子会社管理規程の整備等の施策を実行しております。