有価証券報告書-第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
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注記事項-金融商品、連結財務諸表(IFRS)
33.金融商品
(1)資本管理
当社グループは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを資本管理の基本方針としています。
当社グループは、最適な資本構成を維持するために財務指標のモニタリングを実施しています。財務の健全性・柔軟性については信用格付け、資本効率については親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を適宜モニタリングしています。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2)金融資産及び金融負債の分類
金融資産及び金融負債の分類は次のとおりです。
(注)1.FVTPLの金融資産、貸付金及びその他の金融資産、売却可能金融資産及びFVTOCIの金融資産は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
2.FVTPLの金融負債及び償却原価で測定する金融負債のその他は、連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
3.「2.作成の基礎(4)会計方針の変更」に記載のとおり、IFRS第9号の適用に伴い当連結会計年度から、従来売却可能金融資産に分類していた金融資産を、FVTOCIの金融資産として分類しています。なお、前連結会計年度において、売上債権及びその他の債権、貸付金及びその他の金融資産は、貸付金及び債権として分類していました。
当社グループは、医薬事業戦略における関係の維持・強化及び医薬品販売等における取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融資産をFVTOCIの金融資産に指定しています。
FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融資産の主なものは次のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度において、取引関係の見直し等を目的として、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融資産の一部を売却等により処分し、認識を中止しています。
処分時の公正価値及び累積利得及び損失は次の通りです。
(単位:百万円)
また、当連結会計年度において、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融資産の認識の中止及び公正価値の著しい下落により、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得及び損失(税引後)は△635百万円です。
(3)財務上のリスク管理方針
当社グループは、事業活動を行うにあたり、信用リスク、流動性リスク及び為替リスク等の財務上のリスクに晒されており、これらのリスクを低減するために、一定の方針等に基づきリスク管理を行っています。
また、当社グループは、デリバティブの利用を財務上のリスクをヘッジする目的とした取引に限定しており、投機目的では利用していません。
① 信用リスク
(a) 信用リスク管理
当社グループの事業活動から生ずる債権である売掛金等は、取引先の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、取引先の経営状況を適宜把握し、売掛金残高を監視する事により信用リスクを管理しています。また、取引先の信用状況に応じて売掛金等の回収可能性を検討し、必要に応じて損失評価引当金を計上しています。
当社グループが保有する有価証券に関しては発行体の信用リスク、預金に関しては銀行の信用リスクに晒されています。また、当社グループが財務上のリスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、取引相手である金融機関の信用リスクに晒されています。資金運用における有価証券取引・預金取引については、Global Cash Investment Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす発行体・銀行に限定し、定められた運用期間・限度額内で運用しています。また、デリバティブ取引については、Astellas Global Treasury Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす金融機関に取引相手を限定しています。
(b) 信用リスクの集中
当社グループは日本において、他の製薬企業と同様、主に少数の卸売業者を通じて製品を販売しています。上位4社への売上高の合計は、日本における売上高の約80%を占めており、当該上位4社に対する売上債権は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末それぞれにおいて94,410百万円及び91,808百万円です。
(c) 信用リスクに対する最大エクスポージャー
保証債務を除き、保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書における金融資産の減損後の帳簿価額です。保証債務に係る信用リスクに対する最大エクスポージャーは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ343百万円及び221百万円です。
(d) 担保の保有
当社グループは、一部の売上債権及びその他の債権に対する担保として有価証券及び預り金を保有しています。
前連結会計年度における期日が経過しているが減損していない金融資産の年齢分析は次のとおりです。
前連結会計年度における期末日現在で減損していると個別に判定された金融資産の分析は次のとおりです。
前連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。
当連結会計年度における償却原価で測定する金融資産の信用リスク・エクスポージャーは次のとおりです。
当連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。
② 流動性リスク
流動性リスク管理
当社グループは、支払債務の履行が困難になる流動性リスクに晒されていますが、想定される支払債務への対応に加え、一定の戦略的投資機会にも機動的に対応できる手元流動性を維持しており、残高については、月次で上席執行役員 財務担当に報告をしています。
