有価証券報告書-第70期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 17:07
【資料】
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【項目】
126項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国経済に低失業率の維持や個人消費の増加による緩やかな景気回復がみられ、欧州経済においても回復基調が続いています。一方、中国経済は引き続き減速傾向に歯止めはかからず、内外需とも弱まるなか、企業の生産活動にも減速がみられました。日本経済においては個人消費に弱みがみられる等、景気回復の動きに足踏み感がみられました。
当社グループの関連市場である電子部品業界については、サーバー及び車載関連部材の需要が堅調に推移しましたが、スマートフォンの伸び悩みもあり、全体としては横ばいで推移しました。
このような状況の下、為替が円安に推移した影響を主要因として、当連結会計年度の売上高は49,843百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
PWB用部材については、リジッド基板用部材の販売数量は前年同期を下回りましたが、高機能品の堅調な販売や為替が円安に推移した影響もあり売上高は前年同期を上回りました。この結果、PWB用部材の売上高は46,319百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
FPD用部材については、PDP用部材の生産を終了したことにより売上高は前年同期を下回りました。この結果、FPD用部材の売上高は292百万円(前年同期比85.2%減)となりました。
以上の結果、営業利益は10,964百万円(前年同期比18.5%増)、経常利益は11,129百万円(前年同期比16.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7,796百万円(前年同期比16.9%増)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです(売上高にはセグメント間の内部取引が含まれています)。
① 日本
日本を構成する連結会社は生産販売子会社である太陽インキ製造株式会社及び中外化成株式会社です。
PWB用部材は全体的に低調に推移しましたが、中外化成株式会社を第1四半期連結会計期間より連結した影響により、売上高は前年同期を上回りました。一方、太陽インキ製造株式会社の新工場である北九州事業所の立ち上げに伴う費用先行の影響により、利益は前年同期を下回りました。
この結果、売上高は17,002百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益は2,254百万円(前年同期比8.6%減)となりました。
② 中国(含む香港)
中国を構成する連結会社は生産販売子会社である太陽油墨(蘇州)有限公司及び永勝泰油墨(深圳)有限公司と主に華南市場向け営業活動を行う販売子会社であるTAIYO INK INTERNATIONAL(HK)LIMITED及び太陽油墨貿易(深圳)有限公司です。なお、永勝泰油墨(深圳)有限公司は永勝泰科技股份有限公司の子会社です。
PWB用部材は、照明や車載関連部材が堅調に推移したことに加え、為替が円安に推移した影響もあり、売上高及び利益ともに前年同期を上回りました。
この結果、売上高は21,820百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益は4,775百万円(前年同期比36.1%増)となりました。
③ 台湾
台湾を構成する連結会社は生産販売子会社である台湾太陽油墨股份有限公司及び永勝泰科技股份有限公司(その他 子会社3社)です。
PWB用部材は、スマートフォン関連部材を中心に需要が伸び悩みましたが、低価格品から高価格品へのシフトに加え、為替が円安に推移した影響もあり、売上高及び利益ともに前年同期を上回りました。
この結果、売上高は9,854百万円(前年同期比2.5%増)、セグメント利益は2,227百万円(前年同期比26.3%増)となりました。
④ 韓国
韓国を構成する連結会社は生産販売子会社である韓国タイヨウインキ株式会社及び販売子会社である太陽インキプロダクツ株式会社です。
PWB用部材については、高価格品であるPKG基板用部材の需要が堅調に推移したものの、FPD用部材については、PDP用部材の生産を終了したことにより、売上高は前年同期を下回りました。一方、為替が円安に推移した影響もあり、利益は前年同期を上回りました。
この結果、売上高は7,739百万円(前年同期比15.9%減)、セグメント利益は1,414百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
⑤ その他
その他を構成する連結会社はTAIYO AMERICA,INC.及びTAIYO INK INTERNATIONAL(SINGAPORE)PTE LTDです。
TAIYO AMERICAにつきましては、前年同期並みの水準で推移しました。
TAIYO INK INTERNATIONAL(SINGAPORE)につきましては、車載関連部材市場の拡大により堅調に推移し、為替が円安に推移した影響もあり、売上高及び利益ともに前年同期を上回りました。
この結果、売上高は4,451百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益は597百万円(前年同期比7.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況と大口要因は下表のとおりです。
前連結
会計年度
(百万円)
当連結
会計年度
(百万円)
大口要因
営業活動による
キャッシュ・フロー
9,23210,546税金等調整前当期純利益約111億円、減価償却費により約18億円の増加、法人税等の支払により約32億円の減少
投資活動による
キャッシュ・フロー
△2,913△6,750有形固定資産の取得による支出で約42億円の減少、定期預金の預入による支出で約43億円の減少、定期預金の払戻による収入で約27億円の増加
財務活動による
キャッシュ・フロー
△9,919△2,740配当金の支払により約23億円の減少
現金及び現金同等物の増減額△2,15438
現金及び現金同等物の期末残高18,18318,385