有価証券報告書-第109期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 16:42
【資料】
PDFをみる
【項目】
125項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、Santenグループ※が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
Santenグループは、2020年までの長期的な経営ビジョン「Vision2020」において「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」の実現に向けて、研究開発活動や事業開発などへの成長投資を積極的に実施するとともに、高い市場成長が見込まれるアジア、EMEAでの事業展開を積極的に推進してきました。
「Vision2020」の実現に向けては、①真の顧客ニーズに対応する製品を迅速に創出、②国内事業の新たな事業展開への変革、③アジアへの積極展開とEMEA・米国への参入、④グローバルな製品供給・信頼性保証体制の確立、⑤創造と革新を担う人材と組織力強化を5つの道筋と定め、中期経営計画において具体的な活動プランを立案・実行してきました。
創業130周年を迎えた当連結会計年度において、眼科領域におけるスペシャリティ・カンパニーとして、世界の人々の目の健康に関する社会的な課題の解決において無くてはならない存在であり続けるため、2030年とその先の世界を見据え、新たな長期ビジョンを策定しました。
Santenグループが目指す理想の世界「WORLD VISION」と、その実現を目指し、2030年とその先にSantenグループのありたい姿を示した「Santen’s VISION」、そしてそのための「STRATEGY」及び「GOAL」から構成される「Santen 2030」を掲げています。Santenグループは、「天機に参与する」という基本理念を固持しながら、新たな長期ビジョンのもと、Social Innovatorとして、人々の目の健康に関する社会的な課題の解決を通じ、「見る」を通じた人々の幸せの実現に貢献してまいります。
※当社(Santen)及び当社の関係会社
(2)環境認識
世界では、少なくとも22億人が視力障がいや失明に至っており、そのうち10億人以上は未治療、若しくは未然に防げたとされています。アジアを中心とした世界的な人口増加や高齢化に加え、世界各国の経済発展により、加齢や生活習慣病による目の疾患はますます増加することが予想されます。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって社会におけるITツールの浸透が加速したことも影響し、長時間のデジタル機器使用に起因する目のストレスや近視等、何らかの支障をきたす人はこれまで以上に増えることが懸念されます。
一方、ライフサイエンス業界においても、この10~20年で大きな変化が見込まれています。より個人にカスタマイズされたサービスや、人々の健康・ウェルネスへの関心の高まり、AI・IoT・自動化等の技術革新、さらには細胞・遺伝子・電子デバイス等、目の課題に対する新たなソリューションが期待されています。
このような環境変化に鑑み、Santenグループは世界における目の社会課題にいかに対峙すべきか、目を専門とする私たちが果たすべき役割は何か、どのように社会に貢献できるのかという課題認識のもと、新長期ビジョンを策定しました。
(3)新長期ビジョン「Santen 2030」
Santen 2030は、Santenグループが目指す理想の世界「WORLD VISION」の実現を目指し、2030年とその先に向けてSantenグループのありたい姿を示した「Santen's VISION」、そしてそのための「STRATEGY」、及び「GOAL」から構成されます。
Santen's VISION
:WORLD VISIONの実現を目指し、2030年とその先に向けてSantenグループのありたい姿
0102010_001.jpg
Santenグループは、眼科領域での強みに加え、世界中の技術や組織・人材をつなぎ、社会に価値あるイノベーションをもたらすことで、「見る」を通じた人々の幸せを実現するSocial Innovatorとなることを目指します。
STRATEGY
:Social Innovator としての3つの戦略
0102010_002.jpg
A. Ophthalmology
眼科医療のイノベーション及び眼科医療エコシステムの発展加速
A1.眼科医療のイノベーション:
