有価証券報告書-第112期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/14 15:07
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167項目
3. 重要性のある会計方針
当社グループの重要性のある会計方針は次のとおりであり、当連結財務諸表が表示されているすべての期間について適用しています。
(1) 連結の基本方針
当社グループの連結財務諸表は、当社、連結子会社、関連会社及び共同支配企業に対する持分(以下、「持分法適用会社」という。)の財務諸表に基づき、統一された会計方針を用いて作成しています。連結子会社及び持分法適用会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて各社の財務諸表に調整を加えています。また、連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の内部取引高、債権債務残高及び内部取引によって発生した未実現損益を消去しています。
① 連結子会社
連結子会社とは、当社グループにより支配されている企業です。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動にさらされ、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。
連結子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含めています。支配の喪失を伴わない連結子会社に対する持分の変動は、資本取引として非支配持分の修正額と支払対価または受取対価の公正価値との差額を資本剰余金に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。
② 関連会社
関連会社とは、当該企業の経営方針に対して、当社グループが重要な影響力を有するが、当社グループにより支配されていない企業です。すべての関連会社に対して、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法を適用して会計処理しています。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めとは、当社グループが共同支配を有する取決めをいいます。共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有であり、取決めのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。
当社グループは、その共同支配の取決めへの関与を、当該取決めの当事者の権利及び義務に応じて、共同支配事業(取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めに関する資産に対する権利及び負債に対する義務を有している場合)と共同支配企業(当社グループが取決めの純資産に対する権利のみを有する場合)に分類しています。
共同支配事業については、共同支配事業に関する資産、負債、収益及び費用のうち、当社グループの持分相当額を認識しています。
共同支配企業に対する持分については、持分法を適用して会計処理しています。
(2) 企業結合
当社グループは、取得法により企業結合の会計処理をしています。
取得法に基づき、取得日の公正価値で測定された支払対価と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計を取得原価としています。非支配持分は、その公正価値または被取得企業の識別可能資産及び負債の公正価値に対する持分割合相当額で測定しています。企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しています。
支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額をのれんとして認識しています。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、その差額は損益として認識しています。
企業結合が発生した報告年度末までに企業結合の当初の会計処理が完了しない場合、未完了な項目については暫定的な金額で報告しています。取得日時点で認識された暫定的な金額を測定期間の間に修正する場合、取得日に遡って修正しています。測定期間とは、取得日から当社グループが取得日に存在した事実や状況に関する完全な情報を入手する日までの期間であり、最長で1年間です。
(3) 外貨換算
当社グループにおける個々の企業の財務諸表は、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引を当該機能通貨により表示しています。一方、当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円により表示しています。
外貨建取引は、取引日における為替レートまたはそれに近似するレートにより機能通貨に換算しています。外貨建ての貨幣性資産及び負債は、連結決算日の為替レートにより機能通貨に換算しています。当該換算及び決済から生じる換算差額は、損益として認識しています。
在外営業活動体の業績及び財政状態を連結財務諸表に組み込むにあたり、当社グループの在外営業活動体の資産及び負債は、連結決算日の為替レートにより日本円に換算しています。また、損益項目は、期中平均為替レートで換算しています。この結果生じる為替差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素として認識しています。なお、累積された為替換算差額は、その在外営業活動体が処分された時点で損益として認識しています。
