有価証券報告書-第142期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 13:19
【資料】
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【項目】
160項目

研究開発活動


当社グループは、多様な市場ニーズにタイムリーに対応し、高品質かつ環境に配慮したインキを開発するとともに、新規事業分野への積極的な取組みを研究開発活動の基本とし、外部の企業・研究機関とも連携して研究開発効率の向上を図りつつ、それぞれの市場ニーズに対応した独自性のある研究開発を行っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は3,474百万円であります。
研究開発活動は、次の通りであります。
(印刷インキ事業)
当連結会計年度は、環境をテーマとしたインキに重点を置き研究開発に取り組み、国内の新聞インキでは、超軽量紙、高速印刷に対応し、紙面品質及び印刷作業適正に優れ、かつ、マイレージ特性の良好な高濃度型新聞インキ「ルーチェ」シリーズの更なる高性能化を進めました。オフセット印刷インキでは、環境対応型インキで高い生産性と高品位印刷を実現したヒートセット輪転用インキ「ウェブマスターエコピュアメガJ」シリーズの更なる高性能化、無溶剤で環境に優しい省電力型UVインキ「ドリームキュア」シリーズの開発に積極的に取り組みました。また、パッケージ用インキにおいては、揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制を目的にハイソリッド化、脱化石資源化を目的にバイオマス素材の活用に取り組み、消費者ニーズや物流システムの変化による包装容器の多様化、機能化、美粧化等のニーズに対応した高機能グラビアインキの開発を行うとともに、高速印刷適性を持つ段ボール用フレキソインキの開発、更には、フィルム用途、紙用途での水性グラビア・フレキソインキの開発を進めました。
近年、環境保全を目的とした規制は一段と厳しくなっており、環境負荷の低減が大きな課題となっております。当社グループは、このような市場動向に対して脱化石資源の検討を進め、植物由来成分を積極的に使用したインキを「ボタニカルインキ」と呼称し、「ベルフローラ」シリーズ(グラビア)、「エコピーノ」シリーズ(フレキソ)、「ドリームキュアBM」シリーズ(オフセット)の開発にも取り組みました。
印刷インキ以外の製品といたしましては、廃水等の環境規制に対応した湿し水や紙・フィルム用の各種機能性コーティング剤の開発、拡充を図りました。
当事業における研究開発費は2,393百万円であり、主な報告セグメント別の金額は「印刷インキ・機材(日本)」が1,057百万円、「印刷インキ(米州)」が1,183百万円であります。
(機能性材料事業)
当連結会計年度は、各種カラープリンター、デジタル印刷機等の新しい印刷方式を対象とした各種カラートナー、産業用用途の顔料型インクジェットインキ等のデジタル記録材料の研究開発、高輝度、高コントラストを実現するカラーフィルター用顔料分散液(カラー及びブラックマトリックス用途)等のエレクトロニクス向けケミカルズの高性能化研究及び実用化研究に取り組みました。また、各種フィルム、包装材料向け機能性コーティング剤、高透過性ハードコート剤等の光学用コーティング剤の研究開発を行いました。
当事業における研究開発費は1,081百万円であります。