金融負債の期日別残高は次のとおりです。
前連結会計年度(2018年3月31日)
当連結会計年度(2019年3月31日)
③ 為替リスク
為替リスク管理
当社グループの事業は多くの国及び地域で営まれており、当社グループの経営成績及び財政状態は為替リスクに晒されています。
当社グループは、為替リスクの抑制を目的としたデリバティブ取引の利用の要否を、個別の案件ごとに検討しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、外貨建てインターカンパニーローンについては、為替変動による経営成績への影響を抑えるため、先物為替予約のデリバティブ取引を利用しています。通貨毎の為替リスクヘッジ状況(デリバティブ取引残高)については、月次で上席執行役員 財務担当に報告しています。
為替感応度分析
各連結会計年度末において、機能通貨である円が、米ドル及びユーロに対して10%円高になった場合に、当社グループの連結純損益計算書の税引前利益に与える影響額は、以下のとおりです。
なお、計算に使用した通貨以外の通貨は変動しないこと及びその他の変動要因は一定であることを前提としています。
(注)上表の△は、各通貨に対して10%円高になった場合に、税引前利益に与えるマイナスの影響額を意味しています。
(4)金融商品の公正価値
① 金融商品の公正価値の算定方法
償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産は、売上債権及びその他の債権、貸付金及びその他の金融資産、現金及び現金同等物で構成されています。これらは、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。
FVTOCIの金融資産(資本性金融資産)
市場性のある有価証券の公正価値は、期末日の市場価格を用いて算定しています。非上場株式の公正価値は、主として割引キャッシュ・フロー法により算定しています。
FVTPLの金融資産
FVTPLの金融資産は、主に為替予約で構成されています。これらの公正価値は、取引金融機関から提示された価格等に基づいて算定しています。
FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債は、企業結合により生じた条件付対価及び為替予約で構成されています。
企業結合により生じた条件付対価の公正価値は、開発が成功する可能性や貨幣の時間価値を考慮して算定しています。為替予約の公正価値は、取引金融機関から提示された価格等に基づいて算定しています。
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、仕入債務及びその他の債務、その他の金融負債で構成されています。これらは、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。
② 経常的に公正価値で測定される金融商品
公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、次のように区分しています。
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における無調整の相場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重大な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値ヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定に用いた重大なインプットのうち、最もレベルの低いインプットに応じて決定しています。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期末日で発生したものとして認識しています。
公正価値ヒエラルキーの各レベルに分類された、経常的に公正価値で測定される金融資産及び金融負債の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度(2018年3月31日)
(注)FVTPLの金融資産、売却可能金融資産及びFVTPLの金融負債は、それぞれ連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に含まれています。
当連結会計年度(2019年3月31日)
(注)FVTPLの金融資産、FVTOCIの金融資産及びFVTPLの金融負債は、それぞれ連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に含まれています。
レベル3に分類されている金融商品の公正価値の変動は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(1)金融資産
(注)連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
(2)金融負債
(注)連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(1)金融資産
(注)1.連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
2.公正価値の測定に使用する重大なインプットが観察可能となった事によるものです。
(2)金融負債
(注)連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。
レベル3に分類されている金融資産は、主に非上場株式により構成されています。
重要な非上場株式の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法を適用して算定しています。この評価モデルでは、将来に渡る税引後営業利益の見積り及び加重平均資本コスト等の観測可能でないインプットを用いているため、レベル3に分類しています。公正価値の測定には、地域や業種に応じた加重平均資本コストを使用しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において使用した加重平均資本コストは8.0%です。なお、一般的に加重平均資本コストが高ければ高いほど、公正価値は減少します。
非上場株式の公正価値は、四半期ごとに当社及びグループ各社の担当部門がグループ会計方針等に従って測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告され、必要に応じてエグゼクティブ・コミッティにも報告されます。
レベル3に分類されている金融負債は、企業結合により生じた条件付対価です。