医薬品やデバイスの新製品創出はもちろんのこと、細胞治療や遺伝子治療等の革新的な治療アプローチへの取り組みに加えて、製薬企業としての枠を越え、患者さん起点で眼科医療ソリューションの開発と提供に取り組むことにより、眼の疾患からの解放と患者さんの生活の質向上を目指します。
A2.眼科医療エコシステム※の発展加速:
眼科薬やサージカルデバイスの開発、販売、安定供給により、増大するメディカルニーズを充足させていくことに加え、眼科医療エコシステムの質的・量的充実や社会的効率の向上をステークホルダーとの連携のもとに推進してまいります。
※眼科医療エコシステムとは、眼科医療の提供に寄与するさまざまな関係者の集合体とそれらが有機的に機能する連携関係のことです。
B. Wellness
より良い眼の状態に向けた重要性認識向上とアイケアの推進
昨今、人々の健康への意識の高まり、病気の発症・重症化予防の促進、医療周辺産業の規制緩和によるヘルスケア産業の振興が進展しています。一方で、眼に関しては、重要性に対する認識不足、疾患検出遅延による重症化、疾患認定されていない眼の不具合の蔓延といった課題があります。
SantenグループはSocial Innovatorとして、まずは「見える」ことが、日々の生活や人生において大切なものであることを、社会と人々に認知・理解してもらうことが重要だと考えます。そのうえで、デジタル技術を活用した、疾患の早期発見、目の健康維持・向上を促す製品やサービス、目の健康に対するリスクの予測・可視化等を図りながら、人々のライフステージに応じて「早期発見」と「より良い目の状態の追求」を推進してまいります。
C. Inclusion
視覚障がいの有無にかかわらず交じり合い・いきいきと共生する社会の実現
Santenグループは、Social Innovatorとして、視覚障がいの有無にかかわらず、全ての人々が交じり合い、いきいきと共生する社会を実現したいと考えています。そのために、視覚障がいに対する人々の認知・理解の向上、ともに楽しみ・価値観を共有できる取り組みの推進、視覚障がいの方のQOL向上に向けて、デジタル技術を中心とした新たなソリューション探索等を推進してまいります。
GOAL
:眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指す
Santenグループは、WORLD VISIONの実現を目指し、Social Innovatorとして、人々の目の健康に関する社会的な課題の解決を通じ、「見る」を通じた人々の幸せの実現に貢献してまいります。
(4)中期経営計画「MTP2025」及び目標とする経営指標
2021年度から2025年度までの新たな中期経営計画「MTP2025」を策定し、2021年5月に公表しました。中期経営計画においては Santen's VISION の実現に向け、2025年度までに真のグローバル医薬企業への変革を図り、基盤事業の価値最大化とそれをテコにした新規事業・新規領域への参入を図ります。そして、その先の2030年に眼科医薬品においては、米国を含めて基盤事業を盤石化し、さらに従来の医薬品以外の新規技術や自由診療の分野へと事業を拡大しつつ、事業モデルの進化を図り、「見る」を通じて人々の幸せに貢献していきます。
1.MTP2025で取り組んでいく経営テーマ
2025年度までにグローバル化の深化・新規領域への参入を達成するため、以下のとおり、眼科領域で培ってきた強みを核にした医薬品事業のグローバルプレゼンス・収益力強化を図ります。
・量から質の戦い
-既存アセットを着実に収益化
・新規パイプラインの充実 + ライフサイクルマネジメントの徹底
-地域展開や適応拡大、特許切れ対策徹底
・真のグローバル企業への変革
-グローバルでの組織・プロセス最適化
-グローバル体制構築に向けた設備投資
2.2025年の目標
製薬業界上位1/2の水準のTSR(トータル・シェアホルダーズ・リターン)実現に向けて、2025年を目標とする以下の経営指標を定めています。
売上収益3,150億円以上
営業利益率21%以上
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)13%以上
海外売上収益比率50%以上

3.株主還元方針
株主還元については、経営の最重要事項と位置付けており、配当は配当性向40%以上を目途に利益成長とともに段階的増配を行います。また、一定期間留保した余資は、自己株式の取得により機動的に還元していきます。
4.ESG戦略/施策
4つのマテリアリティに注目し、基本理念のもと、社会の持続的な発展に貢献するとともに、持続的な成長を目指します。
①社会的意義(Happiness with Vision)ある製品・サービスの開発・安定的供給
-Ophthalmology, Wellness, Inclusionの3つの柱にそった製品・情報・サービスの充実
