有価証券報告書-第115期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/25 15:42
【資料】
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【項目】
153項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
(単位:億円)
2025年
12月期実績
2024年
12月期実績
前年同期比
連結損益(Core実績)
売上収益12,57911,706+7.5%
製商品売上高10,7789,979+8.0%
その他の売上収益1,8011,727+4.3%
売上原価△3,515△3,381+4.0%
売上総利益9,0658,325+8.9%
研究開発費△1,801△1,769+1.8%
販売費及び一般管理費△1,032△1,022+1.0%
その他の営業収益(費用)027-
営業利益6,2325,561+12.1%
当期利益4,5103,971+13.6%
連結損益(IFRS実績)
売上収益12,57911,706+7.5%
営業利益5,9885,420+10.5%
当期利益4,3403,873+12.1%
Core EPS(円)274.02241.31+13.6%
Core 配当性向(%)99.340.6-

<連結損益の概要(IFRSベース)>当連結会計年度の売上収益は1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)、営業利益は5,988億円(同10.5%増)、当期利益は4,340億円(同12.1%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費14億円、無形資産の減損損失17億円、事業再構築費用133億円、経営判断による自社開発一括中止費用等164億円、及び事業所閉鎖に伴う固定資産売却益を含む事業所再編費用84億円(収益)が含まれています。
<連結損益の概要(Coreベース)>当連結会計年度の売上収益は、製商品売上高が増加し、1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)となりました。売上収益のうち、製商品売上高は1兆778億円(同8.0%増)となりました。国内製商品売上高は、後発品浸透や薬価改定等の影響を受けたものの、新製品のフェスゴ、ピアスカイ、主力品のバビースモ、エンスプリング、ヘムライブラが伸長し、前年同期を上回りました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ及びアクテムラ輸出が増加したため、前年同期を上回りました。その他の売上収益は、一時金収入が減少したものの、ヘムライブラに関する収入の増加等により1,801億円(同4.3%増)となりました。製商品原価率は、為替影響及び製品別売上構成比の変化等により32.6%と前年同期比で1.3ポイント改善しました。結果、売上総利益は9,065億円(同8.9%増)となりました。
研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により1,801億円(同1.8%増)、販売費及び一般管理費は諸経費等の増加により1,032億円(同1.0%増)となりました。その他の営業収益(費用)は0億円(前年同期は27億円の収益)となりました。以上から、Core営業利益は6,232億円(同12.1%増)、Core当期利益は9期連続の増益を達成し、4,510億円(同13.6%増)となりました。
※Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
株主還元を行う際の指標には、Core EPS及びCore配当性向を指標として使用しております。Core EPSは、Core実績をもとに算出された、当社株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益であり、Core配当性向は、Core EPS対比の配当性向です。
<製商品売上高の内訳>(単位:億円)
2025年
12月期実績
2024年
12月期実績
前年同期比
製商品売上高10,7789,979+8.0%
国内製商品売上高4,7244,611+2.5%
オンコロジー領域2,4652,477△0.5%
スペシャリティ領域2,2582,134+5.8%
海外製商品売上高6,0545,368+12.8%

[国内製商品売上高]
国内製商品売上高は、後発品浸透及び薬価改定等の影響を受けたものの、新製品及び主力品が伸長し、4,724億円(前年同期比2.5%増)となりました。
オンコロジー領域の売上高は、2,465億円(同0.5%減)となりました。後発品浸透及び薬価改定の影響により、主力品の抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」の売上が減少しました。また、抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」は、本剤を含む配合皮下注製剤である新製品の抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ」への置き換えが進んだことを主因に売上が大幅に減少しました。一方、「フェスゴ」の売上が大幅に増加したことに加え、2025年3月に発売した抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ」が順調に市場浸透したほか、主力品の抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー」が堅調に推移しました。
スペシャリティ領域の売上高は、2,258億円(同5.8%増)となりました。後発品浸透及び薬価改定の影響を受けたものの、主力品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤/抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」、pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「エンスプリング」、血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤/抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」の売上が堅調に推移したことに加え、新製品のpH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「ピアスカイ」が好調に市場浸透しました。
[海外製商品売上高]
海外製商品売上高は6,054億円(前年同期比12.8%増)となりました。ロシュ向け輸出については、「ヘムライブラ」、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」が前年同期比で伸長しました。
② 財政状態の状況
(単位:億円)
2025年
期末実績
2024年
期末実績
前期末比
純営業資産(NOA)及び純資産
純運転資本5,2704,487783
長期純営業資産5,8334,989844
純営業資産(NOA)11,1039,4761,627
ネット現金9,7979,963△166
その他の営業外純資産△643△425△218
純資産合計20,25719,0151,242
連結財政状態計算書(IFRS実績)
資産合計24,68622,0842,602
負債合計△4,429△3,069△1,360
純資産合計20,25719,0151,242