条件付対価は、被取得企業が保有していた臨床開発プログラムの開発の進捗に応じて支払うマイルストンであり、その公正価値は、当該プログラムが成功する可能性や貨幣の時間的価値を考慮して計算しています。重大な観察可能でないインプットであるプログラムが成功する可能性が高くなった場合、公正価値は増加します。
レベル3に分類されている金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の変動は見込まれていません。
(1)資本管理
当社グループは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを資本管理の基本方針としています。
当社グループは、最適な資本構成を維持するために財務指標のモニタリングを実施しています。財務の健全性・柔軟性については信用格付け、資本効率については親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を適宜モニタリングしています。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2)金融資産及び金融負債の分類
金融資産及び金融負債の分類は次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2018年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年3月31日) | |
金融資産 | ||
FVTPLの金融資産 | ||
その他 | 13,334 | 19,482 |
償却原価で測定する金融資産 | ||
売上債権及びその他の債権 | 344,794 | 367,876 |
貸付金及びその他の金融資産 | 24,249 | 12,255 |
現金及び現金同等物 | 331,731 | 311,074 |
売却可能金融資産 | 43,308 | - |
FVTOCIの金融資産 | - | 52,327 |
金融資産合計 | 757,416 | 763,014 |
金融負債 | ||
FVTPLの金融負債 | ||
為替予約取引 | 481 | 353 |
条件付対価 | 54,172 | 64,085 |
償却原価で測定する金融負債 | ||
仕入債務及びその他の債務 | 144,424 | 186,852 |
その他 | 2,328 | 2,580 |
金融負債合計 | 201,405 | 253,870 |
(注)1.FVTPLの金融資産、貸付金及びその他の金融資産、売却可能金融資産及びFVTOCIの金融資産は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
2.FVTPLの金融負債及び償却原価で測定する金融負債のその他は、連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
3.「2.作成の基礎(4)会計方針の変更」に記載のとおり、IFRS第9号の適用に伴い当連結会計年度から、従来売却可能金融資産に分類していた金融資産を、FVTOCIの金融資産として分類しています。なお、前連結会計年度において、売上債権及びその他の債権、貸付金及びその他の金融資産は、貸付金及び債権として分類していました。
当社グループは、医薬事業戦略における関係の維持・強化及び医薬品販売等における取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融資産をFVTOCIの金融資産に指定しています。
FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融資産の主なものは次のとおりです。
(単位:百万円)
銘柄 | 当連結会計年度 (2019年3月31日) |
上場 | |
FibroGen, Inc. | 29,971 |
その他 | 6,461 |
非上場 | 15,896 |
当連結会計年度において、取引関係の見直し等を目的として、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融資産の一部を売却等により処分し、認識を中止しています。
処分時の公正価値及び累積利得及び損失は次の通りです。
(単位:百万円)
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
公正価値 | 68 |
累積利得及び損失 | △494 |
また、当連結会計年度において、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融資産の認識の中止及び公正価値の著しい下落により、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得及び損失(税引後)は△635百万円です。
(3)財務上のリスク管理方針
当社グループは、事業活動を行うにあたり、信用リスク、流動性リスク及び為替リスク等の財務上のリスクに晒されており、これらのリスクを低減するために、一定の方針等に基づきリスク管理を行っています。
また、当社グループは、デリバティブの利用を財務上のリスクをヘッジする目的とした取引に限定しており、投機目的では利用していません。
① 信用リスク
(a) 信用リスク管理
当社グループの事業活動から生ずる債権である売掛金等は、取引先の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、取引先の経営状況を適宜把握し、売掛金残高を監視する事により信用リスクを管理しています。また、取引先の信用状況に応じて売掛金等の回収可能性を検討し、必要に応じて損失評価引当金を計上しています。
当社グループが保有する有価証券に関しては発行体の信用リスク、預金に関しては銀行の信用リスクに晒されています。また、当社グループが財務上のリスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、取引相手である金融機関の信用リスクに晒されています。資金運用における有価証券取引・預金取引については、Global Cash Investment Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす発行体・銀行に限定し、定められた運用期間・限度額内で運用しています。また、デリバティブ取引については、Astellas Global Treasury Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす金融機関に取引相手を限定しています。
(b) 信用リスクの集中