-責任のあるサプライチェーン、安全性監視、顧客サービスの充実
-貢献患者数6,000万人以上*1目標
②価値創造を促進する組織風土の醸成
-DE&I*2 ジェンダー・国籍・視覚障がい者を中心とした多様化の推進
③ガバナンスの強化・社会の公正・公平実現への貢献
-中長期的な成長を担保する経営の実効性・多様性・継続したコンプライアンスの遵守・人権の尊重
④地球環境保全
-気候変動対策、環境負荷低減
・Scope1・2、CO2排出量
2025年度:25%削減
2030年度:50%削減
-点眼容器のバイオマスプラスティック化
2030年度:点眼容器プラスティック材料に対して、60%のバイオマスプラスティック使用
*1 JMDCの弊社医療用医薬品毎の延べ推計患者数及び弊社出荷データを基に算出した2019年度における(疾患領域:炎症・アレルギー、角膜、緑内障、白内障)推算される延べ貢献患者数は約4,300万人
*2 Diversity Equity & Inclusion
(5)財務戦略
財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。
2021年度を起点とする中期経営計画「MTP2025」においても、成長性、効率性、健全性、将来の成長のための内部留保、株主還元を最適化することで、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)の向上に取組むことは変わりありません。
特に、成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、次世代ERPを含めたデジタルや情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。案件如何では負債の活用を検討しますが、その場合においても信用格付A+(R&I)を維持できることを意識して、財務基盤の安定性は確保してまいります。
(6)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する取り組み
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、Santenグループでは「天機に参与する」という基本理念に則り、眼科治療薬を世界中の患者さんにお届けし続けること、社会に貢献するライフサイエンス企業の一員としてウイルス拡散に繋がる活動を自粛すること、このような非常事態においても将来の眼科医療のイノベーションに向けた取り組みを継続すること、これらを最優先事項と位置付け、世界各拠点においてそれぞれの地域の規制やガイダンスに則り、以下のとおり、最大限の策を講じています。
<製品の安定供給に関連する取り組み>・工場における安全確保(マスク・アルコール消毒等の衛生環境の整備、検温、従業員同士の適切な距離確保の徹底)
・製品に関する、中間品及び原材料などの在庫水準の維持
・製品製造に関わる内勤者については、テレワーク環境下で業務遂行できる環境を整備
<ウイルス拡散防止に向けた取り組み>・出張の原則禁止
・内勤者は原則テレワーク勤務
・世界各拠点の全社員に対し、マスク・ゴーグルなどの物資を提供
・ウイルスから身を守るための基本的な方法についての教育・周知徹底
<眼科医療のイノベーションに向けた取り組み>・進行中の臨床試験、申請業務の継続に向けた安全確保と当局との話し合い
・研究所における安全確保(マスク・アルコール消毒等の衛生環境の整備、検温、従業員同士の適切な距離確保の徹底)
・テレワーク環境下で医療従事者への情報提供を実施する体制への移行
<その他>・代表取締役社長兼CEOを委員長とした危機管理委員会を組織し、日本及び世界各拠点の状況をモニターし、対応の検討・指示を実施
・感染の拡大・長期化する事態を想定したパンデミックBCPの策定
・特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会が開設した、視覚障がい者向けの電話相談窓口「視覚障がい者ならどなたでも!おたすけ電話相談窓口」へのサポート
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下での新たな生活様式において増加が懸念される目の不具合について、眼科のスペシャリティ・カンパニーとして、解消に向けた情報発信を強化
・最新のテクノロジー、デジタルツール等を活用した、業務継続性を最大限担保する安全・衛生的な職場環境、多様な働き方を構築
・地球環境に対する負荷を軽減し、持続可能性を高めた新たな仕事のやり方の創造

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。