当連結会計年度末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ1,627億円増加し、1兆1,103億円となりました。うち、純運転資本は営業債務が増加した一方で、営業債権の増加及び未収入金の増加等により前連結会計年度末に比べ783億円増加し、5,270億円となりました。また、長期純営業資産は宇都宮工場におけるバイオ原薬製造棟(UT3)や注射剤棟(UTA)への投資、無形資産の増加等により前連結会計年度末から844億円増加し、5,833億円となりました。
次項「③ キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ166億円減少し、9,797億円となりました。その他の営業外純資産は主にリース負債の増加により前連結会計年度末から218億円減少し、△643億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,242億円増加し、2兆257億円となりました。
※純営業資産(NOA)及び純資産について
連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。
※純営業資産(NOA)について
純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
2025年
12月期実績
2024年
12月期実績
前年同期比
フリー・キャッシュ・フロー
営業利益5,9885,420+10.5%
調整後営業利益6,5155,848+11.4%
営業フリー・キャッシュ・フロー4,5214,934△8.4%
フリー・キャッシュ・フロー2,7333,868△29.3%
ネット現金の純増減△1662,573-%
連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS実績)
営業活動によるキャッシュ・フロー3,8634,476△13.7%
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,013△2,274△11.5%
財務活動によるキャッシュ・フロー△3,079△1,410+118.4%
現金及び現金同等物の増減額△1,136815-%
現金及び現金同等物の期末残高4,2665,402△21.0%

営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、6,515億円(前年同期比11.4%増)となりました。
調整後営業利益から純運転資本等の増加797億円や有形固定資産の取得による支出763億円等により、営業フリー・キャッシュ・フローは4,521億円(同8.4%減)の収入となりました。純運転資本等の増加要因は前項「② 財政状態の状況」に記載したとおりです。
営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税1,911億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは2,733億円(同29.3%減)の収入となりました。
フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払2,994億円等を調整したネット現金の純増減は166億円の減少となりました。
また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は1,136億円減少し、当連結会計年度末残高は4,266億円となりました。
※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について
連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。

④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産の状況
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業1,193,060△7.2
合計1,193,060△7.2

(注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は売価換算(仕切単価ベース)であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。
b. 商品仕入実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業1,727△29.4
合計1,727△29.4

(注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は実際仕入高であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。
c. 受注の状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d. 販売の状況
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業1,257,941+7.5
合計1,257,941+7.5

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先当連結会計年度前連結会計年度
販売高
(百万円)
割合
(%)
販売高
(百万円)
割合
(%)
エフ・ホフマン・ラ・
ロシュ・リミテッド
724,05357.6652,72555.8
アルフレッサ ホールディングス株式会社及びそのグループ会社152,29212.1141,98112.1