(4) 収益の認識
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客との契約から生じる収益を認識しています。なお、当社グループが認識した収益に係る対価は、通常、履行義務の充足から1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
ステップ1: 顧客との契約を識別する
ステップ2: 契約における履行義務を識別する
ステップ3: 取引価格を算定する
ステップ4: 取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5: 企業が履行義務を充足した時に(または充足するにつれて)収益を認識する
① 医薬品販売による収益
当社グループは、医薬品販売については、通常、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、当社グループの履行義務が充足されると判断していることから、当該製品の引渡時点で収益を認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、契約条件及び過去の実績等に基づき最頻値法を用いて見積もった値引、リベート及び返品などを控除した金額で測定しています。
② ライセンス供与による収益
当社グループは、当社グループの開発品または製品に係るライセンスの供与による収益(契約一時金、マイルストン及び売上高ベースのロイヤルティに係る収益)を認識しています。
契約一時金及びマイルストンに係る収益は、ライセンスの供与時点において、顧客が当該ライセンスに対する支配を獲得することで当社グループの履行義務が充足されると判断した場合、当該時点で収益を認識しています。
また、売上高ベースのロイヤルティに係る収益は、算定基礎となる売上が発生した時点と売上高ベースのロイヤルティが配分されている履行義務が充足される時点のいずれか遅い時点で収益を認識しています。
③ 共同販促(サービスの提供)による収益
当社グループは、顧客に対し共同販促活動を提供する場合、当社グループが共同販促活動を実施した時点において、当社グループの履行義務が充足されると判断していることから、共同販促活動の実施時点で収益を認識しています。また、この共同販促により発生する費用の当社グループ負担分を、販売費及び一般管理費として認識しています。
(5) 共同開発及び共同販促
当社グループは、当社グループの開発品及び製品について、提携企業との間で共同開発及び共同販促契約を締結しています。この場合、当社グループは医薬品販売(物品の販売)による収益を売上収益として計上し、関連する当社グループの費用を原価、販売費及び一般管理費、研究開発費として計上し、総額で表示しています。また、当社グループは、当該医薬品販売による収益に対する提携企業の持分を、共同販促費用として販売費及び一般管理費に計上しています。
上記契約に基づき、当社グループが提携企業から契約の対価として契約一時金及びマイルストン等を受領する場合、契約での取決め及び取引の経済実態に照らし、これらの契約の対価をライセンス供与、共同開発活動または共同販促活動のいずれかに配分しています。
① ライセンス供与
上記「(4)収益の認識 ②ライセンス供与による収益」に従い、売上収益として計上しています。契約での取決め及び取引の経済実態に照らし、顧客との契約から生じる収益に該当しない場合、その他の源泉から生じる売上収益に区分しています。
② 共同開発活動
当社グループは、共同開発に配分した対価を共同開発活動の進捗に応じて、研究開発費の戻入として計上しています。
③ 共同販促活動
当社グループは、共同販促に配分した対価を共同販促活動の進捗及び成果に応じて、その他の収益または関連する費用(売上原価、販売費及び一般管理費)の戻入として計上しています。
抗がん剤「レンビマ」に関するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとの戦略的提携
2018年3月、当社は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下、「米メルク社」という。)と抗がん剤「レンビマ」に関してがん領域における戦略的提携に合意しました。本契約に基づき、両社は、「レンビマ」の単剤療法、ならびに米メルク社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(一般名)との併用療法における共同開発と共同販促を行います。
本契約における当社グループの会計処理は次のとおりです。
・本提携以降、当社グループは、「レンビマ」の販売に係る売上収益及び売上原価を計上します。また、当社グループで発生した「レンビマ」の販売費及び一般管理費に加え、当社グループが米メルク社に支払う「レンビマ」の折半利益を販売費及び一般管理費に計上します。
・当社グループは、「レンビマ」の単剤療法及びペムブロリズマブとの併用療法に関する研究開発費についても、米メルク社と折半します。ただし、折半した後の研究開発費のうち、当社グループが負担する研究開発費の償還として、契約締結時に米メルク社より450百万米ドルを受領し、預り金に計上しました。当社グループは、「レンビマ」に係る当社グループが負担する研究開発費が発生する都度、当該預り金を取り崩し、研究開発費の戻入処理をします。なお、米メルク社から受領した預り金全額の取り崩しが完了しています。
・本契約に基づき、当社グループは、米メルク社から受領する契約一時金、特定のオプション権行使に係る一時金及び販売マイルストンを、ライセンス供与に対する対価に配分します。また、開発マイルストンについては、当該マイルストンそれぞれの内容に応じて、ライセンス供与または共同開発活動に対する対価に配分します。