当社グループは日本において、他の製薬企業と同様、主に少数の卸売業者を通じて製品を販売しています。上位4社への売上高の合計は、日本における売上高の約80%を占めており、当該上位4社に対する売上債権は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末それぞれにおいて94,410百万円及び91,808百万円です。
(c) 信用リスクに対する最大エクスポージャー
保証債務を除き、保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書における金融資産の減損後の帳簿価額です。保証債務に係る信用リスクに対する最大エクスポージャーは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ343百万円及び221百万円です。
(d) 担保の保有
当社グループは、一部の売上債権及びその他の債権に対する担保として有価証券及び預り金を保有しています。
前連結会計年度における期日が経過しているが減損していない金融資産の年齢分析は次のとおりです。
(単位:百万円) |
期日未経過かつ減損していないもの | 期日は経過しているが、減損していないもの | 損失評価 引当金 | 合計 | ||||
期日経過後 3ヶ月以内 | 期日経過後 3ヶ月超 6ヶ月以内 | 期日経過後 6ヶ月超 12ヶ月以内 | 期日経過後 12ヶ月超 | ||||
2018年3月31日残高 | |||||||
売上債権及びその他の債権 | 305,165 | 12,570 | 1,253 | 1,250 | 914 | △483 | 320,669 |
貸付金及びその他の金融資産 | 24,241 | 1 | 0 | - | 6 | - | 24,249 |
合計 | 329,406 | 12,571 | 1,254 | 1,250 | 920 | △483 | 344,917 |
前連結会計年度における期末日現在で減損していると個別に判定された金融資産の分析は次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2018年3月31日) | |
売上債権及びその他の債権(総額) | 33,489 |
損失評価引当金 | △9,365 |
売上債権及びその他の債権(純額) | 24,125 |
貸付金及びその他の金融資産(総額) | 13 |
損失評価引当金 | △13 |
貸付金及びその他の金融資産(純額) | - |
前連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | |
2017年4月1日残高 | 9,820 |
当期繰入額 | 1,629 |
期中減少額(目的使用) | △961 |
期中減少額(戻入) | △748 |
その他 | 120 |
2018年3月31日残高 | 9,861 |
当連結会計年度における償却原価で測定する金融資産の信用リスク・エクスポージャーは次のとおりです。
(単位:百万円) |
12ヶ月の 予想信用損失に等しい金額で 測定している 金融資産 | 損失評価引当金を全期間の 予想信用損失に等しい金額で 測定している金融資産 | 合計 | |||
信用リスクが 当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損 金融資産 | 常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で 測定している 金融資産 | |||
売上債権及びその他の債権 | 24,971 | 32,160 | - | 320,426 | 377,558 |
貸付金及びその他の金融資産 | 12,265 | - | 5 | - | 12,270 |
合計 | 37,237 | 32,160 | 5 | 320,426 | 389,828 |
当連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。
(単位:百万円) |
12ヶ月の 予想信用損失に等しい金額で 測定している 金融資産 | 損失評価引当金を全期間の 予想信用損失に等しい金額で 測定している金融資産 | 合計 | |||
信用リスクが 当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損 金融資産 | 常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で 測定している 金融資産 | |||
2018年4月1日残高 | - | 8,189 | 3 | 1,669 | 9,861 |
当期繰入額 | - | 33 | 2 | 600 | 635 |
期中減少額(目的使用) | - | - | - | △53 | △53 |
期中減少額(戻入) | - | - | △0 | △660 | △660 |
その他 | - | 0 | - | △85 | △84 |
2019年3月31日残高 | - | 8,222 | 5 | 1,470 | 9,698 |
② 流動性リスク
流動性リスク管理
当社グループは、支払債務の履行が困難になる流動性リスクに晒されていますが、想定される支払債務への対応に加え、一定の戦略的投資機会にも機動的に対応できる手元流動性を維持しており、残高については、月次で上席執行役員 財務担当に報告をしています。
金融負債の期日別残高は次のとおりです。
前連結会計年度(2018年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ ・フロー | 6ヶ月以内 | 6ヶ月超 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 5年以内 | 5年超 | |
FVTPLの金融負債 | |||||||
為替予約取引 | 481 | 481 | - | 481 | - | - | - |
小計 | 481 | 481 | - | 481 | - | - | - |
償却原価で測定する 金融負債 | |||||||
仕入債務及びその他の債務 | 144,424 | 144,424 | 140,677 | 232 | 421 | 1,313 | 1,780 |
その他 | 2,328 | 2,328 | 925 | 209 | 384 | 511 | 299 |
小計 | 146,752 | 146,752 | 141,603 | 441 | 804 | 1,824 | 2,079 |
合計 | 147,232 | 147,232 | 141,603 | 922 | 804 | 1,824 | 2,079 |
帳簿価額 | 最大支払額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
条件付対価 | 54,172 | 172,969 | 5,981 | 40,130 | 9,756 |