2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。
3.販売高は売上収益(製商品売上高とその他の売上収益)であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、これまで、運転資金並びに設備投資及び研究開発活動を自己資金で充当しております。2021年度に始動しましたTOP I 2030 は「R&Dアウトプットの持続的な創出」に代表されるイノベーションへの継続的な経営資源の配分を掲げています。引き続き資金流動性の確保と事業活動から創出されるキャッシュ・インフローの最大化に努めるとともに、継続的なイノベーション投資に必要な財務健全性を維持していく方針です。また、計画外の急な資金需要が生じた場合の財源につきましては、金融機関からの借入や短期社債等を利用するなどの体制を整えており、既存の手許資金も含めて十分な流動性を確保しております。
今後についても資本財源は事業活動を通じて獲得した資金を基盤とする方針であり、継続的なイノベーションへの投資を通じ、持続的な企業価値の向上を目指す方針です。なお、資本配分としての配当につきましては、戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案した上で、Core EPS対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標としております。
③ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度のCore売上収益は、ロシュ向け輸出の増加及び国内の新製品及び主力品の伸長により1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)となり、4年連続で1兆円を超えました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により32.6%(同1.3%ポイント改善)、研究開発費・販売費及び一般管理費・その他の営業収益(費用)の合計は2,833億円(同2.4%増)となりました。この結果、Core営業利益は6,232億円(同12.1%増)となりました。また、長期にわたる投資効率の指標として重点的に管理しているCore ROIC*の実績は、税引後営業利益の増加により43.9%(前年比1.0%ポイント増)となりました。
2021年に開始した成長戦略「TOP I 2030」の5年目となる2025年は、創薬、開発、製薬、Value Delivery、成長基盤という5つの改革分野において、概ね順調な進展が見られました。
創薬においては、R&Dアウトプット倍増という非常にチャレンジングな目標達成に向け、様々な取り組みを進めております。抗体、低分子に続く第3のモダリティである中分子は、今期新たに2プロジェクトが前臨床開発段階に進み、ポートフォリオの拡充は順調に進展しています。また、強みとする抗体医薬品においても、次世代抗体技術の開発とプロジェクトの創出が進んでおります。このような自社での創薬研究を加速すべく、ロボティクスによるラボオートメーション化や、AI等のデジタル基盤活用など、創薬力を最大限に発揮する体制を整備しました。加えて、オープンイノベーションにも注力しており世界のアカデミア・バイオテック企業との提携を通じてイノベーション機会を追求しています。2024年に活動を開始した中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーは、既に7件の投資を実行しました。組織強化の面では、米国のアカデミアやベンチャー企業とのネットワークをさらに強化するために米国サウスサンフランシスコにパートナリングオフィスを開設しました。このように進捗は見られますが、先に述べたチャレンジングな目標達成のためには更なる強化の余地があると考えており、取り組みを加速していきます。
開発については、2025年は合計6プロジェクトが承認され、新薬・適応拡大を含め5プロジェクトが承認申請に移行しました。また、第三者から第Ⅲ相臨床試験実施中の製品を導入したほか、ロシュ品・自社品含めて計6プロジェクトの第Ⅲ相国際共同治験、及び4プロジェクトの第Ⅰ相臨床試験を開始しました。なお、2025年は早期臨床開発段階にある自社品パイプラインのうち5プロジェクトの自社開発一括中止を決定しました。早期開発プロジェクトの優先順位を見直し機動的かつ戦略的な開発加速を図るためです。非臨床段階から最適な開発ルートを見定め、精度の高いGo/No-Go判断の実行と効果的な開発計画の策定によって開発を加速させることで、毎年上市の達成に向けて取り組んでいきます。
製薬では、R&Dアウトプット倍増に対応する頑健かつ競争力のある開発供給体制の実現を目指しています。中分子プラットフォーム技術の構築において着実な進展がありました。開発した独自技術を複数のプロジェクトに適用し、短期間で高難度・高活性の治験薬の製造供給を完遂するなど、技術確立が進みました。また、低・中分子及びバイオ医薬品の製法開発機能の強化及び環境対策推進を目的として、浮間事業所(東京都北区)における新たな研究棟UKXの建設を決定しました。開発プロジェクトが増える中で、同時に速やかな臨床試験入りや開発加速を実現するためには、製法開発機能の強化・拡充が喫緊の課題です。
Value Deliveryにおいては、多様化する顧客ニーズに対応し、患者さんや医療関係者が求める情報を的確かつ迅速に提供すべく、人・デジタルを融合したエンゲージメントモデルの進化と組織体制の変革が進んでおり、顧客満足度調査においても昨年に続き高い評価をいただいております。また、個別化医療に資する独自エビデンスの創出、患者さんや医療現場に価値をもたらすエビデンスの創出を目指し、社内外データの統合的な活用にも継続して取り組んでいます。今後も効率化を進めることで、高い生産性を維持していきます。
成長基盤の「人・組織」については、2025年から運用が開始された新人事制度では、ジョブ型人事制度の全社展開、ジョブポスティング制度の導入、雇用上限年齢の撤廃を行いました。新人事制度により適所適財を加速するとともに、社員の挑戦と自律的なキャリア形成を後押ししていきます。創薬力の高度化や全バリューチェーン効率化の柱である「デジタル」についても積極的な取り組みを行っております。AIについては、全社基盤Chugai AI Platformを構築しアクティブユーザーが6割を超えるなど社員のAI活用が進展しているほか、創薬領域におけるAI活用も拡大し、臨床開発領域におけるSoftbank社とのAI-agent開発を始めました。今後も生産性向上・新規価値創出に向けた全社的な取り組みを推進していきます。世界水準でのサステナブル基盤としての「環境」については、気候変動対策、循環型資源利用、生物多用性保全を重点分野として定め、2030年をゴールとした挑戦的な環境目標を設定し、積極的に取り組んでいます。概ね順調に進捗しておりますが、フロン類及び廃棄物の削減目標については達成に向けた課題があり、検討を継続しています。なお、国際的な非営利団体であるCDP(Carbon Disclosure Project)により、気候変動及び水セキュリティの透明性とパフォーマンスにおけるリーダーシップが認められ、CDP2025のAリスト企業に選定されました。継続的な取り組みと情報開示の結果、気候変動分野では4年連続、水セキュリティ分野では3回目のAリスト選定であり、気候変動・水セキュリティ分野でのダブルAリスト選定は3回目となります。その他、当社では初となる遺伝子治療製品や有形医療機器の取り扱いに向けた法規制対応等を進め、クオリティマネジメント強化に向けた取り組みを行いました。「PHCソリューション**」では、2024年4月に新設されたPHCソリューションユニットにてソリューション開発から事業化までの戦略立案を推進しています。社会が求めるヘルスケアの提供価値への期待が高度化・多様化する中、医薬品と患者さんの間を繋ぎ、個別に最適化された提供価値を最大化することで、ヘルスケアシステム全体における創出価値の最大化へ貢献していきます。
*ROICについて
投下資本利益率(ROIC:Return On Invested Capital)は事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。
**PHCソリューションについて
医薬品以外のソリューション(製品・サービス)(プログラム医療機器、体外診断用医薬品、コンパニオン診断、デジタルバイオマーカーなど)
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループはIFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 1.重要な会計方針等 (2)重要な会計上の判断、見積り及び前提」に記載のとおりです。

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