アルツハイマー病治療剤「レケンビ」に関するBiogen Inc.(米国)との戦略的提携
当社は、Biogen Inc.(以下、「バイオジェン社」という。)と締結したアルツハイマー病治療剤「レケンビ」(一般名:レカネマブ)に関する共同開発・共同販促契約に基づき、当社が開発および薬事申請をグローバルに主導し、当社の最終意思決定権のもとで、当社とバイオジェン社が共同商業化・共同販促を行います。
本契約における当社グループの会計処理は次のとおりです。
・本提携以降、当社グループは、販売承認取得後の地域における「レケンビ」の販売に係る売上収益及び売上原価を計上します。また、当社グループで発生した「レケンビ」の販売費及び一般管理費に加え、当社グループがバイオジェン社に支払う折半利益を販売費及び一般管理費に計上します。なお、折半利益がマイナスとなりバイオジェン社から受領する場合は、販売費及び一般管理費の戻入として計上します。
・「レケンビ」に係る研究開発費は、当社グループとバイオジェン社で折半し、当社グループの負担金額を研究開発費に計上します。また、販売承認取得前の地域における共同商業化費用についても両社で折半し、当社グループの負担金額を販売費及び一般管理費に計上します。
・当社が「レケンビ」の導入元であるBioArctic AB(スウェーデン)に支払うマイルストンについてもバイオジェン社と折半し、当社負担金額を無形資産として計上します。当該無形資産の償却費は、売上原価として計上します。
アルツハイマー病治療剤「Aduhelm」に関するバイオジェン社との戦略的提携
当社は、バイオジェン社と締結したアルツハイマー病治療剤に関する共同開発・共同販促契約に基づき、バイオジェン社とアルツハイマー病治療剤「Aduhelm」(一般名:アデュカヌマブ)の共同開発及び共同販促を行ってきましたが、2022年3月に当該共同開発・共同販促契約を見直し、2023年1月1日以降当社が「Aduhelm」の売上に応じたロイヤルティを受領するスキームに変更されました。
これに伴い、2023年1月1日以降当社は「Aduhelm」の売上に応じたロイヤルティを売上収益として計上します。
また、2022年12月31日までの期間の当社グループの会計処理は下記のとおりです。
・各社で発生する「Aduhelm」に係る損益は合算され、地域別の損益配分比率を用いて配分されます。当社には、米国における損益の45%、欧州における損益の31.5%、日本とアジア(中国、韓国を除く)における損益の80%、その他の地域における損益の50%が配分されます。
・「Aduhelm」の販売を開始した米国においては、バイオジェン社が「Aduhelm」の販売に係る売上収益を計上します。当社グループは、当社グループの共同販促活動で生じた費用(販売費及び一般管理費)に、「Aduhelm」に係る営業損益(研究開発費を除く)の当社グループ帰属分を加えた金額を売上収益として計上します。なお、当該金額がマイナスとなる場合は、販売費及び一般管理費に計上します。
・当社グループは、「Aduhelm」に係る研究開発費の45%を当社グループの負担金額として研究開発費に計上します。また、販売承認取得前の地域における共同商業化費用について、上記の地域別の損益配分比率に応じた当社グループの負担金額を販売費及び一般管理費に計上します。
・当社グループは、バイオジェン社が「Aduhelm」の導入元であるNeurimmune社(スイス)に対して支払うマイルストンについても、上記の地域別の損益配分比率に応じて負担し、当社負担金額は無形資産として計上します。当該無形資産の償却費は、売上原価として計上します。
抗体薬物複合体「MORAb-202」に関するBristol Myers Squibb(米国)との戦略的提携
2021年6月、当社は、Bristol Myers Squibb(以下、「BMS社」という。)と抗体薬物複合体「MORAb-202」に関してグローバルな独占的戦略的提携契約を締結しました。本契約に基づき、両社は、「MORAb-202」について、コラボレーションテリトリーにおける共同開発及び共同商業化を行います。また、コラボレーションテリトリー以外の地域については、BMS社が単独で開発及び商業化を行います。
BMS社は、当社に対し、契約締結時に一時金として650百万米ドルを支払いました。そのうち、200百万米ドルが、契約締結日以降の当社の本剤に関する研究開発費に充当されます。また、当社は、開発、薬事及び販売マイルストンの達成により最大で2,450百万米ドルを受け取ります。すべての開発、薬事及び販売マイルストンを達成した場合には、契約締結時の一時金を含め、最大で総額3,100百万米ドルが当社に支払われます。
本契約における当社グループの会計処理は次のとおりです。
・本提携以降に発生する「MORAb-202」に係る研究開発費は、当社グループとBMS社が共同で負担します。当社グループは、本契約に基づき、当社グループの負担金額を研究開発費に計上します。
・当社グループが負担する研究開発費の償還として、契約締結時にBMS社より受領した200百万米ドルを預り金として計上しました。当社グループは、「MORAb-202」に係る当社グループが負担する研究開発費が発生する都度、当該預り金を取り崩し、研究開発費の戻入処理をします。
・本契約に基づき、当社グループは、BMS社から受領する契約締結時の一時金(研究開発費の償還金を除く)及び販売マイルストンをライセンス供与に対する対価に配分します。また、開発及び薬事マイルストンについて、当該マイルストンそれぞれの内容に応じて、ライセンス供与または共同開発活動に対する対価に配分します。
(6) 研究開発費
① 研究費
当社グループは、研究活動(共同研究及び委託研究を含む)に係る支出を研究開発費として認識しています。