当連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ ・フロー | 6ヶ月以内 | 6ヶ月超 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 5年以内 | 5年超 | |
FVTPLの金融負債 | |||||||
為替予約取引 | 353 | 353 | - | 353 | - | - | - |
小計 | 353 | 353 | - | 353 | - | - | - |
償却原価で測定する 金融負債 | |||||||
仕入債務及びその他の債務 | 186,852 | 186,852 | 185,030 | 250 | 452 | 1,120 | - |
その他 | 2,580 | 2,580 | 896 | 206 | 351 | 405 | 722 |
小計 | 189,432 | 189,432 | 185,926 | 456 | 803 | 1,525 | 722 |
合計 | 189,785 | 189,785 | 185,926 | 809 | 803 | 1,525 | 722 |
帳簿価額 | 最大支払額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
条件付対価 | 64,085 | 203,299 | 12,697 | 44,978 | 8,083 |
③ 為替リスク
為替リスク管理
当社グループの事業は多くの国及び地域で営まれており、当社グループの経営成績及び財政状態は為替リスクに晒されています。
当社グループは、為替リスクの抑制を目的としたデリバティブ取引の利用の要否を、個別の案件ごとに検討しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、外貨建てインターカンパニーローンについては、為替変動による経営成績への影響を抑えるため、先物為替予約のデリバティブ取引を利用しています。通貨毎の為替リスクヘッジ状況(デリバティブ取引残高)については、月次で上席執行役員 財務担当に報告しています。
為替感応度分析
各連結会計年度末において、機能通貨である円が、米ドル及びユーロに対して10%円高になった場合に、当社グループの連結純損益計算書の税引前利益に与える影響額は、以下のとおりです。
なお、計算に使用した通貨以外の通貨は変動しないこと及びその他の変動要因は一定であることを前提としています。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
税引前利益 | ||
米ドル | △908 | △3,480 |
ユーロ | 329 | 2,269 |
(注)上表の△は、各通貨に対して10%円高になった場合に、税引前利益に与えるマイナスの影響額を意味しています。
(4)金融商品の公正価値
① 金融商品の公正価値の算定方法
償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産は、売上債権及びその他の債権、貸付金及びその他の金融資産、現金及び現金同等物で構成されています。これらは、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。
FVTOCIの金融資産(資本性金融資産)
市場性のある有価証券の公正価値は、期末日の市場価格を用いて算定しています。非上場株式の公正価値は、主として割引キャッシュ・フロー法により算定しています。
FVTPLの金融資産
FVTPLの金融資産は、主に為替予約で構成されています。これらの公正価値は、取引金融機関から提示された価格等に基づいて算定しています。
FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債は、企業結合により生じた条件付対価及び為替予約で構成されています。
企業結合により生じた条件付対価の公正価値は、開発が成功する可能性や貨幣の時間価値を考慮して算定しています。為替予約の公正価値は、取引金融機関から提示された価格等に基づいて算定しています。
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、仕入債務及びその他の債務、その他の金融負債で構成されています。これらは、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。
② 経常的に公正価値で測定される金融商品
公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、次のように区分しています。
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における無調整の相場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重大な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値ヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定に用いた重大なインプットのうち、最もレベルの低いインプットに応じて決定しています。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期末日で発生したものとして認識しています。
公正価値ヒエラルキーの各レベルに分類された、経常的に公正価値で測定される金融資産及び金融負債の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度(2018年3月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
FVTPLの金融資産 | ||||
その他 | - | 9,197 | 4,137 | 13,334 |
小計 | - | 9,197 | 4,137 | 13,334 |
売却可能金融資産 | ||||
上場株式 | 28,732 | - | - | 28,732 |
非上場株式 | - | - | 14,576 | 14,576 |
その他の持分証券 | - | - | 0 | 0 |
小計 | 28,732 | - | 14,576 | 43,308 |
金融資産合計 | 28,732 | 9,197 | 18,714 | 56,643 |
金融負債 | ||||
FVTPLの金融負債 | ||||
為替予約取引 | - | 481 | - | 481 |
条件付対価 | - | - | 54,172 | 54,172 |
小計 | - | 481 | 54,172 | 54,653 |
金融負債合計 | - | 481 | 54,172 | 54,653 |
