有価証券報告書-第89期(2024/04/01-2025/03/31)
1.戦略
当社の気候変動に関するリスクおよび機会が事業に及ぼす影響を主に財務面でのインパクトを中心に評価いたしました。当社は主要な展開国においては現地に開発・生産拠点を保有し、気候変動に伴うバリューチェーンの分断に強い体制を築いております。シナリオ分析では、主要なグローバル拠点である日本、中国、ベトナム、米国等を総合し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオ等を参照の上、1.5℃/2℃シナリオと4℃シナリオのそれぞれについて影響を検討しました。TCFDの定義する分類(移行リスク、物理的リスク、機会)に基づき、気候変動が事業に及ぼす可能性のある影響度および現時点での対応は以下の表の通りであります。今後も継続的に分析と評価を進め、多様なシナリオにおいての対策検討を実施するとともに、不確実な将来に向けてのレジリエンスを高めてまいります。
<想定されるシナリオ>
移行リスク及び物理的リスクと機会
当社の気候変動に関するリスクおよび機会が事業に及ぼす影響を主に財務面でのインパクトを中心に評価いたしました。当社は主要な展開国においては現地に開発・生産拠点を保有し、気候変動に伴うバリューチェーンの分断に強い体制を築いております。シナリオ分析では、主要なグローバル拠点である日本、中国、ベトナム、米国等を総合し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオ等を参照の上、1.5℃/2℃シナリオと4℃シナリオのそれぞれについて影響を検討しました。TCFDの定義する分類(移行リスク、物理的リスク、機会)に基づき、気候変動が事業に及ぼす可能性のある影響度および現時点での対応は以下の表の通りであります。今後も継続的に分析と評価を進め、多様なシナリオにおいての対策検討を実施するとともに、不確実な将来に向けてのレジリエンスを高めてまいります。
<想定されるシナリオ>
| 1.5℃/2℃ シナリオ | ・世界的な脱炭素への要求の高まりにより、炭素税導入やプラスチックをはじめとする化石燃料由来原料に対する規制が強化され、脱炭素な過程で生産された原材料や容器包材の仕入、再生エネルギーの使用など、更なる環境配慮を前提とする企業活動への転換が進む |
| ・消費者や小売業者の志向変化により、低カーボンな製造方法により生産された製品や持続性に配慮した調達品の取引や販売が求められる。またその技術革新が進む | |
| 4℃ シナリオ | ・異常気象による台風などの自然災害の激甚化に伴い、想定以上の風水害被害の発生リスクが高まる |
| ・自然災害の激甚化や気温上昇に伴う環境や生態系の変化により、資源の生産や収穫量の減少リスクが高まることで、原材料の枯渇リスクや感染症の発生リスクが高まる | |
| ・紫外線増加や、気温変化により、QOLが悪化することでQOLニーズを満たすヘルスケア製品に対する要望が高まる |
移行リスク及び物理的リスクと機会
| リスク項目 | 事業インパクト | 影響度 | リスク・機会への対応 | |||
| 大分類 | 小分類 | 1.5℃ /2℃ | 4℃ | |||
| 移行 | 政策/規制 | 炭素税の導入 | 世界各国における炭素税の導入により、工場の操業コストや輸送コストの増加 | 中 | - | ・スコープ1,2の排出量削減目標を掲げ、削減活動を推進中 |
| CO2排出量の制限規制の導入(プラスチックや石油由来原料の使用規制や課税など) | 再生原材料の使用の規制や義務化等により調達コストの上昇 | 中 | - | ・プラスチック使用量の削減や循環型素材の使用率増加・容器・包材の簡素化、軽量化・再生原料を使用した容器等への変更 | ||
| 再生エネルギーの使用義務化や使用量増加 | 再生可能エネルギーへの切替えなどに係る電力代上昇に伴うエネルギー調達コストの上昇 | 中 | 中 | ・エネルギー使用量の削減目標を掲げ、削減を推進・再生可能エネルギーへの使用切替や環境配慮型設備への投資を推進 | ||
| 市場 | 原材料価格の上昇 | 世界的な環境配慮対応型原材料の供給不足や、炭素税の適用による原材料への価格転嫁等による原材料調達コスト価格の上昇 | 中 | 大 | ・分散調達、代替原材料の検討とその品質への影響評価 | |
| リスク項目 | 事業インパクト | 影響度 | リスク・機会への対応 | |||
| 大分類 | 小分類 | 1.5℃ /2℃ | 4℃ | |||
| 物理 | 慢性 | 平均気温上昇 | 天然原材料の供給不足などの影響で調達コストが上昇 | 中 | 中 | ・分散調達、代替原材料の検討とその品質への影響評価 |
| 海面の上昇 | 調達先を含めた低海抜拠点の工場やオフィスが浸水し、操業停止などの甚大な影響が出る | 小 | 小 | ・現時点で当社グループ内拠点における影響はないと考えられる ・取引先の状況把握に努める | ||
| 水使用の逼迫 | 地下水を利用した生産地域における地下水の枯渇により、水の使用が困難になった場合、取水排水制限の導入や調達コストの増加による商品の生産制限やコストの増加 | 中 | 中 | ・水使用量に関する定量的な把握を進める・水資源の効率的な使用を推進 | ||
| 急性 | 自然災害による生産機能停止や物流機能の断絶 | サプライチェーンの寸断による調達および供給が停止し、販売機会の損失により収益が減少 | 大 | 大 | ・BCPの見直し・分散調達の推進ならびに在庫水準の適正化 ・サプライヤーおよび販売代理店との緊密な連携 | |
| 機会 | 市場 | 消費者ニーズ・行動の変化 | 環境に配慮した製品のニーズ拡大に伴う売上拡大と、企業の環境配慮に対する市場からの評価向上 | 中 | 中 | ・環境、生態系への影響に配慮した製品の開発・外部評価機関と連携した環境影響の評価指標の開発 |
| 慢性 | 平均気温上昇 | 日やけ止め、シミ対策商品など紫外線対策関連ニーズの拡大。また年間における最需要期の長期化による売上拡大 | 中 | 大 | ・日やけ止めにおける技術開発の推進・化粧品、内服を含めた対策商品の開発検討 | |