② 開発費
当社グループは、開発活動に係る支出が自己創設無形資産の要件を満たした場合に、当該支出を無形資産として認識しています。当社グループの社内発生開発費は、承認が得られないリスク及び開発が遅延または中止となるリスクがあるため、自己創設無形資産の要件を満たしておらず、研究開発費として認識しています。
他社から取得した仕掛中の研究開発投資については、無形資産として認識しています。
また、共同研究開発契約等により、当社グループが提携企業から開発負担金を受領した場合は、当該開発負担金
を開発活動の進捗に応じて、研究開発費から差し引いています。
(7) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループの退職後給付制度は、確定給付型制度と確定拠出型制度があります。
確定給付型制度においては、各連結決算日に実施する年金数理計算で予測単位積増方式を使用して当期勤務費用を算定し、費用として認識しています。当期に発生したすべての数理計算上の差異は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素として認識後、利益剰余金に振り替えています。退職後給付に係る負債または資産は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しています。確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としています。
確定拠出型制度においては、従業員が受給権を得る役務を提供した時点で当社グループの拠出額を費用として認識しています。
② 解雇給付
当社グループは、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、または従業員が給付と引き換えに自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。当社グループは、(a)当社グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時、または、(b)当社グループが、解雇給付の支払いを伴うリストラクチャリングに係るコストを認識した時のいずれか早い方の日に解雇給付を費用として認識しています。従業員に対して自発的退職を奨励する募集を行った場合、当社グループの申し出を受け入れると予想される従業員数に基づいて解雇給付を測定しています。
(8) 株式報酬費用
① ストック・オプション制度
当社は、2013年3月期まで取締役、執行役及び使用人の一部に対して、持分決済型の株式報酬(ストック・オプション)を付与しています。
当社グループは、ストック・オプションの対価として受領したサービスは費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。当該費用は、付与日において適切な価格モデルにより評価されたストック・オプションの公正価値であり、制度の権利確定期間まで、定額法により費用として認識されます。この評価に際しては、最終権利確定時の失効率を見積っており、その見積りを修正した場合は、残りの権利確定期間にて調整を行っています。
② 業績連動型株式報酬制度
当社は、2014年3月期より当社株式を業績に応じて毎年、執行役に交付する業績連動型株式報酬制度を導入しており、2024年3月期より当該制度を改定しています。当社グループは、受領したサービスの対価を、付与する当社株式の公正価値を参照して測定しています。算定されたサービスの対価は費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。
なお、上記の業績連動型株式報酬制度には該当しませんが、当社は2024年3月期より当社の取締役の報酬制度を改定し、取締役の報酬等は定額の基本報酬のみとし、その一部を株式で支払うものとしています。当社グループは、受領したサービスの対価を、付与する当社株式の公正価値を参照して測定しています。算定されたサービスの対価は費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。
(9) 法人所得税
法人所得税は当期税金費用及び繰延税金費用の合計金額です。
① 当期税金費用
当社グループは、当期の課税所得に基づき当期税金費用を認識しています。税額の算定には連結決算日において制定され、または実質的に制定されている税率を用いています。未収法人所得税及び未払法人所得税は、税務当局から還付もしくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定しています。
② 繰延税金費用
当社グループは、税務上と会計上の資産及び負債の金額に係る一時差異に対して、資産負債法により繰延税金費用を認識しています。原則として、繰延税金負債はすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は、将来減算一時差異が利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しています。ただし、次の一時差異に係る繰延税金資産及び負債は認識していません。
・のれんから生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初の認識により生じる一時差異
連結子会社及び持分法適用会社への投資に関する将来加算一時差異に係る繰延税金負債は、一時差異の解消時期を当社がコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識していません。
また、連結子会社及び持分法適用会社への投資に関する将来減算一時差異に係る繰延税金資産は、予測可能な将来の期間に当該一時差異が解消し、かつ、当該一時差異からの便益を利用できる十分な課税所得が生じる可能性が高い範囲でのみ認識しています。