(注)FVTPLの金融資産、売却可能金融資産及びFVTPLの金融負債は、それぞれ連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に含まれています。
当連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
FVTPLの金融資産 | ||||
その他 | - | 10,824 | 8,658 | 19,482 |
小計 | - | 10,824 | 8,658 | 19,482 |
FVTOCIの金融資産 | ||||
上場株式 | 36,431 | - | - | 36,431 |
非上場株式 | - | - | 15,896 | 15,896 |
小計 | 36,431 | - | 15,896 | 52,327 |
金融資産合計 | 36,431 | 10,824 | 24,554 | 71,809 |
金融負債 | ||||
FVTPLの金融負債 | ||||
為替予約取引 | - | 353 | - | 353 |
条件付対価 | - | - | 64,085 | 64,085 |
小計 | - | 353 | 64,085 | 64,438 |
金融負債合計 | - | 353 | 64,085 | 64,438 |
(注)FVTPLの金融資産、FVTOCIの金融資産及びFVTPLの金融負債は、それぞれ連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に含まれています。
レベル3に分類されている金融商品の公正価値の変動は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(1)金融資産
(単位:百万円) |
FVTPLの金融資産 | 売却可能金融資産 | 合計 | |
2017年4月1日の残高 | 2,897 | 14,258 | 17,156 |
実現及び未実現損益 | |||
純損益に計上(注) | △332 | △450 | △782 |
その他の包括利益に計上 | - | 345 | 345 |
購入、発行、売却、決済 | |||
購入 | 1,577 | 693 | 2,269 |
売却 | - | △5 | △5 |
その他 | △4 | △265 | △269 |
2018年3月31日の残高 | 4,137 | 14,576 | 18,714 |
報告期間末に保有している資産について純損益に 計上された当期の未実現損益の変動(注) | △332 | △452 | △784 |
(注)連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
(2)金融負債
(単位:百万円) |
FVTPLの金融負債 | |
2017年4月1日の残高 | 28,450 |
実現及び未実現損益 | |
純損益に計上(注) | 2,889 |
企業結合 | 22,958 |
その他 | △125 |
2018年3月31日の残高 | 54,172 |
報告期間末に保有している資産について純損益に 計上された当期の未実現損益の変動(注) | 2,889 |
(注)連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(1)金融資産
(単位:百万円) |
FVTPLの金融資産 | FVTOCIの金融資産 | 合計 | |
2018年4月1日の残高 | 4,137 | 14,576 | 18,714 |
実現及び未実現損益 | |||
純損益に計上(注)1 | 3,308 | - | 3,308 |
その他の包括利益に計上 | - | 399 | 399 |
購入、発行、売却、決済 | |||
購入 | 2,930 | 1,531 | 4,462 |
決済 | △1,722 | △3 | △1,725 |
レベル3からの振替(注)2 | - | △490 | △490 |
その他 | 4 | △118 | △114 |
2019年3月31日の残高 | 8,658 | 15,896 | 24,554 |
報告期間末に保有している資産について純損益に 計上された当期の未実現損益の変動(注)1 | 3,308 | - | 3,308 |
(注)1.連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
2.公正価値の測定に使用する重大なインプットが観察可能となった事によるものです。
(2)金融負債
(単位:百万円) |
FVTPLの金融負債 | |
2018年4月1日の残高 | 54,172 |
実現及び未実現損益 | |
純損益に計上(注) | 1,668 |
企業結合 | 9,029 |
決済 | △1,220 |
その他 | 435 |
2019年3月31日の残高 | 64,085 |
報告期間末に保有している資産について純損益に 計上された当期の未実現損益の変動(注) | 1,668 |
(注)連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。
レベル3に分類されている金融資産は、主に非上場株式により構成されています。
重要な非上場株式の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法を適用して算定しています。この評価モデルでは、将来に渡る税引後営業利益の見積り及び加重平均資本コスト等の観測可能でないインプットを用いているため、レベル3に分類しています。公正価値の測定には、地域や業種に応じた加重平均資本コストを使用しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において使用した加重平均資本コストは8.0%です。なお、一般的に加重平均資本コストが高ければ高いほど、公正価値は減少します。
非上場株式の公正価値は、四半期ごとに当社及びグループ各社の担当部門がグループ会計方針等に従って測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告され、必要に応じてエグゼクティブ・コミッティにも報告されます。
レベル3に分類されている金融負債は、企業結合により生じた条件付対価です。
条件付対価は、被取得企業が保有していた臨床開発プログラムの開発の進捗に応じて支払うマイルストンであり、その公正価値は、当該プログラムが成功する可能性や貨幣の時間的価値を考慮して計算しています。重大な観察可能でないインプットであるプログラムが成功する可能性が高くなった場合、公正価値は増加します。
レベル3に分類されている金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の変動は見込まれていません。