繰延税金資産及び負債は、連結決算日において制定され、または実質的に制定されている法令に基づき、関連する一時差異が解消される時に適用されると予想される税率を使用して算定しています。
当社または連結子会社が未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的権利を有し、かつ企業が純額により決済することを意図する場合、繰延税金資産及び負債を相殺表示しています。
(10) 有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接要した費用、資産除去及び原状回復費用の見積金額の現在価値を含めています。また、一定の要件を満たした場合、資産の取得や建設などに直接起因した借入コストを当該資産の取得原価の一部として認識しています。
減価償却費は、資産の残存価額控除後の取得原価を償却するために、定額法により見積耐用年数にわたって認識しています。見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、連結決算日に見直し、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間及び将来の期間において認識しています。
主な見積耐用年数は次のとおりです。なお、使用権資産の詳細は、「(18) リース」に記載しています。
・建物 15~50年
・機械装置 5~20年
・使用権資産 3~20年
有形固定資産の売却または除却から生じる損益は、その他の収益またはその他の費用として認識しています。
(11) 無形資産
当社グループは、無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しています。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しています。企業結合で取得した無形資産は、取得時点の公正価値で測定しています。
償却費は、定額法により見積耐用年数にわたって認識しています。見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、連結決算日に見直し、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間及び将来の期間において認識しています。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・販売権 5~15年
・技術資産 20年
・ソフトウェア 5年
当社グループが取得した仕掛中の研究開発投資の会計処理は、次のとおりです。
① 個別に取得した仕掛中の研究開発投資(In-process research and development project:IPR&D資産)
当社グループは、個別に取得した仕掛中の研究開発投資を、以下の認識要件を満たした場合に資産として認識しています。
・将来の経済的便益をもたらす蓋然性が高いこと
・取得原価について信頼性をもって測定できること
他社から仕掛中の研究開発投資を取得する際の支出(契約一時金及びマイルストン)は、上記の認識要件を満たしているため、IPR&D資産として認識しています。
当社グループの取得後のIPR&D資産に対する社内発生開発費は、研究開発費として認識しています。
IPR&D資産は、販売可能となった時点で販売権に振り替え、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。見積耐用年数は、関連する特許権の法的保護期間などを考慮したキャッシュ・フローの予測期間に基づいて決定しています。
② 企業結合で取得した仕掛中の研究開発投資
企業結合により取得し、のれんとは区別して認識される仕掛中の研究開発投資は、上記①に記載された無形資産の認識要件を満たしています。そのため、当社グループは、当該研究開発投資を取得日の公正価値で測定し、IPR&D資産として認識しています。
IPR&D資産は、販売可能となった時点で販売権に振り替え、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。見積耐用年数は、関連する特許権の法的保護期間などを考慮したキャッシュ・フローの予測期間に基づいて決定しています。
(12) 有形固定資産及び無形資産の減損
当社グループは、各会計期間末に有形固定資産及び無形資産の減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候がある場合には、減損テストを実施しています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、毎年一定の時期及び減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。
減損テストでは、回収可能価額を見積り、帳簿価額と回収可能価額の比較を行います。回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方です。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことによって算定しています。資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しています。
(13) のれん
当社グループは、企業結合で発生したのれんを支配獲得日(取得日)に資産として認識しています。のれんは、移転対価の公正価値、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日の公正価値の合計が、支配獲得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定されます。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、その差額は損益として認識しています。
のれんは、企業結合によるシナジーを享受できると見込まれる資金生成単位または資金生成単位グループに配分しています。のれんは償却していませんが、のれんを配分した資金生成単位または資金生成単位グループについては毎年一定の時期及び減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、その差額を減損損失として認識しています。
(14) 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産を取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しています。取得原価は総平均法により評価しています。正味実現可能価額は、棚卸資産の見積販売価額から製品完成までのすべての製造費用及び販売費用を控除した後の金額です。
(15) 金融資産
① 金融資産の分類
当社グループは、すべての金融資産を当初認識時において、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(以下、「FVTOCI金融資産」という。)、損益を通じて公正価値で測定する金融資産(以下、「FVTPL金融資産」という。)に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当社グループは、以下の条件をともに満たす負債性金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を保有目的とする事業モデルの中で保有している
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが特定の日に生じる
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価から減損損失累計額を控除した金額で認識しています。
(b) FVTOCI金融資産 (負債性金融資産)
当社グループは、以下の条件をともに満たす負債性金融資産を、FVTOCI金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方によって保有目的が達成される事業モデルの中で保有している
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが特定の日に生じる
当該金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識しています。当初認識後の公正価値の変動及び認識の中止に係る利得または損失をその他の包括利益において認識しています。
(c) FVTOCI金融資産 (資本性金融資産)
当社グループは、すべての資本性金融資産をFVTOCI金融資産に指定しています。
当該金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識しています。当初認識後の公正価値の変動及び認識の中止に係る利得または損失をその他の包括利益において認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、利益剰余金に振り替えています。
当該金融資産に係る受取配当金は、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて、配当受領権が確定した時点で金融収益として認識しています。
(d) FVTPL金融資産
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びFVTOCI金融資産に分類されない負債性金融資産を、FVTPL金融資産に分類しています。
FVTPL金融資産は、公正価値で当初認識し、当初認識後の公正価値の変動及び売却損益は金融損益として認識しています。
② 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びFVTOCI金融資産(負債性金融資産)について、予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しています。当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、その損失評価引当金を12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かにかかわらず、損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
金融資産に係る損失評価引当金の繰入額は、損益で認識しています。また、損失評価引当金を減額する事象が生じた場合は、損失評価引当金の戻入額を損益で認識しています。
③ 認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または金融資産を譲渡し、ほとんどすべてのリスクと経済価値が受取人に移転した場合にのみ、金融資産の認識を中止しています。金融資産の認識の中止に係る利得または損失は、償却原価で測定する金融資産及びFVTPL金融資産については損益として認識し、FVTOCI金融資産についてはその他の包括利益として認識しています。
(16) ヘッジ会計
当社グループは、金利スワップ及び先物為替予約等のデリバティブ取引を使用し、金利及び為替レートの変動によるリスクに対処しています。これらのデリバティブは、契約が締結された日の公正価値で資産または負債として認識しています。
当初認識後の公正価値の変動は、ヘッジ対象とヘッジ手段がヘッジ会計の要件を満たさない場合は損益として認識しています。ヘッジ会計の要件を満たす場合の会計処理は、次のとおりです。
① 公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値の変動リスクをヘッジする目的のデリバティブは、その公正価値の変動を損益として認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、損益として認識しています。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的のデリバティブは、ヘッジ対象の公正価値の変動が損益として認識されるまで、その変動をその他の包括利益として認識し、その累計額をその他の資本の構成要素として認識しています。その他の資本の構成要素として認識された金額は、ヘッジ対象の公正価値の変動が損益として認識される場合に、その影響を相殺するよう損益に振り替えています。
(17) 引当金
当社グループは、過去の事象の結果として、合理的に見積り可能な法的または推定的債務を現在の負債として負っており、当該債務を決済するために経済的便益の流出が生じる可能性が高い場合に、引当金を認識しています。
引当金として認識された金額は、連結決算日における現在の債務を決済するために要する支出に関して、リスク及び不確実性を考慮に入れた最善の見積りです。引当金は見積キャッシュ・フローにより測定しており、貨幣の時間価値の影響が大きい場合、引当金の帳簿価額はそのキャッシュ・フローの現在価値で測定しています。割引計算を行った場合、時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しています。
① 売上割戻引当金
当社グループは、販売済の製品及び商品に対する連結決算日以降に予想される売上割戻に備えるため、対象となる売上収益に見積割戻率を乗じた金額を売上割戻引当金として認識しています。主に連結決算日より1年以内に支払うことを見込んでいます。
② 資産除去債務引当金
当社グループは、当社グループが使用する賃借建物及び敷地等に対する原状回復義務及び固定資産に関連する有害物質の除去に備え、過去の原状回復実績及び事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間等を基礎として、各物件の状況を個別に勘案して資産除去費用を見積り、資産除去債務引当金として認識しています。主に連結決算日より1年を経過した後に支払うことを見込んでいます。
③ リストラクチャリング引当金
当社グループは、組織構造改革に関連する費用等をリストラクチャリング引当金として認識しており、主に連結決算日より1年以内に支払うことを見込んでいます。リストラクチャリング引当金は、詳細な公式の計画を有し、かつ計画の実施や公表を通じて、影響を受ける関係者に当該リストラクチャリングが確実に実施されると予期させた時点で認識しています。
(18) リース
① 借手の会計処理
当社グループは、リース取引におけるリース開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しています。
当社グループは、使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額にて表示しています。取得原価には、リース負債の当初測定額、資産の取得に直接要した費用、資産除去及び原状回復費用の見積金額の現在価値を含め、受領済みのリース・インセンティブを控除しています。減価償却費は、定額法により、リース開始日から使用権資産の見積耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方までの期間にわたって認識しています。
リース負債は、リース開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割引いた現在価値で当初測定しています。リースの計算利子率が容易に算定できない場合は、当社グループの追加借入利子率を割引率として使用しています。当初認識後のリース負債は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額しています。また、リース契約の変更や更新があった場合には、事後的な見直しを行い、リースの条件変更を反映するようにリース負債を再測定し、同時に、使用権資産の修正を認識しています。
なお、当社グループは、リース期間が12カ月以内の短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択し、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
② 貸手の会計処理
当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転するリースは、ファイナンス・リースに分類しています。ファイナンス・リースについては、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産を認識し、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。
原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転するものではないリースは、オペレーティング・リースに分類しています。オペレーティング・リースについては、リース料をリース期間にわたり、定額法により収益として認識しています。

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